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共同通信杯(G3)

●問題4
次のうち、共同通信杯について語ったものはどれでしょう。正解は複数あるかもしれません。

A過去5年中4回、父か母父がサンデーサイレンス系の馬が勝っている。
B過去5年中4回、父か母父がネイティヴダンサー系の馬が勝っている。
C過去5年中4回、蛯名正義騎手が馬券に絡んでいる。

正解はBとC。かつて「ダービーにもっともつながるレース」と呼ばれた共同通信杯も、
近年はクラシックにつながらず、ネイティヴダンサーやミスプロを持つ馬が小脚を使って制する重賞に様変わりした。
蛯名騎手が活躍するのも、そんな共同通信杯の微妙な位置づけと関係があるのだろうか。

■ 経緯

昭和42年に創設された『東京4歳ステークス』が前身で、
昭和を58年に『共同通信杯4歳ステークス』に改称され、
さらに平成13年より馬齢表記の変更に伴い、『共同通信杯』の名称となった。
なお、昭和44年からはサブタイトルに「トキノミノル記念」がつけられている。
トキノミノルは、昭和26年に皐月賞と日本ダービーを制した馬で、戦績は10戦全勝。
日本ダービー優勝の17日後に破傷風のため死亡した。
旧馬名をパーフエクトと言い、まさにパーフェクトの成績を遺しこの世を去った。
同馬は昭和59年、顕彰馬に選出されている。

年度 1着
2着
3着
タイム ラップ メモ 勝負
結果
2012年 ゴールドシップ 2 ディープブリランテ 1 スピルバーグ 3 1.48.3 12.9 11.9 12.5 12.8 12.5 12.1 10.9 11.0 11.7 ×
2011年 ナカヤマナイト 3 ユニバーサルバンク 6 ディープサウンド 5 1.48.5
2010年 ハンソデバンド 3 ダノンシャンティ 2 アリゼオ 1 1.48.2
2009年 ブレイクランアウト 1 トーセンジョーダン 2 トップカミング 9 1.47.3
2008年 ショウナンアルバ 6 タケミカヅチ 5 マイネルスターリー 11 1.47.6
2007年 フサイチホウオー 1 ダイレクトキャッチ 5 フライングアップル 3 1.47.7 ×

■ 傾向

共同通信杯・男の解の公式 関東馬を狙え!

関東馬が4勝
(過去5年)(4−2−3−28/37)
過去5年で4勝が関東馬というレース。

騎手は蛯名
過去5年(2−0−2−1/5)

前走から間隔を置いた馬が好成績
共同通信杯では十分に間隔をおいている馬がよい成績を挙げている。
なかでも中4〜8週の馬がとくに好成績。
3着以内に入った馬は12頭いるが、エルコンドルパサー以外の11頭は、前走が前年の12月だった。
また、同じく好相性なのが前走から中2週だった馬。
そのなかで3着以内に入った8頭は、前走が500万下の特別で勝利したか、オープン特別または重賞で4着以内に入った馬だった。

前走好走馬が活躍
前走5着以下だった馬で3着以内に入ったのは、過去10年間で前走6着から巻き返した1999年キンショーテガラ1頭のみ(2着)。
基本的には前走で好走した馬が強い傾向だ。
とはいえ、前走で初勝利をおさめた馬はこれまで17頭が参戦して、3着馬が2頭出ているだけ。
やはり強敵と戦った経験は必要なのだろう。
また、このレースで3着以内に入った前走2、3、4着馬は、すべてオープン特別か重賞をステップにしていたことも記しておきたい。
キャリアは3〜5戦。前走未勝利は過去5年(0−0−0−7/7)

鹿毛馬が圧倒
共同通信杯に出走した馬の毛色別成績では、出走頭数の少ない青鹿毛、芦毛、青毛、栃栗毛を除くと、鹿毛が圧倒的な強さを誇っている。
もともと頭数が多い毛色だが、ここまで強さを見せるのも珍しい。
3着内率では栗毛と黒鹿毛もそれなりに健闘しているのだが、勝率、連対率では、鹿毛に大きく軍配があがる状況だ。

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■ 2012年回顧

注目のディープブリランテ(父ディープインパクト)は、本音をいえばハナを切って自分でレースを先導する形は取りたくなかったろう。
だが、休養明けとあって、馬場に出たあたりからややテンションが上がっていたこと。
なにより他に主導権を主張してくれるような先行スピードを持つ相手が不在だったこと。
ハナを切らざるを得ない展開も最初から予測したうえで、岩田康誠騎手、覚悟のレース運びと思えた。
断然の人気である。ムリに引いて下げたり、出負けなど、試走の許される立場ではない。

自分でレースを先導する形は、予測された通りのスロー(今回の前半1000m通過は12秒台のラップを重ねての62秒6)なら、あくまで一般的ではあるが、
自身が相手よりランクが上であれば決して悪い戦法ではない。
レベルの低い組み合わせでは、邪魔されない先行策こそ「必勝形」である。
2009年のロジユニヴァースは、あそこでは負けないために、「弥生賞」は自身で主導権をにぎって逃げ切っている。
たとえは古いが、あまり早めに先頭に立つのを良しとしなかった岡部幸雄騎手でさえ、最強を証明するための手段として、
シンボリルドルフの2回の有馬記念ではいつもよりずっと早く自分で先頭に立ち、あえて「さあ来い!」の形を取った。絶対、負けないために。

テンポイント、トウショウボーイの有馬記念など、自分が目標になるマイナスなどきわめて次元の低い観点とし、ともに最初から先頭を譲ろうとしなかった。
まあ、3歳と古馬の違いもあれば、身につけたい戦法(脚質)のこともある。
相手の目標になるハナに立つ戦法を好まない流儀もある。
たしかにヨーロッパの多くのビッグレースでは、レースを先導するのは格下馬の役目でもある。

やむをえずハナに立って自分でレースを作る形となったディープブリランテは、4コーナー手前から自身でピッチを上げた。
残り3ハロンを、自身は「10秒9-11秒0-12秒0」=33秒9で乗り切った。
相手が弱ければ押し切っていただろう。
事実、4番人気のストローハット(父フジキセキ)以下の伏兵は、追いすがったにとどまった。

最後に追い詰めたのは、衆目一致のライバルとみられた2番人気のゴールドシップと、3番人気のスピルバーグ。
ここはかなり重要な視点と思える。この2頭のレベルは予想された以上に高かった。
残り1ハロンで苦しくなったディープブリランテ。最後12秒0。
慣れない形が良くなかったか、休み明けで多少とも余裕の残る仕上げが応えたか(これはこの時期みんな当たり前)、
あきらかにストライドが鈍り、追撃のゴールドシップ(父ステイゴールド)にあっさり差し切られてしまった。

最初から気合をつけて好位のイン3番手を確保したゴールドシップは、道中、約3馬身前に先導のディープブリランテがいる絶好の展開。
自身の1000m通過は63秒1前後(推定)のスロー。あとは直線でディープブリランテを交わせるかどうかだけである。

ゴールドシップの後半600mは推定「10秒9-10秒9-11秒5」=33秒3。
最後の1ハロンで約1馬身半あったディープとの差を逆転、逆に1馬身4分の3差をつけてみせた。
相手の脚さばきが鈍ったのが半分、追っての味で上回った鋭さが50%。これが最後の1ハロン11秒5と、12秒0の差と思える。

今回のゴールドシップは、それまでやや寸詰まりにも映った2歳時の体型から、中間の意欲的な乗り込みで、体つきのバランスが良くなったように見えた。
仕掛けて瞬時にエンジン全開になるのではなく、トップギアのもうひとつ上がありそうにも映る息の長い末脚が、東京コースの長い直線にぴったりだったのだろう。
祖母の父プルラリズム(その父ザミンストレル)、3代母の父トライバルチーフ(その父プリンスリーギフト)。
伝統の名牝系(大きなファミリーの伝説の代表馬はハクチカラ)出身とはいえ、2〜3代前に配された種牡馬はあまりビッグレース向きとはいえないが、
だいたいステイゴールド産駒は現代のトップをいく注目牝系とはちょっと距離を置くところから逸材を送り出すのが真価。
東京の1800mでこの末脚がつかえるなら、3歳春の時点で距離延長に対する不安は心配しなくていい。
ディープブリランテが失速したから差し切ったのではなく、息の長い末脚で上回った可能性の方が高い。少なくともランキング互角となった。

スピルバーグ(父ディープインパクト)は、道中ゴールドシップを2〜3馬身前におく位置取り。
直線、なかなかエンジン全開とならず、猛然と伸びたのはゴール寸前になってからだった。
あきらめずに伸びた点は高く評価できるが、この「ハナ差」は大きい。
次にまた出走権確保の近道になる路線のレースに挑戦するのか、一歩引いて500万条件から出直すのか、いま2月。まだ(もう)2月。
どこを目標とするのか、陣営の判断はむずかしくなった。

人気で2着に沈んだディープブリランテの評価は、明らかにワンランク下がるだろう。
だが、心配のあった高速上がりのレースには対応できた。かかって行ったわけでもない。
ゴールドシップとは互角の「候補ランキング」になったのではないかと思われる。
陣営、目標のGIの前にどこを使うのだろう。
ただ、つらいのは、2000m級のレースはみんな絵に描いたようなスローになるのが、ごく一般的になっていることである。

今回の逃げて負けたレースは「最悪の形だった」という辛い見解は、たしかにディープブリランテの未来展望として成立する。
では、3〜4番手に折り合って進んだと仮定して、「ゴールドシップとの追い比べで勝てたのか」。否も、肯定も、だれにも不可能である。
もっと負けた危険も否定できない。だいたい、結果の出てしまったレースの位置取りや戦法に対する回帰の仮定は、レースの結果はどこまで行っても物事の過程であるとしてさえ、およそ無意味である。
このことはファンの方がずっと良く知っている。
クラシック路線、今年もまた、どんどん、ますます楽しくなってきそうである。

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■ 2011年回顧

馬名 タイム 着差 上3F 馬体重 オッズ
1 2 2 ナカヤマナイト 1.48.5 33.8 466(+6) 3 4.9
2 5 6 ユニバーサルバンク 1.48.5 クビ 34.3 464(-8) 6 12.9
3 8 13 ディープサウンド 1.48.7 1 1/4馬身 34.6 482(0) 5 9.4
4 8 12 ベルシャザール 1.48.8 1/2馬身 34.3 540(+4) 2 3.7
5 4 4 ダブルオーセブン 1.48.8 ハナ 33.7 482(-9) 11 95.2
6 4 5 サトノオー 1.48.8 ハナ 33.8 454(0) 4 6.2
7 6 8 ニジブルーム 1.49.1 1 3/4馬身 34.0 480(-8) 12 101.6
8 1 1 オンリーザブレイヴ 1.49.1 ハナ 34.7 452(+2) 10 77.0
9 7 11 ダノンバラード 1.49.2 クビ 34.5 460(0) 1 2.9
10 5 7 ミヤビファルネーゼ 1.49.4 1 1/2馬身 34.8 470(-4) 13 146.8
11 6 9 ビッグロマンス 1.49.6 1 1/4馬身 35.3 492(+7) 8 61.9
12 3 3 タツミリュウ 1.49.7 3/4馬身 35.3 478(+8) 9 75.9
13 7 10 ロビンフット 1.50.0 1 3/4馬身 35.4 494(+2) 7 41.7

そうあわてることもない東京1800m、かつ逃げ馬のいない組み合わせとあって予測された通り、
あるいはそれ以上のスローな流れ(1000m通過61秒6)になった。
さらには、スローのわりにレース上がりが「34秒4−12秒0」止まりだから、
勝ち時計の1分48秒5は、最近10年間では重馬場の2002年を上回っただけの9番目。

この時期の3歳戦、まして超スローにも近い流れだったからそれほど「タイム」にこだわる必要はないが、
この日、芝1600mの3歳未勝利戦(牝馬限定)が1000m通過61秒5で流れて、上がり3Fは「34秒7」。
芝2400mの4歳上500万条件のレース上がりでさえ「35秒1」だったことを考えると、
頂点のクラシックを展望するグループの一戦とすると、レベルに大きな「?」のつく難しい結果となった。

クラシックに向かう路線。
2歳最後の「朝日杯FS」「ラジオNIKKEI杯2歳Sで」、3歳になっての「きさらぎ賞」「共同通信杯」「弥生賞」あたりに、
例年は未来のエース級がそろうことが多く、ポイントになるのはどのレースなのか。
どの組のレベルが一番高い可能性があるのか。
今年の基準になるのはどのレースの、いったいどの馬なのか。
みんな必死で頭を悩ますことになり、それがクラシック路線の最大の楽しさなのだが、
レベルうんぬん、レースの中身うんぬん以前に、この「共同通信杯」、
全体に、もっとも大切な迫力に欠けていた印象はぬぐえない。

人気を分けあう形で上位が同じような評価を受けた中、1番人気はダノンバラード。
やけに背の高さとクビの長さがが目につく体型で、まだ柔軟に体を使い切れないから、
東京で徐々に加速できるレースは合っていると思えたが、まるで見せ場なしに終わった。

これで12月の「ラジオNIKKEI杯2歳Sで上位」を占めた馬のうち、3歳になってここまでに出走した馬は、1着ダノンバラード→共同通信杯(9着)。
3着コティリオン→500万下ニジブルームの(3着)…ニジブルームは共同通信杯(7着)。4着ウインバリアシオン→きさらぎ賞(4着)。
6着ナリタキングロード、7着ハーバーコマンド、8着ショウナンマイティはみんな若駒Sに出走して(10着、9着、3着)。全滅である。

みんな一戦ごとに変ってくる時期、短絡な結論はこのあとのために危険だが、
ささやかれていた「ラジオNIKKEI杯組のレベルに疑問あり」が改めてはっきりしてしまった。
ダノンバラードの上がり3F「34秒5」はここまで自身の最高タイ記録。
流れに恵まれず伸びを欠いただけと思いたいが、残った記録は、実はそうではないことを示しているからシビアである。
ゴール前、先行馬との差は広がっていた。

勝ったナカヤマナイト(父ステイゴールド)は、もうここが7戦目。
一度も凡走なしの「勝負をあきらめない」という意味での勝負強さと、鞍上のロスまったくなしの巧みなコース取りが光った。
11月の「百日草特別」で完敗したディープサウンドを今度は捕らえ、
前回競り負けたベルシャザールもきれいに逆転した渋い成長力は、この世代大当りのステイゴールド産駒の真価だろう。
ねじ伏せたというより、上手く内をすくった印象はなくもないが、このメンバーでは現時点の総合力で上回ったと考えたい。

2着ユニバーサルバンクもとくに派手な一面はないが、
3歳春に向けジワジワ一戦ごとにパワーアップしてきたから、いかにもネオユニヴァースの良さを受け継いでいる。
ラジオNIKKEI杯はつまずく不利があっての14着なので、先のNIKKEI杯組にはあえて入れなかったが、
「若駒S」では5頭もいたNIKKEI杯組で最先着しているから、フロックではない。
自身の上がり「34秒3」は、この馬もダノンバラードと同様に自己最高タイ。

ベルシャザールはハイレベルとされる「ホープフルS」でナカヤマナイトを振り切っているから、
逆転を許した形だが、この馬の上がり「34秒3」もなんと自己最高。
いかにスローでもこれ以上は切れないのだろうか。
このレースの注目馬、総じてみんな案外「ジリ」だったかもしれない。
なぜなら、数字だけでなくゴール前の勢いと鋭さがもっとも光ったのは公営のダブルオーセブン(父ダイタクサージャン)。
ホッカイドウ出身組でもそう評価の高い馬ではなく、事実、レベルダウン著しいとされる南関東でも前回大敗していた伏兵だから、いかに芝適性ありとはいえ、
この馬の好走がスケール(素質)上位と考えられた今回のJRA組が、決して自信の持てるレベルではないことを裏付けることになってしまった。
サトノオーはスケールでクラシックうんぬんの馬ではなく、どう見ても本質マイラーに近いスピード型。
このメンバーで控える策に出た時点で勝負ありだった。

■ 2010年回顧

馬名 タイム 着差 上3F 馬体重 オッズ
1 5 6 ハンソデバンド 1.48.2 34 472(-6) 3 7.4
2 3 3 ダノンシャンティ 1.48.2 ハナ 33.5 472(+4) 2 4.1
3 4 5 アリゼオ 1.48.2 クビ 33.9 518(0) 1 1.8
4 4 4 ダイワアセット 1.48.5 2馬身 34.1 484(0) 4 8.8
5 6 9 アースステップ 1.48.7 1 1/4馬身 34.2 500(-6) 9 52.2
6 5 7 タイセイレジェンド 1.48.7 アタマ 34 522(+8) 6 20
7 1 1 カワキタコマンド 1.48.9 1 1/2馬身 34.9 452(-8) 13 171.4
8 8 12 カシマストロング 1.49.0 1/2馬身 34 480(-6) 8 51.5
9 2 2 ガナール 1.49.2 1 1/2馬身 34.3 500(-5) 12 161.9
10 8 13 ナシュワンヒーロー 1.49.3 クビ 34.8 438(-8) 7 45.2
11 6 8 ロジスプリング 1.49.5 1 1/2馬身 34.5 470(+6) 5 18.7
12 7 10 タイムカード 1.49.6 クビ 35 514(+2) 10 107.6
13 7 11 リザルヴ 1.51.1 9馬身 36.3 496(-12) 11 118

■ 2009年回顧

馬名 タイム 着差 上3F 馬体重 オッズ
1 3 5 ブレイクランアウト 1.47.3 33.6 442(-4) 1 2.8
2 2 3 トーセンジョーダン 1.47.6 1 3/4馬身 34.4 472(+2) 2 4.1
3 5 9 トップカミング 1.47.7 1/2馬身 33.8 448(-4) 9 50.7
4 8 14 マッハヴェロシティ 1.47.8 1/2馬身 34.5 510(+6) 6 12.3
5 4 6 シェーンヴァルト 1.48.1 1 3/4馬身 34.2 464(-6) 4 7.5
6 1 1 カノンコード 1.48.1 アタマ 34.7 502(-2) 11 64.7
7 6 10 メイショウパルマ 1.48.3 1 1/2馬身 34.2 486(-6) 10 51.4
8 7 13 マイネルクラリティ 1.48.5 1 1/2馬身 34.9 458(-2) 12 107.1
9 7 12 プロスアンドコンズ 1.48.6 1/2馬身 34.7 468(0) 3 5.7
10 4 7 ショウナンアルディ 1.48.7 1/2馬身 35.2 468(0) 5 9.8
11 2 2 シングンレジェンド 1.48.8 1/2馬身 36.3 440(-8) 15 191.2
12 8 15 ダイワプリベール 1.48.8 クビ 35.1 462(+4) 7 18.4
13 5 8 シゲルエボシダケ 1.48.9 1/2馬身 34.8 438(+4) 13 181.1
14 3 4 フレンドケント 1.49.6 4馬身 37.2 512(0) 14 185.2
6 11 ヒシポジション - 516(-4) 8 36.4

■ 2008年回顧

馬名 タイム 着差 上3F 馬体重 オッズ
1 6 11 ショウナンアルバ 1.47.6 35.4 480(0) 6 21.4
2 1 1 タケミカヅチ 1.47.7 1/2馬身 35.2 504(-2) 5 15.5
3 3 5 マイネルスターリー 1.47.8 3/4馬身 35 450(-6) 11 69.1
4 2 3 シングンリターンズ 1.48.0 1 1/4馬身 35.6 430(-4) 15 258.2
5 5 10 サダムイダテン 1.48.0 ハナ 35.1 466(-8) 1 1.5
6 8 16 ホッカイカンティ 1.48.3 2馬身 35.9 502(0) 4 11.7
7 6 12 スマートファルコン 1.48.5 1 1/2馬身 35.3 488(-2) 2 6.7
8 5 9 マイネルプレーザ 1.48.6 クビ 36.5 508(+28) 16 279
9 8 15 サブジェクト 1.48.6 アタマ 36.2 458(-6) 3 11.6
10 7 13 ノットアローン 1.48.6 クビ 36.1 468(-8) 7 27.2
11 2 4 ニシノシュテルン 1.48.7 3/4馬身 35.8 478(-4) 9 57.1
12 7 14 レオマイスター 1.48.9 1 1/4馬身 36.6 494(+12) 10 66.2
13 4 8 イイデケンシン 1.49.5 3 1/2馬身 37.4 470(0) 8 41.3
14 4 7 サトノハピネス 1.49.8 2馬身 37.2 512(-4) 14 221.6
15 1 2 ストーミーペガサス 1.50.8 6馬身 37.7 484(+2) 13 201
16 3 6 ショウナンアクロス 1.51.6 5馬身 40.1 496(0) 12 78.1

■ 2007年回顧

馬名 タイム 着差 上3F 馬体重 オッズ
1 3 3 フサイチホウオー 1.47.7 34.2 516(+10) 1 1.4
2 5 5 ダイレクトキャッチ 1.47.7 クビ 34 488(0) 5 26.3
3 7 7 フライングアップル 1.47.8 1/2馬身 34.6 506(+4) 3 8.6
4 1 1 ニュービギニング 1.48.1 1 3/4馬身 34.4 444(0) 2 3.4
5 4 4 インパーフェクト 1.48.5 2 1/2馬身 34.9 496(-2) 6 101.3
6 8 9 ノワールシチー 1.48.6 クビ 35.6 480(0) 8 235.8
7 2 2 フリオーソ 1.48.7 1/2馬身 35.2 502(-3) 4 17.9
8 8 8 マイネルブリアー 1.48.9 1馬身 35.6 498(0) 7 184.6
9 6 6 ツカサラッキー 1.49.0 1/2馬身 35.8 434(0) 9 357.2

3連勝できていたフサイチホウオーが、明けて3歳になり確実に一歩も二歩も成長しているところを示し、4連勝を飾った。
同じ東京1800mの東スポ杯2歳Sを制した2歳の11月より一段とスケールアップした印象が強い。

まず、パドックや馬場入りの際に変な気負いを見せなくなった。
12月のラジオNIKKEI杯2歳Sのあたりからの大きな精神面の成長で、今回も落ち着き十分。
スタートも巧みになった気がする。
好スタートからすぐ先行馬の直後につけ、それからレースの流れに合わせて下げることができた。
最大のカギは追い出したときに左回りだと内に行きたがるストライドの癖だったが、
今回は先に抜け出したフライングアップルに外から馬体を寄せていく理想の形だったとはいえ、少しも斜行はしなかった。
パトロールフィルムで確認したが長い東京の直線をほぼ一直線に走り通している。

安藤勝騎手は並んで突き放すときに、もっとスパッと切れて欲しかったようだが、最後の2ハロンは11.2-11.8秒。
フライングアップルも、外から差し切ろうかの勢いをみせたダイレクトキャッチも鋭く伸びているのだから、さすがにそう簡単には突き放せないだろう。
ゴール寸前もうひと伸びする形で抜け出したのは、東スポ杯とまったく同じ。
同じ安藤騎手だからだろうが、ダイワメジャーの毎日王冠や、天皇賞・秋のゴール前と似た感じがある。
スパッと切れるタイプではないところが逆に勝負強さであり、まず大きく崩れることはないと思わせる底力と考えたい。
スピードはある。
ぶっつけになる予定という皐月賞では、ダイワメジャーのようなレース運びも可能だ。

フライングアップルは、前回の対戦では外から一度は先に出て、今回は内から一度は完全に抜け出しているが、ゴールではわずかに及ばなかった。
逆転可能な小さな差ではあるが、2度続いただけに一応は勝負ありかもしれない。
ダイレクトキャッチはやはり東京でこその切れ味が光った。ずっと前にいたフサイチホウオーをぴたっとマークする位置で文句なしのレース運び。
直線ではあえて馬体を併せに行かず少し離れた外に出し、一度は差し切ったかの勢いだった。ゴール寸前もう一度追い詰めているから立派。
距離適性を判断するのは難しいが、こちらは皐月賞のステップレースをもう一戦はするだろう。ぜひ、中山でも答えを出してほしい。

注目のニュービギニングは、4コーナーで外に出す余裕がなかったあたり、相手一気に強化の今回は、はっきり迫力負け。
まだこれからどんどん変わってくるだろうが、兄とは資質とともに成長の過程もかなり異なる。
公営のフリオーソは決して芝不向きのストライドではないが、今回が初芝の一戦とすればいきなり相手が悪すぎた。
自分のリズムを探しているうちに流れから脱落の感じだった。
先行できるような距離と相手で、芝に慣れることが必要になる。まだ先は長い。どんどん芝のレースにも挑戦して欲しい。


「35.9-37.1-34.7」テン3F35秒台で入るのは前に辛く、しかも相対的中弛みは上がりの偏差が大きい為やや追い込み向き。

【4】共同通信杯(東京9F/G3)
07:13.1-11.4-11.4-11.7-12.5-12.9-11.7-11.2-11.8 =1'47"7
35.9-37.1-34.7/フサイチホウオー(中)→ダイレクトキャッチ(追)
06:13.0-11.5-11.5-12.2-12.8-12.6-11.7-11.4-11.7 =1'48"4
36.0-37.6-34.8/アドマイヤムーン(差)→フサイチリシャール(先)
05:12.9-11.4-11.4-12.0-12.3-12.4-11.9-11.3-12.2 =1'47"8
35.7-36.7-35.4/ストーミーカフェ(逃)→ダイワアプセット(中)
04:12.6-11.4-12.1-12.7-12.1-12.3-11.3-11.5-11.4 =1'47"4
36.1-37.1-34.2/マイネルデュプレ(追)→アポインテッドデイ(先)
ナリタブライアン・メジロブライト・エルコンドルパサー・ジャングルポケット・・・「上がりの掛かる流れを、先行馬が好時計で押し切る」のが、このレースからG1へと繋がる条件。
ってエルコンの年はダート変更なのに賑やかしに入れてみただけなんだが。
今年は中弛み→上がりの速い流れだが、テンと上がりのまとまりで全体としては水準以上の好時計で、これ自体は素直に高評価していい。
展開的には溜めて追い込んだ2着ダイレクトキャッチにお誂え向き、というかこの馬は東京の流れは概ね得意なのでは。
中団から差した1着フサイチホウオー・先行して目標になった3着フライングアップルは共にやや逆流の中の好走で、総合力の高さを示した。


共同通信杯(東京9F/35.9-37.1-34.7)
13.1-11.4-11.4-11.7-12.5-12.9-11.7-11.2-11.8=1'47"7
1着フサイチホウオー(5)、2着ダイレクトキャッチ(8)、3着フライングアップル(2)
テン3F35秒台で入るのは前に辛く、しかも相対的中弛みは上がりの偏差が大きい為やや追い込み向き。
即ち力関係としては「ホウオー>林檎>>ダイレクトキャッチ」と判断でき、ダイレクトキャッチは「ホウオーにクビ差迫った格上馬」として人気するほどの底力の裏付けは感じない。
ただ「テン速く中弛んで時計は速い」という反応の遅い同馬にとっての好条件はここでも揃いそうな悪寒で、バッサリとは行けないのが何とも悩ましい。


無敗馬同士のフサイチホウオー、ニュービギニングの対決で注目が集まりましたが、勝ったのはフサイチホウオー。
これで重賞3連勝、無傷の4連勝で連勝記録を伸ばしました。

フサイチホウオーは前走のラジオNIKKEI杯2歳からプラス10キロの馬体重、そして斤量も他馬よりも重い57キロを背負っていましたが、
これまでのキャリア、相手関係を考えるとここでの勝ち負けは間違いないところでした。
前半1000m通過は東スポ杯の時よりも約1秒速い60秒1。
そのため、道中の追走、折り合いに関しては今回の方がスムーズに見えました。
勝負どころから4コーナーにかけて外目に進路を取り、直線は馬群の外に持ち出す安全策。
最後はダイレクトキャッチの外からの強襲にクビ差まで迫られましたが、東スポ杯で接戦だったフライングアップルを楽々競り落とす競馬で内容的には完勝だったと思います。

ただ、レース後の安藤勝己ジョッキーのコメントを読むと、直線の伸びは不満のようですね。
勝つのは当然で、「もっと弾けるかと思った」。そんなニュアンスを受けました。
これでもうクラシックの本命馬の1頭という扱いは間違いないのですが、世間的に「当確!」という雰囲気はまだないような気がします(よね?)。
その理由の一つは、無傷の4連勝ではあるけれども、新馬以外の重賞レースはいずれも2着馬との着差がわずかであること。
ディープインパクトやナリタブライアンのようにブッチぎって勝つ馬はわかりやすいのですが、競って強いタイプは評価が難しいことも。
個人的には着差以上に余裕があるようには見えるのですが、正直、一度負けてもらわないとわかりません(笑)。

そしてもう一つの問題。こちらの方が大きいでしょうか。
今後のローテーションなのですが、どうやらトライアルは使わずに皐月賞へ直行する模様。この決断がどうでるか。
父がこのローテーで本番は3着なだけにケチのつけどころはでてくると思います。
確かに右回りの芝2000mはラジオNIKKEI杯で経験済みで、父よりも自在性があって前付けできるタイプ。しかし、できれば中山での走りを本番前に見たかったように思います。

2着のダイレクトキャッチは、やはり東京で一変。これほどまでに変わるか?というぐらい中山と東京ではパフォーマンスが違いますね。

そしてもう一頭の注目馬ニュービギニングは4着。まぁ、もう少し走っても良かったかなという気もしますが、これぐらいの結果も当然アリ。
冷静に成績を分析すれば、まさに今回が試金石ということは事前にわかるはず。
レース後の武豊騎手のコメントも落胆という感じではなかったですしね。おそらくトライアルは使うでしょうから、中山に戻っての走りにもう一度注目してみたいと思います。

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