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オペラハウス

■ 特徴


■ 解説

 産駒の傾向としては、サドラーズウェルズ系だけあって末脚の切れ味には欠けるが、しぶとい末脚と勝負根性が武器で、
 大差をつけて勝つような派手な産駒は少なく、僅差で接戦に勝つ産駒が多い。
 ステイヤー傾向の産駒でロングスパートが得意な産駒などは、鞍上の腕や馬との相性も通常以上に問われるが、
 騎手の手が合えば思わぬ力を発揮する事も見られ、それまでスランプだった馬が、乗り替わりでいきなり好走するパターンが時折見られるのも特徴である。
 芝中長距離での活躍が中心だが、ダート競走のGI勝ち馬も輩出している。
 また、障害競走のGI勝ち馬も輩出しており、障害競走適性も高い。血統評論家の吉沢譲治は、本馬を「障害のサンデーサイレンス」と評している。

 一瞬のスピードがない変わりに、しぶとさ・底力はトップレベルでエンジンが掛かると止まらない。持続力ある末脚が武器。
 一度成長し始めると、相手強化をアッサリとはねのける爆発力もある。
 ハイペースが予想されるレースや初ダートでは常におさえておきたい。

 気性面で安定した産駒が多く、体も丈夫で故障が少ないという特徴もある。
 時計がかかる洋芝や道悪の馬場も得意である。
 成長力に富み、古馬になってから本格化する晩成型の産駒が多く、脚元の問題が起きなければ長い期間にわたって活躍が期待できる。

 多少早仕掛けの騎手のほうがいい。
 牡馬は芝2000、牝馬は芝1600の勝ち鞍が多い。
 中山や阪神などの底力を要求される急坂コースの根幹距離に強い。

 代表産駒はテイエムオペラオーやアクティブバイオのような重厚なステイヤーで、
 牝馬はエリモファイナルやヘイセイピカイチなど、毎年マイルの好走馬が出て、クラッシック路線に乗ってくる。

 2歳よりは3歳、3歳よりは4歳で充実していく晩成型血統で、サドラー系にしては斬れる脚を使うのが長所。
 とはいえスローの瞬発力比べよりは、淀みない流れで真価を発揮し、道悪や時計のかかる芝は大の得意。

 秋の高速京都から冬の阪神替わりで穴になったり、秋の福島の荒れ芝で活躍したり…というパターンは、最近どこも高速馬場になって減ってしまったが、
 スタミナが要求される展開なら出番が回ってくるという本質は変わらない。

 ダートは交流GT馬も出て、得意。勝ち鞍はダート1700〜1800に集中し、守備範囲は狭い。


オペラハウス編 Part1

 今週はオペラハウス産駒を見ていこうと思う。

 オペラハウス産駒は体力のある量系になる。量系らしく揉まれる競馬は嫌がり、スムーズな体力勝負を基本とする。また疲れやすい側面もあり、ストレスに対する弱さからも比較的交互になりやすい。だが、量は豊富なので弱い相手には比較的安定した取り口になる。バラける上に体力勝負になりやすい重馬場は得意とする産駒が多い。

 広いコースは合うため、1600m、2000mの根幹距離は合うが(1400mになるとややスピード不足のケースも出てくる)、2400mはそれほどでもない。長距離適性そのものは高いが、長距離でのキレ味勝負にはいまいち合わないのだろう。

 度々GIで連対したメイショウサムソンも、稍重のダービーこそ1番人気1着だったが、ジャパンCは三度走って、4番人気6着、1番人気3着、3番人気6着と人気を裏切って、結局、生涯で2400mで人気を着順が上回ったことは一度もなかった。

 ダービーの勝ちは稍重ということもあるが、各馬距離延長になって、距離延長適性の高さを問われやすいレースがダービーであり、そのアドバンテージで勝てたと言うこともできる。これは例えばダンスインザダーク産駒の菊花賞のような現象である。

 芝の競馬場では、小回りよりは広い上に力勝負になりやすい中山、あるいは荒れてばらけるバイアスになりやすい福島で高い回収率を誇る。芝の距離変更ショックでは、やはり距離短縮より延長の方が数字がよい。

 では、実際の馬で詳しく見ていこう。



オペラハウス編 Part2

 重賞3勝のミヤビランベリで見てみよう。

 まず、08年4月の奥の細道特別から分析してみる。このときは2か月以上間隔が開いていた。休み明けは量系だけに苦にしない。2600mという、長距離における特殊距離も得意だ。16頭立ての15番枠も揉まれずに良いし、バラけやすい不良馬場も合う。ということで2着好走。

 普通、次の距離短縮2000mの鴨川Sは揉まれて嫌がって危ない。しかし1着に好走。この好走は、今回は13頭立てと頭数が減って揉まれにくくなったこと、8番枠と外目の枠だったこと、そして一番は、前走逃げなかった馬が気分良く遅い流れを逃げたことだ。つまり、逃げの位置取りショックである。当日、量系がかなり気分良く走れる条件が揃ったわけだ。

 となると、さすがに次走は危ない。前走より気分良く走れる条件が揃うとは考えにくいからだ。まず頭数増。加えて小回り替わりでのペース激化と、悪条件が重なる。結局、最初からハナに立つ形が取れずに惨敗に終わる。

 そして次走の七夕賞。凡走後でストレスが無くなったところに、前走より当日ペースダウンした。そのお陰で最初からハナを奪うことができたのだ。気持ち良く走れると頑張れる量系だけに、7番人気1着と激走したのだった。

 となれば次走は危ない。楽なペースを気持ち良く逃げた後だ。余程流れに恵まれないと前走より辛く感じる。実際、前走よりペースアップして、しかも4角では早々にマクられる展開。もちろん4番人気5着と人気を裏切る形となる。


オペラハウス編 Part3

 その後1走挟んで、休養後の中山金杯。休み明けはリフレッシュできて気分良く走れるのが量系。しかも遅い流れでハナに立つことができた。そのため、11番人気3着に激走。

 となれば、その次走の小倉大賞典は200mの距離短縮の小回り替わりで流れ激化は必至。危ない。しかし、5番人気3着と好走。好走の因は小回りにしては前半の方が遅い流れになったことが大きい。それでも好走できたのは、量系としては凄いことだ。このことにより、気分が乗ったときは、このクラスでは力上位のものがあることが推測できるのだ。

 続く新潟大賞典を凡走した後の、目黒記念。500mの距離延長で揉まれるリスクが減り、得意の2500mという、長距離の特殊距離。そしてなんといっても得意なバラける不良馬場。8番人気1着と激走する。

 続く七夕賞は普通危ない。が、1番人気1着と人気に応えた。これが福島で荒れてバラける馬場になったときのオペラハウス産駒の適性ということになる。

 で、次走の札幌記念。今度は当時雨も降らず、普通のフラットな良馬場でバラけない展開で、速めの流れで揉まれる形。こうなっては、手も足も出ない。3番人気14着と大げさに惨敗するのはやむを得ないだろう。

 それにしても、6歳になっても自分の気分良く走れる条件が揃うと激走する。この高齢になっても淡々と走れる能力。これこそが量系の真骨頂といえるだろう。


■ 代表産駒