■ 特徴
1コーナー奥のポケットからのスタートになる変則コースと言っていい距離。
外回りコースを使用し、スタートしてから常に緩やかなカーブを回っているような状態が続くため内々につけられる先行馬が有利。
また、最初のコーナー突入まで約240mと短い事もあって内枠が圧倒的に有利なコース。内枠の先行馬は注目しておきたい。また、内に先行馬が揃った場合は希にすんなり内ラチにつけられる差し馬も有利に働く場合があるので展開読みは確実にしておきたい。
基本予想材料としては、ペースを把握した上で、どの馬がスムーズに内ラチに着けることができるかを確認する必要がある。内から外まで先行馬が揃うようなレースになると、外枠の先行馬はかなり外に振られたままレースをする事になるので、割り引く必要がある。
阪神の1600mは最初のカーブが急になって外枠の先行馬が外に振られやすく不利だが、中山の1600bは4コーナーを回るまで直線という直線がなく、少しでも外を回すようなら永遠にロスをし続けることとなる。当然ながら直線に入った時にかなりの距離ロスをしているので、脚にお釣りが無くなる事が分かる。
差し馬の台頭がそこそこあるのは、外枠でも内枠の馬が先行馬であれば、楽に内側に寄せられることからもいえる。また、坂を登ってからは直線の急坂までは下り坂になるので外回りのこのコースは4コーナーで外に振られる馬が多く内を突いて差すシーンまでも見られる。
直線で脚に余裕を残せる馬を探し出せば、場合によっては勝負レースになりうるので注意して予想したい。
枠順の有利不利、おそらくその最たるものと思われるのが中山芝1600mコース。
スタート後まもなく折り返しのような急カーブが待ち構えているために、外枠の馬は振られてしまいますし、無理をするとコースロスがかなり大きくなるという厄介なコースです。
2000年から今年の1月開催終了までの期間で、15頭立て、16頭立てとなった場合を対象に(フルゲート16頭)調べると、8枠の勝率は4.8%で1枠のなんと半分、ダントツの最下位。連対率は10.3%でブービー、3着内率は15.9%でこちらも最下位になっていました。
京都マイルや東京の芝の各距離などは、本当に枠順についてフラットなコースで、各率がほぼ均一化していますが、これだけ8枠不利に偏るコースも珍しいです。なお8枠に次いで悪いのは7枠ですから、単純に外へ行くほど成績が下がると考えていいでしょう。
連対馬の脚質で見た場合、8枠をおして連対した馬28頭のほぼ半数は好位付けしていた馬で、逃げや追い込みなど極端な戦法の馬には絶望的な枠。ただ、8枠にもかかわらず連対した馬には、オープンではメイショウボーラー(次走弥生賞2着)、ミレニアムバイオ(次走マイラーズC1着)、ミデオンビットなどがおり、条件戦ではウインブレイズ、ゴッドオブチャンス、キクカグロリアス、ファイトクラブ、マイネルデュプレなどのちに出世した馬が多くなっています。この点は覚えておきましょう。
また、8枠で勝った馬は、昇級となる馬も多かったのに次走の連対率が33.3%、3着内率が50%もありました。このことからも、中山芝マイルの多頭数で8枠から連対した馬は追いかけて損なし、と言えると思います。
血統的なことも最後に少し。
今春のこのコースはサンデーの系統の天下。9鞍行われた内7勝、2着4回と他を圧倒しています。タイムは速いものの、上級では流れ自体は、特に前半でそれほど速くなっていないのが特徴で(もちろん馬場差を考慮しての話ですが)、しまいの瞬発力が重視される傾向にあるようですね。この週末からはBコースに変わりますが、この傾向はおそらく変わらないことでしょう。スタート後のラップが上がりにくいのは、ひとえにこのコース形態が理由であると思われます。
1、2コーナー中間から1コーナー寄りに引き込まれたポケット地点からのスタート。脚質から見てみると、Aコース(一番広いコース)では逃げ、先行タイプが1、2着に占める割合が高いが、仮柵を外にずらしたCコースになると差しタイプの1着馬が増える。2着は先行馬が活躍しているのはAと同じ。ところが3着になるとA、B、Cに関係なく差し、追い込み馬の活躍がグッと増えるのが特徴的。ただ、馬場が悪化すると前傾型と後方型との比率は同じになり、さらに悪化すると1、2着はやや差しが有利で3着は前残りが多くなる。
枠で見ると、必ずしも内(1〜3枠)は有利とは言えず、中、外枠もまったく互角(1着馬)。2着は圧倒的に中枠(4〜6枠)が有利で、次いで内。外は不利。3着になって内・中互角、外は少ないという傾向。コース(A〜C)別にもよるが勝馬は逃げ・先行、枠は中〜内が有利だ。
中山芝1600m
中山の芝1600mといえば、今さら言うまでもなくトリッキーなコースとして有名です。
このコース図を見てもらっても分かるようにスタートしてから外回りコースをグルっと回ってくるコースなので、常にカーブを回っている状態のコースをしています。
これはどういうことかと言うと、スタート直後から外を回してしまうと直線に入るまで内側のラチ沿いに入れる事ができず、終始馬場の外側を通されることになってしまいます。
最初から最後まで外を通さなくてはならないと言うことは、最内を通る馬とは全く走る距離が違うことになってしまいます。
阪神の1600mもスタートしてから直後にコーナーがあるコースなので比較的外枠には不利なコースとなっていますが、それでも向正面には直線があるので、そこで状況によっては上手くコース取りを修正することが可能です。
どちらのコースも外枠に有利とは言えないコースということは誰もが知っていることとは思いますが、中山と阪神ではこの点に決定的な違いがあると思います。(^-^)
中山では単純に内枠を狙うという訳ではなく、それぞれのレースによってメンバーも違えば展開も変わります。枠で考えてしまうのではなく、外枠からでもスムーズに内側を取れるのであれば、積極的に狙えるでしょうし、もちろん内枠から先手を取れるタイプがいるのであれば自然と浮かび上がってくる事となるでしょう。(^^ゞ
予想をする際には常にどの馬が一番楽にレースを進めることができるのかと言う事に着目して考えていますが、特にこのコースではそれが極端に出やすいコースでもあるので、トリッキーなコースだけに特徴さえ把握してしまえば狙いが立ちやすいコースとも思っています。(^-^)
一番単純に狙うならば、全ての1600m戦を買うのではなく、馬場が前に有利な馬場であれば、内枠に強いと考えられる先行馬が1頭居た時にだけ軸馬として流してみるのが簡単に取りやすいコツだと感じます。
これはいくらトリッキーなコースだからと言って全部の1600m戦で狙えるというわけではなく、より簡単な作業として考えるならばこのような手段を選ぶと馬券としては比較的成り立ちやすいものであると理解してもらえると良いのではないでしょうか。(^-^)
ただ馬場状態には注意を払う必要はあるでしょう。
今年の第1回中山開催が1ヶ月ほど前に行われていたことと、暮れにも中山が行われていたことで、第1回の最後の方では内外問わず全体的に芝の傷みが残っていました。
気候的に暖かい日が最近は続いていますが、1ヶ月程度でどれくらい芝の回復が見られるかという点に関しては気がかりです。
CコースからAコースに変わり、全体をオーバーシードしていて馬場の状態は良好との発表がありますが、有馬記念以来使用していなかったAコースに戻るので、実質内側だけが丸2ヶ月使用されていないですから、馬場の5分から内の方が伸びる状態になっている可能性は非常に高いように感じられます。
前号で小回りに変わる事での騎手の心理ということに触れましたが、この点にも注意しながら、これらのことを総合して考えるとできるだけ緩い流れになりそうなレースで内側を通れる先行馬狙いが現状では視野に入ります。
あとは当日に馬場状態が想像しているものに近いかどうかということに着目してレースの進行を見守ってから参戦することが大切だと思います。(^^ゞ
■ 重賞
≫朝日杯FS(G1)
■種牡馬