ダイヤモンドS・男の解の公式 |
昇級馬を狙え!軽ハンデに注意! |
昭和26年に創設されたハンデキャップ(第1回のみ別定重量で施行)の重賞競走。
昭和39年までは2600m(昭和31年は2500m)であったが、
昭和40年からは3200mに延長され、さらに平成15年からは3400mとなって現在に至る。
また、平成9年からは、施行時期が1月から2月に変更された。
年度 | 1着 | タイム | LAP | 結果 |
2012年 | ケイアイドウソジン | × | ||
2011年 | ||||
2010年 | ||||
2009年 | ||||
2008年 | アドマイヤモナーク | |||
2007年 | トウカイトリック | 111 | 12.9-11.6-12.0-12.2-12.6-12.4-12.6-13.4-13.0-12.7-12.7-12.5-12.9-12.0-11.1-11.7-12.3=3.30.6 | |
2006年 | マッキーマックス | 114 | 12.8-11.7-12.4-12.5-12.2-12.6-12.0-12.7-12.7-12.1-12.5-12.7-12.4-12.4-11.7-12.3-12.6 | |
2005年 | ウイングランツ | 113 | 13.4-12.8-13.1-13.1-13.2-12.3-11.5-12.3-12.4-13.3-11.9-12.6-12.7-13.1-11.7-11.6-12.5 | |
2004年 | ナムラサンクス | 112 | 13.0-12.2-13.0-13.3-12.8-12.3-12.4-13.0-13.0-12.0-11.9-12.4-12.3-12.1-12.0-11.9-12.3 |
馬も騎手も西が優勢
過去10年の成績を調べると、関西馬が圧倒していることが一目瞭然となっている。適距離をめざして遠征してくる馬たちには大いに注目すべきなのだろう。ちなみに関東馬は過去10年で2勝しているが、そのときは2着馬も関東馬だったことを付け加えておこう。では、騎手はどうなのだろうか。こちらも率としては関西所属騎手のほうが優勢だ。そして関西馬に乗る関東の騎手にも注目。関東所属のジョッキーは3着以内に20回入っているが、うち12回は関西馬で挙げた成績だ。
万葉S組が好成績
前走の条件別に成績を分類してみると、前走が重賞だった馬たちの不振が目につく。これも長丁場のハンデ戦という舞台設定がそうさせるのかも。ちなみに前走がオープン特別で3着以内に入った12頭の前走は、すべて万葉ステークス。そこで1着だった馬は3着内率85.7%という好相性を誇っている。また、好成績を残している前走1600万条件の馬で注目すべき点は、2着以内に入った8頭のうち7頭が、前走で負けた馬だということ。6着以下に敗れた馬も、4頭が巻き返して連対を果たしている。
斤量からの傾向=3キロ以上軽くなった馬
過去10年、前走より斤量が重くなった馬は、2着が2回、3着が3回あるだけと、やや苦戦。逆に前走と斤量が同じか、斤量が軽くなった馬たちが活躍しているのだ。なかでも注目してみたいのは、前走より3キロ以上軽くなった馬。数字上は特に目立つものではないが、連対馬8頭のうち7頭が7番人気以下の伏兵ということもあり、ハンデ差を味方につけられそうな存在を探してみるのも面白いだろう。
3000m以上の平地レースというのは年間を通じてもそれほど数があるわけではなく、ダイヤモンドSというのはそのうちの貴重な1レースである。
世の中には極端なレース条件だと購買意欲が減退する人というのもいるようだが、極端なレース条件というのは強制的に前走からの条件替わりが発生するということでもあり、そのぶん紛れが生じやすい。穴党としては張り切るべきレースなのだ。仮に本命党であったとしても、血統派の人などは腕の見せどころであろう。
さて、ダイヤモンドS。東京競馬場が改修された2003年には中山で施行されたりしているが、今回は敢えてそれを無視して「過去10年」という枠組みで考えたいと思う。このレースは「規格外の長距離」という点だけがポイントだからだ。
予想を固める上での決定的な材料というのは無いのだが、それでも過去を振り返ると、今年も応用できそうなポイントがいくつか見えてくる。
ひとつめは、騎手。本欄でも何回か紹介した、当代きっての長距離巧者・横山典をはじめとして、このレースで10年間に3回馬券に絡んでいる後藤、2回の松岡、吉田豊といったところが注目に値する。騎乗馬があれば成績と関係なしに買い目に入れたい。
ふたつめは、斤量。一般的に中長距離のハンデ戦は背負う馬のほうが高回収率になりやすいが、東京のハンデ重賞はなぜかそうはならず、背負う馬は不振である。
3つめは、2つめと関連するが前走GII組が不振で前走準OP組が絶好調であること。準OP組は1着1回・2着8回と極端なバランスだが、連対率は25%でオープン特別・重賞組を上回る。OP組は万葉Sの上位馬以外は信頼性が低く、騎手や血統など別角度からの付加価値が加わらないと買いづらい。
以上、細かい条件の羅列になったが、最終的な出走馬をこれらの条件にあてはめると、買うべき馬が浮かび上がってくるはずである。
冬の風物詩ともなったマラソンレースのダイヤモンドSは、ステイヤーズSに次ぐ長距離重賞。
重賞としては例年レベルはかなり低調で、条件馬でも長距離実績+軽ハンデ+体調の良さがあれば十分活躍できる傾向にある。
つまり誤魔化しの効かない府中コースにおいては、何よりも長距離実績がポイント。
そしてトップハンデは苦戦傾向。これは絞りずらい冬場の影響も大きいと思われる。
今年はアドマイヤフジがトップハンデの57.5キロ、しかももしかすると1番人気かもしれないが、過去の傾向からは危険な人気馬と言えるかも。
前走のレースぶりもあまり良くないしあまり買う気が起こりません。
過去の連対馬の根拠
年 | 勝ち馬 | 狙えそうな根拠 | 2着馬 | 狙えそうな根拠 |
1997 | ユウセンショウ | ○昨年の勝ち馬○府中でG1を除く重賞【2・1・0・1】 | ビッグシンボル(1人気) | ○3連勝で臨んだレース |
1998 | ユーセイトップラン | ○前走万葉S勝ち○最近4戦で2勝、好調 | ステイゴールド(3人気) | ○近3走、OPと準OPを2着・2着・2着 |
1999 | タマモイナズマ | ○前走万葉S勝ち○最近4戦で3勝、好調 | ロングワールド(10人気) | ○3走前に準オープンを2着 |
2000 | ユーセイトップラン | ○東京の長距離重賞2勝○昨年はトップハンデで敗退 | ジョーヤマト(11人気) | ○2走前、準オープンを1着 |
2001 | イブキヤマノオー | ○最近4戦で2勝、好調○騎手ペリエ | メジロランバート(4人気) | ○前走準オープン2着 |
2002 | キングザファクト | ○前々走、フルゲートの中山2500を快勝 | フサイチランハート(4人気) | ○前走AJCC優勝、2連勝 |
2003 | イングランディーレ | ○前々走ステイヤーズS4着で抜群の芝長距離適性示す | ハッピールック(11人気) | ○AR共和国杯2着馬 |
2004 | ナムラサンクス | ○前走万葉S勝ち○最近4戦で2勝、好調 | ミッキーベル(3人気) | ○前走準オープン勝ち |
2005 | ウイングランツ | ○近走9戦連続掲示板○うち7回が馬券圏内 | ハイフレンドトライ(8人気) | ○近走11戦で、8戦が馬券圏内 |
2006 | マッキーマックス | ○前走万葉S3着で復調気配○3歳春から素質を買われていた | メジロトンキニーズ(7人気) | ○東京得意、前走準オープン3着 |
今年の出走馬は、どうなんでしょうか。
いちおう、当てはまりそうなのをピックアップしてみると、
馬 | 騎手 | ハンデ | 狙えそうな根拠 |
セレスステーラー | 和田 | 51.0 | 好調/ここ5戦連続掲示板、【2・1・0・2】 |
ターキー | 江田照 | 49.0 | 好調/現在3連勝中 |
チャクラ | 後藤 | 56.0 | 距離/長距離重賞2勝、最近復調気配 |
トウカイトリック | ルメール | 57.0 | 距離/G1以外、3000m超OPで【0・3・1・0】 |
バイロイト | 田中勝 | 56.5 | 好調/直近14戦で、11戦が1着か2着 |
馬 | 騎手 | ハンデ | 狙えそうな根拠 |
エリモエクスパイア | 横山典 | 53.0 | 好調/2走前準OP3着 |
チェストウイング | 北村宏 | 55.0 | 好調/4走前準OP勝ち、前々走重賞3着 |
ドリームパートナー | 蛯名 | 54.0 | 好調/近3走で準OP2着2回 |
そうは言っても、ターキーの3連勝は未勝利⇒500万⇒1000万のもので、重賞で即通用する根拠としてはかなり疑問。
セレスステーラーも、まだ1000万を卒業したばかりで、やや厳しいかな?
すると、勝ちそうなのはチャクラかトウカイトリックかバイロイトか、という感じで、いずれにしてもこれはけっこう人気サイドですね。
でも逆に、このあたりは外せないのかもしれません。
ということで、データから残ったのが、トウカイトリック、バイロイト、チャクラ、エリモエクスパイア、チェストウイング、ドリームパートナーあたり、という感じです。
なんだかそれらしい馬が残るものですね。
ついにマラソンレースでミスプロワンツーが起こる時代です。
今回はダイヤモンドS出走馬の血統表を見ていて面白かった点をひとつ。
それは、Blushing Groomという種牡馬です。
長いあいだ血統表を見ていると、ときどき「特別な種牡馬」というのがいるのに気がつくんですが、このBlushing
Groomというのは、母系の中に入ったときには一級品です。
とくに底力を補給するという点において、この馬が母系にいれば、黙ってプラス1ポイントぐらいに考えてもいい、というタイプの種牡馬です。
今回出走した15頭で、母系にBlushing Groomを持つ馬が3頭いたんですが、その3頭がきれいに2着・3着・4着でした。
まあ偶然なのかもしれませんし、例外もたくさんありますが、一般論としては母系にBlushing
Groomがいればプラス1ポイント。
2着のエリモエクスパイアは、母母の父がBlushing Groom。
3着のアドバンテージは、母の父がBlushing Groom。
4着のバイロイトは、母の父の父がBlushing Groom。
それにしても、府中の3400の重賞が、1着馬も2着馬もMr.Prospector系の馬というあたりが、面白いもんですね〜・・・。
ミスタープロスペクターは言うまでもなく、アメリカが生んだ20世紀の大種牡馬ですが、競争成績は完全にスプリンターだったらしいです。
だから、イメージとしては、サクラバクシンオーの孫が春の天皇賞を勝つような感じ・・・ですかね?
このあたりがまた、血統の不思議ですね。
万葉Sの上位2頭が強力とみた一戦でしたが、バイロイトとトウカイトリックの明暗がクッキリ分かれる結果となりました。
バイロイトは今回、東京コースが初めてと思っていましたが、これが勘違い。
3歳時に500万クラスの芝2300mで一度走り、8着という結果があったんですね。しかし、これはかなり古い記録。
その後本格化したことを考えると、あまり関係ないようにも思うのですが、今回の走りを見ると、コース適性の巧拙は否定できないかもしれません。
道中、好位の5番手で折り合っての追走。勝負どころでの反応もそれほど悪くありませんでしたが、直線に入っての伸びはジリジリという感じ。
今回の上位2頭はともかく、3着のアドバンテージにも遅れを取ったのは誤算でした。
勝ったトウカイトリックは今回もスタートが悪く、道中は中団以降から。
3〜4コーナーの勝負どころで少し揉まれるような感じでしたが、直線に入って前が開いてからの末脚は鋭かったですね。
勝ち味に遅いタイプですが、今回はクビ差交わして重賞初制覇となりました。
2着はエリモエクスパイア。
レースは思ったよりも先行したので意外でしたが、これぐらい走ってもおかしくない実績とこれまでのパフォーマンス。
痛恨のタテ目を食ってしまいました。
3着のアドバンテージはランク該当馬も買いにくかった馬。
ダイヤモンドSは芝3400mになってから差し、追い込み馬が活躍。同馬は昨年のアルゼンチン共和国杯で逃げて11着に失速していただけに、ここではレースの仕方が難しいと思っていました。
したがって、今回は鞍上の好騎乗だと思います。
そして前走が迎春Sだったこともポイントだったかもしれません。
同レースの好走馬はダイヤモンドSと相性が良く、昨年中心に推したメジロトンキニーズもこのローテー。
今年の迎春Sを勝ったネヴァブションは別格ですが、3着のアクシオンとはクビ差の4着。終わってみればの話ですが、納得する部分もありますね。