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きさらぎ賞()

ディープインパクト産駒を狙え!

■ 経緯

昭和36年に創設された3歳馬の重賞競走。
当初は中京競馬場で施行されていたが、昭和62年から施行場が京都競馬場に変更された。

また、これに伴い距離も前年までの1800mから2000mへ延長されたが、
京都競馬場の芝1800mコースの新設により、平成3年からは1800mで施行されている。

年度 1着馬
2着馬
3着馬
タイム ラップ 3連複 3連単 メモ 勝負
結果
2012年 ワールドエース ×
2007年 アサクサキングス 12.8-11.3-12.3-12.9-12.4-12.1-11.3-11.4-12.3
2006年 ドリームパスポート 12.8-11.0-11.5-12.2-12.5-12.5-11.9-11.3-11.7
2005年 コンゴウリキシオー 12.9-11.8-11.9-12.5-12.4-12.0-11.6-11.4-12.0
2004年 マイネルブルック 12.9-11.3-11.5-12.1-12.5-12.5-11.8-11.7-11.7
2003年 ネオユニヴァース 12.8-11.4-12.0-12.6-12.9-12.4-11.8-11.8-11.9 曇・重
2002年 メジロマイヤー 12.5-11.0-11.5-12.4-12.4-12.2-11.9-11.9-11.8 小雨

■ 傾向

きさらぎ賞は、先週のコラムで書きましたようにディープインパクト産駒が1-3着を独占。「ディープインパクト」というファクターだけで取れる馬券です。公開している予想でも何も考えずに◎○▲で的中しました。

この組み合わせは、3連複の1番人気でした…といっても、多くのプレイヤーがディープ産駒をボックス買いしたわけではなく、単純にこのレースの場合は、前走までのパフォーマンスを見ても能力上位の馬はディープ産駒とわかるだけの話でしょう。

もっとも「ディープ産駒だから強い」ともいえるわけですから、やはり恐ろしい種牡馬です。
昨年の当コラムで「2年目(2009年産)のディープインパクト産駒は、1年目よりさらに凄い」と書いたことが現実となりつつなります。(こんな予想は当たってくれなくてもいいのですが)

今年の3歳戦は「ディープに対抗できる別の種牡馬の人気薄」から「ディープにぶつける」馬券を組み立てるケースも昨年以上に増えそうです。

前走500万条件出走馬に要注目
過去10年でもっとも多くの勝ち星を挙げているのが、前走が500万条件戦だった馬。
7頭の勝ち馬のうち5頭は、連勝で重賞を制しており、残る2頭はスペシャルウィーク(前走2着)とナリタトップロード(前走3着)という名馬だ。
それに比べると、前走が重賞だった馬たちの成績がいまひとつなのは、気になるデータだ。
なお、前走で初勝利をおさめてここに挑戦してきた馬は19頭いるが、連対できたのは1997年のヒコーキグモ(1着)だけだ。

前走で人気を集めた馬が強い!
過去10年のきさらぎ賞を制した馬たちは、全馬が前走で3番人気以内の支持を集めており、なかでも前走で1番人気に推された馬の成績が光る。
3歳の春先という時期からも、素質というファクターがより重要となっているといえそうだ。

3月生まれが好成績
きさらぎ賞に出走した馬の誕生月ごとの成績を調べてみると、総じて3月生まれの馬の成績がとてもよいことがわかった。
ちなみに3月生まれの馬は46頭が出走して、半数の23頭が5着以内に入っている。
また、出走頭数こそ少ないが、1月生まれの馬は3頭が出走して1勝、2着1回という好成績。
若駒どうしのレースであるだけに、早く生まれた馬のほうにアドバンテージがあるのかもしれない。

■ 2012年回顧

関東の競馬記者のたむろする記者エリアで、もし、関西圏の3歳馬のレースが放映された直後のテレビの前の反応を収録しておくなら、
クラシック候補のランキングや、勢力図を作成するのはいともたやすいと思える。
「どよめき」の大きさと、「ため息」の漏れた順に並べればいい。それだけでまちがいなく、ほぼ正確な候補のランキング表ができあがることだろう。

直線に向くと、まず先行馬群の外に回ったC.デムーロ騎手のベールドインパクト(父ディープインパクト)抜け出しを図り、
あっというまにその外に追いついてきたワールドエース(父ディープインパクト)が、
小牧太騎手がムチを入れるのでもなく弾けるように抜け出し、
それをマークするレース運びになった安藤勝己騎手のヒストリカル(父ディープインパクト)が回転の早いフットワークで鋭く追いすがった。

それぞれいろんな馬を買って、たとえば関東のマイネルアトラクスに注目していた記者がいたかもしれない。
しかし、「おおーッ」と驚きの声を出したあと、直線のリプレイをみながら、だれからともなく静かになって、「なんなんだよ……」。
今春の関東の取材記者としての仕事に、また、魚のいないプールに釣り糸と垂れるような時間を作らなければならないことを予感したのだった。

勝ち時計の「1分47秒0」は、近年、毎年のようにクラシック候補が羽ばたきはじめるこの出世レースのレースレコード。
2006年、ドリームパスポート(3冠レースを2、3、2着。
直後のジャパンCはディープインパクトの2着)が、メイショウサムソン(2冠馬)を封じて記録した際の1分47秒4を上回った。

驚くのはそのレースの中身だった。
ちょっとカリカリしすぎていた印象のアルキメデス(父アドマイヤムーン。
オーナーはドバイのモハメド殿下)、ローレルブレット(父サムライハート)などの先導した流れは、前半1000m通過61秒7。
超スローというほどではないが、3歳の京都の外回り1800mとあって先を争うレースではないから、ゆったりペースそのもの。
全体の走破時計が速くなる流れではない。
ドリームパスポートの年は1000m通過60秒0だった。

前半スローだから後半が速くなるのは当然とはいえ、記録されたレースの後半4ハロンのラップは「11秒6-11秒3-11秒3-11秒1」=45秒3-33秒7。
古馬のAランクの馬にとってさえ対応のむずかしい高速フィニッシュである。
これを少し離れた中団から、とても450s台の馬とは思えない大跳びのストライドで楽に追走のあと、
一番外に回って差し切ったワールドエースの後半は「44秒1(推定)-33秒0-11秒1」。
恐ろしいことに、これを軽く気合をつけて進出をうながした程度で記録し、ゴール前はほとんど馬なりだった。

母マンデラ(父アカテナンゴ、さらにその父ズルムー)は、2007年のジャックルマロワ賞(仏1600m)、プリンスオブウェールズS(英アスコット10F)などを制したマンデュロ(父モンズーン)の半姉。
いま注目のドイツ血脈の典型である。種牡馬モンズーンの母の父がズルムーなので、正確には半姉以上に似た血を秘めている。
ドイツ血統に、ノーザンダンサー系、ミスタープロスペクター系などのスピード血脈の血が加わった近年の大成功は知られるが、そこにサンデーサイレンス系ディープインパクト。
現代の最先端を行く配合例に相当するのが、ワールドエース(よほどの自信がなければ命名できない)であり、この馬名の意味はチャンピオンになって欲しいというだけではないのだろう。
またまた、池江泰寿厩舎。
ノーザンファーム生産。サンデーレーシング所属。ワールドエースが馬でなければ嫌われるかもしれないくらいである。

2着に突っ込んだヒストリカルは、結果として道中3馬身ほど前にいたワールドエースを終始マークする展開から1馬身半差の2着。
したがって、同馬の方が上がりは速い計算になり「32秒8」。
ヒストリカルの走破タイムも従来のレースレコードを上回る1分47秒2だから、一気に評価は上がることになるが、
相手がほぼ馬なりに対し、懸命に追撃しての1馬身半差。
時計や着差以上のスケールの違いを感じさせたことも否定できない。

カンパニー(父ミラクルアドマイヤ)の下とあって、まだまだ未完成の部分が大きいように考えられるが、カンパニーとてそれほど晩成タイプだったわけではなく、
大事に使われていたため8歳時に大仕事をする不思議な競走成績となったもので、ずば抜けてタフだったのが一族の真価。
ヒストリカルは確かにまだ成長の途上とはいえ、今回の懸命の2着によって逆にワールドエースとの差が明白になってしまったともいえる。
候補のランキングは評価急上昇ではあるが…。

そこから3馬身差のついたベールドインパクト、さらにジャスタウェイ以下は、上位2頭があまりに走りすぎたとはいえ、ランキング表の中での順位は上がらないだろう。
まだまだ上昇の余地も可能性もあふれるほどあるが、この時期に「相手が強すぎた…」とするコメントには、正直、かなりつらいものがある。

■ 2007年回顧

きさらぎ賞(京都9F/36.4-37.4-35.0)
12.8-11.3-12.3-12.9-12.4-12.1-11.3-11.4-12.3=1'48"8
1着アサクサキングス(1)、2着ナムラマース(4)、3着サムライタイガース(2)
テンもやや緩く、中盤弛んで、上がりはしっかり。まあ如何にもな前残りレースで、勝ち馬は距離延長に備える底力よりも、この流れに折り合いつつ上がりの切れを残せたことが収穫。
そもそも2歳時に500万特別で番手から34.5の脚で抜け出し、同日の古馬1000万下よりも速い時計で勝つという離れ業(2着は皐月賞2着馬=サンツェッペリン)をやってのけてる馬なだけに、東京での末の持続力勝負は望むところだろう。


12.8-11.3-12.3-12.9-12.4-12.1-11.3-11.4-12.3=1'48"8
1着◎(7)アサクサキングス
2着○(3)ナムラマース
3着…(5)サムライタイガース
4着▲(6)オーシャンエイプス
5着△(4)オーシャンクルーズ


乗り替わりの幸四郎が思い切りの良い逃げで、持ち味である底力を存分に引き出した好騎乗・・・ではあるのだが、実は「36.4-37.4-35.0」のラップは例年と比べるとやや緩く、「底力」を過信するこちらとしてはちょっとハラハラさせられる逃げではあった。
まあ、間違っても13秒台なんか刻まずにダラダラと脚を使わせたことが、前夜雨がパラついた+連続開催でヘタってきた馬場と相俟って切れ味タイプの末を削いだのは間違いないし、「刺し違える」覚悟まではないが常識的な範囲での「好騎乗」だったと言えるだろう。

さて。
勝ち時計は大したことがない分、勝ち馬アサクサキングスはこのレースで百日草特別の真価を再確認できた程度の評価でいいとして(それでもわしゃ朝日杯に出てきたら本命を打とうとしていた程の高評価)、問題は負けた馬の評価。
この流れで唯一33秒台で差し込んだ2着ナムラマースは、着を取りに行ったと見えなくもないが、わし的には印象は悪くない。即ち、これまでの前に圧を掛ける底力を生かした勝ちパターンが、悪く言うと一本調子だった分、今回のレースぶりでクラシックへの展望がひとつ拓けたのではないだろうか。
で、4着オーシャンエイプスだ。ディープインパクトの名前までを引き合いに出して煽った奴ら、ここに並んで言い訳を述べてみろ!・・・とまでは言わないが、この程度の流れで馬券圏外に飛んでいるようではクラシックは無理です(キッパリ)。良馬場ならば6F=72秒台前半がデフォルト(例年「71.8〜73.5」の範囲)のところ、前述の通り今年は「73.8」という緩さで、ハードルは決して高くなかった。これを3番手で追い掛けたぐらいで脚が上がっている程度の馬・・・それが現時点での本当の姿。
短距離ならば脚が上がらずに反応の良さとスピードを生かせる?長距離ならばゆったりしたペースで気性・反応の良さと切れ味を生かせる?・・・個人的には後者、「すみれSや青葉賞や京都新聞杯でいい競馬して、本番穴人気でまたコケる」ぐらいのイメージ。・・・ま、これは当然今後の成長=レースで示す資質で如何様にも変わるのだが。<先に言い訳

そんなこと言ってるうちに、今週末は早くも今年初のG1ですね。
まあ、このG1に関しては実はテンションの上がらない理由が多い昨今なんですが、予想は丹念にやって行きますんで、よろしくお願いします。


オーシャンエイプスの程度がわかったので、次レースの参考に。。。
ディープインパクトという馬でさえ、初重賞挑戦の際はスロー、ハイペース、ともに経験しておりました。

ラスト12秒3と止まってるものの、9Rの春日特別も後ろから飛んで来る馬がいないように、今週の京都は追い込みが利きにくい馬場。
後ろから突き抜けられるのはダノンムローのような短いところを走っているピッチの効く馬ばかり。


きさらぎ賞(京都9F/G3)
07:12.8-11.3-12.3-12.9-12.4-12.1-11.3-11.4-12.3 =1'48"8
36.4-37.4-35.0/アサクサキングス(逃)→ナムラマース(差)
06:12.8-11.0-11.5-12.2-12.5-12.5-11.9-11.3-11.7 =1'47"4
35.3-37.2-34.9/ドリームパスポート(追)→メイショウサムソン(先)
05:12.9-11.8-11.9-12.5-12.4-12.0-11.6-11.4-12.0 =1'48"5 
36.6-36.9-35.0/コンゴウリキシオー(先)→マキハタサーメット(逃)
04:12.9-11.3-11.5-12.1-12.5-12.5-11.8-11.7-11.7 =1'48"0
35.7-36.1-35.2/マイネルブルック(差)→ブラックタイド(先)
意外と年ごとにラップの性質にバラつきがあり、06年(ドリームパスポート)・03年(ネオユニヴァース)のようにテンが速く中弛みの年もあれば、05年(コンゴウリキシオー)のようにテン=中盤の平坦なラップを刻むケースもある。また稀に02年(メジロマイヤー)のようにテンが妙に速い場合もあったりとバラエティに富んでいる。
「底力」と一義的に評価しようとすると、中盤やテンが速い時に先行して勝った馬の方が、距離延長に対応=クラシックで通用しそうなものだが、そういう馬はむしろ「スピードに秀でたマイラータイプ」や「中距離特化の集中力持続タイプ」として評価されていく場合が多い。即ち、中弛みの流れで、恵まれない位置取り(先行〜中団流れ込み)から抜け出して勝った馬の方が、断然クラシックでは活躍しているということ。昨年で言えば、やや追い込みが嵌った感のドリパス(とは言え外差し馬場を内から伸びてきた脚は特筆ものだったが)よりも、正攻法で2着のメイショウサムソンの方を高く評価して実際2冠を制したのは記憶に新しい。新しくないか?
今年のアサクサキングスは「恵まれた」以上の着差だけに文句はないが、中盤だけでなくテンもやや緩く前が恵まれたこを勘案すれば、やはり中団後ろから差しに回って2着のナムラマースを高く評価したい。


注目のクラシックのステップレースはきわめて評価の難しい結果に終わった。期待の馬がいたわりに、また、重要なステップレースとすると、まず第一に「迫力」もう一歩だった気がする。競馬はタイムレースでもないから、それを上回るスケールを感じさせれば十分なことが多いが、迫力と鋭さを欠いたうえに、目安となる時計もあまりに平凡だった。

 同じ外回りの1800mでは、5Rの3歳未勝利戦が1分48秒4で、9Rの4歳上1000万特別が1分47秒6だった。きさらぎ賞の1分48秒8は、ペースうんぬん以前にあまりに…の印象が強い。だいたいこの時期、クラシックの有力馬レベルは古馬1000万条件の時計を目安にすることが多いが、同じ日の未勝利戦にも及ばなかったのだから、その理由を探し出さなくてはならない。きさらぎ賞はクラシックに結びつくことが多いが、芝コンディションの格段に良くなった最近の良馬場では、もちろん、断然一番遅い勝ち時計が今年だったことはいうまでもない。

 マイペースに持ち込んだアサクサキングスの前半1000m通過は、なんと61.7秒という超スロー。この時点で7馬身も8馬身も離されて追走の2番手以下は、差し切ったならともかく、手も足も出なかったのだから、クラシックを前にして最初からピントがズレすぎている。それでも届く、差し切れると考えたとしたら、乗っていた馬には残念ながらそういう能力は備わっていなかったという証明の結果でもある。

 アサクサキングスは望外のスローのマイペースになったが、巧みだったのは勝負どころの4コーナー手前から11.3秒。レース全体の中でもっとも速いラップを繰り出し、引きつけることなく離してしまったことだ。ジェニュインの一族でホワイトマズル産駒。全体に少し時計のかかるような展開もベストだった。春の中山向きだろう。

 ナムラマースはオリビエの流儀だからもうこれは仕方がないが、せっかくいい位置をとれたのに途中から武豊騎手マークに回ってしまった。結果は2着で一応の答えは出したのだが、これだけ楽なペース追走で上がりは33.9秒止まり。それほど切れるタイプではないことをペリエなら分かっていたはずなのに…。弱気すぎ、結果としてマークする馬を間違えてしまった気がする。

 オーシャンエイプスの評価は、一転、難しくなった。新馬戦の驚異の勝ちっぷりから、無限の可能性さえ思わせた。今回、武豊騎手が『まるで走らなかった。何でだろう』『きょうは走っていないだけ』のコメントがあったが、ほとんど馬なりで勝ったように見えた新馬戦が、1分49秒8。上がり3F34.3秒。そして、必死で追った今回が、同じ京都の外回り1800mを1分49秒4。上がり3Fは34.4秒。前回は独走だったが、今回は同じような能力を持った馬が前にも隣にもいただけのことで、オーシャンエイプス自身は前回とまったく同じ内容の競馬をしただけ、といえなくもない一面もある。

 新馬戦は楽々と後半3Fを11台のラップでまとめたが、ディープインパクトのように10秒台のラップを楽にこなして最後を33秒台でまとめたのではなかった。今回もこの馬自身は、やっぱり後半3Fを連続して11秒台ではフィニッシュしている。次走もう一度スケールに注目は当然だが、別に今回、走らなかったわけではない危険もかなりあることは考えておきたい。評価の難しい馬が多くなったこのレース、おそらくレースレーティングは著しく低くなることだろう。推理の要素はまた増えた。


 キャリア2戦目としては異例の単勝1.3倍の支持を集めたオーシャンエイプス。馬ナリで8馬身ちぎった圧巻の新馬戦に魅せられ、個人的にもクラシックを狙う新星の誕生を期待して見守りましたが、残念ながら4着という結果に終わりました。

 スタートは若干フラついたものの、ほぼ互角の出。前半から折り合いもつき、3コーナーの頂上過ぎからジワっと前へ進出。4コーナーへめがけての下り坂で加速し、直線入り口では2番手。逃げたアサクサキングスとは少し差がありましたが、決して届かない距離ではありませんでした。

 ところが、追い出してからの反応がイマイチ。アサクサキングスとの差は一向に詰まらず、一度交わした内のサムライタイガースとの追い比べで見劣り、外からナムラマースにアッサリ交わされてのゴール。同じ負けるにしても、こちらが想定していた以上に走らなかった印象を受けました。

 しかし、実際の数字を見てみると、走破時計が1分49秒4。レース全体がスローペースだったこともあっての時計ですが、新馬の勝ち時計と0.4秒しか違わない数字。これはキャリアが浅い同馬にとってはむしろいい材料で、一気に時計が短縮されるよりも対応しやすいと考えるのが普通です。しかも、同じ京都芝1800mでの時計ですからね。ところが、上がり3ハロンを見ると、今回が34秒4で新馬が34秒3。前走より0.1秒遅くなったものの、ラストは前回とほぼ同じくらいの脚は使っていたのです。

 今回でキャリア1戦の身ですから、いきなり底が見えたと判断するのは早計。そして、今回の敗戦を「キャリアの浅さ」と言うのは簡単です。しかし、京都芝1800mをあのスローペースで追走して上がり34秒3、4ぐらいが限界なのでは、今後の見通しは決して明るくない。好走するには「上がりかかる流れ、馬場」という条件がつきかねないからです。
 
 次は若葉Sか毎日杯の模様。クラシックを狙うには苦しくなりましたが、負けてしまったのでそんなことも言っていられない状況。仕切り直しの一戦で、注目しましょう。

 勝ったアサクサキングスは、レース前に急きょ武幸四郎騎手に乗り変わるアクシンデントがあったものの、鮮やかな逃げで快勝。前走のラジオNIKKEI杯2歳Sは直線での不利も大きかったのですが、自分の競馬ができなかったことも事実。今回は主導権を握って先行できたことも良かったと思います。諸々の面で、クラシック本番では、「スケール的にどうかな?」という気もしますが、なんせ勝ったのは“きさらぎ賞”。昨年のドリームパスポートの例もありますし、変な先入観はなるべき持たないようにしようと思います。

 2着のナムラマースは斤量の分。このレースは57キロの馬が勝つのは厳しく、何が頭(勝っても)同馬は2着まで。そういう意味での対抗でした。
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