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男の調教の見方

■ 調教の考え方

超回復を狙う・・・競走馬の調教は陸上競技の練習と考え方は同じ

私が競馬専門紙や雑誌の調教欄をチェックするときに、一番注目するのは調教間隔です。
調教は競走馬を鍛え上げるトレーニングですから、私達がスポーツ競技でトレーニングすること基本的に同じであると考えています。
競走馬の調教と類似しているのが陸上競技選手の練習です。
練習スケジュールは週2〜3日ハードトレーニングを実施して、他の日はストレッチ等の軽運動と完全休息日となります。
これは、ハードトレーニングによって筋肉の超回復を狙って記録向上を狙っているからです。
筋肉は鍛えられると、一度破壊されます。これが筋肉痛です。
筋肉痛は筋肉が強くなるという信号であり破壊された筋肉は復活しようとします。
面白いことに前よりもより強 くなって復活しようとするのです。これを超回復と呼びます。
超回復が起こる状態を作れば筋肉は発達しますが度が過ぎるとオーバートレーニングという状態に陥ってしまい筋肉は発達するどころか怪我になります。
トレーニングの刺激に対する反応の仕方は誰でも同じです。
但し、結果が出るまでの時間や,結果の現れ方は遺伝子により個人差があります。
筋肉はストレスに対して非常に限定的に適応します。
短距離選手は短距離で瞬発力を発揮するトレーニング、長距離選手は長距離で持久力を鍛えるトレーニングを行います。
短距離と長距離のトレーニングを一緒に実施すると思ったように力がつきません。
筋肉はトレーニングすれば発達しますが、トレーニングをやめると低くなったストレスレベルに合わせて筋力低下が発生します。
一度筋肉をつけてから筋力が低下した場合もとの力に戻るのは,
マッスルメモリ効果で初めてそこまで筋力をつけるよりも容易であると言われています。
人間の筋肉トレーニング方法を眺めると、競走馬の調教も共通点があると考えます。
追 い切りで実戦と同じハードトレーニングを積んで、翌日軽運動のみとして、レース当日に超回復を狙って馬を仕上げます。
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■ 有酸素運動・無酸素運動

これが有酸素運動と無酸素運動の違いです!!

  無酸素運動 有酸素運動
人 間 ダッシュ・重量上げ ジョギング・水泳
競走馬 坂路調教・一杯調教 ウッド調教・馬ナリ調教

 わかりやすく人間で考えてみましょう。短距離の選手とマラソン選手とではトレーニングの質が全く違います。
 短距離選手は全力疾走でのスピードと、その持続力を鍛え、マラソン選手は一定速度を長時間保てる持久力を鍛えるわけです。

 これを競走馬に置き換えると、坂路調教や一杯調教は短距離選手が行うトレーニングに、ウッド調教や馬ナリ調教はマラソン選手が行うトレーニングにあたります。
 そして、レースがどっち寄りになるかで、「走れる」「走れない」が決まって来るのです。
 たとえば、安田記念、秋華賞、阪神ジュベナイルフィリーズなどは、坂路調教馬ばかりが来ます。
 つまり、これらのレースは無酸素運動が多く求められる「短距離的な質を持ったレース」だと言えます。

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■ 調教の内容を表す言葉=「調教コース」と「調教タイプ」

「調教コース」

・トラック ウッド、芝、ダートのみの調教。有酸素運動の強化
・坂路 坂路のみの調教。無酸素運動の強化
・併用 コースと坂路の両方を使った調教。有無酸素をバランス良く強化
・トラック主体 トラックと坂路を併用しているが、坂路が全体の3割に満たない調教。有酸素運動寄り。
・坂路主体 トラックと坂路を併用しているが、トラックが全体の3割に満たない調教。無酸素運動寄り。

「調教タイプ」

・スパルタ 「一杯」中心で本数多い。 調教タイプのイメージ
・一杯平均 「一杯」中心で本数平均。
・急仕上げ 「一杯」中心で本数少ない。
・標準多め 「強め」中心で本数多い。
・標準 「強め」中心で本数平均。
・標準少め 「強め」中心で本数少ない。
・乗込 「馬ナリ」中心で本数多い。
・馬ナリ平均 「馬ナリ」中心で本数平均。
・軽目 「馬ナリ」中心で本数少ない。
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■ 坂路時計の基準

好タイムの基準

美浦 栗東
タイム ラップ タイム ラップ
4F 61.0 3-4F 14.5 4F 60.0 3-4F 14.5
3F 45.0 2-3F 14.5 3F 44.0 2-3F 14.5
2F 29.0 1-2F 14.5 2F 29.0 1-2F 14.5
1F 14.5 1F 14.5

上記表のどこか一つが好タイムなら検証の対象。
4F=60秒 1F=14.5秒が判断の基準。

栗東坂路で好時計が出る馬は、潜在能力が高いので、そのまま買うだけでも的中することが多いのですが、
栗東坂路の持ちタイムが優秀でも、必ず走るわけではありません。
調子が良過ぎて凡走する馬がいるからです。

栗東

栗東・坂路コース 基準タイム 52秒台(4F)〜12秒台(1F)
上がり重点 12秒台前半(1F)
コメント ラスト1Fを12秒台で走れるかがポイントです。
4Fを52秒台で来て,ラストなんとか12秒台で決めてきた馬はかなりの脚を持っています。
ラスト1Fを12秒台前半で決めてきた馬はいいですね。
栗東・CWコース 基準タイム 約78秒(6F)〜約50秒(4F)〜37秒台(3F)〜12秒台前半(1F)
上がり重点 36秒台後半(3F)〜11秒台後半(1F)
コメント 結構いい時計がでるコースです。
6Fを77秒台でとばし,ラスト1Fを12秒台前半とだしてきた馬はなかなかです。
上がり3Fを36秒後半〜11秒台後半でフィニッシュした馬にも注目です。
栗東・DWコース 基準タイム 79秒台(6F)〜約53秒(4F)〜39秒台(3F)〜12秒台後半(1F)
上がり重点 38秒台後半(3F)〜約12秒(1F)
コメント CWコースに比べて時計が出ませんが、ラスト11秒台を出したら注目です。
前半からとばしている場合はラストをなんとか12秒台でフィニッシュできていたら注目ですね。
栗東・Eコース 基準タイム 79秒台(6F)〜約50秒(4F)〜約38秒(3F)〜約12秒半(1F)
上がり重点 約37秒(3F)〜約12秒(1F)
コメント ダートコースなので雨によって大きくタイムが変わりますが、
普通ならダートの割にはいい時計がでるコースです。
目安は,38秒〜12秒台前半です。
栗東・Bコース 基準タイム 79秒台(6F)〜約50秒(4F)〜約38秒(3F)〜約12秒半(1F)
上がり重点 約37秒半(3F)〜約12秒(1F)
コメント ダートコースなので雨によって大きくタイムが変わりますが,
普通で,3Fを38秒台前半で見ていれば大丈夫です。

美浦

美浦・坂路コース 基準タイム 約36秒(3F)〜12秒台前半(1F)
3本追い 約37秒(3F)〜約12秒半(1F)
コメント ラスト1Fを11秒台でフィニッシュした馬は注目です。
3本目に上がり3Fを36秒台できた馬にも注目ですね。
美浦・南Wコース 基準タイム 63秒台(5F)〜約37秒(3F)〜12秒台後半(1F)
上がり重点 36秒後半(3F)〜約12秒(1F)
コメント 基準タイムは5Fを63秒台です。
63秒を割って,ラストを12秒半程度でフィニッシュした馬は相当な馬です。
上がり重点の場合,ラスト1Fを11秒台に食い込んできた馬にも注目です。
美浦・北Cコース 基準タイム 65秒半(5F)〜38秒台後半(3F)〜12秒台後半(1F)
上がり重点 38秒半(3F)〜12秒台前半(1F)
コメント あまりいい時計がでないコースですが、
3Fを37秒台もしくはラスト1Fを11秒台でフィニッシュした馬には,プラス評価を与えてよいでしょう
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■ 競馬新聞の調教欄は時計よりも調教本数を重視

私は調教を観察する場合はタイムよりも、
ハードトレーニングである調教の本数と超回復期間である調教間隔を重視します。
トレーニングサイクルが一定で競走成績が上向きである競走馬の調教が普段通りであれば馬券として狙えます。
実力馬でもトレーニング間隔が不安定で、
調教本数が少ないケースは馬券としては狙い難いです。
穴馬を狙う場合は、調教間隔が不安定で調教本数が少なく、
成績が落ち込んいた競走馬がハードトレーニングを一定サイクルで消化している場合です。
このケースでは足元や腰が甘くて鍛えられない馬が回復してハードトレーニングすることが出来る状態になった訳ことが考えられます。
前走成績で人気薄なることが多く、馬券として妙味があります。
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■ 調教欄の見方

  1. 調教タイムは見ずに、 調教コース、強さ、本数を見る
  2. コース、流れによって、有酸素運動と無酸素運動の要求度は変わる
  3. 調教を見れば厩舎の思惑もハッキリわかる

【例】 03年フェブラリーS ゴールドアリュール

調教欄の見方

中山ダ1800mの重賞(この年だけ中山開催)は、坂路調教が必要不可欠です(併用がベスト)。
また、強い調教があることが条件になります。
これはゴール前に坂があるのと、先行馬同士の脱落戦になるため、無酸素運動が多く要求されるからです。
この時のゴールドアリュールは併用調教。
さらに、中間に「一杯」も行っており、条件を満たします。

結果
着順 馬名
1 ゴールドアリュール
2 ビワシンセイキ
3 イーグルカフェ
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