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男のパドックの見方

■ 馬の外貌


■ パドックの見方・例

マツリダゴッホ【パドック】

今日ピックアップしたい一頭は、中山メインを勝ったマツリダゴッホ
この馬は血統が良くて、母の母がフローラルマジックという馬なんです。
この、フローラルマジックの仔で大活躍したのが、菊花賞をはじめ重賞を7勝もしたナリタトップロード。
ちょっと話はそれますが、サラブレッドの場合、いくら父がサンデーサイレンスでも、
それだけで「良血馬」と表現されることはほとんどなくて、「良血」という言葉は「牝系が良い」という意味合いで使われます。
そういう意味で言うと、お祖母さんの子供にナリタトップロードがいるこの馬は、父がサンデーだということもあって、「かなりの良血」だと言っていいんです。

でもなあ、いつもパドックで見ると、買えないんですよこの馬(^^;
それで今回の「復習」編の第一弾に取り上げたわけなんですけどね。
もしDVDやビデオに今日の中山メインのパドックを録画してある方は、ぜひご覧ください。
マツリダゴッホ、おなかのラインはきれいですし歩き方にも弾力があるんですが、
パドックを見る際にもっとも大きなポイントとなる「背中のライン」と「全体のバランス」が、あまり良くないんですよね〜

まず、背中のラインがかなり落ちていて、そしてそれにともなって腰と尻の部分が少し尖って見えるんですよね。
これは、一部の例外を除いて、たいてい「ダメ」なパターンなんです。
腰と尻の部位は、図でお確かめください。19番が腰、24番が尻です。
背中から腰のラインは、スッとしてて滑らかなのがたいてい良く、尻は適度な丸みがあってプリッとしてるのがいいんですが、
マツリダゴッホはすこしこのあたりがギスギスした感じなんですよね。
ここがもっと柔らかそうだとおそらく常に買いたい気分になると思うんですが、この辺がいつも尖った感じなので、手を出しにくいんです。

パドックチャレンジをやるときは、いつも「総論として、こういう形をした馬が良い」という自分の経験則に当てはめて馬を見てるわけですが、
時々こうして、やはり個体で形をしっかり覚えておかなくてはならない馬がいます。そのあたりがパドックの面白さでもあります。

さきほど、「一部の例外を除いて、たいてい「ダメ」なパターン」と書きましたが、その「例外」の代表が、有馬記念に出走するダイワメジャーです。
この馬は腰と尻に丸みがあったころにはいつもゴール前で少しタレる馬だったんですが、このあたりが削げ落ちて尖った印象を受けるこの秋、G2→G1→G1と3連勝。
僕はダイワメジャーのこの秋の馬体を見て、「腰と尻が尖って強くなるのは、少し特別な存在なのかもしれない」と思い始めています。
あるいは、本当にギリギリまでそげ落とすと、腰と尻がギスギスして見えるのかもしれない、とも思います。

マツリダゴッホは、どう見てもパドックではまだまだ良化の余地がたくさんあって(特に背中のライン)、
しかも腰と尻が尖った状態で好走してますから、来年はG2〜G3ぐらいならけっこうあっさり勝つところまで行くかもしれないですね。
AJCCあたりに出てきたら、パドックでよく注目してみてください^^
逆に、このあたりに丸みが出てきたら、ダメなタイプなのかもしれないです。

■ 「気合乗り」

パドックの解説者が好んで使う言葉で、最も意味不明なのが「気合乗り」。

グリチャのパドック解説などは、おそらく厩舎社会にどっぷりとしがらみがあって、あからさまに悪くは言えないんだろうなあ、と思わされることがしばしばです。
そういうときにたぶん最も便利な言葉が「気合乗りが少し足りませんね」という表現。
だから、まあそのように用いられるときには「どう見てもよほどダメ」な場合が多いんですが、
しかしこれを肯定的に「抜群の気合乗り」とかというふうに使われると、ちょっと意味不明になってきます。

そもそも、草食動物の馬に、レースへ向けての『気合』などがあるのか?・・・というあたりからして大問題なんですが、
僕の見たところ、「馬は気合では走らない」、というのが、やはり正しいかな、という気がします。
パドックでチェックするときに重要なのが、やはり馬の形と歩様。このどちらかがダメな場合は、凡走確率がかなり高いと思います。
この、『形』と『歩様』がいい馬は、トレーニングが良くできてる状態ですから、自然と集中力も高い雰囲気になっています。

なかなか、言葉で馬の状態を表していくのは難しいので、「DVDに録画してある方は見てくださいね」という形になってしまうのがもどかしいですね
でも、ま、しょうがない
AJCCのパドックの復習をしておきましょう

金のかかってない状態で落ち着いて映像を見てみると、レース直前の、欲の皮の突っ張った精神状態のときには分からなかったアレコレが見えてきます
まず、「馬体」について。
これは、背中のラインとおなかのラインが落ちたりたるんだりしていなくて、全体がピリッと引き締まって見えるのが、いい状態です。
分かりやすいのが、2番グラスポジション3番インテレットの対比です。
グラスポジションのほうは、まあ8歳という年齢のせいもあるのでしょうが、背中が少したれて(落ちて)きているのが分かります。
※背中のラインだけで分かりにくい場合は、おなかのラインと一緒に見ると、けっこう分かりやすいかもしれません。
背中のラインが落ちてきているということは、端的に言うと、筋肉がピシッと引き締まった状態ではなくて、重力に逆らえなくなってる状態、ということが言えます。
逆に、ピシッと引き締まった状態になっているのが、3番のインテレット。
背中のラインもスッキリまとまってますし、でん部〜腰の筋肉も、ヘンなスジやシワがなくてとてもきれいな状態です。

その次のインティライミの馬体、僕はこういう形になっている馬は、たいてい消します。
まず、背中のラインが少し落ち気味になっていることに加えて、「尻」(上記「馬の外貌」の24番)の頂上から尻尾の付け根までが、すごく寝ちゃってるんですよね。
もちろん、こういう形でも走る馬はいますが、状態のいい馬は、たいていこの部分が「すこし跳ね上がるように」力強く見えます。
その、いい見本が、5番のマツリダゴッホ。うーん。改めて見ると、いいデキですね〜。。。

その次のラッキーブレイク、これは全体にピリッとまとまったいい馬体で、体調かなり良かったのではないかと思います。
ただ、ジェリの仔は確かJRAの芝のレースを1勝もしていなくて、完全にダート適性の種牡馬。ラッキーブレイクは、次走ダートに戻るなら、買えそうな感じだと思いました。

今日はこのぐらいにしときましょうか
歩様のことをすこしだけ注目すると、インテレットとマツリダゴッホはひざがスッスッと出て、軽い歩様ですね〜。


 「膝(ひざ)を使って歩く」

まず、「ひざ」がどこにあたるのか、確認してみましょう。
別ウインドウで開いた「馬の外貌」の、38番が馬の「ひざ」にあたる部分です。
「膝蓋(しつがい)」と書かれた部分ですね。確認できましたか?

ドクターNとの打ち合わせの中で発見したのですが、
ディープインパクトが他の馬と大きく違う部分は、パドックで歩くときにこの「ひざ」がスッスッと前に出てくるんです。
ディープのパドック映像をお持ちの方は、ぜひ確認してみてください。
そういう目で馬の歩き方を見てみると、ひざが前に出てくるような歩き方のできる馬って、ほとんどいないんですよね。
仕上がり状態が抜群で、デキが絶好のときに、ある程度そういう歩き方が見られる・・・という程度なんです。

つまり、日本競馬の史上最強馬ディープインパクトをひとつのモノサシとすると、
「ひざを使って歩ける馬は、速く走れる(場合が多い)」という仮説が成り立ちそうです。

パドックを見ていると、普通の馬は、別ウインドウの25番/腿 (股)と示された部分の、
まさに25の数字がある部分の付近が基点となって、後肢全体が振り子のように動きます。
つまり、ひざを使わなくても、歩ける、というわけなんです。

そこで、今日の平安Sのパドック、もしDVDに録画してあれば、ぜひそれをご覧ください。
1番人気のフィールドルージュ、歩くときにまったくひざを使えてないのが、お分かりいただけますでしょうか?
勝ったメイショウトウコンは、今改めて見ると、ひざがうまくスッと前に出ながら歩いているのが確認できます。
(ただ、この馬じゃ足りないと思って見てたから、拾えませんでしたね〜。。。)

ソコソコ人気があった中で、典型的にひざを使えていない歩き方なのが、フィールドルージュのほかにはカフェオリンポス、タガノサイクロン、サカラート。
うまくひざを使えてるのが、メイショウトウコン、サンライズバッカス、タイキエニグマ。
僕が本命に期待したシャーベットトーンは、少しだけ使えてます。これは馬の形がいいので本命にしてみました。

改めてそういう目でしっかりと見直してみると、「ひざ」はパドックの中でもかなり重要なポイントのような気がします。
もちろん、ひざだけじゃダメなんですけど、「ひざ」をまず最初に見てそこから全体を見るようにすると、「しっかり歩けてるかどうか」が判断できるような気がします。