■ 特徴
■ 解説
ジャングルポケットは2001年の年度代表馬で、主な勝ち鞍に東京優駿(日本ダービー)、ジャパンカップがある。
芝向きの中長距離タイプ。
タスカータソルテのような小回りタイプと、トールポピーのような大回りタイプに分かれる。
小回りの芝2000mは勝ちきりタイプが多いので馬単で狙う。
また、父トニービンがそうであったように東京コースにはおそらく適性があると思われる。
■ ジャングルポケットのステイヤー資質
2009年京都大賞典はスマートギアとトーセンキャプテンが2、3着。
ジャングルポケット産駒が1、3、4着であった。
ジャングルポケットは、現在のリーディング上位ではスタミナ指向の強い産駒が出やすい種牡馬といえる。
たとえば、2008年の10月4日〜先週までのジャングルポケット産駒の芝競馬での距離別成績を調べてみると、芝2000mで16勝の勝ち星を挙げている。
しかし、1ハロン距離が短い1800mは7勝。勝率も2000mが10%に対して1800mは5%と半分近く下がる。さらに1600mになると3勝で勝率も4%未満だ。
このように極端な傾向が見られる種牡馬は、馬券的にも様々な活用方法がある。
単純に「今回芝2000m以上に出走していて、前回は今回よりも短い距離に出走していたジャングルポケット産駒」を狙い続けるパターンも効果的であるし、
ジャングルポケット産駒が複数馬券になっている日は「血統的なスタミナが要求されやすい馬場」というように馬場状態の傾向を判断する材料にもなるだろう。
ジャングルポケットが、現役時代勝利したGIは、ジャパンカップとダービーだからいずれも東京芝2400mの競走だ。東京は以下の通り3戦3勝。
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 | 距離(馬場) | タイム (上り3F) |
勝ち馬/(2着馬) | ||
2000 | 9. | 2 | 札幌 | 3歳新馬 | 9.8(5人) | 1着 | 千田輝彦 | 53 | 芝1800m(稍) | 1:52.0(35.9) | (タガノテイオー) | |
9. | 23 | 札幌 | 札幌3歳S | GIII | 9.2(5人) | 1着 | 千田輝彦 | 53 | 芝1800m(良) | 1:49.6(35.8) | (タガノテイオー) | |
12. | 23 | 阪神 | ラジオたんぱ杯3歳S | GIII | 4.8(3人) | 2着 | 角田晃一 | 54 | 芝2000m(良) | 2:01.2(34.5) | アグネスタキオン | |
2001 | 2. | 4 | 東京 | 共同通信杯 | GIII | 1.4(1人) | 1着 | 角田晃一 | 56 | 芝1800m(良) | 1:47.9(34.8) | (プレジオ) |
4. | 15 | 中山 | 皐月賞 | GI | 3.7(2人) | 3着 | 角田晃一 | 57 | 芝2000m(良) | 2:00.6(35.3) | アグネスタキオン | |
5. | 27 | 東京 | 東京優駿 | GI | 2.3(1人) | 1着 | 角田晃一 | 57 | 芝2400m(重) | 2:27.0(35.6) | (ダンツフレーム) | |
8. | 19 | 札幌 | 札幌記念 | GII | 1.3(1人) | 3着 | 角田晃一 | 54 | 芝2000m(良) | 2:00.5(34.6) | エアエミネム | |
10. | 21 | 京都 | 菊花賞 | GI | 2.3(1人) | 4着 | 角田晃一 | 57 | 芝3000m(良) | 3:07.6(34.2) | マンハッタンカフェ | |
11. | 25 | 東京 | ジャパンC | GI | 4.2(2人) | 1着 | O.ペリエ | 55 | 芝2400m(良) | 2:23.8(34.9) | (テイエムオペラオー) | |
2002 | 3. | 17 | 阪神 | 阪神大賞典 | GII | 2.2(2人) | 2着 | 小牧太 | 58 | 芝3000m(良) | 3:08.2(34.6) | ナリタトップロード |
4. | 28 | 京都 | 天皇賞(春) | GI | 3.5(3人) | 2着 | 武豊 | 58 | 芝3200m(良) | 3:19.5(34.0) | マンハッタンカフェ | |
11. | 24 | 中山 | ジャパンC | GI | 4.2(3人) | 5着 | 武豊 | 57 | 芝2200m(良) | 2:12.5(35.3) | ファルブラヴ | |
12. | 22 | 中山 | 有馬記念 | GI | 4.5(3人) | 7着 | 藤田伸二 | 57 | 芝2500m(稍) | 2:33.9(35.9) | シンボリクリスエス |
しかし、産駒の傾向なども加味して考えると、ジャングルポケットは3000mを超える距離に適性がないのではなく、東京以外のコースが向かなかったのかもしれない。
ジャングルポケットの現役時代を思い返してみると、4歳春には京都芝3200mで行われた天皇賞で、マンハッタンカフェのクビ差2着に走っている。
京都の適性があまり高くはなく、しかも気性的にも決して操縦しやすくはないジャングルポケットが、
京都の芝3200mでマンハッタンカフェに迫れたのは、この馬が優れたスタミナの資質を持ち合わせていたからではないだろうか。
個人的には、もし東京の芝3200m(現在は施行されていないが)で天皇賞が行われれば、圧勝していたのではないかとすら考えてしまう。
もちろん、実際にはそのようなシチュエーションはなかったのだから、証明はできない。
だが、万人が納得する明確な実績がないからこそ、仮説…というのは大げさだが「妄想」を「産駒の馬券を購入する」という形で表現できる醍醐味がある。
これからも、スタミナ指向が強く要求される状況で、ジャングルポケット産駒の馬券を握りしめ「実はジャングルポケットはマンハッタンカフェにも匹敵するか、
それ以上のスタミナ能力を持っていたのだ」と主張したいものだ。
■ 代表産駒