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マイネルラヴ

 マイネルラヴ産駒には、ニュージーランドTを制したマイネルハーティーや北九州記念勝ちのコスモフォーチュンなどがいる。

 今ひとつ華々しい活躍が少なく、地味な印象を受ける。というのも、体力や量が少ないので、力で押し切るという競馬がしにくいという難点があるからだ。また、それでいて集中力も低くはないのだが、際だって高いというわけでもない。したがって、その激走のツボは少なくなる。ただ、そうであるからこそ、穴のチャンスもそれなりにあるわけだ。そこをピンポイントに狙っていくと、美味しい配当に辿り着けるという仕組みである。

 体力や量が無く、それでいてそれなりの渋太さはあるので、基本は体力不足を補える距離短縮に妙味がある。

 穴の狙い方だが、ナナヨーティアラが六甲S(芝1400m)で12番人気2着したときが、51キロの軽量で、18頭立ての中枠に入り、速めの流れだった。渋太さを生かすには、多頭数や軽量、速めの流れはプラス材料になる。

 伊吹山特別(芝1200m)でユメノオーラが15番人気2着したときも18頭立ての11番ゲートで、ハイペースだった。また、マイネルパシオンがアプローズ賞(芝1600m)で10番人気1着したときは、17頭立ての1番枠だった。このときは平均ペースだったが、1600mを超えるとあまり速すぎる流れでは穴は出にくくなる。短距離は速い流れの方が量を補いやすいが、距離が長くなると、上手くごまかせないと体力不足を露呈してしまうわけだ。

 クィーンマルトクがサロマ賞(芝1200m)で11番人気2着に激走したときも、16頭立てのハイペースだった。枠は15番と外だったが、ハンデ戦+軽量と、量を補える条件は揃っていた。特に芝の1400m以下の場合は多頭数の混戦が面白い。距離が延びると、頭数が多くなって、体力負けというケースがやはり目立つ。コスモフォーチュンが11番人気で北九州記念を勝ったときも、14頭立ての2番枠で52キロだった。

 また混戦で量をごまかすという意味と、馬場変化に怯まない性格から、芝もダートも重や不良などが激走のポイントになりやすい。また芝の場合は超高速馬場も、体力不足を補うという意味では面白さがある。

 1回で出し切るエネルギー量が大きいので、ある程度レベルが上がった後は、激走後のレースでは一枚評価を下げた方が無難だ。本来は真面目に走ろうとするタイプなのだが、反動が出やすくなるのだ。

 マイネルハーティーなどは突然走る気分屋という印象もあるが、この馬の場合は1600mという同馬にとって体力的な限界距離で走っているので、追い込みで体力を温存しなければならず、そのため、展開頼みになりやすく、ムラに見えるという部分が大きい。ちなみに最近馬券圏内に入った11番人気のダービー卿CTでは、15頭立ての1番枠で54キロ、6番人気の都大路Sも16頭立ての1番枠で54キロと、上手く量をごまかせる条件が揃っていた。 


マイネルラヴ編 Part2

 先週はマイネルラヴについて解説した。

 体力や量が少なく、集中力はそこそこあるというのが基本で、混戦向き。力で押し切る競馬はあまり合わず、軽量や多頭数の混戦、特殊馬場などでごまかす形が合うということだった。だからこそ、ハマるパターンは少ないが、上手く狙えば穴を取りやすいというのが特徴になる。

 そして先週、さっそくお誂え向きのレースがやってきた。5月11日の東京ダート1400mの500万条件。

 このレースに出ていたのが、マイネルラヴ産駒のドリームスカイラブ。これまで2連対をしているのだが、その2連対がともに5番人気と10番人気という穴メーカーだ。その2戦は14頭立てと16頭立て。どちらも多頭数の混戦で速い流れだった。そして不良馬場。今回も16頭立ての多頭数で速い流れの混戦が予想され、馬場は不良。混戦でしぶとさを生かすにはちょうど良い条件である。しかも3番人気とはいえ、単勝10.2倍と高配当。混戦でしぶとさを生かして穴を獲るにはまたとない条件になる。そこで私は同馬を本命にして1着となり、馬単122倍を3点目で当てることができたのである。また1400mという距離も体力不足を補えて良かった。

 他には土曜の未勝利でマイネルピリアーという馬が勝った。このときは良馬場だったが、16頭立ての1番枠。前走は同じ1400mだったが18頭立ての17番枠だった。また前走は緩い流れで、今回は速めの流れ。マイネルラヴのしぶとさを生かすには良い条件になった。

 もちろん、常に上手くいくとは限らない。都大路Sではマイネルラヴ産駒のマイネルハーティーが9番人気の人気薄で出走していた。重が想定されたのと、内枠の人気薄だったこと、そして速い流れの差し競馬になることを想定して狙ってみた。ただ結果は馬場の回復が早く高速馬場、しかも完全な前残り競馬になり、同馬の出る幕はまったく無かった(細くもない状態で10キロ増というのも、しぶとさを生かすタイプにはマイナス材料になる)。

 こういう量不足の血統は、ピンポイントで条件設定をしないと穴は狙えない。したがって、当日の馬場状況、ペースがハマるのかどうかは死活問題になるので、その辺りは当日に細心の注意を払う必要がある。


マイネルラヴ検証

 まずマイネルラヴ産駒の続きを見ておこう。先週ははソリッドラヴという産駒が7番人気で3着に激走した。芝からダートのショックが掛かっていたのだが、マイネルラヴ産駒自体は、それほど芝からダートのショックが好きというほどでもない。同馬の場合は芝からダート、ダートから芝と、馬場変更ショックそのものを好むという、この馬固有の性質という問題もあった(どの血統であれ、ショックを好むタイプと好まないタイプはいる)。もうひとつのポイントは減量騎手騎乗の54キロだろう。前回書いたように体力や量が不足している産駒は多く、プラスに働きやすい。

 他にリリーレインボーという産駒が、4番人気で2着した。この馬の場合は斤量増ではあったが、ポイントは14番枠から1番枠になったことが大きかった。混戦の方が量不足を補えるし、前走より前半のペースが1秒以上も速くなって混戦になったのも量を補えて良かった。そこに差しに回る位置取りショックが加わったのも大きい。遅い流れを先行するという競馬は量系の方が得意で、速い流れを差す競馬の方は量が必要ない。

 クリノラブゴールドという産駒は、2番人気で10着と人気を裏切った。これは連闘後の中4週というのが応えた。マイネルラヴ産駒はC的要素が比較的強いので間隔を詰めた方が走りやすく、連闘、中1週、中2週の成績が良く、中3週〜5週ぐらいはあまり良くない。得意の連闘で走った疲れがある中、距離延長も加わって体力切れを起こしたと考えられる。