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ジェイドロバリー

■ 特徴

■ 解説

 ミスプロ系の中では、日本で最初に一流種牡馬にのし上がったのはジェイドロバリーではないだろうか。
 オースミジェット、タイキシャーロック、テセウスフリーゼらがダート中距離で活躍。
 ダートの千六から千八が得意で、しかも脚抜きの良い馬場だと鬼に金棒。

 ただこの辺は常識レベルで、むしろ覚えておきたいのは、芝におけるジェイドロバリーの買い時。
 芝でオープン級の活躍を見せたジェイドロバリー産駒と言えばヤマカツスズラン、ルネッサンス、エルカミーノあたり。GT馬こそいるものの、そう頭数は多くない。

 しかし、条件クラスに目を移すと、過去5年で実は22%前後の連対率がある。
 その中でも、ポイントは夏場。夏季のジェイドロバリー産駒の芝での連対率、複勝率共に、他の季節よりも3〜5%も高くなっています。特にマイルでの好成績が印象的。

 加えて、仕上がりはミスプロ系の中でも群を抜いて早い。

 …ということは2歳新馬戦が狙い目。芝の2歳新馬戦、夏季に限定すると、25%前後の連対率。

 芝なら平坦コース、高速馬場に強い。
 クラスはまず新馬戦、あとは未勝利から500万の下級条件中心。
 その適性が最もよく現れてくるのがこれからのシーズンというわけである。

 ローカル開催のキーポイントとなる種牡馬として、ダンチヒ系やトニービンなどと共に覚えておきたい。

 ダートコースとの相性は抜群といって差し支えないレベルといえる。
 その一方で芝でも良績を残しているものの、芝・ダート両方をこなす万能型の産駒は少ない。
 スピードとパワーに優れ、やや渋った馬場でも変わらず力を発揮出来る重上手が多い。
 距離適性は短距離からマイルがベストで、2000m以上のレースではスタミナ面でやや見劣りするところがある。
 ミスタープロスペクター系といえば早熟傾向が強いというイメージがあるが、それに反してジェイドロバリー産駒には古馬になった後も息の長い活躍をみせた馬も多い。


■ 母父ジェイドロバリーはトライアルと巻き返しに注意


 神戸新聞杯はホームページで公開している予想で本命のイコピコが勝利。大本線で3連単13万馬券を的中することができた。

 レース前の推奨テキストでも指摘したように、神戸新聞杯はマイル的なスピードを持った馬ほど走りやすいレースだ。

 昨年の当レースも1、2着馬はそのままNHKマイルCの1、2着馬であり、一昨年の勝ち馬ドリームジャーニーは朝日杯FSの勝ち馬である。

 また、2年連続で当レースを敗れた馬が菊花賞を制していることも見逃せない。菊花賞は末脚の質はスタミナ指向が強い。裏を返せば神戸新聞杯はスピード指向が強いので、菊花賞向きのスタミナ指向の強い末脚の馬は神戸新聞杯では届かないケースが多いのだろう。今年の菊花賞も敗れた馬が逆転できるチャンスは十分にある。

 イコピコを本命にしたのは、こうしたレースの特徴の他にも母父がジェイドロバリーだったこともポイントとなった。母父ジェイドロバリーは重賞では次のような特徴を持った馬が多い。

・休み明けに強い
・GII〜GIIIのトライアルに強い
・凡走後に強い


 母父ジェイドロバリーの産駒は、重賞においては、連闘〜中2週のローテーションでは41回使って勝利したことが1度もない。連対も1度だけだ。

 逆に中3週のローテーションでは勝率4%、連対率が8%。そして中4週以上では勝率が10%。連対率が20%とレースとの間隔が開くほど上昇する。そして単勝回収率も複勝回収率も100%を超えている。

 さらに連続して連対しづらい特徴も持っている。前走連対していた場合の勝率はわずかに3%。連対率も9%。対して、前走3、4着に敗れていたケースでは勝率13%、連対率は22%と上昇する。

 通常前走1、2着馬の方が3、4着馬よりも好走率が高いのだから、母父ジェイドロバリーは、いかに続けて走らず、疲れに弱いかがわかる。

 また、GII、GIIIでは9勝していて、複勝回収率も108%を記録しているが、GIでの勝ち星はなく、連対が2回。複勝回収率も27%と急激に成績が落ちる。

 つまり、しばらくサボった後に出走すると、キッチリ仕事をする傾向にあり、身体能力は優れているが(中長距離GIでは要求されやすい)、最後のひと踏ん張りは苦手なのが母父ジェイドロバリーの特徴だ。

 神戸新聞杯はイコピコにとって適性もベストで、さらに前走4着で走らなかった上に休養も十分という、力を出す条件があまりにも揃っていたのである。

 また、母父ジェイドロバリーの代表産駒アドマイヤキッスは前走3着以下でGII〜IIIに出走した場合は、6レース中3レースで勝利し5回馬券になっている。そして、GIでは桜花賞で1度連対したものの、その後は6回GIに挑戦するもすべて4着以下だった。

 しかし、6回のうち5回は掲示板に載っていたのだから、身体体力はとてつもなく高いが、全力は出さない性格の馬だったのかもしれない。

 繁殖に上がり、ガッツのある種牡馬と配合した場合は、身体能力の高さに勝負への執着心を加えた産駒が誕生するだろうか?

 逆にカンパニーやバランスオブゲームのような種牡馬と配合したら(これは実現が難しそうだが)、GIIではGI馬も軽く倒すが、GIだけは走らない産駒が出るのか?

 など、現役時代から繁殖に上がることをとても楽しみにしていただけに、他界してしまったことは、本当に残念であった。


■ 代表産駒