最後は騎手が勝負を決める? 騎手の能力を考察する。
血統?競走馬の能力?騎乗する騎手の能力?レースを決まるファクターは色々あるが、今回はTARGETを使用して騎手についてあれこれ考察してみたいと思う。

競馬の結果は何によって決まるのか?血統なのか?競走馬の能力か?騎乗する騎手の能力か?この問題は答えのない永遠の謎のように思える。最近、ダービージョッキー(原案:武豊 作画:一色登希彦)という競馬コミックを読む機会があり、その中で「最後は騎手が勝負を決める」というセリフがあった。このコミックを読んでみると、どうにも騎手が最も重要なファクターに思えてくる。というわけで、今回は騎手についてあれこれ考察してみたいと思う。

昨年2004年のリーディングジョッキーベスト50位は以下であった。

表1.2004年の勝利数ベスト50

順位
騎手名
1着
2着
3着
着外
合計
1
武豊  
211
128
101
472
912
2
柴田善臣
145
134
110
551
940
3
安藤勝己
127
97
91
359
674
4
藤田伸二
121
76
83
525
805
5
横山典弘
116
95
74
463
748
6
後藤浩輝
101
98
74
539
812
7
福永祐一
96
81
96
498
771
8
蛯名正義
88
84
57
523
752
9
松永幹夫
83
76
71
498
728
10
中舘英二
81
78
94
639
892
11
四位洋文
74
75
49
426
624
12
北村宏司
65
55
59
566
745
13
池添謙一
64
69
38
489
660
14
田中勝春
64
62
68
588
782
15
武幸四郎
61
63
63
493
680
16
岡部幸雄
60
60
46
405
571
17
本田優 
56
50
40
381
527
18
吉田豊 
56
35
52
463
606
19
幸英明 
52
81
68
602
803
20
木幡初広
48
49
57
514
668
21
秋山真一
48
43
46
502
639
22
勝浦正樹
47
51
56
550
704
23
熊沢重文
46
48
33
477
604
24
岩田康誠
45
44
36
275
400
25
小牧太 
44
45
55
472
616
26
ペリエ 
41
39
33
137
250
27
佐藤哲三
40
54
37
400
531
28
石橋脩 
38
46
45
649
778
29
和田竜二
35
39
47
470
591
30
藤岡佑介
35
22
32
343
432
31
江田照男
33
36
48
591
708
32
赤木高太
31
21
36
452
540
33
大西直宏
29
27
22
264
342
34
松岡正海
28
34
26
422
510
35
芹沢純一
28
30
23
307
388
36
長谷川浩
28
29
53
402
512
37
吉田稔 
27
29
25
280
361
38
岩崎祐己
25
39
31
392
487
39
菊沢隆徳
25
36
37
394
492
40
デムーロ
25
21
20
127
193
41
渡辺薫彦
24
20
22
340
406
42
内田浩一
23
14
17
225
279
43
小野次郎
21
42
50
436
549
44
二本柳壮
21
28
20
408
477
45
バルジュ
20
22
21
140
203
46
小林徹弥
20
21
20
318
379
47
石橋守 
19
31
17
272
339
48
安田康彦
18
24
21
197
260
49
村田一誠
18
18
28
399
463
50
高野容輔
18
16
28
361
423

流石にランキングの上位ともなると超有名超一流の騎手の名前が連なっている。でも、ここで疑問に思うことがある。このリーティングジョッキーというのは年間の勝利回数でランキングをしている。だがこれは騎手の強さ(上手さ?)を計るランキングになるだろうか?そうではないだろう。そもそも騎乗回数がぜんぜん違う。騎乗回数が多ければ多いほど勝利するチャンスも多いわけで、このランキングでは純粋に騎手の上手さは計れない。(騎乗回数が多いということは、それだけ関係者に評価されていることは間違いないのだけど。)それでは、勝率でランキングしなおしたらどうだろうか?この上位50人の騎手について勝率でランキングし直してみた。


表2.2004年勝率ベスト50 (勝利回数ベスト50の騎手のみ対象)

勝率
順位
勝利回数
順位
順位差
騎手名
1着
2着
3着
着外
合計
勝率
連対率
複勝率
1位
1位
0
武豊  
211
128
101
472
912
23.10%
37.20%
48.20%
2位
3位
1
安藤勝己
127
97
91
359
674
18.80%
33.20%
46.70%
3位
26位
23
ペリエ 
41
39
33
137
250
16.40%
32.00%
45.20%
4位
5位
1
横山典弘
116
95
74
463
748
15.50%
28.20%
38.10%
5位
2位
-3
柴田善臣
145
134
110
551
940
15.40%
29.70%
41.40%
6位
4位
-2
藤田伸二
121
76
83
525
805
15.00%
24.50%
34.80%
7位
40位
33
デムーロ
25
21
20
127
193
13.00%
23.80%
34.20%
8位
7位
-1
福永祐一
96
81
96
498
771
12.50%
23.00%
35.40%
9位
6位
-3
後藤浩輝
101
98
74
539
812
12.40%
24.50%
33.60%
10位
11位
1
四位洋文
74
75
49
426
624
11.90%
23.90%
31.70%
11位
8位
-3
蛯名正義
88
84
57
523
752
11.70%
22.90%
30.50%
12位
9位
-3
松永幹夫
83
76
71
498
728
11.40%
21.80%
31.60%
13位
24位
11
岩田康誠
45
44
36
275
400
11.30%
22.30%
31.30%
14位
17位
3
本田優 
56
50
40
381
527
10.60%
20.10%
27.70%
15位
16位
1
岡部幸雄
60
60
46
405
571
10.50%
21.00%
29.10%
16位
45位
29
バルジュ
20
22
21
140
203
9.90%
20.70%
31.00%
17位
13位
-4
池添謙一
64
69
38
489
660
9.70%
20.20%
25.90%
18位
18位
0
吉田豊 
56
35
52
463
606
9.20%
15.00%
23.60%
19位
10位
-9
中舘英二
81
78
94
639
892
9.10%
17.80%
28.40%
20位
15位
-5
武幸四郎
61
63
63
493
680
9.00%
18.20%
27.50%
21位
12位
-9
北村宏司
65
55
59
566
745
8.70%
16.10%
24.00%
22位
33位
11
大西直宏
29
27
22
264
342
8.50%
16.40%
22.80%
23位
14位
-9
田中勝春
64
62
68
588
782
8.20%
16.10%
24.80%
24位
42位
18
内田浩一
23
14
17
225
279
8.20%
13.30%
19.40%
25位
30位
5
藤岡佑介
35
22
32
343
432
8.10%
13.20%
20.60%
26位
23位
-3
熊沢重文
46
48
33
477
604
7.60%
15.60%
21.00%
27位
27位
0
佐藤哲三
40
54
37
400
531
7.50%
17.70%
24.70%
28位
37位
9
吉田稔 
27
29
25
280
361
7.50%
15.50%
22.40%
29位
21位
-8
秋山真一
48
43
46
502
639
7.50%
14.20%
21.40%
30位
35位
5
芹沢純一
28
30
23
307
388
7.20%
14.90%
20.90%
31位
20位
-11
木幡初広
48
49
57
514
668
7.20%
14.50%
23.10%
32位
25位
-7
小牧太 
44
45
55
472
616
7.10%
14.40%
23.40%
33位
48位
15
安田康彦
18
24
21
197
260
6.90%
16.20%
24.20%
34位
22位
-12
勝浦正樹
47
51
56
550
704
6.70%
13.90%
21.90%
35位
19位
-16
幸英明 
52
81
68
602
803
6.50%
16.60%
25.00%
36位
29位
-7
和田竜二
35
39
47
470
591
5.90%
12.50%
20.50%
37位
41位
4
渡辺薫彦
24
20
22
340
406
5.90%
10.80%
16.30%
38位
32位
-6
赤木高太
31
21
36
452
540
5.70%
9.60%
16.30%
39位
47位
8
石橋守 
19
31
17
272
339
5.60%
14.70%
19.80%
40位
34位
-6
松岡正海
28
34
26
422
510
5.50%
12.20%
17.30%
41位
36位
-5
長谷川浩
28
29
53
402
512
5.50%
11.10%
21.50%
42位
46位
4
小林徹弥
20
21
20
318
379
5.30%
10.80%
16.10%
43位
38位
-5
岩崎祐己
25
39
31
392
487
5.10%
13.10%
19.50%
44位
39位
-5
菊沢隆徳
25
36
37
394
492
5.10%
12.40%
19.90%
45位
28位
-17
石橋脩 
38
46
45
649
778
4.90%
10.80%
16.60%
46位
31位
-15
江田照男
33
36
48
591
708
4.70%
9.70%
16.50%
47位
44位
-3
二本柳壮
21
28
20
408
477
4.40%
10.30%
14.50%
48位
50位
2
高野容輔
18
16
28
361
423
4.30%
8.00%
14.70%
49位
49位
0
村田一誠
18
18
28
399
463
3.90%
7.80%
13.80%
50位
43位
-7
小野次郎
21
42
50
436
549
3.80%
11.50%
20.60%

順位が20位以上変動した騎手について色を付けてみた。ペリエ騎手、デムーロ騎手、バルジュ騎手がランキング上位に急浮上した。やはり外国人招待騎手は短期免許のため、1年間の騎乗回数は少なく勝利回数ランキングでは不利だが、勝率となるとランキング上位に浮上する。あらためて、ペリエ騎手、デムーロ騎手、バルジュ騎手が超一流騎手であることが確認できた。

だがこの勝率ランキングにも騎手の騎乗の上手さを計るには疑問が残る。それは騎乗する競走馬の強さが違うという点だ。全ての騎手が同じ競走馬に騎乗しての結果ならこれは騎手の騎乗の上手さを表しているといえるが現実はそうではないだろう。強い競走馬に騎乗する機会の多い騎手は勝利する機会も多くなり勝率も上がるはずだ。このことをも考慮してもっと純粋に騎手の上手さを計る方法はないだろうか?

そこでまずどういった騎手が上手いと言えるのかを考えてみた。
それは「競走馬の持てる能力を120%(能力以上に)引き出せる騎手」ということになるのではないだろうか?しかしそもそも競走馬の能力を計る方程式もないし、JRA-VANデータにも競走馬の能力値なんてない。

そこで少し強引ではあるが、競走馬の能力競走馬の人気に置き換えて考えてみる。 競走馬の人気を基準にして、人気以上の着順となったらそれは騎手の上手さと言えるかもしれない。そこで試しに次の考えでの集計をランキングしてみる。人気より着順の結果がよければプラスとなり、逆に着順が悪ければマイナスのポイントとなるよう人気−着順をポイントとして集計する。例えば、6番人気の競走馬で4着となった場合 6−4=2 で2ポイント、3番人気の競走馬で6着となった場合 3−6=−3 で−3ポイントといった具合だ。これを騎乗回数で割って平均化したものでランキングしてみたものが以下だ。

表3.2004年の「人気-着順の合計/騎乗回数」ベスト50(勝利回数ベスト50の騎手のみ対象)

順位
勝率順位
騎手名
人気-着順
の合計
騎乗回数
人気-着順の合計
/騎乗回数
1位
24位
内田浩一
253
278
0.910
2位
43位
岩崎祐己
435
484
0.899
3位
39位
石橋守 
298
337
0.884
4位
48位
高野容輔
358
420
0.852
5位
40位
松岡正海
369
507
0.728
6位
37位
渡辺薫彦
293
405
0.723
7位
42位
小林徹弥
215
378
0.569
8位
50位
小野次郎
269
546
0.493
9位
47位
二本柳壮
151
475
0.318
10位
44位
菊沢隆徳
142
490
0.290
11位
36位
和田竜二
157
590
0.266
12位
49位
村田一誠
90
463
0.194
13位
25位
藤岡佑介
69
430
0.160
14位
41位
長谷川浩
71
512
0.139
15位
31位
木幡初広
85
666
0.128
16位
18位
吉田豊 
60
604
0.099
17位
30位
芹沢純一
19
388
0.049
18位
27位
佐藤哲三
-8
530
-0.015
19位
33位
安田康彦
-5
260
-0.019
20位
21位
北村宏司
-16
744
-0.022
21位
38位
赤木高太
-94
540
-0.174
22位
45位
石橋脩 
-142
777
-0.183
23位
35位
幸英明 
-152
803
-0.189
24位
14位
本田優 
-106
527
-0.201
25位
26位
熊沢重文
-141
601
-0.235
26位
34位
勝浦正樹
-266
703
-0.378
27位
32位
小牧太 
-243
614
-0.396
28位
13位
岩田康誠
-169
400
-0.423
29位
46位
江田照男
-311
703
-0.442
30位
28位
吉田稔 
-213
360
-0.592
31位
29位
秋山真一
-381
639
-0.596
32位
23位
田中勝春
-467
779
-0.599
33位
17位
池添謙一
-402
658
-0.611
34位
12位
松永幹夫
-449
727
-0.618
35位
20位
武幸四郎
-473
678
-0.698
36位
22位
大西直宏
-264
342
-0.772
37位
16位
バルジュ
-170
203
-0.837
38位
9位
後藤浩輝
-737
810
-0.910
39位
8位
福永祐一
-711
771
-0.922
40位
15位
岡部幸雄
-574
571
-1.005
41位
10位
四位洋文
-631
624
-1.011
42位
5位
柴田善臣
-983
935
-1.051
43位
4位
横山典弘
-872
745
-1.170
44位
11位
蛯名正義
-977
751
-1.301
45位
19位
中舘英二
-1328
891
-1.490
46位
6位
藤田伸二
-1209
803
-1.506
47位
2位
安藤勝己
-1050
670
-1.567
48位
1位
武豊  
-1828
909
-2.011
49位
7位
デムーロ
-397
192
-2.068
50位
3位
ペリエ 
-576
250
-2.304

 

【考察】
最後の表3を集計してみて気がついたのだが、競走馬の能力を人気に置き換えたのは乱暴すぎた。そもそも競走馬の人気とは、競走馬の能力のみが反映さえているものではない。
そこにはもちろん騎手の人気もあるし、厩舎の人気、いろいろな要因が伴って人気が形成されている。武豊騎手の場合、騎乗馬の人気は騎乗馬の実力以外に武豊騎手への評価によって人気が高まっている傾向があるように感じる。この場合このランキング方法では圧倒的に不利になってしまう。(競走馬の能力を120%発揮しようとも、そもそもそのこと自体が期待され人気に反映されているので)その点では表3は騎手の上手さ(競走馬の能力を引き出せるかどうか)をあらわしたものとは言えない。だが、全く意味がないわけではない。

このことを逆に解釈すると、「人気-着順の合計/騎乗回数」がプラスになっている騎手は、ファンの期待(人気)以上の仕事をする(ファンが過小評価している)お買い得な騎手、マイナスになっている騎手はファンの期待(人気)に応えきれない(ファンが過大評価している)買い損な騎手と言えるのではないだろうか?まぁ武豊騎手の場合は毎回期待が大きすぎるのだろうが・・・。

ちなみに今回の集計はTARGET のCSV出力機能 + 表計算ソフトエクセルで行いました。


1着になる騎手

今日は特別に私の秘密資料を公開いたします。
これを見られた方は運が良いと思います。(笑)

競馬予想プログラムを作成している人は、最近は3連単の競馬予想プログラムをメインにしていると思います。
私もその一人なのですが、なぜ3連単のプログラムなのかを簡単にご説明します。
ご存じのように馬券の券種には単勝、複勝、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単があります。
その他にも枠連などという過去の遺物の馬券もあるのですが、儲かりませんので超初心者以外は買いません。

単勝はプロ好みの馬券と言われておりますが、予想が的中しやすい反面もっともリスクがある券種です。
2〜3千円で買っている分にはリスクは感じませんが、配当が低いために競馬のプロは10〜20万で買う事になります。
1着馬が確実そうなレースでも結構波乱が多くて予想が外れる事が多いのです。
大量の資金のある人が手っ取り早く儲けられるのも単勝であり、大損をしてしまうのも単勝なのです。
単勝は完全にギャンブルの世界の馬券で大儲けを狙って素人が手を出すのは危険な馬券であると私は認識しております。

私は今まで馬連の6点予想を中心にして予想プログラムを作成してきまいりました。
数年間に亘って予想結果を検証してきましたが、馬連での競馬必勝方法を確立するのは不可能だろうと思いました。
4割以上の的中率を維持できても回収率が低くて儲からないのです。
それで、それを補うためにプログラムの中に穴馬をピックアップするようにして高配当の配当も的中出来るようにしたりしました。
運良く穴馬が的中できれば高配当が得られますので、年によっては儲かる時もありましたがやはり安定しません。
競馬を長年やっている人ならお分かりだと思いますが、基本的に万馬券を予想する方法はありません。

そこで、安定して高配当が得られる券種は何かと探すと3連単になってしまうのです。
3連単がなぜ高配当になるのかと言うと、組み合わせ数の多さにあります。
組み合わせ数に比較して購入者の購入数が少ないので、ほとんどの人が的中出来ないからです。
競馬は波乱になる場合の方が圧倒的に多く、人気の上位馬の組み合わせや実力の上位馬を組み合わせた程度で的中できるレースは限られてしまいます。

競馬予想のプログラムを作成している人の多くが3連単の予想にシフトしているのは去年に外国のデータ分析会社が競馬で儲けたお金を脱税していたと報道されたのがきっかけになっています。
競馬は儲からないものだと長年信じられてきましたが、ひょっとしたら3連単の馬券には競馬の必勝方法が存在するかも知れないと感じ始めたからです。
競馬予想を行うと言う事は純粋な数学の世界(確率)の事になります。
今まで競馬評論家などで行われていたように、前走のレース内容がどうだったとか、血統がどうだとか調教がどうだとかの断片的なデータで予想できるものではありません。
その程度のデータで的中出来る場合もありますが、外れる場合がほとんどでしょう。
年に数回だけ趣味で馬券を買う人ならそれでも良いでしょうが、毎週競馬をやる人は資金が続かなくなるでしょう。
3連単を的中させようと思ったら、ひたすら数多くの馬券を買う以外に方法はありません。
3連単に限らず、単勝でも複勝でも馬連でも同様なのですが、他の馬券では配当が低くて(JRAの取り分が多いので)必勝法が確立できないのです。
3連単の馬券も予想技術が進歩すればやがては儲からなくなるのでしょうが、ここ数年の間は大丈夫でしょう。

いよいよ本題に入りますが、3連単の場合には1着馬、2着馬、3着馬を正確に的中させなければなりません。
特に1着馬が予想できれば馬券の購入点数は大幅に少なくなりますから、儲かり易くなります。
競馬を予想するには、数多くの条件の中から分析しなければなりませんが、ここでは私が作成した騎手の丸秘データを公開します。
騎手別の1着になる確率(配点)をどのようにして求めようかと考えていた時に思いついたものです。
データが秘密と言うよりも、データの考え方に注目していただきたいと思います。
従来の常識に囚われない発想が必要だと思います。

騎手の能力は通常はレースで勝利した数で表されます。
毎年武豊騎手がトップでしたし、去年は内田博幸騎手がトップになりました。
では、単純に武豊騎手や内田騎手の能力が高いと考えて良いのでしょうか。
確かに能力は高そうですが、ひょっとしたら走る馬(能力の高い馬)に乗せてもらえる影響も相当数あるのではないでしょうか。
良い馬に乗せて貰えない騎手は、評価が極端に下がる事になります。
そのように考えると勝ち数よりも勝率をもっと重視すべきではないのかとか色々考えなければなりません。

私が騎手の能力の高さを評価する基準として考えだしたのは次のような事です。
騎手が1番人気を背負った時に1着になれる数の多い騎手が能力が高いのではないだろうかと言う事です。
1番人気を背負った騎手でなくても2番人気でも3番人気でも同じように思えますが、1番人気を背負った馬が人気通りに勝てる事に意味があると思います。
周りの評価も1番人気馬が惨敗するのと2番人気馬が惨敗するのとでは全く異なります。
2番人気なら冒険も多少できるでしょうが、1番人気の場合は冒険を出来ません。
冒険をしないで勝たなくてはならないのです。
つまりは、能力の低い騎手は1番人気の時に1着にはなれません。

勿論、その時の調教師やオーナーの意向もあって、何としても1着を目指せと言う人と最悪でも3着以内に入るようにと指示する場合もあるでしょう。
本人は1着になる騎乗をしたくても3着以内を外さない騎乗をする場合も中にはあるでしょう。
(競馬は建前上は全馬が1着を目指さなければなりません。)
そんな厩舎情報までは推察できませんので、ここでは1番人気になった騎手がどんな成績を残しているかのデータを公開します。
2009年1月から現在(2010年4月20日)までの結果です。

■2009年度から2010年4月中旬までの1番人気の場合の3着以内の回数と勝率

騎手名 レース数 1着 2着 3着 勝率
江田 照男 20レース 10レース 2レース 4レース 50.0%
秋山 真一郎 49レース 21レース 9レース 4レース 42.9%
武 幸四郎 12レース 5レース 1レース 2レース 41.7%
和田 竜二 67レース 29レース 9レース 11レース 40.3%
熊沢 重文 35レース 14レース 5レース 3レース 40.0%
上村 洋行 25レース 10レース 7レース 1レース 40.0%
川島 信二 20レース 8レース 6レース 0レース 40.0%
福永 祐一 134レース 51レース 33レース 10レース 38.1%
内田 博幸 243レース 89レース 42レース 22レース 36.6%
横山 典弘 187レース 68レース 31レース 22レース 36.4%
川田 将雅 81レース 31レース 15レース 15レース 35.6%
藤田 伸二 169レース 60レース 40レース 15レース 35.5%
四位 洋文 82レース 29レース 16レース 9レース 35.4%
赤木 高太郎 23レース 8レース 1レース 4レース 34.8%
池添 謙一 59レース 20レース 12レース 8レース 33.9%
安藤 勝巳 170レース 57レース 35レース 24レース 33.5%
佐藤 哲三 51レース 17レース 9レース 11レース 33.3%
吉田 隼人 45レース 15レース 8レース 9レース 33.3%
木幡 初広 30レース 10レース 5レース 6レース 33.3%
武 豊 327レース 105レース 71レース 41レース 32.7%
北村 広司 123レース 39レース 32レース 17レース 31.7%
勝浦 正樹 35レース 11レース 7レース 7レース 31.4%
小野 次郎 16レース 5レース 0レース 4レース 31.3%
戸崎 圭太 29レース 9レース 7レース 3レース 31.0%
浜中 俊 75レース 23レース 12レース 15レース 30.7%
蛯名 正義 105レース 31レース 22レース 11レース 29.5%
岩田 康成 205レース 60レース 32レース 30レース 29.3%
小牧 太 84レース 24レース 17レース 14レース 28.6%
田中 勝春 67レース 19レース 16レース 10レース 28.4%
中館 英二 199レース 56レース 35レース 16レース 28.1%
松岡 正海 144レース 40レース 32レース 20レース 27.8%
柴田 喜臣 66レース 18レース 15レース 9レース 27.3%
三浦 皇成 90レース 24レース 17レース 8レース 26.7%
石橋 脩 43レース 11レース 5レース 2レース 25.6%
吉田 豊 63レース 16レース 15レース 7レース 25.4%
幸 英明 53レース 12レース 15レース 6レース 22.6%
後藤 造輝 104レース 23レース 28レース 11レース 22.1%
国分 恭介 46レース 10レース 7レース 7レース 21.7%
丹内 祐次 12レース 2レース 3レース 1レース 16.7%

データ数が50を切る騎手のデータの信頼性は低いと思いますが、参考になる点も多いと思います。
勝ち数ではそれほどでもない和田竜二騎手(15位)や福永祐一騎手(6位)は、1番人気では1着を目指して競馬をしていると考えて良いと思います。
内田騎手(15位)や横山騎手(1位)は勝率が素晴らしく、天才的なジョッキーでしょう。
30%を超える騎手は、平均以上の能力があると考えて良いと思います。
岩田康成騎手は、勝ち数の多い騎手(4位)ですが2,3着が多いですから惨敗は避けたいと言う気持ちがあるのかも知れません。
後藤騎手は勝ち数は毎年上位(5位)ですが、なぜか1番人気の場合の勝率が悪いです。
データ数が少なくて信頼性はないですが、穴男と思われている江田照男騎手が1番人気の勝率がトップなのも面白い事です。

私が冒頭に書いた’これを見られた方は運が良いと思います。’は、上位の騎手が1番人気であったなら、単勝とか馬単を買ったら儲かるのではないかと思ったからですが、もし違った結果になってしまったらお許しください。
数学的には4割程度の確率ですから、同じ傾向が続いたとしても5回に3回は外れる事になります。

私が現在作成している3連単のプログラムは、今まで以上に各競走馬の能力比較が重要になります。
各馬に各々1着になる確率、2着になる確率、3着になる確率を計算してその確率から組み合わせを作成します。
そして、何点を購入すればどの程度の的中率が得られるかを計算しなければなりません。
3連単と言っても低配当で決着する事もありますので、オッズと比較して期待値なども考慮しなければなりません。
それは純然たる数学の世界なのですが、計算を行うのはパソコンですから私はレースを見ているだけです。
やはり競馬で本気で利益を得ようとするならば、膨大なデータの分析ができなくてはなりません。
そのデータの1つが今回紹介した騎手の能力比較(私の考える)データなのです。