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シルクロードS(G3)

シルクロードS・男の解の公式 少数派のサンデーサイレンス系を買え!
京阪杯組も注意!

■ 経緯

平成8年に創設された重賞競走で、4歳以上馬による1200mのハンデ戦で争われる。
創設当初は4月に施行されていたが、平成12年に高松宮記念の施行時期が3月に移設されたことに伴い、
本競走の施行時期も2月に変更となった。
また、平成14年より負担重量が別定からハンデキャップへ変更された。

なお、競走名の『シルクロード(Silk Road)』は、中央アジアを横断する古代の東西交通路の称。
絹が中国からこの道を通って西方に運ばれたところから、ドイツの地理学者リヒトホーフェンが命名した。
商人たちはタリム盆地周縁のオアシス都市を経由し、パミール高原を経て、
中国と西アジアとを結んだ。沿道の都市として敦煌、ウルムチなどが有名。

年度 1着 2着 3着 LAP 3連複 3連単 メモ 勝負
結果
2012年 ロードカナロア 1.08.3 ×
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年 エムオーウイナー 12.0-10.7-10.8-10.7-11.2-12.4 ×
2006年 タマモホットプレイ
2005年 プレシャスカフェ

人馬ともに関東が好成績
所属別に出走馬と騎手を分類してみると、関東馬と関東所属騎手の成績がとてもよいことがわかる。
関東馬の連対率は21.6%、3着内率は35.1%とかなりの数字だ。
まさに少数精鋭といえるだろう。
また、関東から遠征してくる騎手にも要注目。
こちらも勝率、連対率、3着内率のすべてで、関西を大きくリードしている。

外国産馬が優勢だが…
過去10年の出走馬の馬記号での内訳を調べてみると、外国産馬が圧倒的な強さをみせていることがわかる。
父が日本生まれであることを示す「父内国産馬」は、外国産馬の半分以下の率しか残せていない。
ただし、ここ2年は外国産馬が劣勢。
昨年はタマモホットプレイが父内国産馬としては10年ぶりとなる勝利を飾っており、流れが変わってきている可能性はある。

斤量の重い馬が活躍
シルクロードステークスがハンデ戦になったのは5年前からで、それ以前は別定戦で行われていた。出走馬の負担重量の決定方法は違うものの、実績馬が重い斤量を背負うということに変わりはない。ということで、どのくらいの斤量を背負う馬の成績がよいのかを調べてみた結果、性別に関係なく、負担重量の重い馬のほうが良績を残していることがわかった。なかでも58キロで出走した牡馬は、一昨年にワンツー・フィニッシュを決めたように、ハンデ戦になってからも好調だ。

短距離こそ活きるサンデーの血

きさらぎ賞は出走馬12頭のうち9頭が父か母父がサンデーサイレンス系。
父サンデー系は6頭。
上位人気はサンデー系が独占する見込みです。
サンデー系だけで血統をククることは、馬券の面ではまったく意味がなさそうなレースです。

しかし、サンデー系のククりが馬券で効果を発揮するレースは、まだまだ存在します。
先週のシルクロードSは、サンデー系のマンハッタンカフェ産駒のジョーカプチーノ、アーバニティが1、2着。
馬連は7,890円となかなかの配当でした。

このレースに出走した馬の中で父サンデー系の馬は、ジョーカプチーノ、アーバニティ、ファイングレインの3頭だけですから、
父サンデー系のボックス3点で馬連7,890円を的中することができたわけです。

と、結果論を書きましたが、競馬総合チャンネルでも「サンデーの血を持ち、末脚を活かす馬を決め撃ちする」と書き、
14人気で2着のアーバニティを血統注目馬に推奨。
ホームページで公開している予想でもアーバニティを本命にしました。

芝マイル以上のレースでは、
父がサンデー系で3コーナー5番手以下から馬券になる馬は全体の25%ほどを占めますが、
スプリント戦ではおよそ半分の13%程度です。
シルクロードSがそうであってように、
スプリント戦ではサンデーの血を活かして末脚勝負をする馬は主流の存在ではありません。

そして、競馬というゲームで穴を狙うには、
シルクロードSのように少数派が有利になるレースを狙い撃ちすることも重要なのです
(たとえば、きさらぎ賞だったら、出走馬の半分以上はサンデーの血を持つ差し馬になってしまいますから、
サンデー系の差しを狙い撃ちしたところで、馬券の面ではあまり効果はありません)。

なお、先々週までの京都は、内枠、先行馬有利の馬場でした。
にもかかわらず、前週ではサンデーの血を持つ差し馬を狙ったのは、
前々週まではAコースで行われていましたが、前週からはBコースで行われるからです。
特に内回りは有利なゾーンが柵で覆われることも考慮して、
差しが決まることを決め撃ちすることができました。

そこまでは読めたのですが、ジョーカプチーノが差しに回るのは意外でした。
展開が読み通りでなくとも「マンハッタンカフェ!」と閃いてしまえば、
シルクロードSは馬連1点で当たってしまいます。

競馬において、展開は重要です。
しかし、展開が読めなくても馬券は当たってしまうのですから、競馬は不思議なゲームです。

京阪杯経由組注意!

同じ芝1200の重賞でも、サクラバクシンオー産駒はファルコンSに強い一方、シルクロードSを苦手にしている。
これはシルクロードSが開催週の影響で「キレるスプリンターの差し馬」向きになりやすいため。
過去10年までさかのぼっても、バクシンオー産駒の連対はない。

■ 回顧(2012年)

16番人気ケンブリッジエルを何故狙えたのか(1)

 前回の続きを書く予定だったが、今週Mの教科書的な馬券が重賞で連発したので、記憶の新しいうちに振り返っておきたいと思う。

 まずは土曜のシルクロードS。これは断然人気のロードカナロアがいて厄介なレースだった。M的にはレース間隔が8週開いていて疲れが薄れ、また生涯レース数が少ないので蓄積ストレスも少ない。さらには速い上がりの差し競馬向きなので京都も合う。

 私の場合、断然人気の馬を切る理由がないレースは、予想していて一番テンションが落ちる。しかし、ここで闘う意欲を失っているようでは、予想人として失格だろう。多頭数で、他の人気馬は蓄積ストレスが多い。つまり、ロードカナロア以外は何が起きてもおかしくないレースなのだ。

 そこで、ロードカナロアと同点で本命にしたのがケンブリッジエルだった。前走は格下の準OP新春Sで4着凡走。しかもハンデ戦とはいえ、2走前のアンコールSは今回と同斤の53キロで9着に惨敗。重賞レベルアップする今回はまったく見込みがないと思われて、最低人気の16番人気。単勝は263倍に放置されていた馬だ。

 ただ、その人気薄の理由こそが、Mでは買うべきポイントに他ならなかった。まず、準OPで前走4着に凡走していた点。つまりまったく疲れがない。しかも、今回は格上挑戦でメンバーも一新。精神的にフレッシュな状態で競馬が出来るという、プラスとしてMでは捉えられる材料だ。

 次に2走前にハンデ戦で今回と同じ斤量でOP特別を惨敗した点。これもMではまったくマイナス材料にならない。

 2走前は3走前と同距離の1200mだったのだ。今回は前走1400mで短縮の1200mになる。もともとケンブリッジエルは掛かりやすい馬なので、この短縮は大きなプラス材料だ。したがって、短縮を活かせるハイペースになれば、同じ1200mでも同距離だった2走前の9着より大きく着順を上げる可能性が高い。

 さらに、2走前は3走前に得意のハイペースにハマまって10番人気で3着に激走した直後だった。つまりストレスが絶大だ。それで9着はむしろ善戦だろう。ストレスの無い今回は着順を上げるのは間違いない。

 以上からロードカナロアと同点でこちらを本命に予想し、3番手には格上げで鮮度のあるダノンフェアリー、4番手に前残りの流れになったときに備えてエーシンダックマンとした。

 レースは予想外にスローに近い流れ。速い上がりの差し競馬向きのロードカナロアが、嬉々として走って1着。短縮向きのケンブリッジエルは道中緩い流れに掛かってしまった。しかし、そこは格上げの鮮度と短縮を活かして何とか差し込んできた。楽なペースの単騎逃げだったエーシンダックマンに僅かに及ばなかったが、ハイペースでなくても普通の1200mの流れになっていたならエーシンダックマンは楽に差し切っていただろう。

 ただ3着でも、複勝21倍、3連複289倍の高配当だ。相手が1、2番人気だったので最高50倍以上付く予定の複勝は最低配当になってしまったが、それでも予想の2点目で3連複289倍的中だから、美味しい話だ。

 このように、人気薄激走には必ずM的な理由がある。特に重賞の場合は各馬がある程度真面目に走っているので、人気薄になればなるほど理由無くしては走らないのだ。これが、「Mは荒れれば荒れるほど論理的に当てられる」という現象に他ならない。

 もちろん、人気薄ばかりがMに従うわけではない。翌日曜の京都牝馬Sでは前日と一転、人気の一角2番人気ドナウブルーを本命に予想し、同じように3連複を2点目で当てたのだった。

 理由はほぼ同じ。1000万勝ちからの格上挑戦で鮮度満載だ。しかも短縮で、前走は先行。今回は陣営も「差しに回る」と公言している。これはMでは、短縮を利用した「意識的な位置取りショック」と呼んで、かなりハマりやすいショックになる。

 あとは馬群を割れる鮮度状態の内枠なので、当日内目も伸びる馬場になっていれば完成だ。相手筆頭には前走短縮で激走したアスカトップレディを指名した。

「あれ?」と小首をかしげた読者も多いだろう。「前走短縮激走のストレスは無いのか?」ということだ。

■ 回顧(2007年)

M男ウイナー・・充実してるなぁと思いつつ、サチノに潰される想定のポジションにいる馬だっただけに、上位評価できず。

こっからは妄想の世界で、今回の勝因はディバインシルバーの捨て身逃げと、京都のプチ高速馬場の印象の刷り込み、
馬に「追って甘いところがある」とBJが認識していたことが見事にマッチした結果に思う。

レースのポイントは4F目の10.7のところの各馬の動きなんだけど、
スムーズに折り合っていることと追って甘いところがある印象から、BJはここで一気に動く戦法を採った。

ペース的には一番速いところで動く一見危ないやりかたに思うのだが、
今の彼は何をやってもうまくいく(笑)この動きに釣られて、後ろの集団もBJについてきたのだ。

レース中は気づかなかったけど、レースを見返してみて、直線で11.2→12.4と落ちている割に、
差し込んでくる馬に、嵌ったように飛んでくる馬が少ないと不思議に思って、
前半から見直すと、4Fが10.7にも拘らず、後ろの集団が前との差を詰めに掛かってる。

ペースが速い認識があれば、前は止まるんだからここは追いかけなくてもいいはずなんだけど、
「内が荒れきっていないから早く捕まえないと差しきれない」意識と、
M男の楽な上がっていき方に焦って後方の馬がまんまと末を削られた格好。

…あくまで妄想だから。
無理やり正当っぽい解釈をつけた(笑)もし後ろの集団の中に武豊や安勝、
川田がいたら見た目ものすごい切れで直線飛んでくる馬がいたんじゃないかな〜。。
次走指針としては、勝ち馬は宮記念では微妙、
差し込んで負けた馬には自分から動いて末を削られた馬がいっぱいいるので、
その中で、宮記念でツンツルテンの印になるような馬に無欲の直線追い込み3着期待。
これでスピニングノアールを買う口実できた?疲れてたらしいけど…。

今週の競馬は、土曜日にパドック3場開催に挑戦した勢いでそのままグダグダに終了
シルクロードSでは、パドックでエムオーウイナーを拾っているにもかかわらずまったく買う気すらなく、惨敗でした。
しかしパドックの姿、よかったですね〜、エムオーウイナー。
全頭コメントの予想で書いたとおり、
前走は「なんとなく先頭に立って、そのまま後続も追いついてこなかったレース」と思ったんですが、全然見当違いでした
しかも「同型のアンバージャックのほうが強い」とも書いたんですが、うーん、まったく逆で驚きました!

今日はそして、小牧太騎手が抜群にうまく乗ってましたね。
レースの流れにしっかり乗っていましたし、
必要なときにスッと脚を使わせて、見事にレースをコントロールしていたと思います。
僕はこの人が兵庫で神だった頃の騎乗を見たことがないので、
「芝だとイマイチ仕掛けの遅れるジョッキー」という目で見ていたのですが、
土曜日の小倉大賞典と言い、日曜日のシルクロードSと言い、本当に見事にレースをさばいたという印象でした。



買いたかった馬が除外になって、ややモチベーションが上がらなかったこのレース。
一応、旧アンドロメダSに該当する昨年の京阪杯をベースに予想を組み立てましたが、見誤った結果となりました。

アンバージャックは、前走淀短距離Sを勝った×タマモホットプレイ(3着)を京阪杯0.5秒退けての優勝。
短距離戦における0.5秒差は結構大きく、京阪杯での両馬の内外のコース取り、
1キロの斤量差を考慮すると差が縮まる可能性は高いけれども、それでも◎が残せると判断しました。

しかし、実際にはタマモホットプレイが0.1秒上回っての2着に好走。
京阪杯のような外を回るレースではなく、前走と同じように馬群を捌いての競馬。
枠順も活かしきっての好レースでした。
対するアンバージャックは少し懸念していたスタートも無難に決めましたが、直線で伸び切れずに4着に敗退。
レース後、鞍上の松岡騎手は「57キロが敗因ではない。レース間隔が開いていた分でしょう」とコメント。
個人的にはやはり斤量も無関係ではないと思うのですが、後者の要因もあったのかもしれません。

結局、優勝したのはエムオーウイナー。
前走準OPの新春Sを勝ってのローテーションで、現在の短距離界のトレンド。
今回と同じ舞台の京都芝1200mを勝ち上がり、
なおかつ1000万時代の鷹ヶ峰特別で1分7秒8という速い時計で勝っていた点も大きかったと思います。
前日の準OPの山城Sで1分8秒4という時計が出ていたので、
例年に比べて馬場が速いのは推測できましたし、同馬にピッタリの条件が整っていたことになります。

3着のビーナスラインはデータ的には合致しなかったのですが、積極的に買いたかった馬。
予想でも指摘したように、ここ2戦の阪神C、スプリンターズSの内容・結果は決して悪くない。
今回は相手弱化、平坦の芝1200mというプラス条件を考えると、前進するのは必至。
ただ、京都が初めてであったことと、冬場の競馬ということで突き抜けるまでは至りませんでした。

高松宮記念への展望はまだまだ先。
このレースはあまり参考にならないような気がします。