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グラスワンダー

■ 特徴

■ 解説

 グラスワンダー自身は、勝ったGI競走は全て右回りの競馬場である。有馬記念を連覇。

 先行しても差しに回っても詰めが甘い。3連複向き。
 グラスワンダーは有馬記念を連覇しているが、産駒はスピード豊かで2歳重賞にも強い。

 父譲りの丸っこい馬体は流れの緩まないワンペースの展開に向く。
 牡馬はマイルから中距離(2200まで)、牝馬は短距離からマイルが得意。

 時計勝負を苦にしない。ハイペースでの粘り強さはダンチヒ譲り。
 距離延長よりも距離短縮が得意で、前半に気合をつけていったほうが好結果を生む。

 内枠から先行して粘りこむ競馬が合っているため、1枠から3枠の勝率が高く、特に1枠は穴が多数。
 逆に言えば、外をまわして鋭く差してくるイメージはない。
 
 ダートは下級条件限定だが、オープンでの活躍もちらほら。
 気分屋の逃げ馬は単騎逃げが打てる相手関係のときと脚抜きのよい馬場がが狙い目。

 なお、競走馬名の「グラスワンダー」は冠名の「グラス」に、伊藤がセリ市で見たときにワンダフルな印象を受けたことから「ワンダー」を加えたものである。


グラスワンダー検証

 以前出てきたグラスワンダー産駒では、2週前に結構穴を開けた。というのも、この週は雨で特殊な馬場になったからだ。道悪だと馬群がバラけやすく、また体力も生かしやすいのでグラスワンダー産駒が穴を出す可能性は高まる。人気だと馬場に嫌気が差す馬も出る可能性があるし、不良までいくと馬場適性そのものが影響しやすいので、ちょっとした雨馬場が面白くなる。
 
 ライトグランデュアは晩春Sで10番人気2着と大激走したが、このときは稍重で、18頭立ての大外18番枠から平均ペースを単調に先行して粘るという、以前書いたグラスワンダー産駒の得意な、揉まれないパターンだった。

 京都新聞杯でのマイネルローゼンも、前走以上のスローの稍重を逃げて6番人気3着だった。

 また逆に高速良の新潟大賞典ではオースミグラスワンが1着した。高速のスローで31秒9という異様に速い上がりでの1着だった。揉まれ弱い血統は特殊馬場、特殊ペースで競馬をすると激走しやすい。ただオースミグラスワンはグラスワンダー産駒の中では速い上がりに適性のある比較的珍しいタイプになる。同じレースに出てきたシルクネクサスは4着だったように、特殊馬場の特殊ペース自体は得意だが、高速上がりは一押しを欠きやすいのが通常パターンだ。

 オースミグラスワンが追い込み馬というのも、ひとつのポイントで、行くか、追い込むか、マクるか、極端な作戦の方が得意な血統で、そういう血統の場合は高速上がりに対しては、特にその傾向が強まりやすい(シルクネクサスの場合は前走距離延長の大外枠から、追い込みという気分の良い状態で思い切った作戦をとって好走した後で、単純にストレスがあったこともあるが)。

グラスワンダー編 Part1

 今週は、アルゼンチン共和国杯が行われた。ここの連載で書いて、また『大穴血統辞典(白夜書房)』にも収録されたので覚えている読者も多いだろうが、昨年はスクリーンヒーローを本命にして勝って、一昨年もアドマイヤジュピタ本命と、2年連続で本命が勝っているレースだ。やはり荒れるハンデ重賞は面白いし、長距離戦で心身疲労の影響が出やすいので、M的にも当てやすい。

 スクリーンヒーローは東京2400mの準OP・オクトーバーSを2着後の出走。鮮度があって、またグラスワンダー産駒は非根幹距離への延長で揉まれない流れが合うということだった。そこで、スクリーンヒーローを本命にして、単勝8.9倍をゲットしたという解説をしたのが昨年のこの連載だった。

 で、今年もグラスワンダー産駒が出走していた。4番人気のアーネストリーだ。やはり昨年のスクリーンヒーロー同様、準OP勝ちで鮮度があった。しかも前走は2000m。500mの延長になるので、前走より揉まれずに気分良く先行出来る。こういう形が合うのがグラスワンダー産駒なのだから、スローになれば気持ち良く競馬が出来るだろう。昨年と全く同じパターンのグラスワンダー産駒だったので、この連載の熱心な読者なら、この馬はちょうど良い復習となったはずだ。

 だが、もう1頭気になる馬がいた。11番人気のミヤビランベリだ。延長を得意とするオペラハウス産駒。休み明けでリフレッシュもしているし、前走は2000m重賞で揉まれて惨敗。今回は延長で揉まれずに気持ち良く先行して、オペラハウス産駒得意の体力が活かせるというパターンだ。しかし、唯一気になるのが、ハンデ57.5kgでスローの上がり勝負になったとき。そうなると、キレ負けして3着前後になりやすい。そこでアーネストリー本命で、相手の2点目にミヤビランベリを取りあげた。

 すると、スタートからミヤビランベリが逃げる展開。これなら揉まれないし、なんといっても、スローに落としすぎずに逃げればキレ味勝負に持ち込ませないで済む。

 ということで、1度も13秒台に落とさない一貫したペースで逃げたのでミヤビランベリが1着。2着にアーネストリーとなった。結果、馬連の135倍を2点目でゲットすることができたのである。このように、高配当を3点以内で論理的に当てられるのがMの面白さである。



■ 代表産駒