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ダイワメジャー

■ 特徴


■ 解説

 ダイワメジャーの現役時のイメージからすると中山マイルでは鬼脚を繰り出すが、そのイメージで問題ない。
 ついでにダイワメジャーがそうだったように京都マイルでも鬼である。
 マイラーのイメージが強いが、実は2000mでも活躍馬が出ていて、距離の融通がききそう。
 短距離というよりもマイル〜中距離が適距離だろう。
 際だって疲労に弱いわけではなく、やや弱い程度と考えるのが無難。


ダイワメジャー産駒の買い時(1)

この間のGI特別企画のときにも話が出たダイワメジャー産駒について、出走数も増えたので、簡単に見ておこう。

一番のポイントは、精神コントロールの難しさにある。
そのため掛かりやすく、距離変更ショックや、前走からのペースアップなどで集中させないと、レースを投げ出す可能性が出てくる。
だが、精神コントロールが難しいということは、そのぶんS的要素が強いので、強い相手でも踏ん張れるという特性がある。

このような性質を考慮に入れながら、産駒の具体例を見ていこう。
まずは、以前話に出たオリービンを見てみよう。
京王杯2歳Sのときは、前走からの短縮で精神コントロールが付くということ、単勝9.2倍というのも魅力で、前日予想で本命にしたのだった。

ところが当日は関東への輸送に失敗して、マイナス24キロの激減。
そんな状況の中、差し競馬を唯一先行馬で粘って3着に激走したのだ。
このときは、短縮後の延長だったので、精神コントロールが難しくなったのが敗因だった。
お陰で、単勝爆弾を仕掛け、勝ち馬の単勝15.4倍で儲けた。
その強い内容を受けて、次走、自己条件500万の千両賞では1番人気になるも、馬体が戻ったのに関わらず2着に敗退。

その次の500万は判断が難しい。
今回は同距離で特に精神的なプラス材料はないが、前走がスローだったので、今回ペースが上がれば掛かる恐れが減って精神コントロールが付きやすい。
また、格上相手に短縮激走した直後の前走のような強いストレスも今回はない。

以上から、前走よりは買いだが、1番人気では期待値微妙で静観するのが妥当だろう。
結果、ペースが前走と一転ハイペースに流れたことで、精神コントロールが付き、完勝したのだった(仮に今回もスローだったら、勝っていたかは定かではないが)。

そして迎えたのがシンザン記念。
京王杯歳Sの時の強い内容と、近走の勢いが評価され、3番人気に支持された。

しかし、これは何とも微妙だ。前走の速めの流れより今回の方が速くなるかどうか分からないからだ。
重賞なので体感的なペースアップがある可能性はそれなりに高いが、上がり勝負になりやすい京都替わりを考えると微妙なラインだろう。

ただM的なプラスポイントもあった。それは「格上げ戦」である。
つまり鮮度がアップし、モチベーションも上がるわけだ。
これだけでも何とも判断が難しい状況だったが、ペースと鮮度の問題以外に、もう1つ、私には気掛かりなことがあった。

そのことを確かめたいというのが、実はこのレースにおける、私の中での最大テーマでもあったのである。


ダイワメジャー産駒の買い時(2)

ダイワメジャー産駒のオリービンがシンザン記念に出走するとこで、一番気がかりだったこととは蓄積疲労である。
タフだった京王杯2歳Sから中2週、中2週、中1週というローテで出走しており、蓄積疲労の心配がある。

ただ、前2戦は条件戦。格下のレースの場合は疲れが溜まりにくいのは、言うまでもない。
また、格上げ戦で生命リズムが高揚しているときは、多少の疲れは精神的に我慢出来る(格上げ戦で一番怖いのは、蓄積疲労よりむしろ陣営が「勝って楽をさせている」という人為的な問題の可能性である。
これに関しては、調教や馬体重である程度判断できる)。そういう意味で、致命的な疲れでもない。

疲労に弱い種牡馬なら凡走するタイミングだが、通常の種牡馬なら多少の影響を受ける程度で済む可能性が高い。
そこで私は格上げの鮮度とペースの問題のバランスから、人気通りの3番手評価が妥当と判断した。

しかし、結果は7着惨敗。その主な要因はペースだ。
前走は前後半3ハロンのラップ差が1.2秒。今回は緩めの流れで0.5秒だけ。その差で0.7秒あった。
これでは凡走も仕方ないし、緩めの流れならディープインパクト産駒のジェンティルドンナが勝つのも仕方ない。

ちなみに私は、このレースで4着となったトウケイヘイローを朝日杯FSでは、格上げの鮮度があったので1、2着馬の次の評価にした。
しかし、今回のシンザン記念では1番人気ではあるが危ないと判断していた。
トウケイヘイローは前走厳しい流れを先行しての4着を評価されていたが、前走は格上げ戦の鮮度で頑張っただけなので、そのぶん心身疲労は激しく、中2週では押さえ程度で充分と判断し、
3番人気オリービンの微妙な状況から、ジェンティルドンナと逃げ馬シゲルアセロラの単勝2点買いを実施した。

話を戻すと、このオリービンの7着という着順をどう評価するかだ。
緩い流れだけが敗因とすれば7着というのは、いささか負けすぎではないか。本来なら4、5着が妥当線だろう。

そう考えると、疲労の影響が2、3着ぶん出たということになる。
この形で疲労の影響が出るわけだから、やや疲労に弱いのではないか? という疑いが濃くならざるを得ない。

オリービン固有の問題だったのかもしれないが、少なくともダイワメジャー産駒がも蓄積疲労耐久指数が高い部類には入らないと考えるのが自然だ。

そんな認識を得た翌日、今度はフェアリーSにトーセンベニザクラというダイワメジャー産駒が登場した。この馬の場合はどうだろうか?


ダイワメジャー産駒の買い時(3)

さて、先週は今年の京都牝馬Sで、アスカトップレディを相手筆頭に選んだところまで話した。
ここで思い出してほほしい。
この間の京都金杯をテーマにした連載(10/12/28掲載)ので、アスカトップレディを買いたいステップだと話した馬だったことを。

しかし、京都金杯では内枠向きと話したのに外枠に入り、しかも差しに回った。
本来、速い馬場を先行させて味がある馬だという話をしたのを覚えている読者も多いだろう。
つまり、前走の金杯は当日の状況から力を出し切れていない。したがってストレスがあまり無いのだ。

さらに、京都牝馬Sでは3番手に同点で条件ベストのショウリュウムーンと、格上挑戦で鮮度の高いビッグスマイルを取った。
結果は、当日内も伸びる馬場になり、私の指定通り差しに回る位置取りショックも掛けてくれたのでドナウブルーがそのまま1着。
内が伸びる馬場の分、2着は最内を回ったショウリュウムーン。
3、4着には外から差してきたアスカトップレディ、ビッグスマイルが入り、私の挙げた予想上位4頭がそのまま4着以内を独占。
3連複22倍が2点目、馬単20倍は3点目的中となったわけだ。

22倍と269倍。
配当はまったく違うが、そのM的構造はほぼ同じなので、ともに2点目で当たったという、Mの教科書的な結末である。
このように、3連複はレース質が読めると配当に関わらず当たるときは2、3点以内で当たりやすいという構造を持っている。

ここで、話を先々週のダイワメジャー産駒の続きに戻そう。
フェアリーSのトーセンベニザクラをどうするか? という話までした。

前走の阪神JFでは格上げで鮮度があり、またペースアップすれば同距離でも短縮に近い効果が期待でき、ダイワメジャー産駒の精神コントロールには最適という判断で、9番人気と人気薄だったこともあって本命にした馬だ。

しかし、ハイペースになると思われた阪神JFは、多頭数阪神マイルに関わらず前半が1秒以上遅いというスロー。
もちろんトーセンベニザクラは精神コントロールが付かずに凡走した。

今回のフェアリーSは中山の多頭数マイル。前走がスローだことを踏まえると、さすがに前走よりペースアップする可能性が高いと考えるのが自然だ。
それなら、前回期待された「前走よりペースアップする」という短縮に近い効果が、(ちょっと悔しくはあるが)1走遅れのここで出現することになる。
それなら、理論上は当然のように勝ってしまうはずだ。
格上げ戦ではないが前走が凡走だったので、ストレスレベルも前走と同じでクリアだというのも、M的には引き続き支援材料になる。

ただ、1つだけ懸念材料があった。それは関西遠征後の中3週であることだ。
疲れにかなり弱いタイプなら、凡走してもおかしくない。
ただ、普通のレベルなら前走が凡走だったことあり、大きく影響するような蓄積疲労レベルではないと判断できる。

私の中でまだダイワメジャー産駒の疲労耐久力に対する認識が定かではなかったので、判断に迷った。
もちろん人気薄なら本命でよかったのだが、前走関西遠征のGIでも0.7秒差と大崩れしなかったことを評価され、
今回は3番人気と一転人気になっていたのも疲労が出る3、4割の可能性と天秤に掛けると、期待値的に難しいポイントになった。
そこで今回は対抗評価とした。

結果は、緩めの流れも超スローだった前走よりはさすがに速い流れになったので、精神コントロールが付いて完勝。
単勝7.1倍とまずまずの配当になった。唯一最大の懸念材料の疲労が出なかったわけだ。

このオリービン、トーセンベニザクラなどの一連の動きから、ダイワメジャー産駒は際だって疲労に弱いわけではなく、やや弱い程度と考えるのが無難という、取りあえずの認識を得た。
むしろ気になるのは直接的、物理的な疲労ではなく、蓄積疲労、ないし蓄積ストレスに対する硬直化の問題がどれほどあるかということだ。

というのも、もともとダイワメジャーには硬くなりやすい部分があるのだ。
その辺りの性質はアグネスタキオンに似てるのではないかとふんでいる。このことについては、また追々見ていこうと思う。


■ 代表産駒