■ 傾向
昭和28年に行われた『中京開設記念』を翌年に改称したもので、中京競馬場で施行される重賞競走の中で最も古い歴史を誇る。創設当初は、砂馬場1800mの別定戦で行われていたが、昭和30年にハンデ戦となり、幾度かの距離の変更を経た後、芝コース新設に伴い、昭和45年から芝2000mで施行されている。
重賞 | 日付 | コース | 勝ち馬 | レベル | ペース | LAP | めも | ||
第55回中京記念(G3) | 2007/03/04 | 中京芝2000m | ローゼンクロイツ | B | 112 | H | 12.2-10.5-11.0-12.0-11.6-11.7-12.2-11.8-11.9-12.0=1.56.9 | レコード | |
第54回中京記念(G3) | 2006/03/05 | 中京芝2000m | マチカネオーラ | B | 114 | H | 12.0-10.8-10.7-12.1-12.1-12.0-11.9-12.2-11.8-12.6=1.58.2 | ||
第53回中京記念(G3) | 2005/03/06 | 中京芝2000m | メガスターダム | B | 112 | M | 12.0-10.7-11.1-12.6-12.1-12.3-12.4-12.3-11.9-12.1=1.59.5 | ||
第52回中京記念(G3) | 2004/03/07 | 中京芝2000m | メイショウキオウ | B | 114 | M | 12.2-10.9-11.7-12.8-12.3-11.9-11.8-11.5-11.4-12.1=1.58.6 | ||
第51回中京記念(G3) | 2003/03/09 | 中京芝2000m | タガノマイバッハ | B | 114 | H | 12.3-10.6-11.9-11.9-11.9-11.8-12.0-12.5-12.3-12.9=2.00.1 | ||
第50回中京記念(G3) | 2002/03/03 | 中京芝2000m | ツルマルボーイ | C | 109 | M | 12.5-11.0-11.8-12.3-12.5-11.9-11.8-12.0-11.9-11.7=1.59.4 | ||
第49回中京記念(G3) | 2001/03/04 | 中京芝2000m | ロードクロノス | B | 115 | H | 12.7-10.8-11.3-12.3-12.2-12.0-12.1-12.0-12.2-12.1=1.59.7 | やや重 | |
第48回中京記念(G3) | 2000/03/03 | 中京芝2000m | メイショウドトウ | B | 115 | H | 12.8-10.7-11.3-12.4-12.3-11.7-11.8-11.9-12.2-12.0=1.59.1 |
例年ハイペースになりやすい。 |
負担重量の傾向
55.5キロ以上のハンデを課された馬は、連対率、3着内率ではなかなかの数字を残しているものの、勝利したのは1998年のトーヨーレインボー(57.5キロ)1頭のみ。残る勝ち馬9頭はすべてハンデ55キロ以下で出走した馬の中から出ているのだ。しかし、51キロ以下の馬になると話は別。過去10年で11頭が参戦して5着が最高と、苦戦を強いられている状況だ。
4歳馬が強い!
中京記念は、4歳馬が圧倒的に優勢。このレースを勝って重賞街道へと進もうとする馬たちの、いわば登竜門的レースとなっている。しかし、7歳以上の経験豊富な馬たちも侮れない。3着以内に入った6頭のうち5頭は、すべて2ケタ人気での激走。ベテラン勢の奮起にも一目置くべきかもしれない。
お手馬コンビが好成績
中京記念は前走と同じ騎手が騎乗している馬の成績がよいレース。勝率、連対率、3着内率のすべてで乗り替わりだった馬のそれを上回っている。ちなみに、前走と騎手が同じだった連対馬10頭のうち7頭が、4戦以上連続して騎手が同じという、いわゆる「お手馬コンビ」。今年もそういった人馬がいたら、注目してみるのも面白そうだ。
騎手乗り替わり時の成績(過去10年) |
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前走と同じ騎手 | 6-4-6-47 | 9.5% | 15.9% | 25.4% |
乗り替わり | 4-6-4-75 | 4.5% | 11.2% | 15.7% |
4戦以上同じ騎手が乗っていた連対馬(過去10年) |
年度 | 着順 | 馬名 | 騎手名 | 連続騎乗数 |
97年 | 1着 | アロハドリーム | 加藤和宏 | 9戦 |
98年 | 1着 | トーヨーレインボー | 松永昌博 | 8戦 |
99年 | 1着 | エリモエクセル | 的場均 | 4戦 |
00年 | 2着 | ブリリアントロード | 山田和広 | 15戦 |
01年 | 1着 | ロードクロノス | 岡部幸雄 | 6戦 |
03年 | 2着 | ブリリアントロード | 山田和広 | 22戦 |
04年 | 2着 | ナリタセンチュリー | 田島裕和 | 12戦 |
■ 回顧(2007年)
ゴール前の直線を思わせるかのようなスタート後の直線での先行争い、軽量テイエムプリキュア、スズノマーチが果敢に飛ばしていく。
ハナを獲りたいコンゴウリキシオーも仕方なく競りかけて、2コーナーでは、3コーナーから4コーナーの勝負処を髣髴とさせる形で強引に先頭へ。
先の2頭に続いてスターイレブン、タイガーカフェ、トリリオンカット辺りも弛まないペースで進む。
600m通過 33.7秒‥1000m通過 57.3病‥いや‥秒‥。
中団に控えたシルクネクサス、ローゼンクロイツ、トウショウパワーズ辺りが3コーナー過ぎから早目に仕掛けてあがっていく。
特に幸騎手のシルクネクサスが思い切り良く早目にロングスパート。
外からローゼンクロイツ、その外からトウショウパワーズ‥。コンゴウリキシオーは、直線待たずに飲み込まれる。
直線向いて、先に抜け出すシルクネクサスを外から一気にローゼンクロイツが交わし去り、
トウショウパワーズが一杯になった処を、最内からワンモアチャッター、中央をフォルテベリーニ、外からマチカネオーラが追ってくるが‥。
1:56.9のレコード決着となったが、ローゼンクロイツの叩いての変り身には感服。
2着のシルクネクサスは、幸騎手の好騎乗、思い切り良く早仕掛けに応え最後まで踏ん張りぬいた。
トウショウパワーズは、時計が早すぎたのか、追い切りで走りすぎたのか8kgの馬体減も響いたのかもしれない‥。
着 | 印 | 馬 名 | KOL次走へのメモ |
---|---|---|---|
1 | ◎ | ローゼンクロイツ | 前が速くなるのを承知していたかのように、テンから悠然と控える作戦。向正面でも余裕十分の手応え。シルクネクサスが動くと同時に、馬込みを避ける意味もあって、ここで外目に持ち出す心憎さ。直線で手前を替えてからは、またもうひ 1回使って馬体に張り。気配も上々。歩様もこの馬にしてはスムーズ。出脚利かせつつ中段。道中は枠なりにインに居たが、前が止まり出した向正面半ばから外へ出して追撃体勢。一旦はシルクネクサスが抜けたが、直線半ばで捕まえてレコード勝ち。時計を別にすれば昨年のマチカネオーラを見ている様な競馬になった。そのレコードに関しては、馬場状態も有って過大評価出来ないが、戦前述べた様に、良馬場が大前提の馬というのは間違い無いだろう。まあ、良馬場でもGU級では無いが、このレベルなら力量上位。 |
2 | シルクネクサス | 前半は中団の馬群の中。コンゴウリキシオーが動いた3角手前で外目から一気に仕掛けた時の脚はなかなかのものだったが、結果的には自分で動いた分、ゴール前で逆転を許した格好。ただし、内容的には一番強いレースだった。1800〜2 -6kg。今季は歩様がスムーズなのが大きい。トモに張りも有る。道中は中段。これも早目に何時でも動ける位置に出して、3角手前からマクりに行った。ローゼンクロイツにはアッサリやられていて、早過ぎた感も強いのだが、逆の見方をすれば前走中山戦よりは評価出来る内容。ローカル重賞なら展開一つ。 |
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3 | フォルテベリーニ | 早目に行くとゴール前で一歩甘くなるため、今日はジッと我慢。4角手前で開いている進路を探しながら、馬群の中から突っ込んだ。3着とはいえ、収穫のある一戦だった感。 例に依って馬振り目立つ。気配は地味だが、馬体の張りも有る。出脚無くて中段やや後方。後方の組が早目に動く中、それらを行かせてから差し場を探す形。ゴール前の脚は目立っていたが、最後は皆が止まり掛かっていて、実質大勢決まった後。この競馬が出来る様になった事自体は収穫だが、過大評価はどうか。 |
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4 | ワンモアチャッター | 道中はコースロスなく追走。終いもしっかりと伸びた。コース巧者ぶりを遺憾なく発揮。 2人曳き。気配抜群。馬体の雰囲気も良く、絶好調に近い。出脚はともかく、前走小倉戦程では無いにせよ、ゲート悪くて後方から。ただこれは、乗り役に言わせると故意との事。勝負どころは外へ回さず、インを突いたが、バテて来る馬を多少捌き損ねてしまったのが痛い。この馬の場合は道悪も良くないとはいえ、時計が速過ぎるだけに、こういう脚質の馬は何処かで無理をせざるを得ない。 |
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5 | △ | マチカネオーラ | 3〜4角ではローゼンクロイツが動いて行った直後を同様に進出。ただ、ここで一瞬、置かれてしまった。最後はこの馬なりに伸びていたが。 -6kg。絞れて来たのは良いが、まだまだ造りが緩慢。歩様も頼りない印象が有り、今季はデキが無い。無理に出さず後方から。ローゼンクロイツのマクり追い掛ける形になったが、3角で一瞬モタついた事も有り、そこ迄伸びなかった。勝負どころで置かれた事も含めて、デキに原因を求めるのが妥当だろう。 |
6 | ▲ | トウショウパワーズ | こちらもローゼンクロイツと前後する位置取り。最後の追い比べで見劣ったのは、キャリアの差か。 -8kg。馬体減関係無く、元々が細身に映る馬。トモの造りも以前を思えば良くなっているのだが、基本的には非力なタイプ。出脚で差が有って中段やや後方。向正面で外へ出し、ローゼンクロイツと一緒にマクって行ったが、直線は中々手前が変わらず伸びを欠いた。前走京都戦が特にそうだったが、トモが甘くて、流れに乗る迄のフォームがバラバラ。そういう意味でテンから忙しい小回りは向かない。今日は人気にしたファンが間違い。 |
7 | チャクラ | ||
8 | △ | サンバレンティン | +4kg。増えて出て来たのは良い傾向だが、全体に造りが緩い。例に依って出脚が無く最後方から。道中も追走に汲々としていて、エンジン掛かるのが遅過ぎた。福島で重賞勝ちの馬だが、基本的には広いコース向き。 |
9 | トリリオンカット | ||
10 | フサイチアウステル | ||
11 | △ | タイガーカフェ | |
12 | ○ | コンゴウリキシオー | 前半のラップが短距離戦並み。向正面過ぎに先行馬をまとめて交わしに行ったが、休養明けでこの流れではやはり厳しかった感じ。 2人曳き。多少余裕が有る様にも映るが、集中力有って、デキ自体は良い。外枠だったが、無理に抑える事無く途中からハナへ行ったが、1000m通過57.3秒では速過ぎたし、シルクネクサス辺りが早目に動いて来たのも痛かった。トップハンデという事も有り、どうしても早目早目になるのだが、今日は仕方が無かろう。デキは有りそうなので、次走改めて。 |
13 | サザンツイスター | ||
14 | スズノマーチ | ||
15 | スターイレブン | ||
16 | △ | テイエムプリキュア | +8kg。遮眼革。多少煩いが、この馬の場合はこれ位で丁度。攻め強化しての馬体増も好感。戦前の予想通り、出脚利かせてハナ。ただ、2角手前でコンゴウリキシオーとスズノマーチが来て最悪の展開に。時計も速過ぎたが、今日は展開が全てだろう。戦前述べた様に、今季はデキと出脚が有る。今後もチャンスは続く。 |
中京記念です。
2000の日本レコード1分56秒4(ツジノワンダー)には届きませんでしたが、それでも1分56秒9は超高速決着。全馬かなり走りやすかったに違いなく、この時計だけを鵜呑みにはできませんが、好調馬も何頭かいて見ごたえのある競馬でした。
しかし、中京はコース巧者が一気に変わり身を見せるケースが多いですね〜。
1番 ローゼンクロイツ 57キロ・1着
インをロスなく追走して、3角で上手く外に持ち出した鞍上藤岡の好騎乗。馬は高速決着のコーナー4回2000にめっぽう強くて、この条件だと前走に関わらず常に買いか。これでコーナー4回の芝2000は通算して【4・3・1・2】で重賞2勝め。着外が皐月賞の9着だけという、G2までなら上位の存在。中京の2000はこれで【1・2・0・0】、このコースでは必ず買い。ただ、鞍上藤岡が直線ムチを使いすぎるのがやや気になった。
2番 トウショウパワーズ 54キロ・6着
速いペースに戸惑ったか、フットワークのバランスがややぎこちない。前さばきが硬くなってきて、多少体調下降かもしれない。次走も過信禁物かも。
3番 フォルテベリーニ 54キロ・3着
よく溜めてレースの流れに乗っていた。追われるとしっかり動くし、体調アップか。フットワークもパワフルになってる感じ。力つけてきている。
4番 ワンモアチャッター 57キロ・4着
キビキビしたフットワークで、無駄のないカチッとしたフォームで走っていて、いきなり復調。ただ、7歳という年齢的なものか、全盛時の爆発力は見られない。切れ味がやや衰えてズブくなってる印象で、いつも好走できるかどうかは微妙。次走買うとしても△の下のほうという印象。ここの上位馬にはちょっとかないそうになかった。
5番 テイエムプリキュア 51キロ・16着
テンの3ハロンを33秒7の暴走。前走小倉大賞典で見どころがあった馬だが、このペースで行っては無理。馬が言うことを聞かないのか、騎手がペースを読めていないのかは分からないが、よほど上手い騎手が乗らない限り買えないと思えた。
6番 サンバレンティン 57キロ・8着
道中最後方〜後方2番手を追走、直線は大外を通ってこの馬なりによく追い上げてきているが、勝敗に関係のないところで伸びてきている。体調は良さそうだが良馬場の重賞ではおそらくやや力が足りないというのところか。相手落ちのレースなら買える印象。
7番 マチカネオーラ 56キロ・5着
前走よりかなりフットワークの雰囲気良くなってきているし、レースの流れにもまあまあ乗れているが、力を出し切っての敗戦にも見えた。外を追い上げて5着、次走相手落ちなら買えるが・・・という程度か。
8番 シルクネクサス 55キロ・2着
かなり速めの流れを追走して、3角からひとまくりで4角先頭。ものすごく体力満々なレースで、おそらく中京コースへの適性が半端ではない。このコースでは出るたびに買っておいたほうが無難。ただ、どういうレースだと好走できるのかまだ判断つかないが、仮説としては(1)速い流れが得意(2)連続しての好走がけっこう無理・・・のいずれかと思える。思ったよりも強くなってるので、いつも馬券的には警戒が必要。
9番 スズノマーチ 55キロ・14着
超ハイペースを前々で深い追いする意味がどこにあったのか分からないが、ポジションにこだわりすぎだったかもしれない。4角失速で、全体的には次につながる部分の少ないレースだった。
10番 トリリオンカット 56キロ・9着
三角から追い通しで、かなりズブイ。前走と比べてそう良化した感じはなく、フットワークのバランスもちぐはぐで、もう少し時間がかかりそう。
11番 チャクラ 55キロ・7着
明らかに復調気配で驚いた。いいフォームで走っているし、最後伸びてきているし、いい頃の状態にかなり近い感じ。いまならむしろこれぐらいの距離のほうが合っている雰囲気もあった。2000〜2200の相手落ちで少し買ってみたい。
12番 タイガーカフェ 53キロ・11着
中団より少し前で追走したが、4角でもう手ごたえナシ。速い流れはあまり向かないし、重賞の多頭数だとこんなものか。
13番 スターイレブン 53キロ・15着
先行したがフットワークが硬くて4角手前で失速。重賞に入ると苦しいし、時計の速い決着ではあまり出番がない。
14番 コンゴウリキシオー 58.5キロ・12着
出足が速いほうではないので、普通に出て2コーナーで先頭に立つ乗り方。岩田が2006年の朝日CC(中京)でやったのと同じ騎乗法で、この馬にはベストだったのかもしれないが、惜しくも鞍上熊沢J、ペースが読めていなかったかも?結果超ハイペースから4角失速という見栄えの悪い負け方で、持ち味を生かせないで終了だった。ひと叩きとしての効果があったのかどうかも微妙で、次は少し狙いにくくなった。
15番 フサイチアウステル 55キロ・10着
道中のフットワークは可もなく不可もなしだが、ラストの瞬発力と踏ん張りがまるでない。走る気がないような雰囲気で、次も買いにくい。
16番 サザンツイスター 54キロ・13着
向こう正面で肩ムチが何発か入ってる。直線向いても反応せず、出走しただけという格好。7ヶ月ぶりだが、叩いてすぐに変わる感じではなかった。
■ 回顧(2006年)
歩様に柔らか味が有って、デキ自体は良さそう。ただ、初コースの影響か、集中力に欠ける嫌い。ゲート五分。出脚も有る筈だが、外から次々に来られて、1角では最後方に近い位置。3角からローゼンクロイツのマクりに乗る形で、3〜4角は一番外を回っていたが、それでも差し切った。戦前は期待したが、あくまで内枠活かした競馬を想定していただけで、この競馬で勝ったのは意外。かなり強い。
-4kg。休養前が太い状態で、悪くない傾向。トモの張りも悪くないが、前走の京都戦でも述べた様に、相変わらず歩様に力が無い。3000mの前走とは違って、出脚が甘く中段やや後方。3角から外を自力で動いて行ったが、直線中々手前を替えず甘くなったところを勝ち馬に強襲された。それでもラスト50mで手前を替えて、最後盛り返している様に、力は見せた一戦。トモが甘くて、坂の有るコースでどうなるかという問題は有るが、平坦なら充分重賞級。
2人曳き。-10kg。前走の東京戦が重かっただけに、絞れたモノ。毛ヅヤがイマイチなのが気になるが、トモの張りが良く、デキも有りそう。ゲート五分。外の馬が行った事も有って、後方でインへ入れてジックリと。3角から内目を上がって、4角で逃げ馬の直後に付けた時は乗り役もやったと思った筈だが、直線向いてからが甘い。前走良い脚が有っただけに、余計に意外な印象。
多少張りが落ちた様な気もしないでも無いのだが、歩様に柔らか味が有るのは良い傾向。スタート直後押していたが、出脚が無く、中段に付けるのがやっと。3〜4角、開きそうなところを狙っていたが、外をマクッて来た馬達との間で行き場を無くしてゴチャついたのが痛い。そういう意味では次走狙い目となる訳だが、前走の小倉戦で有った筈の出脚が今日は無かったのが気になる。勝てるレースを落とし続けている内にデキが無くなって来る典型例。次走人気になるなら思い切って軽視したい。
遮眼革。-8kg。前を歩くオースミグラスワンが立派過ぎて、霞んでしまっているが、この馬なりに上々。気配の良さと、歩様にキビキビ感が有る。元々ゲートが悪い馬だが、今日もアオッてしまい最後方から。4角、外でゴチャついているのを尻目に、上手く直線迄来れたが、暫く追い辛そうなシーン。ハイペースで前が崩れて折り合えた利も有ったが、惜しい内容。
多少テンション高いのは何時も通り。トモの張り目立ち、馬振りも最上位だが、立派過ぎる。それなりに押していたにせよ、スッと好位取れる出脚が有ったのは意外。道中も、ハイペースで行き振り悪いながらも3〜4角上がって行けた。まあ、4角あの程度の不利でアッサリ諦めてしまう辺りが如何にもグラスワンダー産駒なのだが、小回りは意外に対応出来そう。広いコースなら当然オープンでも上位の扱い。
-6kg。ここ2走が重かっただけに、絞れただけ。今季はずっとデキが良い。遮眼革着用のコスモオースティンが何が何でもの構えで行って2番手だが、コスモオースティンが57.7秒で行ってはキツい。加えて、昨日のネイティヴハートがそうだった様にロートル馬は時計が掛かってこそ。今日の様に時計が速くなると若い馬に分が有る。
■ 回顧(2005年)
気配からして良かったし、毛ヅヤも上々。中段のイン。外の馬が次々前に行って、一瞬連られそうになったが、それ以外はスムーズ。中京お馴染みのマクり合戦をインで我慢して、直線一瞬の決め手。大勢決まった後とはいえ、逆手前になった分が最後詰められたが、一応3歳時の8割位の能力は戻っている様。まあ、良い時はもっと四肢が伸びたフォームで、これが戻れば完璧だが。
2人曳き。馬体絞れた。テンション高いのは若い時からだが、休養期間が長く、馬が枯れていない印象。ゲート入りゴネる。後方で折り合いを付ける策。終始、外々を回っていたが、マクるというよりは腹据えて直線勝負。手前を替えるのが一瞬遅れたが、替えてからは全盛期と変わらぬフォームで伸びている。2回エビをやっている馬だが、ほぼ完全復調と見て良い。
+4kg。多少重いだろうが、歩様が良くなった。出てはいるが、ダッシュの乗りが悪く後方から。位置取りの差こそ有りすれ、メガスターダム同様終始インを立ち回って、この馬なりの伸び。こういう小回り2000mは得意だし、出遅れ癖が付いてからインを突く競馬ばかりしていたら、この策も板に付いて来た。まあ、今後もアテに出来る馬では無いが、3連勝式の隅っこには常にマークしておくべきだろう。
毛ヅヤ良かったし、歩様もこの馬としてはスムーズ。これも後方のイン。4角ではメガスターダムの直後に居て、つまりは展開ハマッた筈なのだが、決め手の差は歴然。この馬もアサカディフィート同様何時走るか判らないタイプだが、今日のやられ方はちょっと気になった。
連闘。毎回述べている様にとにかくデキが良い。また出負け。それでも前走とは違って好位のインで折り合えていたが、追ってからが案外。戦前にも多少懸念したが、この距離で正攻法は多少長い印象。逃げるか徹底して矯めるか、何れにせよ極端な競馬に徹した方が良さそう。
前走はデキ持ち直した様に見えたのだが、また下降気味。中段の外。リズム良く走れていた様に見えたが、追ってからが案外。時計勝負は向かなさそうなタイプでは有るが、それ以前に外を回っての真っ向勝負で勝てる程の能力が無かったという事。今日は過剰人気。
■ 回顧(2004年)
歩様硬いのは昔から。ただ、今日は馬に張りが有った。大外枠という事も有って、秋山騎手、戦前から考えていた作戦なのだろう、思い切ってハナへ。タガノマイバッハが主張しなかったし、そのタガノマイバッハが4角で既にアラアラの手応え。開幕週の馬場という事も有り、直線はオイデオイデの大楽勝。まあ、弱い馬では無いとはいえ、今日は展開が全て。
何時にも増して歩様が硬い。他は相変わらず文句無しなのだが。道中は後方のイン。トニービン産駒という事で、追い出しは直線まで待たなければならない訳だが、今日は覚悟してインを突いたのが好判断。上手くバラけた事も有って鋭く伸びて来た。これもどちらかといえばギャンブルをしたクチ。
仕上がり過ぎ位の造り。少し小さく見えた。道中は好位の内々。4角上手く外へ出せたし、直線もこの馬なりに伸びているのだが、上位2頭のギャンブルの前に届かず。いくらハンデ戦とはいえ、この馬のこの競馬で3着に敗れてしまうコース形態、幾等何でも特殊過ぎると言わざるを得ない。
相変わらず重く映るし、歩様今一つ。唯一、毛ヅヤだけが良かった。これも好位のインから。直線もカンファーベストを追い掛ける様にして伸びてはいるが、そのカンファーベストが3着止まりなのだから、この馬もここまで。とりあえず復調ムードが窺えるだけ良しとすべきか。
2人曳き。絞れて好気配。道中は後方2番手。この馬、下手に先行しても良い事は無いので、今日はこの策で止むを得ないところ。手前もスムーズを替え、ヨレずに真っ直ぐ走っていただけでも今日は充分。この馬場状態で期待する方が間違っている。
流石に歩様面は落ちて来た。これも後方から。直線も外へ出して伸びているが、コーナーで自在に動けない分がクラフトワークよりも不利。やはり直線の長いコース向き。
日経新春杯時よりはマシにはなっているが、左右のバランスの悪さが目立つ。メイショウキオウにハナを叩かれ2番手。2番手からではどうしても道中が気負い気味。4角では既にアラアラの手応えで、やはり先週のギャラントアローの様に敗戦覚悟でもハナへ行かないと。
今季は迫力に欠ける。ゲートは普通に出ているが、行き振り悪く後方から。折り合いを欠いた前走とは対照的に、今日は前半から仕掛けての追走、4角で既に手応えが無く、今日は最悪に近い負け方。デキが無いとしか思えない。