■ 特徴
■ 解説
1000〜2000mあたりなら、芝・ダートは問わない。
先行力ある馬も多いが、基本は差し脚が武器で器用さもある。
多少の渋太さももっているので、どんなコースにも対応できる。
相手なりに走れるタイプで、相手強化・昇級にも早い段階で対応慣れる。
好不調の期間がやや長めで、前走内容がよければ次走もよい、悪ければ悪いという特徴もある。単勝より複勝向き。
■ 「サニーブライアンの2着付け」
カゼニフカレテが愛知杯を快勝したタイミングに合わせて……と言いたいところですが実状は違います。
ややこしいタイミングで勝ってくれたな、というのが本音です。
以下の原稿は愛知杯の前に書き、サニーブライアン産駒は2着が多いぞ、カゼニフカレテに弱点が象徴されているぞ、という内容だからです。
別に愛知杯を勝ったからといって本質が変わるわけではなく、むしろこれもサニーブライアンの特性を表しているのですが(中京の芝コースだけは1着が多く、格上相手に強いのです)、
世間の印象というものがありますからね。まあ、いいや。気にせず始めましょう。
サニーブライアンを取り上げます。現3歳世代が供用2年目の産駒という新しい種牡馬ですが、こやつは見過ごせません。
たとえば代表産駒の牡馬カゼニフカレテと牝馬シロキタガデスは、よく似ていることに気付いているでしょうか。
カゼニフカレテ⇒02年の京成杯、人気薄ながら伸びかけて4着善戦→条件戦に戻って500万勝ち→1000万で2着3着続き→6月1日の東京で1番人気コケ。
シロキタガデス⇒03年のフローラS、人気薄ながら伸びかけて4着善戦→条件戦に戻って500万で2着→5月24日の中京で1番人気コケ。
このような字面の成績もさることながら、京成杯とフローラSの「一瞬鋭く伸びかけて止まったレースぶり」と、
その後の「騎手が脚の使いどころに苦労しながら乗っている感じ」が似ているんですが、映像のイメージは浮かぶでしょうか。
強い相手に善戦する反面、弱い相手に取りこぼすのも、共通の特徴です。
わかりやすいデータを挙げます。
サニーブライアン産駒の全成績(6月5日まで)は以下の通り。1着-2着-3着-4着-5着-着外、です。
●全成績
芝【10-28-24-16-21-143】
ダ【16-17-23-23-18-193】
芝では2着と3着が突出して多く、ダートでは3着と4着が多いのです。
さらに芝の成績をクラス別に分けるとこうなります。
●クラス別(芝)
新馬【1-5-6-40】
未勝利【8-10-9-71】
500万 【1-6-4-58】
1000万【0-4-3-2】
1600万【0-0-0-1】
OP特別【0-3-0-4】
重賞【0-0-2-4】
1着数と2着数の差がないのは未勝利クラスだけ。未勝利戦を除くと、なんじゃこりゃと驚くほど2着が多いのがわかるでしょう。
もうこれだけで単純に「馬単でサニーブライアン産駒を買うときは、2着付けが基本!」という兵法が導き出されます。
3連単ならば2着固定の狙いが立ちます。(3着固定もありますが、それはとりあえず置いといて)
この勝ち味の遅さはどう表現すれば良いのか。使える脚が一瞬。ジリ脚である。競り弱い。不器用である。
うむ、この辺はひとくくりにしないほうが良いかと思います。
使える脚が一瞬とジリ脚とでは、解釈によって反対の意味にもなりますが、どっちのタイプもいるので「勝ち味に遅い」にとどめておきましょう。
ブライアンズタイム産駒のダービー馬という背景から、ジリ脚の中長距離型という先入観を持つ人もいるでしょうが、
上がり34秒台の速い脚を使う馬はたくさんいますし、意外に軽さを発揮してマイル以下のスピード競馬でもよく走っています。それでも勝ち味に遅いのです。
この2着3着の多さを知った上で、カゼニフカレテやシロキタガデスのレースぶりを観察すると、
ふむふむ、ジョッキーが苦労しておるなあ、という実態に気付きやすくなります。
そして、とてもじゃないけど東京でカゼニフカレテの1番人気なんて買えるかよ(青嵐賞)、となります。
あの馬は一瞬しか速い脚を使えないため、ギリギリまでためねばならず、長い直線のしかも道悪では苦しいのは明らかです。
だいたい武豊やペリエが乗って2着続きなんだから、いかに脚の使いどころが難しいかわかるでしょう。
だから、サニーブライアン産駒は馬単で買うなら2着付けという基本のほかに、人気馬を消しやすい血統であることを知っておいて下さい。
ちなみに競馬場別で見ると、京都の芝が【1-7-4-32】ともっとも激しく2着止まりの傾向を示し、唯一、2着より1着が多いのは中京の芝です。
ここにもサニーブライアンの特性が現れていますが、どのコースが得意か苦手かの判断は、各馬を観察しながら個性に合わせて調節して下さい。
データとは傾向の一端であり、本質をつかむための取っかかりです。
もう少し具体的な2着付けの狙い方を見ていきましょう。
サニーブライアン産駒は軽い先行力を見せていても、芝馬はだいたいどこかで脚質転換をして直線一気型になる例が多いようです。2着が多いのはこの直線一気型です。
自分から動くと甘くなるため、我慢して末脚に懸ける。しかしその乗り方だと、必然的に2着どまりが増えてしまう。
直線一気の差し馬。コースで言えば京都や東京。距離で言えば芝1600や芝1200。これが2着付けの狙いどころになります。
また、人気馬の危なっかしさを強調しすぎたかもしれませんが、基本的には地味で人気になりにくい穴血統です。
人気馬の2着付けだけでなく、穴馬を2着に付ける作戦も当然、有効になります。
たとえばグランリーオのように鞍上が地味な馬は、東京の八重桜賞を人気薄で直線一気2着しても、
うまく展開がハマったんだろうと人気にならず、また次の牡丹賞も人気薄で直線一気2着を決めるといった旨味を提供します。
ギリギリまで末脚を我慢するタイプは、カゼニフカレテのように人気なら消しの材料になるし、グランリーオのように人気薄なら展開ひとつで買いの材料になる。
あと、ダートは今のところ、ダ1700Mで3着が多く、ダ1800Mはそれなりに勝ち切るという傾向を示しています。これは参考までに。
■ 代表産駒