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京王杯2歳S

2歳馬限定の重賞競走としては3番目の歴史を持つ競走で、昭和40年に『京成杯3歳ステークス』の名称で創設され、平成10年に現在の名称となった。当初は中山競馬場の1200m、馬齢重量戦で争われていたが、昭和55年から東京競馬場の1400mに変更された。夏競馬での活躍馬に加え、秋を迎えてデビューした馬たちが一堂に会する競走であり、2歳戦の最高峰に位置する阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティステークスの両GIへのステップとしても重要な意義をもっている。

重賞 日付 コース 勝ち馬 Lv 補正
タイム
ペース LAP めも
第42回京王杯2歳S(G2) 2006/11/11 東京芝1400m マイネルレーニア B 96 M 12.6-11.1-11.4-11.9-11.6-11.4-12.6 雨・やや重

■ 傾向

オープン経験が重要
過去10年の勝ち馬のうちの8頭が、前走で重賞もしくはオープン特別に出走していた。
ちなみに前走が条件戦でこのレースも勝利したのは99年のダイワカーソンと01年のシベリアンメドウだけ。
前走が重賞またはオープン特別というのは、勝ち馬を探す際の重要なファクターといってよさそうだ。

前走着差に注意!
前走が派手な勝利だと人気も上がりがち。しかし、前走を0.6秒差以上の圧勝で飾った馬8頭のうち、このレースも勝利したのは97年のグラスワンダーただ1頭。
グラスワンダー以外に共通しているのは、その圧勝が条件戦でのものだったということ。着差だけに惑わされず、内容もよく吟味する必要がありそうだ。
また、前走を0.6秒以上の差で敗れた馬の巻き返しも多いが、連対を果たしたのは前走が重賞だった馬のみとなっている。

大柄な馬に好走馬多し!
京王杯2歳ステークスは、当日の体重が460キロ以上あった馬に好走例が多い。
ちなみに420キロ未満の馬はウメノファイバーとロサードが連対しているが、この2頭は同じ98年の連対馬。
やはり基本的には大きめの体をもった馬に注目すべきだろう。


■ 回顧

第42回京王杯2歳S(G2) 2006/11/11 東京芝1400m マイネルレーニア B 96 M 12.6-11.1-11.4-11.9-11.6-11.4-12.6 雨・やや重

簡単に言うと、雨で脚をとられた有力馬の隙をついて、マイネルレーニアが逃げ残ったレース。
しかしレーニアは道悪が得意なタイプではないことを考えるとパフォーマンス的には高いかも。

朝からの雨で、午後には稍重となった東京競馬場の芝コース。
発走時には見た目以上に馬場が悪化したらしく、各馬とも直線では内ラチ沿いを避け、真ん中から外寄りで叩き合う展開となった。

この馬場では後方から追い込むのは厳しく、前でレースを進めた馬どうしの決着。
マイネルレーニアとマイネルフォーグ、同じ勝負服の2頭がワン・ツーを決めた。

特に目立ったのは勝ったマイネルレーニアのレースぶり。
過去3走はいずれも逃げて未勝利脱出、ダリア賞勝利、新潟2歳S3着と好走していたが、ここでは無理にハナを切ろうとはせず、4番手から競馬を進めた。

4コーナーからはスピードを抑え切れないような勢いで上がり、逃げたシベリアンクラシカに並びかける。
直線では外からマイネルフォーグ、内からアロマンシェスに迫られるが、そこから粘りを発揮して先頭ゴールを果たした。
マイネルレーニアにとっては、ただのスピード馬ではない、抑えてもしぶといレースができるという新境地を示した、会心の勝利。


スタート直後、後方に目を奪われた。
二番人気で前走札幌2歳S2着のアドマイヤヘッドが痛恨の出遅れ。一番人気馬の前走新潟2歳Sで鮮やかな差し切り勝ちを演じていたゴールドアグリはスタート五分もダッシュに失敗したのである。両頭とも東京スポーツ杯に出走してくると思っていたが、2歳チャンピオンの座をかける前哨戦として距離の短いここに参戦してきた。それだけに是が非でも好スタートを切り、好位からの差し切りを狙っていた二頭にとってはまったくもって痛い出遅れであった。
後方からの追走を余儀なくされた二頭を尻目に、3番人気のマイネルレーニアは好スタートから先行集団を形成した。前走では逃げていたので、ここでも先手をとることが予測されていたが、今後距離延長を考え差す競馬を試みようとしたのだろう。
朝から降り続く強い雨だったが、稍重馬場で持ちこたえていた。しかしかなり重に近い馬場状態であり、経験の浅い若駒にとっては試練の雨である。そんな悪条件の中、外国産馬シベリアンクラシカが引っ張る3ハロン35秒台の緩い流れになり、マイネルレーニアは好位置三番手を追走することになった。
直線の長い東京競馬場であるから、出遅れ組二頭は、無理に位置取りを上げずに後方からのレースに徹底する。いや動くに動けないと言った方が適当だろうか。いくら緩い流れといっても短距離戦の部類に入る1400mのレースである。無理に位置取りを上げることは最後の末脚にも影響する。中京や中山ならともかく、直線の長い東京競馬場であればどっしり構えていた方が好結果につながる可能性が高い。
淡々と流れるレース、隊列も大きく変化はせず各馬直線勝負にエネルギーを蓄えている。二回連続開催となり馬場も荒れてきている上にこの雨である。ジョッキーたちは馬場の良いところ良いところ、テレビで見ると緑の色の濃いところ、つまり外へ外へと向かい大きく膨れた上で4コーナーを回る。
完全に先行馬有利の条件である。直線に入ると、マイネルレーニアは早くも逃げ馬をとらえ先頭に立っている。迫ってくるのは同じマイネル軍団のマイネルフォーグ。同中レーニア意識した走りを見せていたが、直線に入る前にいったん下げ、再びライバルに迫ってきたのである。
後方追走を余儀なくされた有力馬二頭はどうか。ゴールドアグリは距離のロスを避けて馬群に突っ込み外へ外へと進出を試みる。アドマイヤヘッドは距離のロスは覚悟しても大外へ周り直線での末脚にかける。この選択が両馬のわずかな結果に結びつくことになる。
さすがに先行勢に有利な流れ。マイネル軍団の二頭、逃げたシベリアンクラシカが粘る中、内からアロマンシェスが迫ってきた。逃げたシベリアンクラシカが失速し、勝利争いは三頭に絞られた。こうなると後方からの追走組には出番はない。大外からアドマイヤヘッドがものすごい脚で差を詰めてきたが長くいい脚はそうは続かない。ゴールドアグリはジワジワと伸びてきているものの先行勢との差を詰めるまでには至らず、4番手争いに加わるのが精いっぱいだった。
三頭に絞られた争いは、マイネルレーニアが一歩抜きん出る。マイネルフォーグに一度は詰めよられたものの、最後は勝負根性を見せクビ差出たところがコールだった。前走新潟2歳Sでは逃げて3着に粘っていたが、1番人気で目標にされてしまった結果である。今日は3番人気という気楽さも手伝って、自分のレースに徹することができた松岡正海ともぎ取った勝利である。今日のようなレースができれば、あと1ハロン距離が延びる朝日杯FSでも対応可能だろう。
マイネルレーニアの父グラスワンダーはこのレース(当時は京成杯)の勝ち馬。親子2代でこのレースを制することに成功した。父はこのレースの勝利した後、朝日杯の他、有馬記念二勝、宝塚記念とグランプリ三連勝とG1を4勝した。重賞では1400mから2500mと広い距離への適性を持っていたが、孝行息子マイネルレーニアはどうか。いままで走りを見る限り、おそらくマイル以下に適距離であると思われるが、父の血を強く引いているならばもう少し長い距離への対応も可能かもしれない。今後の可能性、陣営の判断に注目したい。
結局、人気馬二頭、ゴールドアグリとアドマイヤヘッドは4着と5着。今日は出遅れ、ペース、馬場とすべてが味方しなかった。それでも最後の伸びが際立っておりアドマイヤヘッドに至っては34秒6という出走馬の中で最速の上がりを記録していた。最後は力尽き、ライバルのゴールドアグリに刺されてしまったが、極端なレースになったしまった今日の結果は度外視していいだろう。次走、コンディションを整えて再度チャレンジして欲しい。
今年の2歳牡馬戦線。朝日杯FSに向けて、ナムラマースが実績では一歩リードしているが、長距離向きの走法をしており、マイル戦となる本番では圧倒的な存在はまだ現れていないように思える。大混戦模様になるのか、それとも隠れた存在とも言える新星現れ、2歳牡馬チャンピオンをさらっていくのか。今後の動向が楽しみである。


マイネルレーニア

-8kg。その割には全体にモッサリした造り。ただ、歩様に柔らか味が出て来た。好位の外。出脚とゲートが速かったサープラスシンガーがあまり行く気を見せず、首だけ突っ込む形。4角で逃げたシベリアンクラシカに並び掛け、これを競り落として、そのまま押し切った。人気馬が揃って出遅れ、ペースが上がらず、シベリアンクラシカが馬場のど真ん中へ出て来たのも後続に差せなくするという点で良かっただろう。今日は判定不能というのが正直なところ。

マイネルフォーグ

もうちょっと歩様が伸びて欲しい。馬もそこ迄では無いが、毛ヅヤは良く、デキ自体は良い筈。好発。3角辺り迄は前を追い掛けそうになっていたが、一旦引いて離れた4番手。直線迄待ってから追い出し、坂下でバテたサープラスシンガーとマイネルレーニアの間から追撃したが、ラスト200mで逆手前で一旦モタついた分、差し切れなかった。この馬の勝ち負けだけを思えば、もう少し早く動いた方がという事になるのだが、同馬主だけにこれは仕方が無い。枠が内外逆なら結果も逆だっただろう。要はその程度の差。

アロマンシェス

もうちょっと手先にバネが欲しい。ただ、小さいなりに馬を大きく見せている。開催後期の新潟の様に数頭分空けて乗られていたが、中段のイン。目の前に居たヒシプレミアは外へまわしたが、この馬は天皇賞のスウィフトカレントの様に、近回りして距離稼ぐ策。差せない展開で、今日はこれが大きいだろう。スウィフトカレントが評価出来ない2着だったのと同様、この馬も評価出来ない。

ゴールドアグリ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。例に依って手先の軽さは目立つが、腹回りの厚ぼったさを思うと、トモが薄い。ゲートも悪かったが、出脚も無くて後方から。これならと腹括って直線迄待ってから追い出したが、4着確保するのがやっと。ただそうはいっても、今日の流れなら一応力は見せた形だが、次走中山は一番不適と思われるコース形態。来春の東京戦か、暮れの新装阪神なら。

アドマイヤヘッド

2人曳き。毛ヅヤが良く、デキに関しては問題無いだろう。相変わらずキビキビとした歩様にも好感が持てるが、スケール的にはどうか。外のサンダーアロングに連られる様にして出遅れ。ゴールドアグリとは違って出脚が有るので、早目に外回って追い上げて行ったが、逃げたシベリアンクラシカが馬場の4分どころへ出していて、この馬は馬群の一番外だから7〜8分どころ。今日の展開でこれでは厳しい。ゲートが全て。

サンダーアロング

2人曳き。気性面相当に悪いとの事だが、下見ではそんな素振りは無い。ただ、造りが重い。意図的との事だが、大きく出遅れて離れた最後方から。直線インを突いたが、伸びも案外。暫くは見送り。

馬 名 次走メモ
マイネルレーニア 97 逃げタイプで長くいい脚を使うので、展開が味方した。適性的には湿った馬場は得意ではない。馬場のいい外目を選んで走っていた。2番手で控えるレースをして折り合いを欠かずに勝てたのは収穫。1600mでも大丈夫。朝日杯FSでも中心。-8kg。その割には全体にモッサリした造り。ただ、歩様に柔らか味が出て来た。好位の外。出脚とゲートが速かったサープラスシンガーがあまり行く気を見せず、首だけ突っ込む形。4角で逃げたシベリアンクラシカに並び掛け、これを競り落として、そのまま押し切った。人気馬が揃って出遅れ、ペースが上がらず、シベリアンクラシカが馬場のど真ん中へ出て来たのも後続に差せなくするという点で良かっただろう。
マイネルフォーグ 97

もうちょっと歩様が伸びて欲しい。馬もそこ迄では無いが、毛ヅヤは良く、デキ自体は良い筈。好発。3角辺り迄は前を追い掛けそうになっていたが、一旦引いて離れた4番手。直線迄待ってから追い出し、坂下でバテたサープラスシンガーとマイネルレーニアの間から追撃したが、ラスト200mで逆手前で一旦モタついた分、差し切れなかった。この馬の勝ち負けだけを思えば、もう少し早く動いた方がという事になるのだが、同馬主だけにこれは仕方が無い。枠が内外逆なら結果も逆だっただろう。要はその程度の差。

アロマンシェス 96

もうちょっと手先にバネが欲しい。ただ、小さいなりに馬を大きく見せている。開催後期の新潟の様に数頭分空けて乗られていたが、中段のイン。目の前に居たヒシプレミアは外へまわしたが、この馬は天皇賞のスウィフトカレントの様に、近回りして距離稼ぐ策。差せない展開で、今日はこれが大きいだろう。スウィフトカレントが評価出来ない2着だったのと同様、この馬も評価出来ない。

ゴールドアグリ 92 距離を考えて途中から馬場の悪いところを上がって行ったが、結果的にそこで脚を使った分、伸び切れなかった。動かずにジッとしていれば良かったかも知れない。出負けも響いた。2人曳き。シープスキンノーズバンド。例に依って手先の軽さは目立つが、腹回りの厚ぼったさを思うと、トモが薄い。ゲートも悪かったが、出脚も無くて後方から。これならと腹括って直線迄待ってから追い出したが、4着確保するのがやっと。ただそうはいっても、今日の流れなら一応力は見せた形だが、次走中山は一番不適と思われるコース形態。来春の東京戦か、暮れの新装阪神なら。
アドマイヤヘッド 92 2人曳き。毛ヅヤが良く、デキに関しては問題無いだろう。相変わらずキビキビとした歩様にも好感が持てるが、スケール的にはどうか。外のサンダーアロングに連られる様にして出遅れ。ゴールドアグリとは違って出脚が有るので、早目に外回って追い上げて行ったが、逃げたシベリアンクラシカが馬場の4分どころへ出していて、この馬は馬群の一番外だから7〜8分どころ。今日の展開でこれでは厳しい。ゲートが全て。
ヒシプレミア 91
ニシノクイック 91
シベリアンクラシカ 91
ワイルドイリーガル 87
10 サンダーアロング 85

2人曳き。気性面相当に悪いとの事だが、下見ではそんな素振りは無い。ただ、造りが重い。意図的との事だが、大きく出遅れて離れた最後方から。直線インを突いたが、伸びも案外。暫くは見送り。出負けして、道中は外へ逃げ気味。今日は流れに乗り切れなかった。

11 アルコセニョーラ 82
12 マイニングゴールド 76 チークピーシズ。中団の外でスムーズに流れに乗ったが、もうひとつ鋭さが見られず終い。中1週が応えたのか?
13 オカールノキセキ 75
14 サープラスシンガー 70
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