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マヤノトップガン

■ 特徴

■ 解説

 バンブーユベントス、チャクラと長距離重賞の勝ち馬を送り出し、プリサイスマシーンは中日新聞杯を制覇。
 一度強くなった馬は終わりそうで終わらず、しぶとい。ブライアンズタイムの長所を受け継いでいる。

 2歳時から芝1600のスピード競馬にも対応できるし、スプリングSの3着馬も2頭。
 新馬の勝ち方が評判になるタイプではないが、使い込まれながらレースを憶えて、徐々に強い相手にも通用する力をつけていく。

 スタミナが引き出されるとハイペースで浮上する。

 芝1800と芝2200が好成績というところにダラっとした脚を使う特徴が現れている。

 ダートもオープン級が出て力強い。意外と穴になるのは芝1200以下。
 新馬も含めて中京や新潟などのローカルの牝馬がおいしい。

 先行スピードをもつ馬がたくさんいるから、ステイヤー血統の先入観で切り捨てないこと。
 短距離型は休み明け初戦か2戦目が特注。


マヤノトップガン編 Part1

 マヤノトップガンは父ブライアンズタイムから闘争心と体力を受け継ぎ、また集中力もそれなりにある。一番欠如しているのは量で、少ないということもないのだが、安定感をもたらすほどではない。また闘争心(S)のコントロールも難しい。そこでサンプルホースは先週4番人気で勝ったイケトップガンから見ていこう。

 まず、500万からの格上げで迎えたtvk賞。ここでは私は携帯の前日予想で対抗に予想した。昇級戦ということで、5番人気に甘んじていたが、結果は1着。2着馬が本命だったので、お陰で1点目で馬連21.7倍を当てることができた。

 ここで評価したのは他でもない、その闘う意欲の強さからだ。したがって、昇級戦でも怯むことはないし、14頭立ての5番枠もやる気を出すには良い条件になる。

 そして次のレースは1000万勝ち後に、一気に重賞・中日新聞杯挑戦。当然9番人気と低評価に甘んじる。しかし、もちろん私は予想で2番手評価と、高く評価した。17頭立ての1番枠。闘う意欲が疼いてくるだろうし、52kgの斤量も良い。量が少ない種牡馬は軽量を好む。もちろんMの基本、「鮮度の高い馬は馬群を割れる」という鉄則もあり、内枠のここは走り頃だ。

 結果、先行、好位が独占の流れの中、ただ1頭追い込んで3着に激走。複勝650円の高配当をもたらした。

 続く早春S。もちろん重賞3着馬だけに2番人気に支持される。しかし、これは危ない。10頭立ての少頭数で弱い相手。量が少し少なく、闘争心と集中力で成り立っているタイプの種牡馬には鬼門のステップになる。結局、2番人気3着と人気を裏切る形で終わった。

 その次のアメジストSでも3番人気に支持されるが、やはり危ない。11頭立ての少頭数の7番枠。やる気が出ない。結果、3番人気5着と人気を裏切り、敗れた。

 そして、先週の但馬S。16頭立てで人気を落としたが、今回は2番枠。集中力を発揮して、4番人気1着と激走したのだった。

 「競走馬は相手が弱いから走るのではない」というMの基本がここに集約されている。

 ちなみに前2走は470kg台。今回は460kg台に絞れていた。これもポイントだ。集中力があるタイプ、特に差し馬は絞れていた方が集中力を発揮できる。これはMの馬体重論の基本なので、熱心なMファンならご存じの通りだと思う。

 さて、このイケトップガンはどちらかというとC要素の比較的強いマヤノトップガン産駒だった。次回は、S要素のバランスが強いマヤノトップガン産駒を見ていこう。


マヤノトップガン編 Part2

 今週はS質の強い、コントロールしにくいタイプのマヤノトップガン産駒を見ていこう。

 例えばトップガンジョー。この馬はハマるとやる気を起こすが、ハマらないとまったく走らない。ハマるタイミングは、距離延長や距離短縮のショック。そして、特殊馬場というのが基本になる。

 500万に昇級後(上級条件に上がっていく過程の連チャン期には、どの種牡馬の仔でも鮮度から連続好走はしやすい)、6回の連対のうち、5回が距離変更ショックだった。しかも、先行から差し、差しから先行と位置取りを前走から変えてやる位置取りショックを掛けると気分良く走って激走というパターンが多い。唯一、同距離で連対したのが清水Sだが、このときは武豊に乗り替わりで、前走好位差しから追い込みへと、位置取りショックを掛け、4着後に1着したもののだった。

 距離変更ショックが無くても、自らショックを掛けていたということになる(どちらかというと、距離変更よりも位置取りショックを好む産駒が多い)。しかも、稍重なのに時計は速い。こういう特殊馬場を好むのも特徴で、重馬場で走ったり、超高速上がりで強かったりする。ショック以上に、馬場の特殊性への食いつきの良さには警戒したい。

 また27戦して連続して連対したことが1回しかない。それが新潟記念。しかし、新潟記念は休み明け。使い込まれて連続連対したわけではない。しかも、前走は重で、新潟記念は真逆の超高速馬場。位置取りも3角4番手から13番手。馬場、距離、位置取り、すべてにショックが掛かっていた。

 基本的に一回で出し切るエネルギー量が多いので、好凡走が交互になりやすい血統といえるのだが、特にC質ではなくS質が高いと、精神面も加わって交互現象になる。

 プリサイスマシーンも、最後の連対10回は、休み明けを除けば、一度も連続連対はしなかった。チャクラもそんなタイプだ。しかし、プリサイスマシーンが8歳、チャクラが7歳に馬券圏内に激走したことがあるように、息が長い走りができるのも特徴になる。終わりそうで終わらず、ショックや特殊馬場を好み、集中期を過ぎれば交互系。これが芝でのS主導産駒の基本形になる。

 相手の強弱は関係なく、ハマると走るという特徴は、タイプに関係なく共通する。ダートだがメイショウトウコンが7番人気でジャパンCダートを2着に激走したように、格下だとかは気にしないでよい。同馬の場合は激戦の差し競馬向きで、その流れにジャパンCダートがちょうどハマったのだった(ダートの場合は、交互を意識する必要はあまりない)。

 ただ自分の限界に近い超トップクラスでは、自分から動くと詰めを欠きやすい。これは量不足に起因している。したがって、メイショウトウコンが量をごまかせる、激戦の追い込みだったように、特殊な位置取りでごまかす形がよい。そういう意味で、その馬の極限では、特殊馬場の方がごまかしが効きやすいということもある。


■ 代表産駒