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阪神カップ

■ 回顧

2006年 フサイチリシャール

 大接戦を制したのは、好位で流れに乗りいつもの追っての物足りなさをまったく見せずに伸びた3歳フサイチリシャールだった。春のクラシックでは伸び悩み、方向転換したダート戦でも結果を出せないでいたが、初めての1400mでフルにスピード能力発揮。やっと活躍の場を再発見した形だった。今回のメンバーの中では数少ないGI勝ち馬、それも朝日杯FSの覇者なのだから、勝たれてみれば納得。ごく当然の復活ともいえるが、一連のレース振りがあまりに物足りなかっただけに、スピードを生かせる距離に変わったからといって信用できない部分が大きすぎた。決して早熟でもジリ脚でもないことが証明されたから、今後の展望はまた大きく広がって、再びいろんな距離に挑戦するだろうが、マイル戦以下の場合にこそ持てるスピード能力全面的に発揮かもしれない。

 惜しかったのはプリサイスマシーン。馬群を巧みにすりぬけてゴール寸前一気に勝ち馬に迫ったが、空いているコースを探すロスがあった。まだ十分脚はあり、7歳の秋になっても能力減は少しもない。1400mはこれで[3-2-0-0]。まだまだ活躍できそうだ。

 3着のマイネルスケルツィは外枠からもまれるのを嫌って早め早めのスパート。能力はほぼ出し切っている。同じ3歳のフサイチリシャールとともにこの路線の中心馬に育ってくれるだろう。安田記念を展望するためには左回りにメドを立てたい。

 候補と思えた中では、コートマスターピースは9着どまり。気配は良く見えたが、敗因は出負けではなく、ヨーロッパタイプとして完成された馬に1分20秒台のスピードレースは苦しいのだろう。コスモシンドラーは出遅れて最後方からの競馬、インを通った有力の競り合いになる中、大外を回るしかなかった。上がり3Fはアサクサデンエンなどと並んで最速の34.9秒。改めて次走に期待したい。

王者の走りを取り戻して、フサイチリシャールが復活の重賞V
 阪神牝馬Sの時期移行にともない、新設された重賞・阪神カップ(GII)。英G1馬コートマスターピースを迎え、さらにオレハマッテルゼ、アサクサデンエン、フサイチリシャールら日本のGI馬も参戦、豪華メンバーによる第1回の開催となりました。

 初代勝ち馬として名前を刻んだのはフサイチリシャールです。上々のスタートを切ると、ダイワパッションやマイネルスケルツィら行きたい馬を行かせて好位をキープ。そこで力を蓄え、パワフルな脚どりで直線へと向かうと、粘るマイネルスケルツィを競り負かし、差したプリサイスマシーンをクビ差振り切ってゴールへと達します。先行して押し切る、実に堂々とした走りでした。

 最後の勝利は、昨年暮れの朝日杯フューチュリティS。以来、クラシックで、マイル戦で、さらにはダートで苦戦を強いられてきたフサイチリシャールですが、師走の寒風の中、頂点を極めたときの喜びを思い出したのでしょう。およそ1年ぶりとなる、復活の勝利を飾ったのでした。

 とにかく、マイネルスケルツィの相手を間違ったのがかなり悔やまれます。
 スケルツィと同じロベルト系で血統的に今の阪神の馬場に合い、前走のマイルCSでもなかなか良いレースをしたプリサイスマシーンと最後まで迷って、
 弱気に人気上位のコートマスターピースを選択したのが大きな間違いでした。

 レースを振り返ると、最後の直線のパトロールビデオでよく分かりますが、上位3頭はまったく同じところを通っています。

 今の阪神芝は外が伸びずに、内から3〜5頭分くらいのところがホントよく伸びているのですが、さすがというべきか、先頭の武豊騎手がそこを通り、その
 直後を福永騎手、その更に後ろから安藤騎手がといった感じで通り、それより外を通った馬は、やはり伸びあぐねてしまいました。
 
 そういう意味では、最後、外側から斜めに突っ込んで4着まできたアサクサデンエンは、かなり復調してきたということでしょう。
 次は人気になるでしょうが、次はこの馬も連対以上がありそうです。

 勝ったフサイチリシャールですが、改めて3歳世代の強さを証明しました。着差以上に強い競馬で、マイル以下ではかなり活躍できそうですね。
 
 それにしても、今日は各競馬場で荒れましたねぇ。

 最後に今日の話題ということで・・。
 コメントで情報を寄せていただきましたが、今日の阪神8Rで安藤騎手が松田博厩舎のドルチェリモーネに騎乗しました。
 皆さんご存知の方も多いと思いますが、この二人、喧嘩別れして以来、ここ3ヶ月以上コンビを組むことがなったのですが、突然本日関係が復活しました。
 案の定、惜しい2着で馬券につながりましたが、この関係修復は、次週も馬券に直結することでしょうから、しばらく要注目です。

フサイチリシャール

2人曳き。今日は妙に気配が良かった。ただ、相変わらずトモが薄いのがどうか。例に依って出脚は現役屈指。一瞬ハナを覗かせたが、控えて4番手から。このパターンは過去に何度も失敗していて、却って行きたがるケースが多かったのだが、1400mなら話が違う様で折り合いが付いた。ずっと前を射程圏に入れながらの競馬。直線はスパッと切れた訳では無いにせよ、ジワジワ伸びて前のマイネルスケルツィを捕まえたところがゴール。以前にも述べた様に、父クロフネの豪快なイメージは捨てた方が良い。あくまで母フサイチエアデールに似た出脚と器用さで勝負するタイプの馬。ステキシンスケクンが出走取消になって、それが活かせる展開になったのも良かった。まあ、最近こういう展開ばかりといえばそれ迄だが、基本的には地力に期待して狙うタイプの馬では無い。

プリサイスマシーン

手先のスナップが利いていた。馬体に張りも有り、今年は充実の一年。出脚を言えばフサイチリシャールやニューベリーという事になるのだが、内枠を活かすべく出して行って好位から。4角で丁度フサイチリシャールの直後に付いたが、外へ出せなかった事も有って、これを後追いする形。結果的にはフサイチリシャールが勝った分の2着。出脚と末脚のバランスが良く、大して強くないにも関わらず展開を拾えている。デキが有る分も大きい。

マイネルスケルツィ

デキ一変! 今は毛ヅヤからして違う。ゲート少し悪かったが、出脚で2番手へ。更に出脚の良いフサイチリシャールの前に行くのだから、多少なりとも脚を使わされている筈。オレハマッテルゼが早目に来て、これに動かされたのも微妙に痛かった。今開催は前に居なければ競馬にならず、それを思えば...の印象も有るが、今日はそれなりに楽では無い展開。及第点は充分にやれる。ただ、折り合い面思うと、現状は1400mがベスト。

アサクサデンエン

もうちょっと歩様に柔らか味が欲しい。馬はこんなモノだが。出脚でやられて後方から。道中はインに入れていたが、直線外へ出そうとして、暫く開かず、バラけたのはラスト1F。これでは今日の展開と馬場ではキツい。むしろ良く追い込んでいる方だろう。勿論、全盛期ならこの程度の不利も跳ね返した筈で、それを考慮すれば加齢に依る能力減は有るが、完全に圏外という訳でも無さそう。ただ、最近1400mに使っていなかった影響も有るにせよ、この出脚の無さは気掛かり。

シンボリグラン

毛ヅヤはこの馬独特のモノ。造りは決して悪くない。枠なりに中段の外。多少行きたがっていたし、道中ずっと外を回されてメリハリの無い競馬になってしまった。最後は雪崩込んだだけ。枠に泣いた形。前走京都戦の際にも述べた様に、折り合い面の難しさは課題だが、能力そのものは殆ど差は無い。

コートマスターピース

変わらずスカッとした造り。ただ、歩様が独特。またしても出負け。戦前のコメント通り、それでも押して中段位置へ。4角、上手く捌いているのだが、その割に直線サッパリ。恐らくはスタート直後から押して前に行く経験は過去に無かった筈。そうしないと勝てないから仕方が無いのだが、これが遠征の辛さ。

コスモシンドラー

腹回りもう少し締まってくれても良いが、一応は走れる状態。スタート直後に躓いて後方から。道中掛かり加減で、4角も大外。今日の展開でこれでは厳しい。参考外。

オレハマッテルゼ

+6kg。メリハリの無い造りは以前から。何時も通りといえば何時も通りだったが...。内の馬を見ながら、好位の外。割とスムーズに行けた筈だが、直線向いてからがサッパリ。デキに疑問。

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