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天皇賞(秋)

苦戦目立つ毎日王冠組


 昨年の天皇賞・秋はダイワメジャーが優勝したが、これはある切り口で考えると「久々の優勝例」となるものだった。

 その切り口とは、毎日王冠組の優勝例である。

 前走が毎日王冠となる天皇賞・秋優勝馬は、1996年のバブルガムフェロー以来。連対例ということで考えても1997年2着時の同馬以来ということになる。

 その後にはサイレンスズカの不幸な事故もあったが、それも1998年のことだから、仮にサイレンススズカが無事で勝っていたとしても8年ぶりの優勝例・連対例だったということだ。

 ちなみに、過去10年の前走毎日王冠組について天皇賞秋での成績をまとめてみると、[1-1-5-45]。回収率は単勝13%・複勝38%である。11年前から20年前の10年間で取ると[6-7-3-40]の単勝79%・複勝82%。番組選択が多様化したという事情があるにせよ、毎日王冠組の落ち込みが激しいことが分かる。

 天皇賞・秋については東京競馬場の改修後にスタミナ色が強くなったという指摘があり、私もわりとそれに納得していたのだが、こうして見ると改修の前から毎日王冠組については落ち込みが始まっていたように思える。

 ここでさらに毎日王冠→天皇賞・秋と使った馬の次走を辿ってみると[5-4-5-32]という成績で9連対はすべて重賞なのだが、うち、マイルCSが5例、関屋記念が1例、鳴尾記念と中日新聞杯(ともに1800mでの施行)が各1例で、2000m以上の距離で連対したのはスイープトウショウしかいない。イメージ以上に「毎日王冠組」はマイラー色が強いということが分かる。

 その毎日王冠組が苦戦しているのは、天皇賞・秋で要求される資質が変わったというだけでなく、そもそもマイル界全体が地盤沈下しているという事情があるのではないかと思う。毎日王冠だけでなく、登録各馬の戦績のうちマイル前後のものについては、若干割り引きながら評価したほうが妥当かもしれない。


■ 回顧

結果:
1着△(14)ダイワメジャー
2着◎(10)スウィフトカレント
3着…(15)アドマイヤムーン
4着▲(8)コスモバルク
5着○(7)スイープトウショウ

うーん・・・スイープたん今年も5着か・・・。
12.8-11.3-11.3-11.4-12.0-12.1-12.3-11.9-11.2-12.5=1'58"8
過度に緩むパーツはなかったが、道中7F目が一番遅いという擬似「上がり3F勝負」。ま、それでも同じ位置取りで3歳馬に負けてる場合じゃないんだけどね。
・・・というよりもむしろ、幾ら流れが向いたとはいえこのメンバーで最速の上がりということはムーンの成長を認めるべきだろう。専門紙・GCパドック解説など各所でムーンの馬体成長を疑問視する声はあったものの、実際はかなり充実してきていることは想像に難くない。そう、パドックの怪人が事前に断言していたように。

ダイワメジャーは待ちに待った2つ目のG1戴冠。馬券からは結局最後に消してしまい、印打った中で唯一買ってないという体たらく(ブービー&ドンケツは押さえてるのにw)だが、心情的にはずっと応援してただけに嬉しい限り。同距離のG1なのに、意外と皐月賞馬の秋天戴冠は珍しく、ここ10年ではオペラオーのみ・20年でもヤエノムテキが加わるだけ。ちなみに共に皐月賞は人気薄(ヤエノ9番人気・オペ5番人気・ダメジャ10番人気)という共通点があるので、今年6番人気で皐月制覇のサムソンは来年の秋天当確?・・・それはともかく、2年前は秋天ドンケツ17着、昨年に至っては賞金が足りずゲートにすら入れなかったダメジャがダメじゃなくなったのは感慨も一入だ。同期のキンカメがマイルC→ダービーの変則2冠を決めたように、ここは秋天→マイルCSの秋2冠を持って行って頂きたい。
スウィフトカレントは今回デキがもう一歩に見えただけに、万全ならばJCでも・・・頂上決戦の一角を崩すべく頑張って欲しいものだ。ノリちゃんはまた2着候補のお手馬が増えたなw。



ダイワメジャー

パシュファイヤー。何時もの様に2人で曳いてもう1人。最近歩様の硬さがマシになって来たが、今日はあまり感心出来なかった。勿論馬体そのものは勿論良いが。前走と違って各馬有る程度出ている筈だが、今日は出脚で勝ち取った2番手。道中、インティライミがソコソコのペースで飛ばしていたが、深追いせずに自分のタイミングで追い出す形。前走と違って、遊ぶところも無く、相手が来たら来ただけ伸びた印象。今日も圧勝。ただ、前半のペースの割に時計が平凡。次走京都戦も、自分の型へ持ち込めるかどうかがポイントとなるが、3回も連続して上手く行くとは思えなくて。

スウィフトカレント

2人曳き。+10kg。前走中山戦が冴えなかったが、幾らかはマシになった程度。あまり良くなった印象は無い。毛ヅヤは良いが、張りが欲しい。気配はこれで良いが。ゲート五分。出たなりで中段から。前走時にも述べた様に、これでも折り合い付く様になっている。馬場の悪い最内は避けていたが、それでも他馬よりは小回りして、上手く坂下でダイワメジャーに併せられたのが良かった。追い込み利かない展開で、今日は乗り役が上手く乗った分が大きいだろう。次走は何処へ行っても危険。

アドマイヤムーン

2人曳き。-6kg。毛ヅヤ抜群だが、この造りでここへ入ると貧弱に映る。道中はスイープトウショウをマーク。直線もスイープトウショウに併せに行ったのだが、入り口でそのスイープトウショウと接触してしまい、内へ進路を取り、前を捌いてここ迄。前が残る展開で今日は良く走っている方だろう。ここに来ての細化傾向はあまり感心しないのだが、一応メンバー中一番強い競馬をしている。

コスモバルク

2人曳き。気配抜群! 気負っているというより走る気を必死で堪えている印象。馬体もはち切れんばかり。生涯最高のデキ。もうちょっと前に行っても良かっただろうが、外からダイワメジャーが来て、枠なりに好位。直線も外を回って正攻法の競馬だが、手前が何度か替わっていて、直線が長過ぎた印象。ダイワメジャーの様に自分の型にハマれば良いのだろうが、そうで無いと東京は苦しいのだろう。インが利かない馬場というのもこの馬には辛い。

スイープトウショウ

-12kg。造りそのものは多少細い程度だが、馬に覇気が無い。今日はゲート五分。出脚も有るだけに、中段から。ただその道中、普段掛かる位で行く筈の馬が、今日はオッツケ気味。直線向いても一瞬インへモタれてアドマイヤムーンと接触し、坂上で逆手前になって伸びあぐねた。馬場入りゴネたり、ゲートを出なかったりと、色々有った馬だが、それでも終い伸びなかった事はこれ迄一度として無かった。今日はデビュー以来最悪の内容。下見で妙に大人しかったのも気になる。次走見送り。

ダンスインザムード

-6kg。少しでも絞れたのは良い傾向。その分テンションは上がり気味だが、3歳〜4歳春時の粗相は忘れて良いだろう。歩様面も問題無い。主張したインティライミに行かせて2番手。早目に動いたダイワメジャーの外へ出して追撃態勢造ったが、ラスト300mで逆手前になって伸びあぐねた。何回も述べているが、東京はベストコースでは無い。これ迄はイン有利の馬場で誤魔化して来ただけ。次走京都なら狙い目。

ハットトリック

叩いて一変。昨秋のデキに戻ったと見て良い。例に依ってゲートが遅いのだが、出脚で稼いで中段やや後方。最後伸びていない訳では無いが、どうしても一瞬モタつくその分伸びていない様に見えてしまう。ただ、次走京都は、坂の下りでモタつく癖をカバー出来るコース。デキも戻っていて穴で一考を。

天皇賞(秋)は前半58秒8の速いラップを刻んで逃げるインティライミを直線半ばで早めに捉えて抜出したダイワメジャーが力で押し切りました。

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前半1000mのペースは想定よりも速かったのですが、後半1000mは12.1-12.3-11.9-11.2-12.5と想定どおり厳しいラップが刻まれていました。切れる脚のないダイワメジャーは毎日王冠と同じように先行して早仕掛けで逃げ馬を捉えそのまま力で押し切る強い内容の競馬でした。東京競馬場は速い時計が出る高速馬場でしたが内側が荒れて外側が伸びる状態でした。直線半ばで抜出したダイワメジャーは馬場の良いところを選んで走ったことも好結果を生んだと思います。安藤騎手とは相性が合うようなので今後の活躍も期待できると思います。2着スウィフトカレントは好走は意外でした。期待していたオールカマー組の1頭なのですが前走からの斤量差からコスモバルクを逆転するのは難しいと思っていました。減り続けていた馬体重が戻って調子が上向いてきたのが好走に繋がったのではないかと思います。3着アドマイヤムーンは良く走っていると思いますが古馬との斤量差が好結果を生んだと思います。末脚が切れすぎる感じがするので中距離よりはマイルの方が力を発揮できると思います。

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◎ダイワメジャーは相変わらずの三人曳きですが齢を重ねるごとに精神的に落ち着いてきたと思います。馬体の良さは文句なしで、精神的な落着きが加わって能力が十分に発揮出る状態だと感じました。

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○ダンスインザムードはパドック周回の前半は落ち着いていたのですが、後半になるにつれテンションが高くなりイレ込んでしまいました。イレ込みと今日のレースで馬場の内側が荒れていたことから内に包まれると苦戦を強いられることから、パドックの状態で彼女絡みの馬券は買わないことにしました。

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▲コスモバルクは普段通りで仕上げは良かったと思います。戦歴を見ると休養を挟んだほうが好走していることからオールカマーと天皇賞(秋)で2度の遠征が影響したのかも知れません。次走はJCか有馬記念か分かりませんが輸送ではなく滞在競馬で挑んだほうが力を発揮できるのではないかと思います。

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△インティライミは仕上がりは良かったのですが他馬と比べて異常と思える発汗が気になりました。日本ダービーのように力で押し切れなかったのは発汗が影響していたのかなと思います。思い切った逃げは佐藤哲三騎手・佐々木晶調教師のコンビらしくて個人的には好きです。

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△スウィフトカレントは馬体重が戻り雰囲気が良くなったと思います。天皇賞を含めて、休養明け4戦していますが、まだ上積みがありそうな感じがしました。

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1番人気スイープトウショウは馬体重−12kgでしたが見た目では減った影響はなかったと思います。ただパドックで右後脚を気にしていたのが気になりました。普段よりも脚の運びがぎこちなく感じました。直線の伸びがイマイチだったことを考えると休養明け緒戦の京都大賞典の劇走が影響+輸送が影響したのかと思います。

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2番人気アドマイヤムーンは他馬と比べて首が短く均整がとれた馬体をしています。中距離よりもマイラータイプだと感じました。速いラップで刻む厳しい競馬で3着は能力の高さの証明だと思います。3歳馬なのでまだ成長すると思うので来年以降の走りに期待したいと思います。

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