■ 解説
小回りコースは得意。 代表産駒はカンパニーくらい。東京コースが好相性。
軽いスピードを持ち、追込み馬場場は斬れる末脚を使う。
ミラクルアドマイヤの一族は半兄フサイチコンコルド(ダービー馬)に代表されるように天才型の名門ファミリーとして名高い。
この血統の一族には体質の弱さがつきまとう。フサイチコンコルドはたびたびの輸送での熱発。
ミラクルアドマイヤ半弟のピタゴラスやボレロもわずか1戦のキャリアで引退している。
トニービンの後継種牡馬としてはジャングルポケット、ウイニングチケット、サクラチトセオー、エアダブリンなどがいる。
このうち、ジャングルポケット、ウイニングチケット、エアダブリンはいずれもダービー馬だ。
種牡馬としては04年の170頭に対して、07年は15頭に減少しており、正念場を迎えている。
カンパニーは父トニービンと兄フサイチコンコルドを足して2で割った感じで軽いスピードを持つ。
中山記念ではバランスオブゲーム張りの先行力もある。
オブコースはカンパニーと4分の3同血。
他の現役馬は、ウインク、スズノクロヒョー、ラブミラー、シーダーなどがいるが、収得賞金では億のカンパニーとは2桁も違う。
■ マイナーな名血の時代?
天皇賞・秋はミラクルアドマイヤ産駒のカンパニーが優勝。
ミラクルアドマイヤは父がトニービンで母父がサドラーズウェルズ。名血種牡馬で配合されているのだが「実は名血だけれども、産駒の数が少ないマイナーな存在」の種牡馬は、個人的にはとても気に入っている。
ミラクルアドマイヤ産駒の人気別成績を調べてみても、当日1〜7人気に支持されたケースでは、すべてのレンジでプラス回収率を実現している。
産駒数がさほど多くないマイナーな存在のため、人気にはなりにくいのだが、実は名血なので潜在能力を秘めている馬が多いことを示すデータといえる。
メジャーな血統馬は、血統をさほど知らなくとも名血とわかるが、マイナーな種牡馬は血統をある程度は知る必要があるので、おいしい配当を得られるケースが多い。
「工場と原材料は一流ブランドと実は同じ製品だけれども、ブランド名は使わないのでお値段据え置きの製品」を買っているようなお得感を馬券で味わえるのだ。
たとえば、10月の競馬ではノボジャック産駒の活躍が印象に残った。
しかし、天皇賞・秋のカンパニーは、今の東京芝に向いた血統であったことも勝因のひとつであろうが、個人的には衝撃的な優勝劇であった。
GIレースともなると、人気薄で走るのも、SS系のメジャー種牡馬、母父サンデーサイレンスが圧倒的で、実績はあるけれどもマイナーな種牡馬は人気でも走らないケースが多いからだ(終わってみれば、人気薄で激走したのは母父SSではあったが)。
今後のGIも条件戦のような発想が通用するのかはわからないが、マイナーな名血狙いは、未勝利戦、条件戦では非常に効果的な戦術である。
■ 代表産駒