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日本ダービー

皐月賞燃え尽き症候群が馬券妙味に一役買う。
NHKマイルからの臨戦組も注意。

・皐月賞の反動が出やすく騙されやすい。巻き返しが多いレースでもある。
・NHKマイルからのHペース経験組は注意。
・人気とリンクしないレースなので、軸を決めずに手広く買う。
・モデル馬=ロジユニヴァース・スマイルジャック
・直結レース=NHKマイル・ラジオNIKKEI杯2歳S
・危険タイプ=フサイチホウオー・アンライバルド・コスモバルク

・非直結レース=皐月賞


■ 傾向

激しい雷鳴と雨音で目が覚めました。時計は午前7時50分。窓の外の東京競馬場のダートコースは水浸しの状態です。先日の24日(水)の天の底が抜けたような豪雨を思い出すような雨が降っています。天気予報では雨は朝方に上がり、日本ダービーの頃には晴れ間が出ると言っていたのですが、今の状態が続くと馬場の回復は見込めず日本ダービーは田んぼの中で行われる感じになると思います。

東京競馬場に住んで10年近くになりますが、感覚的に降水量が15mmを超えると芝コースは不良馬場になります。前日の土曜日は2mm程度の雨が降っただけで稍重になったことから馬場に先日の24日(水)の豪雨の影響が残っていたと思います。馬場改修で東京競馬場の排水機能は良くなったといわれていますが激しい雨では処理が追いつかないと思います。

日本ダービーまで芝コースでは4レース行われます。雨で柔らかくなった馬場ではレースが進むにつれて内がボコボコに荒れます。東京競馬場は排水機能が良くなったので内側から乾きやすく、内側有利といわれますが、今の状態を考えると内側は必ずしも馬場が良いとは限らないと思います。日本ダービーまでの芝4レースでリーディング騎手の通った位置取りで内外の有利不利を判断したほうが良いと思います。

強い馬は道悪などの多少の不利は克服するので日本ダービーの予想では道悪の巧拙は気にしなくて良いと思うのですが、前日から降り続いている雨の勢いを考えると道悪の巧拙がモロに影響するレースになると思います。

近年、道悪で行われた日本ダービーは、2003年(優勝馬ネオユニヴァース)と2001年(優勝馬ジャングルポケット)の2回です。 

2003年の日本ダービーは台風の影響で前日から激しい雨が降り続き、降り始めからの累積降水量は70mm近くなっていました。出走馬で道悪実績のある馬はザッツザプレンティ・ネオユニヴァース・サイレントディールの3頭。サンデーサイレンス産駒です。サンデーサイレンス産駒は爆発的な瞬発力を武器にする産駒が多く、瞬発力を殺される道悪馬場を苦にする傾向あるので道悪をこなせるのか不安がありましたが、結果は1着ネオユニヴァース、2着ゼンノロブロイ、3着ザッツザプレンティ、4着サイレントディールで決着しました。結果的に道悪実績のあった馬が上位を占めました。ネオユニヴァース・ザッツザプレンティはJCなどでも道悪競馬をこなしていることから道悪が苦にならなかったのか、上位3頭の活躍を振り返ると強い馬だから道悪などの多少の不利を克服したのかは分かりませんが、私は強い馬は道悪などの多少の不利は克服するものだと思いたいです。

2001年の日本ダービー優勝馬はジャングルポケットです。ジャングルポケットはパドックや返し馬で暴れる気の荒い馬で、その気の荒さがプラスに働くと類い希なる勝負根性を発揮する馬でした。その後の道悪のレースを経験していないので道悪適性があったかどうかは分かりません。

道悪レースではジャングルポケットやサクラナミキオーのように気の荒い馬が好走することは良くあります。多少の悪条件でも苦にしない負けん気の強さや勝負根性が道悪で好走する要因ではないかと思います。

今年の日本ダービーで道悪実績のある馬は、不良馬場のすみれ賞を優勝したナイアガラ、重馬場の荻Sを圧勝したフサイチリシャール、3着馬に2馬身半差をつけたドリームパスポート、3着ロジック、4着メイショウサムソンの5頭のみです。フサイチリシャールはピッチ走法で回転力で走るタイプの馬なので道悪巧者だと思います。ナイアガラはダートの端午Sで0.1秒差の3着と力の要るダートコースで好走していることから力が要る道悪馬場は問題ないと思います。すみれ賞は芝2200mなので距離適性も問題ないと思います。重馬場の萩Sで好走したメイショウサムソンは皐月賞優勝、ドリームパスポートは皐月賞2着、ロジックはNHKマイルC優勝と実績を挙げています。優勝馬のフサイチリシャールは朝日杯FSを優勝していることからレベルの高い馬が揃っていたと言えます。彼らが道悪適性があったかは出走経験が少ないので何とも言えませんが、強い馬は道悪を克服する力があると言ってよいと思います。

日本ダービーはトライアルの安定した走りと皐月賞の実績と道悪の実績からメイショウサムソンを◎としました。ドリームパスポートがフジキセキ産駒なので2400mの距離適性が気になるので△としました。フサイチリシャールは皐月賞・NHKマイルを大敗しているのが気になりますが道悪が向くと思いますので過去の実績から▲としました。 NHKマイル優勝馬ロジックはアグネスタキオン産駒でフジキセキ産駒と同じようにスピードが勝ったタイプが多いことから2400mは距離が長いと判断して△としました。ナイアガラは実績は萩S組みより劣ることから△としました。

道悪では差し・追込み馬は自慢の末脚は発揮できないことから人気のアドマイヤムーンとフサイチジャンクは厳しいレースを強いられると思います。アドマイヤムーンはトビが綺麗なので道悪は苦にすると思います。未勝利戦で重馬場を好走しているサクラメガワンダーには内田騎手、ヴィクトリーランには安藤騎手が騎乗します。馬の能力的には勝ち負けは難しいと思いますが道悪実績と実力騎手が騎乗することから△として押えたいと思います。

道悪では馬場状態・ペースの判断が難しいので馬場の良い場所を選んで走り、ペースを作れる逃げ・先行馬が有利になります。○は逃げ馬アドマイヤメインです。青葉賞芝2400mを優勝しているので距離適性は問題ないと思います。レベルの高かったきさらぎ賞ではドリームパスポート・メイショウサムソンと差のないレースをしているので実力的にも問題ないと思います。

◎メイショウサムソン
○アドマイヤメイン
▲フサイチリシャール
△ドリームパスポート・ロジック・ナイアガラ・サクラメガワンダー・ヴィクトリーラン

【馬券の狙い】

本線 馬連  ◎→○▲△
押え ワイド   ◎→○▲△


想定外の「頂上決戦」、問われたのは折り合いと瞬発力

 先週末は競馬の祭典・ダービーが行われました。

 皐月賞3着のエイシンフラッシュが末脚一閃で戴冠、中央移籍3年目の内田博騎手が、初のダービージョッキーの座を射止めました。2・3着も皐月賞4・1着馬で、「格」を考えれば皐月賞上位組による「さほど意外ではない」決着でしたが、詳細を見ると戦前の予想を覆す要素が幾つもあったと言えそうです。

 「2強は並び立たず」とはよく言われますが、オッズ的にも「2頭が2倍台」という極端な人気を集めたヴィクトワールピサ・ペルーサが共に連対にも届かなかったのは、やはり意外な結果。

 また2歳戦からトライアルまで、主要レースがことごとくハイレベルだった世代ということもあり「史上最高のダービー」と謳われましたが、スローペースとなり、良馬場としてはここ10年で最も遅い時計での決着だったのも大方の予想を覆すものでしょう。

 更に、2003年のダービー1・2着馬(ネオユニヴァース・ゼンノロブロイ)の産駒が「2強」として人気に推されていたのに、結局は14頭いる父内国産馬を抑えて、父母共に国外で走っていたエイシンフラッシュが勝ったことも、血統ロマン派には拍子抜けだったかもしれません。

 逆に言えば、競馬はそれほど複雑で奥が深いものだと言うこと。ハイペースで対決したらどうなるか、距離が延びたらどうなるかと、今後も楽しみが尽きない世代となりそうですね。

 さて、そんな想定外のレースとなった頂上決戦のラップを見てみましょう。

◆東京優駿=日本ダービー(GI・東京12F)
2010年:36.1-39.0-38.4-33.4=2'26"9 (エイシンフラッシュ)
2009年:35.6-36.7-41.7-39.7=2'33"7 不 (ロジユニヴァース)
2008年:35.5-38.1-36.7-36.4=2'26"7 (ディープスカイ)
2007年:35.8-36.8-37.5-34.4=2'24"5 (ウオッカ)
2006年:37.4-37.8-37.4-35.3=2'27"9 (メイショウサムソン)
※「3F×4ブロック」で表記、( )内は勝ち馬。

 「第2ブロック+第3ブロック」の「中盤6F」が、良馬場換算で74〜75秒程度になるのが通例のこのレースで「77.4」という異例の中盤の遅さ。更にテンもさほど速くなく、結果的に史上最速の上がりが記録されました。完全に上がりの瞬発力勝負で、スタミナは殆ど測られない一戦だったと言えそうです。

 3冠目、菊花賞へ向けての材料を考えると、折り合いと瞬発力に関しては最高のものが問われましたが、前述の通りスタミナは問われなかったので、消耗戦になれば別の裏付けが必要となりそうです。またこのレース最大の「爆弾」は、ラジオNIKKEI賞やセントライト記念といった「上がりが掛かる流れ」になりやすいレースでは、今回の序列が全く信用できない可能性があること。メンバー次第ですが、これらのレースを予想する際は「頂上決戦を度外視する」という思い切ったアプローチで穴を狙ってみたいと思います。

■ 2006年回顧

発走1時間前に天候が回復して強い日差しが戻るも、前日から降り続いた雨と中間の豪雨の影響で馬場は稍重発表でも軟弱な状態でした。距離適性のある逃げ馬は○アドマイヤメインの1頭のみでスローペースで良馬場でも逃げ・先行馬有利の状況で軟弱な馬場状態ですから中団・後方からレースを運ぶ差し・追込み馬にとっては発走前から不利な条件が揃っていたと言えます。

柴田善臣騎手は逃げ・先行馬で積極的に飛ばすタイプではなく、遅いと思うぐらい絶妙なペースでレースを引っ張るタイプの騎手です。アドマイヤメインもスタートから飛ばして逃げるタイプではないので、スタートしてから最初のコーナーまでスローモーションを見ているかのようにペースが遅く、アドマイヤメインを交わして前に行く馬もいなかったことで激しい位置取り争いでゴチャゴチャした感じになりました。スタートで後手を踏んでしまった人気馬アドマイヤムーン・マルカシェンクは位置取り争いに加われず悪い位置取りになってしました。逆に優勝馬◎メイショウサムソンは好位の良い位置を確保していました。

距離適性に不安がある馬が多かったのか○アドマイヤメインのハナを叩く馬はおらず、柴田善臣騎手が淡々とした流れでレースを支配しました。アドマイヤメインは青葉賞で東京芝2400mを優勝しているのでマイペースで逃げて余裕十分でした、叩き合いで◎メイショウサムソンに力負けしましたが強い内容のレースであったと思います。スタミナに不安はないので今後も重賞レースでレース展開の鍵を握る馬として注目されると思います。

柴田善騎手の乗り方なのかアドマイヤメインの特性なのか日本ダービーのようにスピードに乗るまで時間が掛かる馬なので、他に出脚の鋭い馬がいたりすると外から被せられてスンナリと逃げることが出来なくなる可能性があります。スタート地点から最初のコーナーまで距離が短いコースで外側に出脚の鋭い馬がいる場合は苦戦を強いられる可能性があるので注意が必要です。

デビューから注目していた▲フサイチリシャールは3番手先行も2コーナーまでスローペースで掛かってしまったのか口を割って追走していたことから直線でスタミナがなくなって失速した感じです。掛かり癖があることと鋭い末脚がないことからマイル前後で逃げ・先行して早目仕掛けて流れ込みを狙うのが、この馬にはあっているのではないかと思います。現状では古馬との対戦は苦しいと思います。血統と回転力のあるピッチ走法からダートでの走りを見てみたい感じがします。

◎メイショウサムソンはスローペースを好位先行して、直線で逃げるアドマイヤメインを余裕を持って交わした横綱相撲ですから強いレースであったと思います。他馬との実力差はダービーの着差が証明していることと血統的にもまだまだ成長が見込めることから無事に行けば3冠達成の可能性は高いと思います。

3着△ドリームパスポートはフジキセキ産駒で距離に不安がありましたが届かないと思っていた後方の位置取りから鋭く伸びて3着ですから能力の高さが窺えました。菊花賞になると距離の不安が残りますが神戸新聞などのトライアルならアドマイヤメイン・メイショウサムソンと好勝負すると思います。

4着ロジックは直線前が狭くなる不利がありましたが渋太く伸びました。距離適性には不安が残りますがNHKマイルC優勝の実力は証明したと思います。


常識的に考えると、この時期に牝馬が牡馬の一線級に挑戦しても太刀打ちできないだろう、ということになると思うのですが、僕の考えでは、「そうとうやるだろうな」という感じ。
フサイチホウオーやヴィクトリーの強さもまた別格ですので、「勝つんじゃないか」というところまではまだ想像できないんですが、でもたぶん、そうとうやると思います。

優駿の仕事でウオッカを生産したカントリー牧場さんの取材をさせていただきましたが、そのときに場長がおっしゃっていたのは、「僕の見た感じだと、距離伸びてからが本領発揮だろうなと思ってたんですけどね〜」とのこと。
そのあとに、「だから阪神のマイルの阪神JFを勝ったのはむしろ驚きだった」というニュアンスに続きます。この時点ではダービー挑戦なんて(特に僕は)全く想像もしてませんでしたから、このやり取りをあまり気に留めてなかったんですが、でも牧場さんの評価としては、そういうことらしいですよ。


「ウオッカの距離適性」というタイトルで書いたわりにはまったく結論めいたものを出さない内容になってしまいましたが、まあ走ってみないと分からないですからね〜(^^;

生産牧場さんが「長いところがいいと思った」と言ってるからその通りになるとは限らないんですが、逆に、ずいぶん長いこと馬をやっておられて、その経験の中から出てきている言葉なだけに、まあなかなか重みもあるかな、と。

いずれにしても、あの瞬発力は、牝馬としてはめったにお目にかかれないレベルだと思います。レースぶり、注目してみましょう。


ここまで人気するかと思うほどに人気がかぶったフサイチホウオーでし
 たが、パドックでも馬場入り後も落ち着きが無かったですね。
 馬がそんな状態の中、パドックでは、派手なオーナーと何とボクシング
 の亀田兄弟が記念撮影バシバシ、その輪の中に騎乗直前の安藤勝騎
 手と松田国調教師が入り笑顔で記念撮影バシバシ・・・。安藤騎手も松
 田国調教師もいったい何をやっているのか。当たり前なのですが、やは
 り馬主あっての競馬なんですね。

 一方ウオッカは、とても牝馬とは思えない馬体と雰囲気を醸し出していて、
 これなら何とかなるかもと思ってレースを見ることができました。

 さてレースですが、まずスタートでヴィクトリーがやや出負けしてしまった
 ところをアサクサキングスに寄られ、フライングアップルとアサクサに挟ま
 れる形で前に行くことができず、後方からの競馬になってしまいました。
 この時点で2番人気馬のダービーは終わったわけです。まあ、そもそも調
 教をまともにできないような馬では勝負できませんが・・。

 スタート直後、ある程度予想されていましたが、ウオッカはややかかり気
 味でした。
 ただそこは四位騎手がしっかりと抑え、内側で前を壁にし、ロスのない競
 馬で道中進むこととなりました。

 フサイチホウオーですが、スタートはスムーズに、そして外側をいい感じ
 で進んでいたのですが、1000M手前でいきなりかかり気味に前に取り
 付く感じになってしまいました、まるで陣営の気負いが乗り移ったかのよ
 うに・・・。

 そして最終コーナーに差し掛かる直前、今度は中団の後方に位置してい
 たウオッカが仕掛け、最後の直線で差し切れるところまで内目を押し上げ
 ていきました。
 やや遅い流れを考えた四位騎手の絶妙の判断でした。

 あとの直線は見てのとおりで、逃げ粘るアサクサキングスをウオッカが凄
 い脚で追いかけ、更にそれを外側でホウオーとオーラが追いかけるという
 形になり、ウオッカがいつもの豪脚できっちり差しきったのに対し、ホウオ
 ーは何故か伸びあぐね、オーラも左右に大きくヨレ、最後凄い切れを見せ
 たものの3着が精一杯という結果となったわけです。

 ホウオーは、とにかくパドックでもテンションが高く、レースでも大事なとこ
 ろで引っ掛かったりと、まったく力を出しきれなかった印象が残りました。
 何故テンションが高くなってしまったのか・・・。馬は敏感だということですね、
 自分を取り巻くあらゆる状況に。
 
 秋に向けてですが、勝ち馬以外ではアドマイヤオーラが印象に残りました。
 是非パトロールVTRで最後の直線の模様を前から見て欲しいのですが、
 オーラが左に右にヨレるシーンは、まるでロデオをみてるかのようです。
 弥生賞でこのヨレることの怖さについてはこのブログでも触れていましたが、
 今回は弥生賞どころではありませんでした。ホント、岩田騎手が落ちても何
 らおかしくないくらいのヨレ方でした。
 秋になって精神的に成長すれば、おそらくはこの馬が最も強くなる可能性が
 あると思います。

 そのほかの馬は、特に印象は残りませんでした。
 今後は、オーラとホウオー、そして目黒記念を勝ち損ねたココナッツパンチ
 の3頭が現3歳牡馬路線で中心となるのでしょう。

 ウオッカの今後ですが、凱旋門賞なのでしょうか。
 3歳牝馬の挑戦がハンデの兼ね合いから最も有利といわれていますので、
 タニノギムレットの種牡馬としての価値を更に高めるため、今度はオーナー
 の決断で行くかもしれませんね。

 最後に、今回のウオッカの勝利で、来年以降ダービーに挑戦する牝馬が増
 えそうな気がしますが、覚えておいたほうがいいことが1つあります。
 私が今回ウオッカを本命視した理由の1つに、ダービー参戦を決断したのが
 調教師だったということです。
 その昔、ビワハイジがダービーに挑戦して惨敗したときに、その参戦を決断
 したのは馬主でした。馬主の強い希望での参戦です。ダービーを獲ることは
 夢ですから、馬主が無理して挑戦させるというのはありがちです。
 ただ、今回は、馬主が調教師にどっちでもいいよと決めさせたわけです。
 馬主に全責任を負う調教師です。馬主に損をさせることは絶対緩されません。
 その調教師が「ではダービーへ」と、しかも超一流の調教師が。

 来年以降、牝馬がダービーに挑戦してきたときには、今回のウオッカと同じ
 背景かどうか、チェックすることが大事なポイントとなることでしょう。


メイショウサムソン
2人曳き、前走の中山戦より落ち着いていた。例に依って腹袋が大きいのだが、トモの張りは上々。ゲートも良かったが、出脚も一番良い位で、スッと好位が取れた。課題の折り合い面も、下見で落ち着いていた様に、1角で行きたがった馬に連られた以外はスムーズ。今の東京なら最後迄インに拘る競馬の方が確率は高いのだが、石橋騎手、スローで相手をアドマイヤメインと判断。3角から外へ出して、早目のスパート。ラスト1Fで捕らえて最後は流す余裕が有った。あのローテーションでここ迄走るのだから、瀬戸口厩舎、馬を造る技量は確かなのだろうが、渋い馬場も含めて前走同様今日も展開ズバリで、外枠ならという印象も強い。馬場差有るとはいえ、先週のオークスより遅い時計。力を出し切れなかった馬も多く、3冠ムードが俄かに盛り上がって来た今こそ辛目の評価を。

アドマイヤメイン
2人曳き。これも落ち着いていた。馬体も前走辺りから良く見せる様になって来た。今日はゲート五分。出脚ではフサイチリシャールに利が有って、どうしても押して出して行かないとハナへ立てないのだが、今日は2番手グループがあれがけ行きたがっていながら競り掛けに来なかった分で相殺出来た。まあ、結果的にスロー過ぎて...という印象も無い訳では無いが、差して来たのが道悪に強くて物語性の有るメイショウサムソン。内が団子になって、決め手身上タイプの多くは前が詰まった訳で、これも差し引きゼロだろう。今日はメイショウサムソンを称える外無いが、出脚の無さが唯一の課題。フサイチリシャールの外だったらと思うと、ゾッとするだろう。これも枠に救われた面が有る。

ドリームパスポート
欲言えばもう少し歩様に伸びがという事になるのと、寸が詰まって体型がマイラー。ゲートで安目を売って後方。ただ、ピタッと折り合っていた訳では無いので、最初から行く気も無かったのだろう。矯めるだけ矯めて直線馬群を割って、坂下迄の脚が速かったが、そこからがジリっぽい。まあ、今日は距離を思えば良く走っているという事になるのだが、スローで前との差が少なかったし、このパターンはオークスで良く来るパターン。逆にマイラーとしての資質がクローズアップされたという気も。

マルカシェンク
2人曳き。これでもこの馬とすれば落ち着いている方。馬自体は良いが、歩様が硬い。例に依って出負け。ただ、内枠の馬が有る程度前に行ってくれた分、そこ迄位置取り悪くならなかった。直線一瞬狭くなったが、そのままインを突いて、これらを捌いたところがゴール。右手前に替えた手前が坂下で左手前に替わってしまった様に、まだ甘いところは有るのだが、前走の京都戦を思えばフォームが良くなった。前走時に、気性面課題が有って上積みがどうかと述べたと述べたが、下見で落ち着いていた点も含めて良化窺える内容。何れにしても人気になるので妙味は無いのだが、秋は活躍出来そう。

ロジック
前走時に述べた様に、トモに力が付いて来たのが大きい。暖かくなって毛ヅヤも良化。中段馬群の中。4角でメイショウサムソンの直後に居て、スムーズな競馬が出来た面も大きいのだが、今日はスパッと切れなかった代わりに最後迄ジワジワ伸びていた。前々走の中山戦辺りから馬がズブくなっていると述べたが、これが良い方に向いて距離の融通性を呼んでいる。こういうところに厩舎技量の片鱗が。

アドマイヤムーン
2人曳き。落ち着いていた馬が多い中、一頭目立つ気配。トモの張りも素晴らしく、絶好調を思わせるのだが、逆に2400mの馬では無い。スタート直後からインを狙っていたが、考える事は皆一緒の様で、結局後方から。4角で前に居たマルカシェンクが詰まっているのだから、この馬も詰まっているのだが、伸び自体も案外。最後は距離だろうが、この競馬をせざるを得ない段階で既に苦しい。

トーホウアラン
2人曳き。-8kg。多少硬さは有るのと、馬体減は良くない傾向。落ち着いていたのは何よりだが。出して行く事は無かったが、出脚良く好位から。メイショウサムソンの直後に付けた時は乗り役もシメシメと思っただろうが、早目に外へ出したメイショウサムソンとは対照的に、直線入り口でフサイチリシャールとトップオブツヨシに挟まれてジ・エンド。勿体無い競馬。

フサイチジャンク
2人曳き。落ち着いていたし、トモの張りも前走の中山戦とは一変。下見だけなら文句無くコレ。もうちょっと出脚が有るかと思ったが、意外に甘く中段。スローとはいえ、ポツンと馬群の切れ目で上手く競馬が出来たし、ドリームパスポートが更に後方から来ているのだから、文句は言えまいが、その割に追ってからが内にモタれて甘い。距離では無いとは思うが、道悪がダメなのか...。

サクラメガワンダー
2人曳き。-6kg。落ち着いていたが、今日は細く映る。仕上げ過ぎ? もっと後方の競馬かと思っていたら、中段位に居たが、積極的に乗られたというよりは馬が気負い気味。ただ、それにしても直線抵抗するシーンすら無かったのは案外と言わざるを得ない。デキが無いのだろうが、馬場も合わないのか...。

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