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マイルチャンピオンシップ

・長く持続する脚が使える馬を狙う。要求される能力はスピードの持続力!
・ノーザンダンサー系の持つ持続力がキー、とくにノーザンテースト。
・特注は牝馬ダンス産駒は距離ズバリで買い!
・牡馬のダンス産駒は距離が短く、届かないとみて消しの方向。
・3コーナーからの長い下り坂+平坦で広い直線をトップスピードでなだれ込める馬が勝つレース。
・モデル馬=ハットトリック・スーパーホーネット・カンパニー
・危険タイプ=テレグノシス・デュランダル
・非直結レース=安田記念

重賞 日付 コース 勝ち馬 ペース レベル LAP めも
第23回マイルCS(G1) 2006/11/19 京都芝1600m・外 ダイワメジャー H A 118 12.3-10.6-11.1-12.0-11.5-11.6-11.2-12.4 小雨・適性勝負
第22回マイルCS(G1) 2005/11/20 京都芝1600m・外 ハットトリック

■ 傾向

2角ポケットから向正面の長い直線を加速して、淀の坂を経て直線に向かうのコース前半・後半のタイム差がないよどみないペースになり易く、
道中折り合いがついて前で我慢の競馬が出来る先行差し馬が有利の展開になる。
つまり、単なるスピード馬ではなくスタミナを兼ね備えていなければ勝つことは難しいレース。

前半と後半のタイム差が無いわけですから、息を入れることが困難で厳しい展開になる。
そして京都競馬場は広いので展開の紛れがないことから、展開・脚質・決手勝負ではなく、純粋に競走馬の持っている闘争本能の勝負になり、
芝1600mのスピードやスタミナではパンチ不足で芝1800m〜芝2000mをこなせる競走能力を兼ね備えた馬ではないと勝ち負けは難しいレース。

母父ナスルーラ系の連対が目立つ。
 トロットサンダー、ジェニュイン、キョウエイマーチ、ビッグサンデー、エアジハード、ダイタクリーヴァなど
また父ミスプロ系の穴傾向が目立つ。
 ショウリノメガミ、アグネスデジタル、タイキトレジャー、リキアイタイカンなど
あとはニジンスキー系
 ゼンノエルシド、エイシンプレストン、母父ならタイキシャトル、リキアイタイカン


同じく古馬のマイルG1には東京の安田記念がありますが、この2つのレースはかなり異なる性格を持っています。
93年-02年の良馬場で行われた両G1で、上がり3Fがテンの3Fよりも1秒5以上かかった年が、安田記念では1回しかないのに対し、マイルCSでは5回もあるのです。
テンの速さもマイルCSの方が上で、34秒5より速くなった年がマイルCSでは6回、安田記念では3回となっています。

これは、コースの形状に由来するところが大きいと思われます。
東京のマイルはスタートしてからやや下ったあと、100mで2m昇る坂がすぐに現れ、そのあとは延々下りと平坦が続き、
そして直線中ばに150mの間に2m昇る坂があり、あとは300m近く平坦となります。
対して京都外回りマイルは、スタートして400m平坦が続いたあとに、100mの間に2m昇り、しかもその頂上からさらに新しい坂が始まって、300mの間に2m昇ったあと、一気に100mの間に4m下る急勾配の下りがあり、そのままゴールまで平坦になります。

これがどういうことを意味するかというと...

★ 京都マイルは、テンにスピードが出やすいが、その後の急激な昇り坂で逃げた馬は大抵失速する。
ただし、マイル戦なので後続もそうゆったりと構えているわけにはいかず、坂の頂上より手前からレースが動く。その分、後半に下り坂があるにもかかわらず、その下りで仕掛け気味に動くので、直線に来るとどの馬も脚は上がる。つまりマイルCSの方が、必然的に上がりがかかるようなコース設定になっている上、勝負所で加速されるように出来ていることから、本来スピードに乏しい血統でも来るチャンスが増える。

★ マイルCSはスプリンター血統では無理。母方にスタミナの裏づけが必要。

★ マイルCSは安田記念以上に、下りでの加速を保たせられる持続力血統が強い。
瞬発力血統ならば、直線だけで追い込みきれるだけのかなり高い瞬発力が必要だが、一瞬しか良い脚が使えない系統では苦しい。
また特に内を突く場合には3,4角でかなりペースを落とす必要があるため、そこから仕掛けて突き抜けるには尚更ハンパじゃない瞬発力が必要となる。

その表れの1つが、スピードに乏しいものの、パワーとスタミナに富むニジンスキーの血を受けた馬がこのレースで好走していることです。
スピードの要素が求められる安田記念ではどうにもならないエイシンプレストン(父グリーンダンサー)が、ここでは2年連続連対しているのが何よりの証拠。
それだけに、安田記念とマイルCSを両方勝っている馬は、競走馬としての絶対値が桁外れということになります。
極論、そこまでのスケールがないと思ったら、東京のマイルG1馬は全て消しでも良いのかもしれません。
また瞬発力血統では、トニービンやリファール系のように、瞬間点火できる上に長く脚を使える系統が好成績を残しているのも、まさにこのコース形状を裏付けています。
このように、血統によるコース適性判断は、形状を抜きには語れないということを申し上げておきます。

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■ 回顧

さて、事前予想で「DDコンビの間を割る馬を探すのがテーマ」と明言して頑張ったマイルCS。結局間を割る馬がいなかったというオチ。
◎ダイワメジャーは鉄板として、メイチの狙い馬○カンファーベストがイマイチ戻ってないようだったので、悩みに悩んだ末にベットを下げて勝負。▲プリサイスマシーンもこれ以上寄せるほどの信頼感もなく、4番手に挙げた注スーパーホーネットは買う気が失せるデキだったので、最後に仕方なくデキが素晴らしかった△マイネルスケルツィを加える苦肉の策。結果的に最後の◎△(5,000円×90倍)が一番アツイ馬券になるとは・・・。
1着◎(10)ダイワメジャー
2着…(7)ダンスインザムード
3着…(16)シンボリグラン
4着△(11)マイネルスケルツィ
5着△(14)キンシャサノキセキ
※買い目には加えず
6着▲(2)プリサイスマシーン
10着○(6)カンファーベスト

12.3-10.6-11.1-12.0-11.5-11.6-11.2-12.4=1'32"7
34.0-23.5-35.2
マイラーズCは前、安田記念は後ろと、中団の緩急に合わせてベストの位置取りを続けてダメジャに食い下がっていたダンムーが、ここも腹決めて下げる道を選択。馬場を考えればやはり中盤締まった流れとなった今回はこれが上手く嵌ったが、流石に逆転には至らなかった。前で捌いた3〜6着馬は力を示したと言えそうで、特に伸びない内を突いたプリサイスマシーン・良馬場で切れ味を発揮したかったキンシャサノキセキはまだまだ狙い所がありそう。

ところで実はこの日、東京9&10Rでアタマで狙ったナスノフィオナシンボリウエストが共に2着に終わった時点で馬券的には打ち止めの筈だった。
マイルCSを前に1万しか残ってなかったんで2000〜5000倍の3連単を4点ほど買ってもう家路。道すがらケータイに向かって「JRA-VANの鉄人」の東京11Rを投票。(7)タイキエニグマ(8)トウショウギア(9)ボードスイーパー(12)ミリオンベルの4頭!・・・と思いきや混雑で全然繋がらない。そんなイライラが気付けば銀行へ足を向かわせて・・・結局冒頭のおかわり馬券を買うことに。
・・・つーか東京11R買っとけー!!(馬連(9)(12)で27,240円)



 誰もが感じたと思いますが、馬場・展開等々あらゆる条件が勝ち馬ダイワメジャーにぴったりでしたね。

 今後期待できそうな馬では、もちろん4着・5着の3歳馬もそうですが、馬券的妙味という意味で、
 前残りの展開の中、後方から突っ込んできた外国馬コートマスターピース(上がり3番目の脚)とハットトリック(上がり2番目の脚)です。

ダイワメジャー

ダンスインザムードに差しきられそうになると、抜かせまいと2枚腰の粘りを見せた。ダイワメジャーの欠点は斬れる脚がないところ。負かすとしたら瞬発力で勝負するタイプだろう。雨が味方した分は割り引くべきだが、横綱相撲といえる完勝。アンカツとの折り合いは抜群で、距離が伸びる有馬でも上位が期待できる。 大方の予想通りステキシンスケクンがハナをきり、前半半マイル57.5秒と馬場を考えるとそこそこ速いペースで進み、その直後をダイワメジャーが追走するという、ホントこの馬にとっては理想の展開でした。そして最後の直線早めに先頭に立ち、ゴール前ダンスインザムードに詰め寄られますが、いつものごとく並んだところでまた突き放すという強い競馬でした。安藤騎手の騎乗も完璧で、途中ちょっと手綱が絡んでヒヤッとしたのもご愛嬌といった感じでした。今回の勝利は、JCへの参戦を思いとどまり、距離適性と相手関係を考え、ここを確実に勝ちにきた陣営の判断が正しかったということでしょう。何時も通り2人で曳いてもう1人。パシュファイヤー。歩様が硬いのも何時も通りだが、馬が抜群なのも相変わらず。この相手なら出脚は上位。戦前予想された通りに、ステキシンスケクンを行かせて、これを大名マークの形。坂下では抑え切れない手応えで、4角でステキシンスケクンを見切り、昨年の様な飛び道具を警戒して直線は外へ。マイネルスケルツィ、キンシャサノキセキ、そしてダンスインザムードが影を踏ませて貰っているが、それらが来ても来ただけ伸びて圧勝。ただ、あれだけ外へ出さなければならないところを見ると、飛び道具には弱いのだろう。今日に関していえば、ノド鳴りの馬で、湿気の有る天候、そして差せない馬場も良かった。外から被される展開にも課題が有り、注文は多いのだが、現状力が抜けている分、他馬が潰しに来ないのがこの馬に良い方に向いている。

ダンスインザムード

武はカンペキな騎乗をしたのに、それでも負けたと言って、完敗を認めた。馬場と展開の関係からほとんど前の馬で決着した中、中団よりやや後方か ら2着まで伸びたダンスインザムードにとっては惜しい競馬でした。 これがパンパンの良馬場で、もう少し瞬発力勝負の展開になっていたら勝てていたかもしれません。武豊騎手の騎乗も完璧でした。例に依って歩様が硬い。しっかり数字通りに造って有るが。ステキシンスケクンに叩かれる展開が見えていただけに、どう乗るかがポイントだったが、最初から無理せず中段やや後方で待機。道中も、真っ向勝負は避けてインを立ち回り、直線だけ馬場の良い外へ。上手く乗ったが、直線半ばでダイワメジャーに追い付いたところで脚色が一緒になってしまった。相手は先行馬なのに、あれだけ外へ出す余裕が有った訳で、着差以上に力量差が有った。毎回述べている様に、馬自体が2000mベストという事も有るのだが、前走で2000mでも差が露呈。微妙に衰えが来ている。

シンボリグラン

馬場が雨で渋ってたから、ピッチ走法のシンボリグランの道悪適性が嵌った。良くはなっているが、G1には足りない馬だと思っているので雨でしか自信を持って買えない。たまたま嵌った感。最後外を通ったロスが残念だが、確実に力をつけている、手薄なマイル路線で楽しみ。芦毛でしかも降雨と判断難しいのだが、毛ヅヤが無い様に見える。ただ、馬の造りや形は悪くない。時々出遅れる馬だが、今日はゲート五分。道中は中段。行きたがってはいたが、外の馬が何頭か行って、これを壁にする形。ただ、4角手前では馬群の切れ目を狙って、早目の競馬。直線は、伸びていない訳では無いが、それよりも後続が差せなかった印象。こういう馬場が上手いのと、早目に動く競馬も合っていた。距離は、折り合い面難しいだけに短い方が良いだろうが、それよりも相手関係でスプリントを走っていた気も。

マイネルスケルツィ

光ったのがマイネルスケルツィの粘り。同型のステキシンスケクンがダイワメジャーにプレッシャーをかけられてぶっとんでいることを考えると強い競馬だったといえる。最近、馬がナーバスになっている嫌いも有ったのだが、今日はノンビリと。出脚はダイワメジャー以上だったが、無理せずマークの形。ずっと付いて回って、差せない馬場の先行の利で粘り込んだ印象。一時期よりはデキもマシになっているが、それでもまだ本当では無いだろう。暫く見送り。

キンシャサノキセキ

良馬場なら展開次第でこの3頭に差しきられていたかもしれない。とくに2.5歳のキンシャサノキセキは、今後の本格化に注目ってことで。2人曳き。多少トモが甘いが、南半球産は無関係で、単にこの馬自身の問題。好発。控えようとはしていたが、結局引っ掛かって好位へ取り付く形。ただ、直線一瞬はダイワメジャーに並び掛かっていて、今日の差せない馬場ならもう少し踏ん張っていて欲しかったところ。トモが甘いだけに、こういう馬場は良くないのだろう。勿論、折り合いの問題も有るが、トモの甘さから来るパワー不足が現状の天井に。

コートマスターピース

コートマスターピースは馬場の悪い内を通らされた上に雨で渋った芝に脚を滑らせて、後方からの競馬。しかし、デットーリは馬群の狭い隙間をこじ開けるようにあがってきた。それだけでも見ごたえがあった。2人曳き。スカッとした造り。皮膚を薄く見せ、デキ自体は万全。ただ、歩様が硬い。出遅れて後方。荒れ馬場で比較的バラけた分、4角中段迄持って来れたが、今日の馬場ではそれでもキツかった。しかし、終いの伸びは悪くなかった。欧州のマイル戦はスローになり易く、それ故に出脚やゲートの要素が比較的少ないのが日本競馬と違う部分だが、一応は力量見せた一戦。少なくともハットトリックやダンスインザムードとは五分の馬。

ハットトリック

キンシャサノキセキ、ハットトリック、コートマスターピースのアガリ3F
 キンシャサノキセキ 35.3 ハットトリック 34.7 コートマスターピース 34.9
雨でなかったらこの3頭は上位に食い込んでいたに違いない。最終追い切りのパターンを変えたせいか、過去最高体重の504キロでの出走となってしまいましたが、それでも上がりは2番目の脚をみせ、次走へ期待を抱かせるものとなったと思います。今回のレースは展開的にあきらかに後方からの馬には不利でしたので、8着という着順で人気を更に落とすようであれば、かなり馬券的に妙味のある1頭になると思います。
+10kg。歩様には硬さが有ったが、今日は究極の仕上げ。攻め強化の効果有った様で、気配抜群だったが、今日はこれが裏目。ゲートで気負ってしまい出遅れて後方。しかも、勝負どころでズブさを出してしまい、直線向いても最後方。今日はこれでも良く捌いている方だ。まあ、ズブさ故に中々力が出し切れず、もどかしさも感じるが、ツキも無かった。

スーパーホーネット

2人曳き。前を歩くコートマスターピースとはスケールで差が有るが、トモの張りが良く、中1週続きでもむしろ充実。歩様も落ちて来ない。ゲートアオったが、各馬が荒れ馬場嫌ってラチ沿い避けた分、前が開いていて3角では中段へ。4角もそのままインを突いて、上手く乗っているが、今の京都は内が伸びない分とこの馬自身の馬場適性の分だろう。昨年でも、ダイアモンドヘッドにすら先着出来なかった訳で、渋い馬場は良くない。

マルカシェンク

2人曳き。前走時にも述べたが、まだ頼りなさは有る。出脚で置かれて後方から。4角でも後方だったが、もう少し伸びて欲しかった。この中間、妙に攻め馬軽かったが、まだ使い込めるだけの体力が無いのかも。

馬 名 補正
ダイワメジャー 120
ダンスインザムード 119
シンボリグラン 117
  マイネルスケルツィ 115
キンシャサノキセキ 115
プリサイスマシーン 114
コートマスターピース 113
  ハットトリック 112
  スーパーホーネット 111
10 カンファーベスト 110
11 テレグノシス 110
12 マルカシェンク 109
13   デアリングハート 108
14   ステキシンスケクン 107
15   アグネスラズベリ 106
16   ニューベリー 106
17   ロジック 106
18   キネティクス 97

第22回マイルCS 2005/11/20 G1 京都芝1600m・外 ハットトリック

前半スローでヨーイドンの競馬でラスト3Fだけの上がり勝負というのがデュランダルの理想だったが、前半のペースが速くてやはり甘くなった。
ハットトリックは早目に仕掛けて長くいい脚を使い、最後まできっちり伸びて差しきった。1着に来れたのはペリエのペース配分の勝利。
このハナ差がペリエとルメールの差と思う。予想では同じ印にしたがルメールはペリエより接戦に弱い。 →接戦に強い騎手
ラインクラフトは適距離とハンデ差を生かしてスムーズに3着に突き刺さった。
切らなくて良かった。。。未知の部分が多かったのでギリギリ馬券に組み込んだ。
ダンスはラインと首差。こっちくれば高目ツモだったのに!おしい。。。

馬名
ハットトリック  
ダイワメジャー  
ラインクラフト  
ダンスインザムード
バランスオブゲーム
アドマイヤマックス
ビッグプラネット 
デュランダル   
キネティクス   
10 ウインラディウス 
11 サイドワインダー 
12 テレグノシス   
13 アルビレオ    
14 アズマサンダース 
15 マイネルハーティー
16 タニノマティーニ 
17 ローエングリン  
リキアイタイカン 

(競馬オンデマンド等より引用)

★ 京都11R デュランダル 1.5倍 8着

まず、力を出せなかったとの見方には賛成しません。
なぜなら、今回は過去2回のどれよりも速い上がりを繰り出し、メンバー中最速の33秒2を出しています。
これで「去年ほど走れなかった」では、馬がかわいそうです。
池添騎手は、「今までのようにガツンとこなかった、反応が鈍かった」とコメントしていますが、
これはつまり、馬の位置取りを「番手」でしか見ていないということの証明でもあります。
前が止まっていないから、自分の馬が位置を上げていないだけなのに、「反応していない」と見なしているのです。
これがスローなら、馬群が集まっていますから、交わして上昇していけたわけです。
「追い込み馬なら何でもハイペースが有利」と考えるのは大間違いです。
競馬エイトの松本ヒロシさんも同意なさっていましたが、
瞬発力のもの凄い馬は、先頭と余り離されないスローの方が、差し切る上で都合がよくなるのです。
昨今の馬場は、時計が出るように設計されていますので、ハイペースでも、かなりの高速暴走ペースにならない限りは、前が止まりにくいのです。
今年は、前半3Fはゼンノエルシドの年と同じ、上がり3Fも同じでしたが、中盤があまり緩まずに、全体の時計が速くなりました。
ペースとしては、馬場差を考えると、古馬GTとしては平均やや速めくらいです。
もっと速ければ、前も止まるのですが、中途半端な流れになったので、止まらなかったと判断できます。
しかも止まらない要因は、馬場にもありました。現地で芝を見たトラックマンによると、かなり短くなっていたとのこと。
さらに、先週から、内が急に伸びる(粘れる)ようになっており、おそらく馬場を保護するために、馬が多く通る内目を、刈らずに長めにしていたのを、
エリザベスのGT週に時計を出すために刈り込んだということが真相のようです。

今年のマイルCSは前半のペースが想定よりも速かったです。
序盤は緩い流れで後半からペースアップすると想定していたのですが、序盤からダイワメジャーが逃げるローエングリーンを追い回す格好になり速い流れになりました。
息を入れさせて貰えない展開になってしまってはローエングリンの殿負けは仕方がないことだと思います。
自ら厳しいペースを演出してハナ差2着に惜敗したダイワメジャーは強いの一言です。
喉鳴りのハンデがあるの調子が持続できるか不安がありますが速い流れで力で押し切ったのですからマイルでは現役最強馬と呼んでいいと思います。
優勝したハットトリックは持ち味である長く使える脚を生かすことができました。
発馬で出遅れてヒヤッとしましたが、序盤の不利を克服して優勝に導いたペリエ騎手の手腕によるとことが大きいと思います。
3着ラインクラフトは先行策ではなく中団からの競馬。鋭い末脚で伸びましたが1馬身差の3着。斤量差と馬身差を考えると古馬牡馬に力負けした感じがします。
4着ダンスインザムードは完全に復調したように思えます。3番手先行して1馬身差に粘っているのですから、レース内容ではラインクラフトより上だと思います。
8着に敗れた1番人気デュランダルは不安材料としてあげた速い流れへの対応ができなかったと思います。
ハットトリックのように末脚を長く使えるタイプではないので、平均ペース・前が止まらない展開はデュランダルには向かなかったと言えます。
時計・上がりも自己ベストを記録していることから力は出し切っています。逃げ・先行馬が総崩れしたことでで差し切ることが出来たと思います。
追走が楽なスローペースや逃げ・先行馬が総崩れするペースではデュランダルは強さが発揮できますが、
今回のマイルCSのように追走に苦労する速いペースでダイワメジャーのように力で押し切る強い逃げ・先行馬がいる場合は、
今後も末脚は不発に終わるのではないかと思います。

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マイルCS検証

 今週は毎コミの前日予想でマイルCSの3連複207倍を1点目で当てたのだが、上位馬はまだこの連載で触れていない種牡馬だった。しかし、上位人気で消えた馬はここで触れている血統が多かったので、今回は買うのではなく、如何に消すのかについて考えてみたい。

マイルCS レース結果


 このレースを当てられるかの最大のポイントは逃げ馬の14番人気マイネルファルケを買えるかどうかだろう。メンバーを見渡すと逃げ、先行馬が少ない。ということは、前に行く馬が少なくとも1頭は残ってもおかしくない展開が考えられる。

 そこで、キャプテントゥーレが3番人気、ザレマが5番人気、ヒカルオオゾラが7番人気と、先行馬がそこそこ上位に評価されたのだった。そして、先行馬ならこれらの馬が先に来るだろうということで、マイネルファルケは14番人気になってしまったのである。

 まずキャプテントゥーレだが、『大穴血統辞典』にあるように、アグネスタキオン産駒はやや疲れやすい。夏始動でここ2戦は2000m。カンパニーが疲れているという話があったが、疲れならキャプテントゥーレもかなり溜まっているのだ。同じ疲れがあるなら、ここで天皇賞・秋の着差1.3秒を逆転出来るというのはあまりにナンセンスな発想になる。

 もう1つはマイネルファルケが逃げ宣言していること。キャプテントゥーレは2〜3番手になるだろう。揉まれ弱いアグネスタキオン産駒だ。400mの短縮で逃げないで2〜3番手で絡まれたら危ない。ただ、短縮ショッカーということもあり、5番手評価にはした。結果は、当日雨でばらける馬場で揉まれなかった分、4着には踏ん張れた。

 次はザレマ。マイネルファルケも出走した富士Sでは、先行馬で最先着ということで穴人気になった。しかし連載でおなじみの飽きやすいダンスインザダーク産駒だ。ここ2戦がマイル戦ではさすがに飽きている。京成杯AHで勝ったのは短縮だったからだ。したがって評価はしなかった。

 ヒカルオオゾラはマンハッタンカフェ産駒。鮮度が低くなっての強い相手のレースでは延長が合うという解説を以前書いた。今回は前走超スローからの短縮。マンハッタンカフェ産駒がGIで連対するパターンではないので評価しなかった。

 以上から、皮肉にも先行馬の中では一番人気がない14番人気のマイネルファルケが最先着することが分かる(もちろんマイネルファルケにはM的に走れる条件が揃っていたこともあるが、それはここでの議題ではないので割愛する)。このように、買うだけではなく切ることにも、この連載を活用して万馬券を当てていって欲しい。