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ステイゴールド

■ 特徴

■ 解説

 この産駒の最も特筆すべき特徴は、「サンデー系でもっともタフな産駒」ということ。
 ステイヤーという意味ではなく、ハードな展開のレースや、キツイローテーションもこなす、消耗戦のあとでも激走できるなど、だ。
 ドリームジャーニーが宝塚記念を制したことは記憶に新しいが、大阪杯1着、天皇賞3着と激戦後の春のグランプリでとうとう2歳戦以来のG1ウィナーになった。
 親譲りの小さな体格に反して、カミソリの切れ味というよりもパワーに勝り、鉈の切れ味を発揮する。
 小さな体格はまぎれもなくサッカーボーイを出したディクタスによるもの。まさしくサンデー系のなかの異系。
 池江泰郎厩舎の調教助手を勤めていた野村功は、体重が60キログラムある人間が騎乗して調教を課すと失速する競走馬が多い中、
 ステイゴールドは小柄な馬だったにもかかわらず失速せずに走る馬力があったとしている。

 ステイゴールドはレース中、終始左へもたれる癖があった。

 前半はじっくり脚を溜めて、鋭い末脚で一気に飛んでくる「スローの差し血統」。
 速い流れを追走すると脚が残らないので2000m以上の距離に向き、長距離戦は連対率が高い。
 この辺は叔父のサッカーボーイ(ステイゴールド母はゴールデンサッシュの全兄)産駒に通じる特徴で、中京や小倉を得意とするのも似ている。
 サンデー系のサッカーボーイ風味。

 人気薄で3着以内が多いのが、中京芝1800、阪神芝2000、小倉芝2000。
 大敗から平気で巻き返す大穴の玉手箱。
 叩き2戦目の一変、距離延長の穴、人気薄好走後のもう一発など。
 14頭以上の多頭数でスイッチが入る。


【特別企画】ステイゴールド編検証

 今週は検証編にしようと思う。

 ステイゴールド産駒のビエンナーレ。土曜メインのメトロポリタンSで11番人気という人気薄で出走し、3着に激走した。相手が1、2番人気にも関わらず、3連複で万馬券、複勝でも10倍という高配当をもたらした。

 以前解説したように、ステイゴールド産駒は集中力が高く(C系)、強い相手に怯まないという特性を持っている。そのために1000万勝ち直後のオープン挑戦でも臆することなく走れるということがある。それと、49キロと、1番枠というのもプラスに働いた。C系は量が少ない産駒が多く、軽量や内枠などで量をごまかしてしぶとさを生かす競馬が合っている。外をずっと回ってねじ伏せるような競馬は逆に向かず、したがって、外枠なら、追い込みに徹して、量を補う騎乗が向くために、極端な脚質が増えるということだった。

 同馬の前走の1000万勝ちも、500万勝ち直後のハンデ戦で52キロと軽量だった。その前の500万勝ちは、17頭立ての1番枠。多頭数の内枠や、ハンデ戦、強い相手、こういったシチュエーションが、量の少ないC系が得意とする分野になる。だからこそ、逆に相手が弱くなって人気になって買うのは危険性が出てくる。自分から力でねじ伏せるような体力はあまりないからだ。ステイゴールド産駒のドリームジャーニーがここ3戦、2、1、2番人気と人気の外枠で凡走を続けているが、これもビエンナーレの激走と表裏一体を成しているものと言える。

 特にマイラーズCは58キロの外枠というのもきつかったわけだ。外枠なら矯めに矯めて、末を伸ばす形が合っているので、せめて外の追い込みバイアスが発生していないと厳しくなる。あるいはサンライズマックスが格上げ戦の中日新聞杯で18頭立ての混戦をハンデ戦で制し、少頭数定量の大阪杯で惨敗したのも同じ構図だ。広いコースの少頭数で自力で動く形だと、量の不足が出やすい。

 ところでビエンナーレは404キロという小型馬。フィリーズレビューを制したマイネレーツェルも396キロという超小型馬だった。牝馬で小さいというのは、ひとつの性質上の特性をサラブレッドに与える。馬の性格(タイプ)は、主に血統と性別と馬体重によって決定される。


■ 代表産駒