■阪神芝1600■
【ポイント】
・多頭数になったときの内枠の差し馬有利

 1コーナー付近のポケット地点からのスタート。

 最初のコーナーまでが180mと短く、変則コースと言われており、
内枠が断然有利と言う考えが脳裏にあるが、実はそうでもないのがポイント。

 中山の1600mなどと比べて2コーナーの回りは緩やかでコーナーを回ってから直線があるために、言われているほど有利不利は無い。

 あえて挙げるならかなりの多頭数になったとき位だ。ただ、内枠の差し馬がロスなく回れることから穴をあけることが多い事は覚えておいて損はない。

 脚質的にはやはり先行馬が有利ですんなり行ける内枠の先行馬はやはり軸には適役となる。
 いかにコースロスがなく、レースを進めることが出来るかがどんなときも基本になるので、注意したい。

 桜花賞のように極端なハイペースが想定される場合は、前述したとおりロスの少ない内に着けられる差し馬を狙っていきたい。

 昨年の12月に新装オープンした阪神競馬場には外回りコースが新設され、芝の1600mはその外回りコースを使って施行されることになった。このコースの特徴を一言でいえば「極めてカタい」ということ。

 昨年12月に阪神芝1600m競走は全部で10鞍行われたが、勝ち馬はすべて4人気以内の馬。10レース全てで1人気か2人気のどちらかが連対している。うち9レースは1、2着馬がともに5人気以内。つまり1、2人気から5人気以内の馬に流す7点買いで10レース中9レースが的中できたことになる。

 このような傾向になったのは、もちろんコース改修の影響だ。コーナーが2つになり、直線も長くなった。さらにゴール前には坂があり、完全な力勝負になる。3連単時代になって、JRAが馬券の予想難易度を下げるためにコースを改造しているのではないかと勘ぐりたくなるほどである。それから、このコースは特に開催前半は内枠が圧倒的に有利である。開催前半の1〜4日目は、勝ち馬6頭すべてが1桁馬番の馬だった。

 昨年末の雑誌などでコース改修前から新阪神芝1600mは「かえって内枠が有利になるはずだ」と指摘したが、これはコースがタフなためスタミナを温存するまで各馬が直線までスローの団子状態で走ることが多く、芝の内、外の状態が同じならば圧倒的にインにいる馬が有利になってしまうと予想したからだ。つまり、新阪神芝1600mのコースの不公平を是正するには、芝の内側の状態を悪くするしかないことになる。また、これも事前に指摘したことだが、当コースは「前走芝1800m以上を使っていた」ような「スタミナ指向馬」が走りやすい。

 前走1500m以下を使っていた馬は59頭中、勝ち馬は1頭、連対馬は2頭に対して、前走1800m以上を使っていた馬は22頭中、勝ち馬が3頭。連対馬は5頭と圧倒的に優位な成績を収めた。直線が延びて、コーナーも緩やかになると、スタミナ指向が強くなりやすい傾向にある。もちろん距離や坂の配置によってはかえってスピード型が有利になるケースもあるのだが、阪神芝1600mのコースレイアウト、集まる馬のタイプからはスタミナ型が走りやすい(今後阪神芝1600mの秘密が知れ渡り、メンバーのタイプが変われば傾向も変わるかもしれないが)。

 血統面に目を移すと、大系統ターントゥ系が21頭が3着以内に入っている。これは馬券になった馬の70%を占める。直線が長く脚を温存するため瞬発力勝負になる。こうなると瞬発力勝負に強いターントゥ系が圧倒的に有利だったわけだ。阪神JFは、サイトの勝負レースでウオッカを自信の本命としたが、同馬は前走が芝1800mで今回は1枠。父は大系統ターントゥ系。データが少なく皆にコツを気付かれる前に大きく勝負する絶好のチャンスだった。

 よほど馬場の状態や騎手、レースを選択する調教師の意識が変わらない限り、今開催もこの傾向は続くと思われる。まだまだコツに気付かれていないと思うので(自分で言いふらしているのもどうかと思うが)、今のうちに攻め込んでおきたい。
阪神芝1600m
芝1600メートル(外回り)
阪神競馬場 芝1600メートル(外回り)
 新コースでは内回り、外回りが作られた。高低差は、内回りが旧コースと同様1.8mと変わりはないが、外回りは2.3m。内回り、外回りともに1〜2コーナーにコーナリングがスムーズになるようスパイラルカーブが設けられた。また直線距離が延長され、内回りAコース(移動柵0m)が356.5m、内回りBコース(移動柵、直線3m・カーブ4m)が359.1m。特に外回りは、Aコース(移動柵0m)が473.6m、Bコース(移動柵、直線3m・カーブ4m)が476.3mと、新潟、東京に次ぐ長さとなった。
 内回りの1200m地点と同じ、バックストレッチのやや2コーナー寄りの地点からスタート。発走して約260mの間がほぼ平たん。そこからは外回りの1400mと同じコースをたどっていく。高低差0.76mの上りを100mかけて駆け上がり、残り約1200m地点からは緩やかな下りを少し(60m)走って、ほぼ平たんコースに戻り3〜4コーナーにかけて約600m走る。そこからまた緩やかに残り190mまで下って、残り190m〜70mまでの120mの間に設けられた急な上り坂(高低差1.80m)を一気に駆け上り、70m地点から平たんに戻りゴール。通過コーナーは計2回。1400mの外回りと同様、いずれも直線が470m余りあるのでそれを考えると最後まで余裕を残してというパターンになりがちではないかという関係者の意見が多く、案外平均ペースのレースが多くなると考えられる。そうなると前残りのパターンが多く見られるかもしれない。