【ダービー卿CT・男の解の公式】 | 東風S+準OP特別1着馬のフォーメーションで買え! | ||
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モデル馬 |
1969年にイギリスからレスター・ピゴット騎手など3名を招待し、東京競馬場と京都競馬場で『英国騎手招待競走』が計4競走行われた。
そのうちのひとつの競走に第18代ダービー卿からトロフィーの寄贈を受け、『ダービー卿チャレンジトロフィー』として行われたのがこの競走の始まりである。
創設当初は1800m、別定重量で行われていたが、幾度かの距離変更を経たあと、1996年に古馬マイル系重賞競走が整備されて1600mに変更となり、また、2002年より負担重量がハンデキャップに変更されている。
日付 | 勝負結果 | 勝ち馬 | レベル | ペース | LAP | メモ | ||
2012 | 2012/3/25(日) | ガルボ | ||||||
2010 | ||||||||
2009 | ||||||||
2008 | ||||||||
2007 | 2007/4/1(日) | ピカレスクコート | C | 108 | M | 49.7 | 12.6-11.3-11.1-11.2-11.5-11.6-11.7-12.1=1.33.1 | |
2006 | グレイトジャーニー | B | 112 | M | 55.8 | 12.7-11.3-11.1-11.4-11.6-11.5-11.4-11.4=1.32.4 | ハンデ戦 | |
2005 | ダイワメジャー | B | 113 | M | 49.4 | 12.6-10.8-11.5-11.5-11.4-11.5-11.3-11.7=1.323 | ハンデ戦 | |
2004 | マイネルモルゲン | B | 113 | H | 41.8 | 12.4-10.8-11.0-11.0-11.7-11.7-12.3-12.5=1.33.4 | ハンデ戦・雨 | |
2003 | ダンツジャッジ | B | 114 | H | 42.1 | 12.6-10.8-11.4-11.4-11.5-11.7-12.1-12.4=1.33.9 | ハンデ戦・重 | |
2002 | グラスワールド | B | 113 | H | 43.8 | 12.2-11.5-10.7-11.1-11.6-11.5-11.9-11.9=1.32.4 | ハンデ戦 | |
2001 | チェックメイト | B | 115 | M | 52.5 | 12.7-12.0-11.3-11.6-12.0-12.3-11.6-11.7=1.35.2 | 別定戦・やや重 |
例年波乱のレース。 まず、前走からの斤量減の馬の成績が良い。これは斤量負荷を跳ね除けるほどの強い馬が揃わないため。 A→Bコースに仮柵が移動するので、グリーンベルトを走れる先行馬有利。また、コース形態からも外枠が圧倒的不利。 息が入りにくくペースが速くなりがちなので逃げ馬は残れないことが多い。 |
1番人気苦戦
なんと、1番人気にこたえて勝った馬は過去10年ではゼロ。マイルレースになって最初の年(11年前)のフジノマッケンオー以来、1番人気は未勝利なのだ。そのフジノマッケンオーにしてもハナ差の辛勝と、決して楽な勝ち方ではなかった。逆に好成績を記録しているのは、〔表1〕のとおり、2番人気と3番人気の馬たち。また、7番人気以下の馬も計3勝を挙げており、下位人気馬にも気を配りたいところだ。
4歳馬
年齢別に成績を分類してみると、4歳馬の活躍ぶりが目立っている。マイルレースになってからの過去11年でみると、4歳馬が毎年必ず1頭以上連対を果たしているのだ。逆に7歳以上の高齢馬は、24頭出走して連対馬がゼロと苦戦の傾向にある。
このレースで連対した馬の多くに、ひとつの共通点がみつかった。それは、3歳時に活躍をみせていた素質馬であるということ。3歳時にオープン特別や重賞で好成績をおさめていた馬が、このレースでその素質を発揮する傾向が強いのだ。2005年は、皐月賞優勝以降大敗の続いていたダイワメジャーが、このレースの勝利で復活のキッカケをつかんだし、昨年11番人気で勝利したグレイトジャーニーも、3歳時に重賞を勝って、三冠すべてに出走した素質馬だった。今年も出走馬の過去の戦歴を思い出してみれば、いいヒントにつながるかもしれない。
外枠不利
2002〜2006年 1〜3着馬
馬番 | 入着 | 馬番 | 入着 | 馬番 | 入着 | 馬番 | 入着 |
1 | 【0-0-1】 | 6 | 【1-0-0】 | 11 | 【1-0-0】 | 16 | なし |
2 | 【0-1-1】 | 7 | なし | 12 | 【1-1-0】 | 17 | なし |
3 | 【0-0-1】 | 8 | なし | 13 | 【0-1-1】 | 18 | なし |
4 | なし | 9 | なし | 14 | 【0-1-1】 | ||
5 | 【1-0-1】 | 10 | 【1-1-0】 | 15 | なし |
過去5年、8枠で馬券になった馬はいない。ハンデ戦なので枠順の有利不利がモロ着順に現れるだろうから重要なデータ。
先行馬有利
2002〜2006年 1〜3着馬
逃げ | 【0-0-0-0】 |
先行 | 【3-2-2-0】 |
中団 | 【2-1-3-0】 |
後方 | 【0-2-0-0】 |
マクリ | 【0-0-0-0】 |
ステップレース=マイル巧者に注目。東風S好走馬が好成績。距離延長組は苦戦。
昨年のレースで印象的だったのは前走東風Sに出走し、掲示板に乗った馬が上位を独占したこと。東風Sは今回と同じ中山芝1600mのOP特別。関連性が高いのも納得で、それ以外の過去を振り返っても東風S含み前走マイル戦を使っていた馬による争いであることがわかる。好走馬の大半が前走芝1600mを使っていた。前走芝1400m以下を使っていた馬の好走はゼロ。マイル以外ならば前走芝1800mか芝2000mの距離短縮馬しか来ていない。
上の話に重複する部分もあるが、昨年のレースは3連単で125万円弱もつける大波乱だった。しかし、前走東風Sで全く見どころがなかったわけでなく、上位3頭はいずれも掲示板に乗っていた。そこにハンデや当日のレースの展開などの要素が加わり、微妙に着順が入れ替わったと見ることができる。上記の表2は前走芝1600mを使いダービー卿CTに出走した馬の前走着順別成績。要は前走マイル戦を使っている場合は、5着以内に入っていれば巻き返しが可能。逆に6着以下に敗れている場合は、同一距離だけに巻き返しに疑問符がつく。前走芝1600mを使い6着以下に負けていて巻き返したのは04年1着のマイネルモルゲン一頭のみ。
ちなみに前走芝1800mや芝2000mを使っていた馬について説明しておくと、この場合の着順は不問になる。02年2着のトレジャー、04年2着のマイネルソロモンは、前走芝中距離重賞で掲示板にも乗らない敗戦。05年2着のチアズメッセージは前走中山牝馬Sで14着という大敗だった。このようなタイプの馬を拾うには、もう少し別の角度からの検討が必要になる。
ハンデの傾向=56.5キロ以上の馬は苦戦気味。斤量減組が優位。
サンプル数が少なめなのでもう少し様子を見たいところもあるが、56.5キロ以上のハンデの馬は苦戦気味。連対馬は05年優勝のダイワメジャー1頭。同馬は同じ中山のG1皐月賞馬だったことを考えると、重いハンデで好走するにはかなりの実績を要しそう。別定戦のベースになる57キロの馬の好走が1度、しかも3着までという面を見ても、背負わされている馬は厳しい戦いになっている雰囲気がある。よって、中心は53〜56キロのいわゆる手ごろな斤量の馬。52キロ以下の軽ハンデ馬も侮れない。
斤量面については、もう少し踏み込んで考えてみよう。前走から重くなるよりは軽くなっている馬の方がいい。全体的に斤量減の馬の出走数の方が多いが、増減なしの馬の優勝がない点からも、斤量減の馬に惹かれる。ただし、3キロ以上軽くなるような馬は逆にダメ。
前走もマイル戦の馬に注目
昨年のダービー卿CTは東風S組が上位を独占し、しかも東風Sの掲示板組ばかりだったにもかかわらず3連単は125万馬券となった。
その昨年も含めて、ダービー卿CTでは「前走もマイル戦」の馬が強い。過去10年の出走のべ頭数は143頭なので全馬平均の勝率・連対率は7.0%・14.0%なのだが、前走マイル戦組は(8.5.5.52)で勝率11.4%・連対率18.6%となっている。昨年を除いた9年間で計算しても勝率12.1%・連対率19.0%。回収率は昨年を除くとさすがに下がるが、それでも7番人気優勝馬を2頭(マイネルモルゲンとダンツジャッジ)出しているので、単勝回収率は95%にもなる。
マイル戦なんだから前走もマイルを走っているのは自然なことと思われるだろうが、重賞の多くは距離延長組か距離短縮組、どちらかの活躍度合いが高くなっていることが多く、距離据え置き組が強いとは限らないのである。
ちなみに、他の古馬マイルGIII(牝馬限定除く)を見てみるとこんな感じ。
京都金杯→マイルで行われた8回のうち、前走マイル組は(1.7.5.52)。1着が取れず、2着の多さがあっても連対率は全馬平均と同じレベル。
東京新聞杯→98〜07年の10回で、前走マイル組は(7.7.6.62)と好走馬に占める割合が高いが、連対率では1400m、1800m組とほぼ同じ。
関屋記念→過去10年のうち改装中の00年を除く9年でカウント。前走マイル組は(0.3.6.24)と不振。改装前と後の話がごっちゃになるが、1400m組と2000m組が強い。
京成杯AH→新潟施行の02年を除いた9年でカウント。前走マイル組は(1.3.6.29)でさほど強くない。
富士S→東京でマイル重賞として行われた過去6回を対象にすると、前走マイル組は(4.4.1.43)で全馬平均より強い。ただし、回収率は今ひとつ。
こうしてみると、特にダービー卿CTが直前の番組も含め「分かりやすくできている」という印象がある。昨年のように、ハンデ戦の斤量増減が作用するパターンを狙って、前走マイル戦出走馬に注目したい。
レース前日に事務所にいた競馬好き数人で、「ダンスインザモアは2〜3馬身出遅れるだろうし、枠を考えると合計4〜5馬身の損」とか話していたんですが、ゲート開いて出た瞬間、ついつい失笑が漏れてしまいました(^^;
ラップの構成としては、最初と最後が12秒台で、中が全部11秒台という、いかにも中山のマイルらしい展開でしたね。
ピカレスクコートは、以前までは「先行してしぶとく粘る」のが身上でしたが、前走の道頓堀Sでは中団から鋭く差す、という、これまでにない新しい面を見せての勝利。そのとき、ラスト11.5-11.2-11.7のところをズバッと豪快に抜けてきてますから、「もしかして成長?」と思えたものでした。
新味を見せてキレイに勝ちあがってきた馬は実際に強くなっているケースが多いものです。ピカレスクコート、7番人気はやや不当な評価だったかもしれません。
個人的には、この馬が3歳春に出走したNZTのレースぶりがけっこう頭の中に残っていて、「中山はわりと得意なはず」という印象がありました。パドックでの出来もよくて◎に期待しましたが、相手が難しかったですね〜(^^;;
コイウタ、マイネルハーティーですか・・・。
マイネルハーティーは久々にパドックで腰に弾力があり、状態がよく見えました。行きっぷりもなかなかよく見えましたが、詳細はまた全頭回顧をお待ちくださいm(_
_)m
サイレントプライドは良馬場への対応がどうかと思われましたが、4着ならまあまあ健闘したと言っていいのではないでしょうか。
全体的にはそう強くないメンバーの戦いで、例年通りここから安田記念を展望する、という位置づけのレースではなかったように思えます。
ダービー卿CTは、各馬ほとんど差のないハンデ戦。人気の上位を占めることになったのは、能力はあってもたまにしか快走しない(できないい)難しい馬ばかり。波乱の決着は仕方がないというか、期待通りというべきか難しいが、十分にありえる結果だったろう。
勝ったピカレスクコートは前回からレースぶり一変が見られた上がり馬。ディープインパクトの遠征パートナーは、昨秋の後半から大幅に地力をつけていた。追って伸びるようになっている。秋山騎手とはこれで2戦2勝。よほど手があうのだろう。全姉のヤマカツスズランのような渋いタイプに成長しそうだ。
コイウタは、前回乗って「タメた方がいい」と判断した松岡騎手の描いた通りの一変の好内容だった。牝馬同士なら、また東京ならさらに上昇が望める。人気のダンスインザモアの出遅れは心配されたとおりで、こういう馬はときどき出現するが、馬自身が出負けするのを別に悪いとは思っていないのだから、矯正は大変なことだろう。
ダービー卿CTに見るストレスと位置取り
今週はダービー卿CTに、この連載でおなじみのマイネルファルケが出てきたので、復習がてら、分析してみよう。
前走はOP特別の東風Sで1番人気に支持されて2着。今回はその東風Sでマイネルファルケに0.2秒差付けて完勝してたフィフスペトルが2番人気で出走していたりしたので、4番人気に人気を落としていた。それもそのはず、東風Sは今回と同じ中山マイル。全く同じ条件なのだ。しかも、前走はスローペースで前有利だった。それなのにフィフスペトルに差し切られているわけだから、人気が落ちるのは普通だろう。
しかし、Mを知っている人間なら、180度違う見方が出来る。
前走は東京新聞杯で逃げの位置取りを掛け、苦手な超高速の上がり勝負になったにも関わらず5番人気で4着に好走した後だ。そのストレスがある。したがって、私も1番人気のマイネルファルケより、休み明けで鮮度のあったフィフスペトルの方を東風Sの予想では評価したのだった。
結果、東風Sでは、その前走のストレスにも関わらず逃げないで2着。今回は逃げれば位置取りショックが掛かるし、逃げなくても前走ほどのストレスはない。したがって、中山マイルという同一条件で、OP特別から重賞とレベルは上がるのだが、前走を下回る着順というのはちょっと考えられない。
このように例え2着でもストレスが少ない場合があるのだ。
逆にフィフスペトルは、前走を見れば誰でもが分かるように能力自体は高い。が、前走は前残りを強引に差して同一条件を1着。少し飽きがある。したがって、今回はマイネルファルケにフィフスペトルは先着できない。ということで、私はマイネルファルケを本命にして、4点目だったが馬連を当てることが出来た。ちなみに勝ったショウワモダンも、前走4角5番手から、今回は2番手と「前に行く位置取りショック」を仕掛けた為に好走出来たのである。
このように、全く同じ条件でも、常に着順は入れ替わる。これが「能力だけでは着順は決まらない」、つまり「Mのストレスとショックなどの関係から着順が決まっている」という、端的な証明に他ならない。
ちなみに1番人気のトライアンフマーチは前走1400mを先行して4着。今回は本来の差しに回ると表明していた。差しに回れば「差し馬の延長」という「逆位置取りショック」になってしまう。したがって4番手評価に落とした。また3番人気のファリダットも「追い込み馬の延長」という逆ショック。これは7番手に評価を落として予想した。
今回もよくあるパターンの、逆ショックによる人気馬の凡走例となったが、追い込み馬の延長でも走る馬はもちろんいる。そのパターンについては何れかの機会に触れたいと思う。