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阪急杯(G3)

【阪急杯・男の解の公式】
阪神の開幕週は前残りの地力勝負。特に内枠が有利!
モデル馬=ガルボ

■ 経緯

昭和32年にそれまで2400mのハンデキャップ競走として施行されていた『阪神記念』を廃止し、
新たに2200m、ハンデキャップの『宝塚杯』を創設した。
これが阪急杯の始まりで、昭和35年に現在の名称となったのを機に距離が1800mに短縮され、
以来、昭和46年までは1800〜1900mの中距離の重賞競走として施行されてきた。
その後、距離が徐々に短縮され、平成8年には1200mとなったが、平成18年より1400mで施行されている。

■ 波乱度

年度 馬場 1着 2着 3着 単勝 3連単 勝負
結果
人気 人気 人気
2012年 マジンプロスパー 4 スプリングサンダー 3 サンカルロ 1 10.2 409.6 ×
2011年 サンカルロ 4 ガルボ 1 フラガラッハ 5 8.4 228.4
2010年 晴・不良 エーシンフォワード 2 ワンカラット 5 サンカルロ 7 4.4 486.4
2009年 雨・稍重 ビービーガルダン 7 ローレルゲレイロ 3 ドラゴンファング 2 11.1 396.4
2008年 ローレルゲレイロ 3 スズカフェニックス 1 ローブデコルテ 6 4.6 233.5
2007年 プリサイスマシーン 3 エイシンドーバー(同着1着) 4 スズカフェニックス 2 2.7/4.5 64.4/69.6 ×

■ ラップ

年度 馬場 1着 2着 3着 ラップ
タイム 通過順 上3F タイム 通過順 上3F タイム 通過順 上3F
2012年 マジンプロスパー 6 111 1.22.0 03-02 36.0 スプリングサンダー 1 109 1.22.2 10-10 35.7 サンカルロ 8 108 1.22.3 10-11 35.7 12.1-10.3-11.3-12.1-11.9-11.8-12.5
2011年 サンカルロ 8 1.20.1 08-07 34.7 ガルボ 1 06-04 35.1 フラガラッハ 2 14-11 34.7 12.0-10.2-11.0-11.6-11.7-11.5-12.1
2010年 晴・不良 エーシンフォワード 1 1.21.4 05-05 34.8 ワンカラット 2 06-05 34.9 サンカルロ 3 09-09 34.5 12.3-11.2-11.5-11.2-11.3-11.5-12.4
2009年 雨・稍重 ビービーガルダン 2 1.21.1 02-02 34.9 ローレルゲレイロ 7 01-01 35.6 ドラゴンファング 2 03-03 35.5 12.2-10.6-11.3-11.6-11.7-11.6-12.1
2008年 ローレルゲレイロ 2 1.20.7 01-01 34.6 スズカフェニックス 2 08-08 34.2 ローブデコルテ 1 05-05 34.7 12.4-11.1-11.2-11.4-11.2-11.4-12.0
2007年 プリサイスマシーン 2 1.20.5 05-06 34.3 エイシンドーバー(同着1着) 3 05-04 34.4 スズカフェニックス 2 12-13 33.9 12.2-10.8-11.3-11.4-11.3-11.2-12.3

■ 臨戦過程

年度 1着 2着 3着
前走 前走 前走
2012年 マジンプロスパー シルクロHG3 芝1200 8着 スプリングサンダー 京都牝馬G3 芝1600 13着 サンカルロ 阪神カッG2 芝1400 1着
2011年 サンカルロ 阪神カッG2 芝1400 6着 ガルボ 京都金杯 芝1600 2着 フラガラッハ 東京新聞G3 芝1600 11着
2010年 エーシンフォワード 東京新聞G3 芝1600 3着 ワンカラット 京都牝馬G3 芝1600 4着 サンカルロ 阪神カッG2 芝1400 2着
2009年 ビービーガルダン 京阪杯G3 芝1200 6着 ローレルゲレイロ 東京新聞G3 芝1600 13着 ドラゴンファング 雲雀S 芝1400 1着
2008年 ローレルゲレイロ 東京新聞G3 芝1600 1着 スズカフェニックス 阪神カッG2 芝1400 1着 ローブデコルテ 京都牝馬G3 芝1600 5着
2007年 プリサイスマシーン 阪神カッG2 芝1400 2着 エイシンドーバー(同着1着) 小倉大賞HG3 芝1800 2着 スズカフェニックス 東京新聞G3 芝1600 1着

■ 馬キャラ

年度 馬場 1着 2着 3着
性齢 母父 性齢 母父 性齢 母父
2012年 マジンプロスパー 牡5 アドマイヤコジーン バブルガムフェロー スプリングサンダー 牝5 クロフネ Kingmambo サンカルロ 牡6 シンボリクリスエス Crafty Prospector
2011年 サンカルロ 牡5 シンボリクリスエス クラフティプロスペクター ガルボ 牡4 マンハッタンカフェ ジェネラス フラガラッハ 牡4 デュランダル トニービン
2010年 晴・不良 エーシンフォワード 牡5 Forest Wildcat Cure the Blues ワンカラット 牝4 ファルヴラブ Pistolet Bleu サンカルロ 牡4 シンボリクリスエス クラフティプロスペクター
2009年 雨・稍重 ビービーガルダン 牡5 チーフベアハート Westminster ローレルゲレイロ 牡5 キングヘイロー テンビー ドラゴンファング 牡4 タイキシャトル ダンスオブライフ
2008年 ローレルゲレイロ 牡4 キングヘイロー テンビー スズカフェニックス 牡6 サンデーサイレンス フェアリーキング ローブデコルテ 牝4 コジーン シーキングザゴールド
2007年 プリサイスマシーン 牡8 マヤノトップガン サンデーサイレンス エイシンドーバー(同着1着) 牡5 ヴィクトリーギャロップ クリスエス スズカフェニックス 牡5 サンデーサイレンス フェアリーキング

■ 回顧(2007年)

イースター、キンシャサノキセキは出遅れ、
上手く好位を進んだエイシンが抜け出す処を安藤騎手のプリサイスマシーンが強襲、
後方から鬼脚で武豊騎手スズカが迫ったが僅か届かず‥。
安藤騎手有利に映ったが、写真判定の結果はエイシン・プリサイスの同着。
結局、内枠+前目で競馬した馬で決まったレース。

さすがはアンカツ

今週は、関係者の引退ウィークだった。
しかし、勝ったのはプリサイスマシーンとエイシンドーバー(同着)。
結局、引退する湯浅厩舎が有終の美を飾ったわけである。
ただ、同着とはいえ、肉眼ではプリサイスマシーンがエイシンを差し切ったように見えた。
邪推の世界だが、これって本当に同着だったのだろうか?

この話を持ち出したのは、実は阪神の最終に関連している。
このレースは、湯浅のエイシンロンバード、瀬戸口のエイシンボストン、山本のルポルタージュ、
古川のイズミデヒア&ドラゴンアイズ、そして鹿戸のウォーターダッシュの6頭が引退関連。

メインで勝った湯浅のエイシンロンバードを除外した残りの5頭で最もやる気がありそうだったのは、武を乗せて連闘をかけてきたウォーターダッシュと思った。
ウォーターダッシュは逃げ馬である。
しかも武だから、当然競りかけてくる馬はいないはずなのだ。
ところが、マナーハウスが突っつく展開になったのである。
結局、楽をできなかったウォーターダッシュは、ゴール寸前で瀬戸口のエイシンボストンに差し切られてしまった。
エイシンも引退関係者であるのは確かだが、瀬戸口クラスであればラストは重賞で飾るべきで、条件戦ではほとんど意味はない。
ただ、鞍上が日本の厩舎事情とは関係ないデムーロだったので、鹿戸だろうが武だろうが、関係なく差し切ってしまったのだろう。
勝ったエイシンは別にして、おかしいのはマナーハウスだ。この馬の鞍上は北村友。やはりガキはヘタくそというか、わかっていない。
それにひきかえ、アンカツのなんと見事なことか。
彼が騎乗したハードオブプレイも馬が行くそぶりを見せ、武に突っかかりそうな気配だったのだが、
そこは中央で確固たる地位を築いたアンカツ、見事な仕事をした。
わざわざ馬とケンカしてまで抑えてしまったのである。

もしかすると、プリサイスマシーンでエイシンドーバーを差し切りそうになり、さすがに今度は「ヤバイ」と思ったのかもしれない。
いずれにしても、引退厩舎の馬で武がマイペースで逃げれるよう、アンカツはジャマしなかったのだ。
結果、マナーハウスは4着、ハードオブプレイは12着だったが、関係者からしてみれば、真の価値は正反対のはずである。
3頭が同着でも不思議がなかったほどの大接戦に持ち込まれ、8歳プリサイスマシーンと5歳馬エイシンドーバーの同着だった。
この短距離路線、多くのメンバーが3月25日の「高松宮記念」に向かうことになるが、
1200mが初めてだったオレハマッテルゼが勝った昨年と同じように、抜けた馬のいない大混戦が続きそうだ。

8歳プリサイスマシーンは、その昨年の高松宮記念を勝ったオレハマッテルゼと同じように初めての1200m挑戦で小差4着だった馬。
秋に「スワンS」1400mを制し今回も1400mでフルに勝負強さを見せつけた。
8歳馬ながらまったく衰えなしは見事なものだが、1200mのGIとなると候補の1頭ではあっても、必ずしも有力馬ともいえず(1200mは未勝利)、混戦にさらに拍車をかける1頭だろう。

差し返すようにエイシンドーバーが同着1着。定年を迎えた湯浅調教師の管理馬はきわめて粘り強かった。
こちらは初重賞制覇。このあとの路線は未定だが、どちらかといえばもっと長い距離向きでマイル路線と思える。

スズカフェニックスの爆発力は見事。折り合いやスパートのタイミングの難しい馬だけに、今回の1400mの内容から1200mも特に不安なしだろう。
このあとは高松宮記念に向かいそうだ。
三代母になるローズレッドは、97年の高松宮記念を制したシンコウキングの祖母としても登場する。意外やパワーあふれるスプリンターとして本格化したりするかもしれない。

期待した人気のキンシャサノキセキは素晴らしい状態にみえたが、スタートで出負け。
そのうえ前回ほどではなかったが、道中でムキになって少しかかり気味だった。
そのためスズカフェニックスと同じような位置から伸びかかったところで、最後の詰めを欠いてしまった。
ここ2戦連続してリズムを崩しているのが気になるが、高松宮記念ではぜひ巻き返したい。

昨年のスプリンターの路線は、仕方のない形でダイワメジャーがチャンピオンに収まったが、テイクオーバーターゲットや、香港勢に押されっぱなしだった印象が強く、
ひょっとすると今年もこの路線は、香港、オーストラリア勢のほうが強力かもしれない。
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