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全日本2歳優駿(G1)

■ DGR年間日程

3歳路線

開催月 レース 2012年
11月 北海道2歳優駿(G3)
兵庫ジュニアGP(G2)
12月 全日本2歳優駿(G1)
4月 伏竜S ×
端午S ×
兵庫CS(G2)
7月 JDD(G1)

■ 回顧

【予想】
◎オーブルチェフ
○ゴーイングパワー
▲エーシンユリシーズ
△メジャーアスリート
△アスペクト
△ヴェアリアスムーン
△ヘヴンズパワー

 前走の北海道2歳優駿は、ハイペースの2番手を楽に追走してひと追いで突き抜けたオーブルチェフ。時計も極めて優秀。ダート転向後に3連勝と底を見せておらず、未対戦のメンバーはいても、レベルが違うとみました。このレースに直結する兵庫ジュニアグランプリの優勝馬ゴーイングパワー、3着エーシンユリシーズ、更にはダート2連勝メジャーアスリート以下△勢まで連下は横一線。

【レース】
 オーブルチェフがスタートで躓くアクシデント。好スタートを決めた戸崎ヘヴンズパワーが楽に逃げる構えでしたが、これに異議を唱えたのが蛯名メジャーアスリートで、あわよくば交わしてハナに行く構え。これが2番手に甘んじて隊列が決まり、後続も接近して内3番手にヴェアリアスムーン、その外にゴーイングパワー、更にはゴールドメダルも先行グループ。ペースが落ち着いたところに、一気に動いたのが中舘オーブルチェフ。3、4コーナーで単騎先頭に立ったメジャーアスリートの2番手に上がり、これを交わす勢い。ただし道中かなり脚を使ったのと、メジャーアスリートの執拗な抵抗に遭い、最後の直線は意外にもつれる形。それでも底力を発揮したオーブルチェフが、僅かに競り勝ちました。渋太く粘ったメジャーアスリートが2着。

【上位馬の寸評】
1着 オーブルチェフ
 ダート転向後は圧倒的な強さで3連勝、時計も優秀。テン良し中良し終い良しで、今のところ死角らしい死角は皆無。未対戦のメンバーはいても、ここで負けるとは思えませんでした。この日はプラス3キロの503キロ。馬っぷり上々で活気もあり非常にいい雰囲気。万全の仕上がりを確認。ところがレースはスタートで躓くアクシデント。中舘騎手は慌てずレースを進め、ペースが落ちた向流しで一気に先団に接近。3コーナーでは3番手に上がり、4コーナーでは2番手。ここまで来ればという処ですが、かなり脚を使ったのと、相手の執拗な粘りに手を焼いて、僅かに抜け出した処がゴールでした。苦戦の原因はやはりスタートミス。それを力任せに挽回するあたり、やはりモノが違う。距離は延びても対応できそうで、どこまでこの快進撃が続くか楽しみです。(12月17日 左第3指骨々折が発表されました)

2着 メジャーアスリート
 ダート替わりの未勝利戦で、1600をレコード勝ち(2歳限定)。続いて五百万昇級戦も、1400ダートを1着。これでダートは2戦2勝。今回は統一G競走で更にハードルは上がりましたが、侮れない存在とみていました。この日はプラス9キロの505キロ。気合乗り十分の好馬体で、力強い踏み込み。文句なしの気配。レースは好スタートを決めて逃げる体勢のヘヴンズパワーを、無理無理追いかける形。結局は2番手に控えましたが、リズム的には? 3、4コーナーでようやく単騎先頭に立ちましたが、既に背後にオーブルチェフが接近。最後の直線は正にサバイバル戦。懸命に辛抱していましたが、ゴール前惜しくもオーブルチェフに競り負けました。流れを考えれば高く評価できる走り。マダマダ成長してきそうな馬です。

3着 ヴェアリアスムーン
 これもダートは2戦2勝。前走の勝ちタイム、ダート1200を1分11秒8は、同日古馬一千万が1分11秒0ならマズマズ。脚抜きのいいダートに強いアフリート産駒だけに、川崎コースも向いていそう。折り合いさえスムーズなら有力な一頭とみていました。この日はマイナス3キロの479キロ。それほどのスケールは感じさせませんが、コンパクトにまとまった馬体。うるさい面も見せず好気配でした。レースは岩田騎手が多少気合をつけてイン3番手から。オーブルチェフが動いてペースアップした際も、ポジションを死守。最後の直線も気力を絶やさずジリジリ差を詰め勝ち馬から2馬身圏内の4着。1200→1600でこの走りができれば及第点でしょう。もうひと回り馬体が成長してくれば結構出世しそうです。

4着 ゴールドメダル
 過去2勝は1200でも、追って渋く、案外距離が延びて良さそうなタイプ。ただし前走の北海道2歳優駿は、オーブルチェフから2秒5差の6着。この隔たりはいかにも大きく、印は付け切れませんでした。この日はプラス12キロの514キロ。青毛の馬で黒光りする好馬体。こと馬っぷりではメンバー一番。早目に川崎に入厩して入念な乗り込み。体重増は成長分で全く太目感なし。力関係は微妙でも、案外やれそうな予感。レースは出たなりで外5番手から。結構スピードもあります。4コーナー手前からマクって出て大外へ。最後の直線もジリジリ脚を伸ばして一旦は3番手に上がりましたが、ヴェアリアスムーンに競り負けて4着。先々に大いに見通しが立つ走りを見せました。次はどこに出てきても狙いたい。

5着 アスペクト
 ダートは8戦7勝。唯一の敗戦はJRA挑戦の9着で、地元盛岡のダートでは7戦全勝。ローカル限定との見方もありますが、前走の南部駒賞ではヘヴンズパワーを破り好タイム勝ち。兄アテストが05年の当レースを2着と血統面の裏付けもあり、穴として注目していました。この日はマイナス9キロの481キロ。これは絞り込んで仕上げてきたという感じ。活気があり好仕上がりと判断。レースは好スタートから斉藤騎手が気合をつけて行ったものの、スピード競馬に対応できず追い通しで追走に手一杯。それでも上がりのかかる競馬に乗じて差を詰め5着入線。それなりに見処のある走りでした、距離が延びて良さそうなタイプです。

6着 タイセイスティング
 ソコソコ人気になっていましたが、プラタナス賞では、オーブルチェフから1秒6差の5着。脚質的に川崎コースも?でどうかなとみていました。この日は増減なしの498キロ。特に気配は目立たず。レースは前半5番手に行くなど意外な先行力を発揮しましたが、オーブルチェフが動いてペースアップした際に、対応できず後退。それでいて最後また詰めて6着。あまり器用に動けるタイプではないようです。ベストは直線の長い東京コース。そして距離はもっと欲しい。

11着 ゴーイングパワー
 ラブミーチャン、スーニなど、このレースに直結する兵庫ジュニアグランプリの優勝馬。サクラバクシンオー産駒だけに距離が1600に延びて心配もありますが、レースぶりからは克服可能と判断。重い印を打ちました。この日はマイナス2キロの471キロ。体をフックラ映し活気もあり好気配。レースは距離を意識して和田騎手が大事に大事に外4番手から。スムーズに運べましたが、バックストレッチで一気に動いてきたオーブルチェフに被されると行きっぷりが悪化。さしたる抵抗もなく後れを取り、結局はブービーに沈みました。やはり1600でシビアな流れになると、スプリンター血統の弱さが出てしまうようです。

12着 ヘヴンズパワー
 鎌倉記念では1コーナーで膨れてアウト。ただし、前走の南部駒賞では大逃げを打って惜しい2着。左回りも克服。サウスヴィグラスの仔だけにダッシュ力に秀で、有力処が牽制し合うようだと、残り目ありとみていました。この日はプラス12キロの457キロ。キッチリ追い切りを消化しての馬体増で、これは好材料。レースはメジャーアスリートにビッシリ競り込まれて殿りに敗れましたが、あの流れでは仕方なし。自分のペースで行ければ一変しておかしくない。



【予想】
◎リアライズノユメ
○ガムラン
▲ビッグロマンス
△カネマサコンコルド
△オヤシオ
△トウショウクラウン

 JRA勢と道営カネマサコンコルドの争い。その中でもレコード勝ちも含めて
交流重賞2連勝リアライズノユメの完成度が一枚上。土付かず2連勝ガムランは
馬っぷり抜群の良血馬。北海道2歳優駿1、2着カネマサコンコルド、ビッグロマンスなども虎視眈々で、南関勢はやや劣勢ムード。

【レース】
 各馬牽制し合う滑り出し。枠なりで1番エルウェーオージャ、2番リョウウン
3番リアライズノユメ、4番キスミープリンス、5番ビッグロマンスの並び。
ガムラン、オヤシオは中団で、出遅れたトウショウクラウン、カメマサコンコルドは後方。
ペースは当然スロー。勝負処から動いたビッグロマンスに歩調を合わせるように
リアライズノユメもスパートして4コーナー先頭。粘り込みを図りましたが、競り合いで雄雌の差が。ビッグロマンスがグイと抜け出し重賞レース初制覇を果たしました。
リアライズノユメが渋太く2着に粘り、内を突いたキスミープリンスの3着は大健闘。
ガムランは意外に伸びず4着に終わりました。

【上位馬の寸評】
1着 ビッグロマンス
 未勝利、五百万を2連勝して北海道2歳優駿を2着。
その勢いを感じさせるこの日の好気配。マイナス5キロの485キロ。ややうるさいくらいに
活気があり、馬っぷりもなかなか。レースは田中勝春騎手が気合をつけて外4、5番手の
好ポジション。勝負処からいち早くスパートをかけたのは、ペース的にも妥当な作戦。
4コーナーではリアライズノユメの直後、2番手に押し上げ、直線の伸び脚も確か。
力強く抜け出して2歳ダートのチャンピオンに輝きました。うまくレースの流れに乗れたに
しても鮮やかな勝ちっぷり。血統的にもかなりの成長力を秘めているはずで
今後もダートの王道を歩みそうです。

2着 リアライズノユメ
 未勝利脱出に5戦を要したものの、ダートで豹変。エーデルワイス賞で
レコード勝ちを収め、兵庫ジュニアグランプリもひと追いで抜け出す圧勝。
将来性はともかく、その完成度を評価して◎を打ちました。この日はマイナス2キロの
445キロ。パドックを周回する姿は躍動感があり、馬体もフックラ。非常にいいデキに
映りました。レースは福永騎手が周囲の動向を窺いつつ進め、収まったポジションは
外3番手。近2戦と同様の指定席。勝負処でビッグロマンスの動きを察知した鞍上が
いち早くスパートして4コーナー先頭。粘り込みを図りましたが、最後は底力の差か
競り負けて2着に終わりました。仕上がり早のレース巧者という感じで、伸びシロは?

3着 キスミープリンス
 鎌倉記念1着以来で2ヶ月半ぶり。この日はプラス1キロの443キロ。決して大柄な馬ではありませんが、均整の取れた好馬体で、数字以上に大きく見せます。
適度に気合が乗り好仕上がりと判断しました。レースは出たなりで先行グループの直後
イン4、5番手の好ポジションをゲット。勝負処でレースが動いた際も、戸崎騎手がジッと
我慢を決めてマイペースを堅守。最後の直線も内に突っ込んで差を詰めアワヤの見せ場。確かにロスなくレースを運んで目一杯の競馬ですが、このメンバーで3着は大健闘でしょう。決して大物感はありませんが、レース巧者で自分の力はキッチリ走るタイプ。
今後も安定した戦績を残していきそうです。

4着 ガムラン
 新馬、五百万を2連勝。特に前走の時計がなかなか優秀。
印としては2番手の評価ですが、アッサリやられてしまうかも、という気もちょっぴり。
この日はマイナス1キロの525キロ。やや立派に映るくらいですが、抜群の馬っぷりと
気合乗り。近親にヴァーミリアンがいますが、それを髣髴とさせます。馬を見るとこれで
仕方ないという気が増大。レースは出たなりで外7番手から。意外に慎重な滑り出し。
勝負処から手応え良くマクって一旦は3番手に上がりましたが、最後の直線は案外伸びず4着止まり。ペースを考えると、もう少し前半から積極的に行った方が良かったのでは…。
経験を積んでいけばマダマダ良くなっていく馬だと思います。

5着 トウショウクラウン
 未勝利、五百万とダートを2連勝。それも逃げ、追い込みと異なる戦法。
これまで千八オンリーだけに、忙しい川崎の千六に不安もありましたが、鞍上内田博だけに気になる存在でした。この日はマイナス2キロの506キロ。キッチリ仕上がって適度な
気合乗り。この時季にしては毛ヅヤも良く、力を出し切れるデキと判断。
レースは完全な出遅れ。気合をつけて巻き返して9番手へ。そこから更に押し上げて
直線の入口では6番手まで取り付きましたが、これだけ脚を使っては厳しい。
結局離された5着に終わりました。どの程度の器かは、正直まだ掴み切れません。

8着 カネマサコンコルド
 北海道2歳優駿1着、兵庫ジュニアグランプリ2着と、道営bPホース。小回りの
川崎コースに対応できれば有力な一頭とみていました。この日はプラス3キロの483キロ。馬っぷり上々で、やはりかなり走りそうな印象。この成績も納得。レースは出遅れというか外にヨレ気味。五十嵐騎手が気合をつけて行ったものの、どうもリズムが悪く
終始大外を回り流れに乗れず。明らかに初の左回りを気にしたというレースぶり。
今回に関しては基準外とみるべきでしょう。

9着 オヤシオ
 ダート替わりで2勝を挙げ、特別戦でも2着。距離延長には対応できそうなタイプなので、一応△を打ちました。この日は増減なしの470キロ。フックラと移して集中力もあり
好仕上がり。レースは丸山騎手が気合をつけたものの案外ダッシュが利かず8番手から。道中でややポジションを上げたものの、ほとんど見せ場らしい見せ場は作れずに9着。
次に繋がる競馬とは思えません。



全日本2歳優駿
2011年12月20日(火)18時00分
注目数:1人
全日本2歳優駿(12月14日 サラ2歳 定量 JpnI 1600m重)

◎(1)オーブルチェフ    1分41秒6
▲(2)メジャーアスリート  3/4
 (3)ヴェアリアスムーン  3/4
 (4)ゴールドメダル    鼻
 (5)アスペクト      11/2
…………………
○(6)タイセイスティング
△(7)エーシンユリシーズ
△(8)ニシノファイター
△(11)ゴーイングパワー

単110円
馬複220円
馬単260円
3連複560円
3連単1040円

 オーブルチェフが期待通り、人気通りの強さをみせた。スタートで大きくつまずき落馬寸前。しかし馬自身、戸惑った気配はそれほどなく、1コーナー8番手、2コーナー6番手、向正面4番手、じわじわポジションを上げていく。そして4コーナー、先頭に立ったメジャーアスリートと文字通り力勝負。さすがに余力はなかったものの、直線抜け出してからは危なげなかった。「元々スタートは上手な馬で、今日はすべて僕のミス。その失敗を馬が帳消しにしてくれた。いい脚が長く使える。本当に強い馬です」(中舘騎手)。ただ、前半ヘヴンズパワーが飛ばし、1000m通過60.4秒の超ハイペース(一昨年ラブミーチャン=61.4秒)。待機策を強いられ、結果それが幸いした部分もなくはない。千六1分41秒6は正直平凡(ラブミーチャン=40.0秒)。自身上がり41.0秒だから、本来差し馬ではないのだろう。

 オーブルチェフはこれでダート4戦4勝。前走「北海道2歳優駿」に続きタイトル2つ目。父マリブムーン、エーピーインディ系、典型的な米ダート血統で、パドックでも筋肉質、隆々とした馬体がひときわ目立った。現実に今回スタート不安をのぞかせたこと、ゴールイン後の歩様がスムーズでなかったこと(結果的にやはり激走)。確かに気になるところはいくつかあるが、それでもスケールの大きさ、天性のセンスと勝負根性は十分すぎるほどアピールした。「正直ひやりとしたけれど、(不利に)難なく対応できるあたりが能力の高さでしょう。今日はひとまず通過点」(萩原清調教師)。今後ひと息入れて充電。「UAEダービー=ドバイ3月」直行プランが明言された。通用する器(絶対能力)ではあると思う。あとはその“本番”を100%で臨めるかどうか。(※その後オーブルチェフは、左第3指骨々折と17日にJRAから発表された)

 メジャーアスリート2着。逃げたへヴンズを自らねじ伏せ、この日の内容だけとればオーブルと互角だった。ハチきれるような馬体、気性も粘り強く逞しい。今後ローテが難しいが、順調に育てば来季大井「JDダービー」にも夢が浮かぶ。ヴェアリアスムーン、ゴールドメダルの3着争い。首の上げ下げという勝負になり、先着2頭にやや差はあったものの場内が大きく沸いた。JRA2勝の前者はともかく、後者の伸び脚が印象的。パドックでも好馬体が大きく目立った。5着岩手アスペクトの踏ん張りも特筆に値する。初の全国区挑戦、ある程度勝ちを意識して乗り、上がり40秒1(メンバー中3位)だから次につながる。タイセイスティング、エーシンユリシーズは後方から差を詰めて終わった。両馬とも本質的にもう少し距離がほしいか。逆にゴーイングパワーは好位からジリ貧。ダート適性はさておきスプリンターの評価が妥当と思う。

■ 回顧

【レース】
 さすがに速いトロピカルライトが楽にハナに立ち、2番手に笠松のフジノビビアン。馬場状態を考えるとやや速目の流れ。道中3番手を進んだフリオーソは真っ向勝負を挑み、4コーナーで2番手に上がると、自力でトロピカルライトを捕まえ快勝。3着には伏兵アンパサンドが食い込みました。

【上位馬の寸評】
1着 フリオーソ
 期待を上回る強さでした。このキャリアでグレード競走の勝ち馬を自力勝負で撃破したのだから凄い。レース前の推定勝ちタイムは、馬場がかかっていることを考えると42秒の前半。正直その時計で走れるかどうか、半信半疑の面もありました。ところが何と1分41秒8。開催初日A2下ゼレンカが1分42秒4(馬場状態はほぼ同じ)。つまり古馬準OPレベルを凌駕する破格の時計です。レースはスタートから内田博騎手が気を抜かせずビシビシ追って3番手へ。内で泥を被った平和賞とは対照的に行きっぷり良くハイペースを追走。しかも正々堂々の真っ向勝負。自力で逃げるトロピカルライトを捕まえ、2馬身の差をつける完勝とは恐れ入りました。馬っぷり抜群のブライアンズタイム産駒で、測り知れない伸びシロ。早々にJRA挑戦のプランもあるようですが、いずれにしろ南関の次代を担うスター候補生であることは間違いありません。

2着 トロピカルライト
 前走の兵庫ジュニアグランプリはブッチギリの逃げ切り。このレースでもグレード競走の勝ち馬にふさわしい走りをみせました。レース前に枠内でやや落ち着かない様子。スタートもヨレ加減でしたが、大事に至らず馬なりでハナ。ムキになるところもなく、自然流の逃げで快調に飛ばし、後続にマクるスキを与えない福永騎手の作戦通りの競馬。その結果2着に敗れたのは、相手を褒めるべきで、例年なら楽に優勝レベルでしょう。ただし、交わされてから急に甘くなり伏兵アンパサンドに脅かされたあたり、距離に限界がありそう。パドックでは脇目も振らず集中して周回。ややコロッとした体型。完成度の高いスピード馬です。

3着 アンパサンド
 北海道2歳優駿ではトップサバトンに0秒9も離された2着。その比較からは人気薄も当然ですが、トロピカルライトにクビ、首差まで迫る3着と健闘しました。レースはスタートひと息でしたが、今野騎手が気合をつけて内5番手へ。そのまま流れに乗って内々を進み、最後の直線も内を突いて目イチの競馬。確かに終始経済コースを回る利点はありましたが、前半にかなり脚を使って終いも頑張るあたり、予想以上に底力を秘めている。このまま南関で走れば、間違いなくクラシック路線に乗る馬でしょう。パドックでは周回を重ねるに従いややうるさくなってきましたが、馬体はいい感じに仕上がっていました。

4着 トップサバトン
 川崎に早目に入厩。馬場見せも済ませており、パドックでは落ち着いて周回。コンパクトにまとまった馬体で、いかにも瞬発力がありそうです。レースは好スタートを決めて井上俊騎手が積極的なレース運び。向流しに入ると馬を外に持ち出し5番手を追って追走。そして4コーナーは大外へ。最後の伸びを欠いた結果から考えると、もう少しジックリ構えた方が良かったかも。どうやらこの馬、一瞬の脚で勝負するマイラータイプの差し馬。いかにも鮮やかだった北海道2歳優駿のような戦法が合っている。人気を落とした際に俄然魅力が出てくる馬です。

5着 ビクトリーテツニー
 予想されたこととはいえ、大きく置かれる競馬。小回り川崎ではもう少し器用に立ち回れないと苦しい。4コーナーでまだ離れた後方では、5着まで追い上げるのが精一杯。これが実力ではないと思います。馬はまだ絞れそうな造り。この時季にしては毛ヅヤが良く、デキはマズマズとみました。

6着 クィーンオブキネマ
 前半はフリオーソと並んで内の3番手。道中の手応えとしては悪くありませんでしたが、直線の追い比べでアッサリ後退するあたり、基本的には逃げ馬のようです。パドックでは落ち着いていましたが、馬体からはそう迫力は感じませんでした。

7着 ロイヤルボス
 これは意外な凡走でした。ハイセイコー記念を含めた一連の大井戦のメンバーとは、レベルが違ったということでしょうか。レースは、今回もスタート五分に出て9番手から。向正面ではムチが入り、やや追走に苦労している様子。最後の直線は自分のポジションを守るのが精一杯という有様。パドックではいつも通りに気合を表に出さずモッサリ周回。体はいくらか締まってきた感じ。まだ良化の余地は十分に残していますが、主役の座は完全にフリオーソに譲った。

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