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エルコンドルパサー

■ 特徴


■ 解説

 本馬はデビューから3戦をダートで圧勝し、欧州の芝でも活躍しただけあって、産駒にはスピードよりも力を要求されるダートで走る馬も多く、芝・ダート双方で好成績を残している。
 一方で、本馬のスピードは伝えきれていないようで、上級産駒は短距離よりは中距離以上でその真価を発揮する傾向にある。
 その他、ダート短距離から芝長距離など、極端な条件変更で穴を空けることがある。

 全体として極端な早熟や晩成傾向は見られないが、
 2歳夏から息の長い活躍をするトウカイトリックや条件戦で頭打ちと見られていたサクラオリオンが7歳で重賞を2勝するなど、 成長力を備えた産駒も多い。
 当初は古馬の重賞において長距離戦や短距離戦を勝利する産駒が出ていたが、その後、芝の中距離戦の勝ち馬も輩出している。
 ビッググラスやアイルラヴァゲインのようなスプリンターから、エアジパングやトウカイトリックのようなステイヤーまで輩出したという点では、
 母系や配合次第で様々なタイプの産駒を出せる種牡馬という見方も不可能ではないが、3年間の供用で終わってしまっているため判断の分かれるところである。

 牡馬に比べると牝馬の成績が極めて劣るという傾向が顕著であり、殆ど活躍馬が出ていなかったが、
 ラストクロップ世代のラピッドオレンジが2008年のTCK女王盃を制し、初の牝馬重賞勝ち馬となった。

 なお、本馬はレコードとは無縁だったが、産駒はソングオブウインドの菊花賞(京都芝3000m)、
 ヴァーミリアンのジャパンカップダート(東京ダート2100m)・JBCクラシック(2008年、園田ダート1870m)、
 アイルラヴァゲインのクリスマスローズステークス(中山芝1200m・2歳)、コンドルクエストのきんもくせい特別(福島芝1700m・2歳)、
 ブラックコンドルの中京2歳ステークス(中京ダート1700m・2歳)と多くのレコードタイムを記録している。特に2005年の葉牡丹賞を勝ったナイトレセプションは、
 1分59秒9と日本で初めて2歳馬が2000mで2分を切るものであった。

 2008年のメイショウサムソンの凱旋門賞出走にともない、産駒のファンドリコンドルが帯同馬として渡仏。
 ダニエルウィルデンシュタイン賞(仏G2・芝1600m)に出走し、産駒もロンシャン競馬場での出走を果たしている(結果は6着)。
 ファンドリコンドルはその後高知に移籍し9連勝を飾っている。


 芝ダート兼用(ヴァーミリアン)、ステイヤー(トウカイトリック)、スプリンター(アイルラヴァゲイン)とタイプは多用。

 サドラーズウェルズを感じさせるジリ脚の馬が多数いる一方で、2歳から走る快速型はミスプロらしさもある。
 年齢とともにスプリント色は薄れ中距離よりかダート寄りにシフトしていく感じだ。

 先行策から早めの競馬で押し切る競馬が得意で、道悪は巧い。
 なぜかマイル戦がかなり苦手

中山芝1200mのオーシャンSをエルコンドルパサー産駒のアイルラヴァゲインが勝って、いよいよ本当に大種牡馬、という感じになってきましたね。
中島理論的に言うと、早く死んでしまったがために産駒数が少なくて闘争心が強い、という言い方ができるんですが、それにしても種牡馬としての資質がAクラスでなければ、こうはいかないものです。

昨年秋から、重賞を勝ったエルコンドルパサー産駒をピックアップすると、

◆ビッググラス・・・根岸S(ダート1400)
◆アイルラヴァゲイン・・・オーシャンS(芝1200)
◆トウカイトリック・・・ダイヤモンドS(芝3400)
◆ヴァーミリアン・・・川崎記念(ダート2100)
◆アロンダイト・・・ジャパンカップダート(ダート2100)
◆ソングオブウインド・・・菊花賞(芝3000)

これは、レースの行われた順じゃなくて、生まれた順です。
それにしても、芝のスプリント戦から3400mの超ロングディスタンスまで、すごいとしか言いようがないですね。
本当に、早逝が惜しまれるんですが、残された産駒の中からマイル〜2000ぐらいの距離で重賞を勝つうまが出てくると、ホントに凄いことになってきます。
意外に晩成型で、いつまでも成長し続けるタイプが多いんですね。
しぶとく成長を続けていって、知らないうちに一線級に追いついたりする場合が多いので、重賞を勝ったときの単勝配当がいいのが、けっこう多いですね!

○ソングオブウインド/8番人気、単勝44.2倍
○アロンダイト/7番人気、単勝15.2倍
○ビッググラス/11番人気、単勝55.9倍

そのほかの、アイルラヴァゲイン、トウカイトリック、ヴァーミリアンは全部一番人気。
これは、ひとつには「オープンまで上がって来るエルコンドルパサー産駒は、クラスの壁がないかも」という傾向と、「強くなってからは安定して力を発揮する」ということを示しているのかもしれません。

高松宮記念でも、アイルラヴゲイン、ちょっと注目だなと思います。

同馬の特徴に挙げられるのがその万能性である。ダートと芝の両方に適性を示し、日仏の芝の違いにも対応した。また、マイルからクラシックディスタンスまで幅広い距離をこなし、馬場の状態に左右される事もなかった。レース中は先行して早めに抜け出し、そのままゴール板を駆け抜けるということが多かった。同馬はマイル戦においても楽に先行できるスピード、そして早めに抜け出してからも余裕を持って押し切る競馬ができる非常に優れたスタミナを備えており、総合的に高い身体能力を持ち合わせていた。

なお、同馬の誕生には馬主である渡邊隆の思い入れを欠かすことはできない。当時外国産馬といえば著名なセールで購入する馬が多かった中、渡邊はラフショッドの血を引く肌馬を探し続け、アイルランドはタッターソールの繁殖牝馬セールに出場予定だったサドラーズギャルに注目、苦労してこれを購入した。そして二年目の種付け相手としてサイヤーデビューシーズンでまだ実績のなかったキングマンボを選び誕生したのがエルコンドルパサーというオーナーブリーダースタイルの馬である。

しかし名馬の多くが誕生から育成までの間に才能を光らせるような何かしらのエピソードを持つのに対して、殆ど目立つ存在ではなかったという。突出したところがない代わりに手間がかかるようなことも一切ないというのは、現役時の万能性と総合能力の高さに通じるものが伺える。


■ 代表産駒