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フローラS(G2)

【フローラS・男の解の公式】 内枠+先行馬買い
モデル馬

■ 傾向

東京芝2000は、外側の枠は不利。
「外枠は人気でも切り、内枠+先行馬買い」という東京芝2000の馬券の法則
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オッズに見合った完勝劇、本番で再現の可能性は?

 先週末はオークストライアル、GII・フローラSが行われました。

 フラワーCでは単勝1.6倍の圧倒的人気に推されながら3着に敗れたサンテミリオンが、今回は単勝1.9倍に応えて快勝。勇躍、オークスへと参戦することになりましたが、果たして今回はラップ的にどのようなレースだったのでしょうか。

◆フローラS(GII・東京10F)

2010年:36.5-48.9-34.8=2'00"2 (サンテミリオン)
2009年:36.0-49.9-36.3=2'02"2 (ディアジーナ)
2008年:36.1-49.3-35.1=2'00"5 (レッドアゲート)
2007年:36.4-48.9-35.5=2'00"8 (ベッラレイア)
2006年:37.1-49.1-35.5=2'01"7 (ヤマトマリオン)

※「テン3F-中盤4F-上がり3F」で表記、( )内は勝ち馬。
過去のフローラSレース結果一覧

 今年は近年になく「上がり3F」が速い流れでした。結果も4角で1〜3番手にいた3頭で決まったので、一見「スローの前残り」に見えなくもないですが……実際は「中盤4F」も速く、かなり底力が問われる展開でした。2007年と道中の流れはほぼ同じで上がりが0.7秒も速かったのは、素直に「優秀」と認めていいでしょう。

 更に言えば、今年は僅かに雨も残っており、07年よりは時計も掛かる馬場だったと判断。やはり今年は「近年で最も優秀なフローラS」ということになりそうです。

 つまり上位3頭は決して恵まれではなく、「開幕週馬場に沿った『スピードと底力』比べで、明らかに上位に立つ馬がねじ伏せた」内容と言っていいでしょう。特に勝ったサンテミリオンの強さは際立っており、外枠から先手を取るという不利な条件ながら、「最後方を離れて追走したアマファソン」を除くと最速の上がりを記録したのは極めて優秀。結果的には人気に見合った強さを発揮しました。

 今年と似た流れだった07年フローラSの1・2着馬(ベッラレイア・ミンティエアー)は、本番オークスでも2・4着と好走しており、この比較からは今年もかなり期待が持てそうです。しかし唯一違う点を挙げれば、07年の上位2頭は後方から34秒台前半の上がりを使っており、特に勝ち馬は大外を回すロスがあったことでしょう。

 このため、「テン速過ぎず、中盤締まった流れで、好タイム」というのは通常は距離延長に向けて絶好の要素なのですが、今年は07年と比べると「距離延びての上積み」には僅かな疑問が残ります。サンテミリオンは上位3頭の中では抜けた上がりを使ってはいたものの、ロスなく内を回って34秒台後半では、本番での勝ち負けを確信するには至らない水準だと見ます。混戦の3歳牝馬戦線に、更に拍車が掛かりそうです。

 同様に「中盤〜上がりが速い」レースだった桜花賞上位組との対決になるオークスは、とても面白い図式になりそうです。桜花賞もフローラSも先行馬決着だったので、枠順を含めた位置取り・展開が鍵になりそうで、ひょっとすると未知の距離でオーバーペースになる可能性も。まだまだ波乱の目もありそうで、本番まで楽しみは尽きません。

■ 2007年回顧

フローラS 36.4 36.7 35.5 やや一貫ペース気味の後傾ラップ

底力タイプの馬が有利な展開で差しきった瞬発力タイプのベッラレイアは強い競馬だったといえる。同じ競馬でクビ差のミンティエアーも、逃げ粘ったイクスキューズも強い内容。ミルクトーレルは上位3頭に比べると物足りない内容。5着ヴィアラクテア6着ジョウノガーベラは外枠不利が祟った。ヴィアラクテアは不利を考慮すると上位と遜色なし。7着パッションレッドはややもの足りない内容。[1着ベッラレイア>2着ミンティエアー≒3着イクスキューズ>4着ミルクトーレル≒5着ヴィアラクテア>6着ジョウノガーベラ>7着パッションレッド]


今年の桜花賞組はほとんど超スローの競馬しかしていない

ジャングルポケット、タニノギムレット、アグネスタキオン…など、現代の主流血脈に属する新しい種牡馬の産駒が大活躍している。サンデー系ではなくとも、主流血脈に属するグループの種牡馬は以前よりずっと成功の可能性が高い。というのは、つい10数年前まで600頭以上もいた種牡馬の数が、現在は300頭を切る時代になり、繁殖牝馬の数はそうは減ってないから、有力種牡馬ほど、数多くの優れた交配相手にいっぱい恵まれるからだろう。成功条件がそろっている。

 ベッラレイアの父はディクタス系のナリタトップロード。初年度からベッラレイアを送ったのだから成功しているようにみえるが、早世したナリタトップロードの産駒は、ここまでのところ勝ち上がり率は高くない。同期のテイエムオペラオーにも似たようなところがあって、どうやら2頭とも、アグネスタキオンのように産駒の平均点が高い種牡馬とはこのあともならないかもしれない。

 だが、ナリタトップロードは同じサッカーボーイのヒシミラクルもきっとそうだろうが、ときに大物を送らなければいけない。かつてのリボー系や、シカンブル系のように。テイエムオペラオーも、美しい馬体をそっくり伝える大物を送りたい。

 ベッラレイアは、桜花賞路線からあと一歩で外れてしまったが、もとよりタイプとすればオークス向き。すみれS・2200mに出走したこと、左回りのあざみ賞を圧勝したことなど、すべてプラスにしたい。最近10年に限ると、フローラSをステップにオークスを制したのはレディパステルだけ(2着もその年のローズバドだけ)にとどまるが、今年の桜花賞組はほとんど超スローの競馬しかしていない。ベッラレイア、さらにはランペイア、ミンティエアーなど、ここをステップにオークスに出走がかなうと、桜花賞組強力といわれているが、必ずしもそうとは限らない魅力がある。強力な新星の台頭に注目したい。


「外枠は人気でも切り、内枠+先行馬買い」という東京芝2000の馬券の法則
ミンティエアー・ミルクトーレル・ヴィアレクテア・ジョウノガーベラも強い競馬

最後の直線、本当に見応えがありましたね。
普通の馬ならまず届かない位置から、しかも今の東京芝では不利な大外を通って差し切ったベッラレイアの能力は、想像以上のものでした。

東京芝2000は1回目の考察で書いたように、外側の枠は不利です。
今日の東京9R芝2000でも、1.9倍の1番人気マイネルキッツが外枠の14番枠であっさり飛び、1〜3番枠の馬で決まりました。
ちなみに、このレースは勝負レースではありませんでしたが個人的には遊びで買い、「外枠は人気でも切り、内枠+先行馬買い」という東京芝2000の馬券の
法則(個人的に勝手に決めた法則)で美味しく的中できました。

このようなコースだということもあり、そして差し比べになったらベッラレイアに負けることがわかっているということで、イクスキューズとしてはハナを切ったのだ
と思いますが、前半1000M60.9秒と北村宏騎手は絶妙なペースで進めました(こういう逃げは上手いですよね、北村宏騎手)。

そして最後の直線、内を通りつつ脚を残していたベッラレイアは、前が横一列に大きく壁になったことから大外に強引に抜け出し、そこから遥か前方のイクスキ
ューズを捉えに行きましたが、正直、私はこの時点で馬券は一旦諦めました。

今の東京芝コースは、とにかく内〜中が伸び、大外は同じ脚色になるため差しきれません。しかも前半絶妙のペースで逃げているわけで、それを差し切るの
はほとんど不可能という見立てでした、この瞬間は。

ですが、あとは皆さんもご覧になったように、負けたら降ろされる可能性の高い秋山騎手の渾身の追い方で、ゴール前しっかりと差しきったわけです。
久々に痺れたレースでした。

今後反動さえでなければ、桜花賞上位2頭とのオークスでの対決が本当に楽しみとなりました。昨年、スイートピーSで同じような差しきりを見せ、続くオークス
を制したカワカミプリンセスを思い起こさせます。 このまま順調に行って欲しいものです。

そのほかの馬では、対抗視したミンティエアーがベッラレイアに次ぐ上がりの脚で頑張ってくれましたが、さすがにベッラレイアの位置取りとは違いましたので、
ベッラレイアとは比較になりませんが、3戦目にして今回のようなセンスのあるレースができましたので、ベッラレイア以外との比較では、かなり上位と考えて
いいのではないでしょうか。

また4着ミルクトーレルの位置取りはベッラレイアに近いところがありましたのでこの馬もかなり強い競馬をした一頭であり、次走要注意かと思います。

あとは5着も実は強い競馬をしました。何度か申し上げているように、東京芝2000は外枠不利です。
今回、外枠ながら掲示板に載ったのはこの馬だけで、大外枠ながら6着まできたジョウノガーベラとあわせて、次走以降、巻き返しがありそうです。


フローラS史上でもベスト3に入る速い時計の決着
ミンティエアーの2着も見事。オークスではベッラレイアとまったく互角の評価

 オークスを展望する3歳牝馬の勢力図は、桜花賞でマッチレースを繰り広げたダイワスカーレットとウオッカの2頭が大きくリードしている。そこでこのフローラSと、昨年カワカミプリンセスが出現した次週のスイートピーSでは、2頭に接近し、さらには割ってさえ入るような「新星」の台頭が期待された。

 フローラSには桜花賞5着のイクスキューズが出走してきた。同馬の桜花賞5着は流れに乗れず多少とも脚を余した印象もあり、上位の2頭とはかなり差はあるものの、勢力図のランキングでは大体4〜5番手の評価だろう。そのイクスキューズはいかにもここを勝ちにきた(今回の相手や、このあとビッグレースを展望するときの)ムードが濃く、また結果は、ほぼ現時点での能力を100%近く出し切ってくれた。

 したがって、あくまで便宜上の視点で、短絡なとらえ方になることを承知でいえば、このフローラSの1、2着馬はいきなりオークス戦線のトップグループの1角に食い込んできたとしていい。桜花賞の1、2着馬とどのくらいの差があるか、あと約1ヶ月でその差はどこまで縮まるかが大きな興味となった。

 イクスキューズのマイペースに持ち込んだ流れは、前半の1000m通過60.9秒。後半の1000mが59.9秒だから、レース全体のバランスはスローということになるが、キャリアの浅い3歳牝馬同士の東京2000m。決して数字の与える印象ほど楽な流れでもない。フローラS史上でもベスト3に入る速い時計の決着だった。

 直線の坂上あと300mぐらいの地点、突き放した実績に勝るイクスキューズの完勝ともみえた。そこから猛然と差を詰めにかかり、寸前で差し切ったベッラレイア、ミンティエアーの2頭は、イクスキューズのレース運び、また同馬自身が2分00秒9で乗り切った内容がほぼ完璧だっただけに素晴らしい。着差以上に桜花賞5着のイクスキューズをスケールと才能で上回った印象だった。

 ベッラレイアは、なにもそう後方に控えなくともレースができることを示し、内枠だったから道中で前後左右に馬のいる揉まれる展開も経験できた。着差はクビでも、坂下で外からミルクトーレルに寄られて先に出られ、もう一度その外に出すロスもあった。桜花賞に出走できなかった代わりに、左回りを2回も経験でき、また2200mまで経験した強みがオークスでは大きな自信となるだろう。当日輸送なしで4kg減の馬体に注目したが、決してギリギリではない。腹目は細くない。

 ミンティエアーの2着も見事。道中はほぼベッラレイアと同じような位置から、こちらは直線で外には回らず馬群に突っ込んでいった。前走の経験がたちまち生きて他馬を苦にするどころか、闘志に火がついた感じだった。わずか3戦目、それでパーフェクトに力を出し切ったと思えるイクスキューズを捕らえたのだから、オークスではベッラレイアとまったく互角の評価でいいだろう。

 好馬体のランペイアはちょっと体が減り、カリカリしていたためか、スタートで出負けぎみ。そのあともかかる形でもまれすぎてしまった。キャリアの浅い3歳牝馬のこと、みんながそろって能力発揮とはいかないのは、これは仕方がない。オークス戦線に、期待通り楽しみな新星が加わってきた。


ベッラレイアはメイチの仕上げではなかったが圧勝した

 オークスはマジで勝負になる……そう考えていたベッラレイアの陣営は、トライアルで3着以内に入らないといけないにもかかわらず、本番を見越してメイチの仕上げをしなかった。そのココロは「7、8分のデキで権利を取れないような馬であれば、オークスで勝負になるはずもない。だから、目一杯仕上げず権利を取れなかったとしても、それはそれで仕方がない」というもの。そんなわけで、1着を外すことは十分に想定できたのである。
 では、候補馬は何か?実績馬イクスキューズはそれほど強くはないし、やや距離が長い。ランペイアは稽古で時計こそ出していたものの、腹が巻き上がり、当日体重がマイナスだったら危ない(実際にマイナス4キロ)という情報が入っていた。で、この2頭を消してミンティエアーを本命にし、ミンティ=ベッラレイアの馬連・馬単を1万円ずつ購入したのである。
 結果は、ベッラレイアの圧勝で、ミンティエアーは2着。馬連は当たったが、馬単は外れてしまった。2頭の着差はわずかだったが、窮屈で出れそうにないところから外に持ち出し、ゴール前でキッチリ差し切ったベッラレイアの強さは別格で、馬単は外したものの、素直に諦めがついた。
 
 このオークストライアルにはもうひとつの側面があった、それは、今年のノーザンファームの状況である。 
 ノーザンFは相変わらず好調で、牡馬は皐月賞馬ヴィクトリーを筆頭に、ダービー候補ナンバー1のフサイチホウオー、重賞2勝のアドマイヤオーラなどがいるが、なぜか牝馬は不調で、桜花賞の出走馬はゼロ。それだけに、メンツにかけてもフローラSでオークス出走の権利を取らなければならなかったのである。で、1、2着がN系の馬だった。


 馬場差知らないんで、ここで書くことと馬場差を把握した上で改めてオークス前に思うこととは違ってくるかもしれないが、とりあえずイクスキューズが本気を出したレースと今は考えておく。テン水準からの中盤21世紀最速ペース(この書き方は大袈裟だね)、追って伸びる馬ではないことをわかりきった上での坂を上りきるまで追い出し我慢。と、スピードをフルに活かしまくった騎乗。勝ち馬の騎手が、内で詰まったときのことを「前の馬が全然手応え残ってなかったんでね」と表現していたけど、この時期でまだ重賞経験が乏しい1勝馬ばかりが揃う重賞に、このペースで先行して脚残せる馬なんぞおりゃしません。

 1着 ベッラレイア・・ラストの脚は前が止まってから追い出して繰り出した末脚なので、見た目の印象に騙されちゃいけない。いけないんだけど、楽〜に追走して楽〜に外出してきっちり差しきるんだから、やはり改めて持ってるモノは相当なレベル。

 2着 ミンティエアー・・1勝馬かつレース3戦目。この馬もポテンシャルは高かった。馬群を抜けてきた根性も優秀。コースロスの多かった勝ち馬より余裕がなかったのは仕方ないし、現状はベッラレイアのほうが力は上。初OPでこのペースに対応したことでの上積みはこちらのほうが期待できるかもしれない。

 3着 イクスキューズ・・上記のとおり、スピードをフルに活かしきった騎乗。強いイクスキューズを魅せていただいた。これがこの馬のベストパフォーマンス。2ハロン延長で同じことを望むのは酷。

 7着 パッションレッド・・2戦連続の苦しい競馬。そして、初の左回りで4コーナーで外に逃げた。直線では追い出しを嫌がった。それでも一瞬ビュっと伸びた。前走同様外に逃げる形になってしまった。まだまだ成長途上。


ベッラレイアは危なっかしい競馬。馬体細化傾向から次走はダメージが心配。

ベッラレイア
2人曳き。-4kg。多少テンション高いのがどうかだが、皮膚が薄く、トモに丸みが有る。半馬身出負け。最内枠のディーズメンフィスがもう少し行ってくれればまだ話は違ったのだが、これが中途半端に控えた為に、前半マトモに揉まれ込んでいた。直線向いても暫く行き場が無く、バラけたのは坂下。ラスト200mでも逃げるイクスキューズとは5馬身以上有った筈だが、それでも差し切った。見た目だけなら強いという以外に無いが、毎回こういう危なっかしい競馬。馬体細化傾向も有って、一戦毎のダメージが大きそう。次走危険な人気馬に。

ミンティエアー
前を歩くベッラレイアと比較すると可哀相だが、まだ筋肉が付き切っていない印象。これもゲート悪かったが、諦めて最初から後方。ベッラレイアのインが取れたのはベッラレイアを苦しくするという点で、大きかっただろう。坂下で一瞬狭いシーンも有ったが、そこを脚で割って、イクスキューズを掴まえたところを外からベッラレイアに差されてしまった。前走中山戦の轍を踏まなかったという点では進歩が有ったが、今日はベッラレイアの強さだけが光った競馬。前に馬が居たから折り合っていた様なムードも有って、距離延長も課題。

イクスキューズ
+6kg。GTの後の中一週。攻め馬緩めたのは確かだが、目論見通りフックラした造り。ただ、歩様に伸びが無い。出脚というよりは誰も行かなかった分でハナへ。1000m通過60.9秒で単騎。道中は完璧に運んで、直線一旦は突き放したが、最後は距離の壁だろう。次走はNHKマイルカップ回りだそうだが、そうなると今日の一走が余計。使い方がチグハグ。

ミルクトーレル
2人曳き。これでもマシになった方だが、まだ造りが緩い。姿勢が高いのもマイナス材料。ゲートは出ているが、センター枠の馬に叩かれて、行き場が無くなり後方。前に壁が有るので、まだ良かったものの、ずっと行きたがっていた。直線外へ回し、ベッラレイアに蓋が出来たが、直線手前が替わらずモタついている間に交わされてしまった。言い訳の余地が無いやられ方だが、前半の展開が悪かったのも確か。もう少し出脚が来れば。

ヴィアラクテア
+6kg。華奢な馬が多い中、結構しっかりした造り。毛ヅヤも悪くない。テンション高いのは血統だろうが、ディアデラノビアを思えば遥かにマシ。ゲートは五分に出ているが、出脚がサッパリで離れた最後方。直線外へ持ち出して、ジワジワだが、それなりに伸びてここ迄。戦前は距離延長が不安視されていたが、もっと延びても良さそう。ただ、そうはいってもベッラレイアの後ろから差すのは無理難題に近い。これももう少し出脚が無いと。

ホクレレ
2人曳き。-12kg。シープスキンノーズバンド。数字通り細い。出負けして後方から。直線そのままインを突いて来たが、馬群を捌いてそこからの脚が無かった。当然、馬体減も言い訳になるが、前走中山戦を思うとここは素質馬が揃っていた印象も。今日のところは評価は保留したい。

ランペイア
2人曳き。一目でそれと解るこの厩舎独特の造り。踏み込みもバネが利いていたが、欲言えば毛ヅヤがもう少し。ゲート悪かったのを、出脚で出して行ったが、狭いところへ突っ込んでゴチャつくシーン。道中も行きたがってずっとリズムが悪かったが、直線向いても押し競饅頭状態。今日は最悪の展開になった。馬はここでも上位。次走改めて。


1番 ディーズメンフィス 13着
2歳秋に赤松賞を勝ったときと比べてパドックでのデキもイマイチで、レースでも前の出がずいぶん硬い感じ。ややスランプと思える。芝向きの瞬発力がやや不足しているが、かといってダートでという血統でもないので、時計のかかる芝が望みか。しばらくオープンでは苦しい。

2番 ベッラレイア 1着
ラストの脚を豪脚と見るか、それともずいぶんエンジンの掛かりが遅いと見るか、なかなか評価は難しい。レースぶりの危なっかしい馬で、これまでは相手にも恵まれて好成績を残してきているが、いつもハマルとは限らないという印象でもあった。過去のレースぶりを見て、言えるのは、「おそらくベストは直線平坦だろう」ということ。坂があまり上手くなくて、このレースでも実質ラスト300の平坦部分での差しきりだった。それまでのモタモタがG1本番でどう出るか、かなり微妙でもある。コーナリングもちょっと下手で、けっこう弱点がありそうだが、ラストの脚で補っているという感じ。ストライドはどの馬よりも豪快で、もちろん上位評価だが、取りこぼしもあり得るかも、という感じ。

3番 ミンティエアー 2着
後方から進めて馬群を割ってしっかりと伸びてきた。しかし迫力の点でベッラレイアには完敗で、2400になってベッラレイアより上に来るだろうという感じはなかった。ただ、いいフォームで走る馬で、なかなか素質が高そうなイメージ。秋以降はもう少し強くなりそうな雰囲気だった。

4番 ミルクトーレル 4着
4角で後方・大外。そこからしっかり追い込んできていいレースだったが、末脚が最後まで持続せずに、ラスト100はやや止まりぎみだった。1800ぐらいまでがベストかもしれず、2400では苦しいかもしれないという印象。

5番 トウカイファイン 17着
好位のインから進めたが、フットワークに力感がなくてどうも本調子にないのでは、という印象だった。ラスト2ハロンで失速、馬がもう全く走る気を見せずに大敗だった。オープンでは苦しいか?

6番 ホクレレ 9着
やや出遅れて最後方に近い位置から。レースの流れにはあまり乗れなかったが、いいフォームでバランスよく走っているし、直線ではインの窮屈なところからこの馬なりにしっかり伸びてきていて、レースぶりは良かった。ただ、ラスト1ハロン失速気味で、もしかすると1800ベストの馬かもしれない。気の良さそうなタイプで、休み明けは狙えそうな感じ。

7番 チャイニーズフレア 15着
先行したが、首の使い方が硬くて芝向きの弾力性が乏しい感じだった。活躍の場はダートか。

8番 ランペイア 12着
やや出遅れ。相手が一気に強くなって馬が力んでしまったのか、道中のフットワークがバラバラだった。身体全体を使えずに(特に首を使えずに)、脚だけで走っている印象。前走を見ると能力的にはこんな馬ではないと思えるが、修正には少し時間がかかるかもしれない、という感じでもあった。

9番 ホットファッション 16着
出たなりの好位でレースを進めたが、芝向きの瞬発力がないという印象。ダートのほうがもう少しやれそうな感じだった。

10番 イクスキューズ 3着
藤沢厩舎らしいバランスのいいフットワークで走る馬で、いいスピードも持っていてこれから先が楽しみな一頭。距離の融通性もあって、コーナー4回なら2000もしっかり最後まで走れそうな感じ。今回はラスト1ハロンやや失速だったが、良馬場で出走してくれば(メンバーにもよるが)G3ぐらいまでならたいてい上位、という馬。ただしNHKマイルCの予想でも書いたが、フットワークから見て重は全くダメと思われる。

11番 パッションレッド 7着
向う正面で一瞬掛かり気味にポジションを上げて行ってしまって、ラストに来てそれが響いたのか、最後失速気味だった。もう一押しが足りない、という感じのレースで、重賞戦線ではまだ掲示板クラスといった感じか。距離も2000は多少長い印象だった。

12番 ウィンナワルツ 10着
後方から進めて後方のまま。スピード不足、体力不足という感じのレースで、このクラスではまだ厳しいという印象だった。

13番 エーシンパーティー 14着
最後方から少しだけ差を詰めてきた、というレースぶりで、目だったところはあまり見られなかった。

14番 ザリーン 8着
チャクラの下。わりと弾力のあるフォームで走っているが、追われてからの瞬発力が現時点では上位と差がある感じだった。悪い印象はなかったが、突き抜ける感じでもなく、オークスでも入着クラスか。

15番 ヴィアラクテア 5着
ダイヤモンドビコーの下。道中はぽつんと離れた最後方から、直線入り口も絶望的な位置取りの大外最後方。ほとんどカメラに映っていないし、ラスト1ハロンのところでもどこにもいないので、ラスト1ハロンはベッラレイアと同じような脚を使っている計算になる。東京向きの馬で、次走は自己条件なら買ってみたい。

16番 マイネルーチェ 11着
道中ベッラレイアの外。4角あやや早めに仕掛けて出て勝負の騎乗だったが、坂上でやや失速。ここでは多少迫力不足というレースぶりだった。

17番 ジョウノガーベラ 6着
大外枠は不利だったが、先行して一本調子に走りきった。東京向きの馬で、このコースで自己条件なら勝ち負けと思える。

馬 名 単勝 KOL次走へのメモ
1 2 ベッラレイア 105 1.8 少し細かった。後方の馬込みに入れ、折り合いスムーズ。直線で包まれたが、慌てず、残り2Fで一番外へ。メンバー最速の上がりで、先に抜けた前2頭を一蹴。本番でも楽しみ。
2 3 ミンティエアー 105 10.2 出がけは前走以上に硬かった。後方のインで折り合いに専念。前に勝ち馬を見ながら凄い手応え。直線、こちらは馬込みをうまく捌き、力強く追い込む。最高の競馬で結果を出したが、相手が悪かった。
5 10   イクスキューズ 104 6.3 馬体はフックラしていたが、コズミがキツい。迷わずハナへ。折り合いのついた逃げで、平均ペース。坂を上がって引き離しにかかる。寸前で掴まったが、この距離は微妙に長い。力は出し切る。
2 4 ミルクトーレル 100 39.3 中1週も馬体減りなし。凄い気合乗り。後方の外目、スタートから終始気負って、なだめるのに懸命。直線手前まで力んでいた。それでも大外に持ち出すと、息の長い脚を駆使。
8 15   ヴィアラクテア 98 75.7 硬さは気になったが、好馬体。出遅れ、ポツンとしんがり。4角の反応も鈍く、坂下でもまだ最後方。そこから長くいい脚を使う。
8 17   ジョウノガーベラ 96 55.0  
6 11   パッションレッド 96 34.5 コトコトして頭が高い。最初のコーナーでガッと行きたがってしまう。そこを何とかなだめて、好位で流れに乗る。直線一瞬伸びかかって、最後は内にモタれ気味に。
7 14   ザリーン 95 58.7  
3 6 ホクレレ 95 16.6 歩様はスムーズだったが、イレ込み、大幅馬体減。出負け、ブービー待機で折り合いに専念。ジックリ脚をタメて、経済コースを通ってくる。最後はキッチリ伸びている。
10 6 12   ウィンナワルツ 94 92.4  
11 8 16   マイネルーチェ 92 25.9  
12 4 8 ランペイア 92 6.2 落ち着きがあって、気配は申し分なかった。中団待機も、前半から折り合いを欠いてしまう。直線窮屈な場面はあったが、内にモタれてまったく伸びず。キャリアの差が出てしまった。
13 1 1   ディーズメンフィス 89 109.4  
14 7 13   エーシンパーティー 88 314.8  
15 4 7   チャイニーズフレア 86 81.3  
16 5 9   ホットファッション 82 127.0  
17 3 5   トウカイファイン 76 50.2  
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■ 2006年回顧

桜花賞から中1週になったことから桜花賞・忘れな草賞に出走した牝馬たちがオークス直行するようになり、フローラSは出走馬のレベルが低くなりオークスには直結しないレースになってきたと思います。今年は昨年のディアデラノビアのように桜花賞を回避してフローラSに参戦した実力馬は不在で阪神JF優勝馬テイエムプリキュアの単勝1番人気310円が混戦模様を物語っていました。


今年のフローラSは前半1000mが61秒5と例年通りなのですが、前半600mが37秒1と非常に遅いペースでした。

アクロスザヘイブンとオリオンオンサイトが逃げたのですが序盤からペースが上がらず、向正面で耐え切れなくなったブローオブサンダーが思い切ってハナを奪い後続を3馬身日引離して逃げる格好になりました。

ブローオブサンダーは深いブリンカーを着用してパドックでは最後尾を周回し、馬場も先入りしていたことから気性的に遅いペースで折合いをつけるのは難しかったのだと思います。

レース中盤から後半は東京芝コース特有のペースの緩急の差はなく、12秒前半で終始流れたことから瞬発力よりもスピードの持続力を問われたレースになりました。

今年の芝は密度が濃く、芝丈も長い目であることからスピードよりも力の要る馬場であったと思うので、瞬発力よりもスピードの持続力を問われた、今年のフローラSはオークスに直結するのではないかと思います。

道中好位で直線で中を割って力強く伸びてきたヤマトマリオンはオークスでも注目したいと思います。

 フローラSとフローラSの前身である4歳牝馬Sを見ているとパドックで落ち着いて周回している牝馬よりもイレ込み気味に気合を表に現している猛々しい牝馬が活躍している感じがします。一番最初に馬場入りして暴れていたヤマトマリオンを見て、この馬が勝つのではないかと直感しました。バネの強さを感じさせるのでオークスでも期待できると思います。

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