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サドラーズウェルズ系

■ 特徴


■ 解説

 1990年代以降、力強いステイヤー血脈として欧州で栄え、今日もその活力を維持している。
 サドラーズウェルズはノーザンダンサー晩年の傑作で、英リーディングサイアーに輝くこと14回、1992年からは13年連続の快挙を成し遂げた。
 これはハイフライヤーの12年連続(1785〜96年)を、200年ぶりに塗り替えた大記録である。
 それだけに代表産駒にはモンジュー(凱旋門賞)、ガリレオ(英ダービー)、ハイチャパラル(英ダービー)、インザウイングス(BCターフ)といった大物が山のようにいる。
 産駒は欧州の2400mで無類の強さを発揮し、英、愛、仏のダービー、凱旋門賞、キング・ジョージVI&クイーン・エリザベスSといった主要大レースを席捲し続けた。
 ノーザンダンサーの大型馬で大成功したという点では、ニジンスキーとともにまれな存在である。
 高齢を迎えてさすがに影響力が衰え、14年連続はならなかったが、その血は晩年の傑作モンジュー、ガリレオらが引き継いで、父系の繁栄を存続させている。
 日本にも代表産駒のオールドヴィック、オペラハウス、カーネギー、フレンチグローリー、ドリームウェル、キングオブキングス、アントレプレナー
 といった大物が相次いで輸入された。しかし、多くが日本の高速馬場に対応するスピードと決め手は伝えず、低調に終わった。
 そのなかにあってオペラハウスは例外的に成功し、テイエムオペラオー(ジャパンC)、メイショウサムソン(日本ダービー)といった大物を出した。
 サドラーズウェルズ系らしいスタミナ、パワー、成長力を伝える一方で、高速馬場にも対応できる資質を伝えたという点では、稀有な存在である。


 かのローカルの鬼・トニービンも今年はこれまでほどの威光がないような感じもありますから
 (あ、でも札幌記念はユウワンプラテクト気になります)、リファールの方がローカルの目玉なのかもしれません。

 サドラーズウェルズの系統は、80年代末から90年代の欧州中距離路線に君臨した一大主流血統です。
 しかし日本では、フレンチグローリー(クラフトマンシップ父)、オールドヴィック(トウショウノア父)、ハンティングホーク(ホットシークレット父)
 などが入ってきたものの、コンスタントに成功を収める事はできませんでした。

 やはり日本の軽い芝へのスピード対応ができない点が致命的か・・・と思われていた所に、
 オペラハウス産駒のテイエムオペラオーがまさに起死回生、競馬史に冠たる大活躍をし、
 そしてシングスピール産駒の持込馬ローエングリンが快速ぶりを見せ付けて一躍名誉回復。
 またカーネギーも、まだ一流馬こそ出せないものの、一時の不調を脱し、コンスタントに勝ち馬を送るようになってきました。

 どうも以前サドラーズウェルズが失敗していたのは、配合する時にあまりにもクラシックを意識して??
 母方にも重厚な血を選んでいたからのように思えてなりません。

 オペラオーを筆頭に、近年のサドラーズウェルズ系の活躍馬の多くは、それを希釈する軽めの血を母方に持っています。
 そして個人的にはサドラーズウェルズの血統は一瞬の脚を使えるタイプに分類しており(異論はあると思いますが)、その点では母方に持続力血統を持ってきた方が良いです。
 そのためか、母父ナスルーラ系との相性がかなり良い。

 オペラハウス産駒ではテイエムオペラオーを筆頭に、カリスマサンオペラ、シップウジョー、テンジンオーカン、オペラカスタム、ジンパーフェクトらが該当。
 シングスピール産駒ではローエングリン、ダンツシェイクなどが該当します。

 そして、配合によって距離にはかなり融通性が出ます。
 ローエングリンのように、ネヴァーベンドのインブリードが出るように持っていけば快速馬も出るし、
 母父タイテエムなんて配合をすればホットシークレットのような一本調子のタフなステイヤーも出ます。
 さらに言えば、テイエムオペラオーが怪物となったのは、主流系統のインブリードを数本もバランスよく持っていたからです。

 またサドラーズウェルズの1つ違いの全弟フェアリーキング(シンコウキングの父)を見ても、もともとこの血にスピードのポテンシャルも内包していることが分かると思います。
 だからサドラーズウェルズは長距離でスピードがないと決め付けてはいけません。キチンと配合まで見ましょう。
 このフェアリーキングの系統から日本に入っている代表はエリシオですね。
 直線が平坦なコースに強く(つまりローカル。主要4場では東京)、芝の方が向いています。
 ムラ傾向が強いですが、仕上がりは早く、2歳戦から活躍します。


■ 代表産駒