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NHKマイルC(G1)

【NHKマイルC・男の解の公式】 究極のアガリ勝負!レベルの高い牝馬は特注!
モデル馬 ダノンシャンティ

・中山実績、とくにNZTの結果は無視する。NZTで負けた馬が狙い。

・米国指向が強いレース(仮説)
・ミスプロ・ダンチヒ・フレンチ・ダンシングヴレーブの血統が狙い。

・完成度の高い早熟な牝馬が狙い。

■ 傾向

日付 ラップ 馬場
状態
RPCI 3連単 勝負
結果
着順 馬名 種牡馬 母父馬 調教師 人気 着差
タイム
補正 走破タイム 枠番 通過順1-4 上り3F 前走レース名 前走着順 前走場所 前走距離
2012年 × カレンブラックヒル
アルフレード
クラレント
110508 11.9-10.7-
11.3-11.8-11.9-
11.3-11.4-11.9
46.4 7920 グランプリボス サクラバクシンオー サンデーサイレンス *(栗)矢作芳人 1 -0.2 115 1322 7      06-05 34.0 ニュージG2 阪神 芝1600
コティリオン ディープインパクト トニービン (栗)橋口弘次 2 0.2 113 1324 8      18-16 33.4 毎日杯G3 阪神 芝1800
リアルインパクト ディープインパクト Meadowlake (美)堀宣行 4 0.3 112 1325 1      09-09 34.2 ニュージG2 11 阪神 芝1600
100509 12.1-10.4-
10.9-11.4-11.5-
11.5-11.6
-12.0
40.4 17180 ダノンシャンティ フジキセキ Mark of Esteem (栗)松田国英 1 -0.2 115 1314 7      16-16 33.5 毎日杯G3 阪神 芝1800
ダイワバーバリアン マンハッタンカフェ Kingmambo *(栗)矢作芳人 5 0.2 113 1316 1      07-05 34.5 ニュージG2 中山 芝1600
リルダヴァル アグネスタキオン Thunder Gulch (栗)池江泰郎 3 0.4 111 1318 2      07-08 34.4 皐月賞G1 中山 芝2000
090510 12.2-10.8-
11.3-11.2-11.7-
11.5-11.7
-12.0
42.5 2381660 × ジョーカプチーノ マンハッタンカフェ フサイチコンコルド (栗)中竹和也 10 -0.3 112 1324 2      02-02 34.7 ニュージG2 中山 芝1600
レッドスパーダ タイキシャトル Storm Cat (美)藤沢和雄 5 0.3 109 1327 7      04-04 33.7 スプリンG2 中山 芝1800
グランプリエンゼル アグネスデジタル サンデーサイレンス (栗)矢作芳人 13 0.6 106 1330 5      03-03 34.1 橘S 京都 芝1200
080511 12.2-11.0-
11.4
-12.1-12.5-
11.7-11.2-12.1
49.1 116880 × ディープスカイ アグネスタキオン Chief's Crown (栗)昆貢 1 -0.3 115 1342 5      16-11 33.9 毎日杯G3 阪神 芝1800
ブラックシェル クロフネ ウイニングチケット (栗)松田国英 3 0.3 112 1345 3      12-05 34.6 皐月賞G1 中山 芝2000
$ダノンゴーゴー Aldebaran Potrillazo (栗)橋口弘次 14 0.6 109 1348 7      18-16 34.2 ニュージG2 中山 芝1600
070506 12.1-10.5-
11.6
-12.0-12.3-
11.5-11.7-12.6
43.4 9739870 × ピンクカメオ フレンチデピュティ Silver Hawk *(美)国枝栄 17 -0.1 109 1343 7      13-14 34.9 桜花賞G1 14 阪神 芝1600
ローレルゲレイロ キングヘイロー テンビー (栗)昆貢 1 0.1 108 1344 5      04-03 35.6 皐月賞G1 中山 芝2000
ムラマサノヨートー キングヘイロー ヘクタープロテクター (美)内藤一雄 18 0.2 107 1345 8      13-14 35.1 ニュージG2 14 中山 芝1600
060507 12.1-10.8-
11.3-11.5-11.8-
11.7-11.5
-12.5
41.0 201600 × ロジック アグネスタキオン サクラユタカオー (栗)橋口弘次 3 -0.0 111 1332 3      11-10 35.0 ニュージG2 中山 芝1600
ファイングレイン フジキセキ Polish Precedent (栗)長浜博之 9 0.0 111 1332 1      03-04 35.5 ニュージG2 中山 芝1600
$キンシャサノキセキ Fuji Kiseki Pleasant Colony (美)堀宣行 6 0.2 109 1334 7      09-08 35.3 マーガレ 阪神 芝1400
050508 12.5-11.0-
12.0-11.9-12.0-
11.3-11.3-11.6
53.6 63150 ラインクラフト エンドスウィープ サンデーサイレンス *(栗)瀬戸口勉 2 -0.3 113 1336 6      04-04 33.6 桜花賞G1 阪神 芝1600
デアリングハート サンデーサイレンス Danzig (栗)藤原英昭 10 0.3 110 1339 7      06-04 33.8 桜花賞G1 阪神 芝1600
アイルラヴァゲイン エルコンドルパサー Meadowlake *(美)手塚貴久 4 0.4 109 1340 2      07-07 33.7 マーガレ 阪神 芝1400
040509 12.1-10.7-
11.1-11.7
-12.2-
11.6-11.7-11.4
46.5   キングカメハメハ Kingmambo Last Tycoon (栗)松田国英 1 -0.8 118 1325 7      09-09 34.0 毎日杯G3 阪神 芝2000
コスモサンビーム ザグレブ Rainbow Quest (栗)佐々木晶 4 0.8 110 1333 1      09-09 34.7 皐月賞G1 中山 芝2000
メイショウボーラー タイキシャトル Storm Cat (栗)白井寿昭 3 1.1 107 1336 3      03-03 35.4 皐月賞G1 中山 芝2000
030511 12.0-10.9-
11.2-11.7
-12.0-
11.6-12.1-12.7
38.8   ウインクリューガー タイキシャトル Be My Guest (栗)松元茂樹 9 -0.2 110 1342 8      02-02 35.9 毎日杯G3 阪神 芝2000
エイシンツルギザン サクラバクシンオー Fappiano (栗)藤原英昭 5 0.2 108 1344 2      10-10 34.7 ニュージG2 中山 芝1600
マイネルモルゲン Mt. Livermore Seeking the Gold (美)堀井雅広 6 0.3 107 1345 5      08-09 35.0 ベンジャ 中山 芝1800

東京競馬場 芝1600メートル

相対的にテンが速く、カーブで下り坂を迎えるためスピードアップし、そのまま雪崩れ込み

05年は直線で加速しているが、それはラインクラフトというNHKマイルでは別格の馬がいたためで
それ以外は、ほぼ上り坂の直線では減速していくパターン。2001年以前を見てもその傾向は変わらない。

米国指向が強いレースだけに、血統の代表、ミスプロ系、ボールドルーラー系、コマンダーインチーフ、
そしてダンチヒのラインのポリッシュパトリオットの血を持つ馬に注目。
トライアル血統が強い。朝日杯組に注目。

NHKマイルCに特化すると、やはりミスプロ系が強い事で知られるわけが、それはコースが改修されても変わらないと見る。
なお、父ミスプロ系以外から選ぶなら、ハイペースになった場合に強いノーザンダンサー系から、ワンペースで走れる持続型血統を。
コマンダーインチーフ、そしてダンチヒのラインのポリッシュパトリオットなどがそれに該当する。

トライアル系の血統がよく走るが、2003年はタイキシャトル産駒ウインクリューガーが勝った。
タイキシャトル産駒はビッグコングやテイエムリキサンなど、トライアルで強く、本番で弱い種牡馬。
2着のサクラバクシンオーにも同様。G1で連対馬を出しているのは、牝馬レースと短距離レースだけだ。

NHKマイルCといえば、古くはマル外ダービーなどといわれたものだが、最近は国産馬や内国産の馬の活躍が目立つ。
昨年は実質上はマル父馬が1〜3着を独占したレースといえる(キンシャサは外国産馬になる)。

最近は現役時代、日本で走っていた馬の産駒の好走が目立つNHKマイルCだが、父の現役時代の戦歴にひとつの傾向がある。
それは「朝日杯FS(旧3歳S)、スプリンターズS勝ち馬」の産駒の好走が目立つ点だ。

06年の2、3着馬の父は朝日杯3歳S勝ち馬フジキセキであり、ウインクリューガー、メイショウボーラーの父はタイキシャトル。
エイシンツルギザンの父サクラバクシンオーはスプリンターズS勝ち馬だ。

朝日杯3歳S、スプリンターズSに共通するのは、米国的な要素、ダート指向が強く問われるGIということ。
同時に、タイキシャトルはマイルGIを勝っているように、芝のマイル競走でも高いパフォーマンスを示している点も重要だ。

また、06年の勝ち馬はアグネスタキオン産駒のロジックであったが、アグネスタキオンは朝日杯を使っても楽勝できたことは、
現役時代を見た方なら誰でも納得できるであろう。

NHKマイルはマイルGIなので、マイルの高い適性が問われるのはもちろんだが、米国的な要素が強く問われるというのは、重要なポイントになるだろう。

本レースではヴァイスリージェント、ストームバードの系統の活躍も目立つが、
この2系統は芝マイルGIでも実績があるが、米国のブリーダーズCクラシックでも勝ち馬を出している系統で、ダート適性も非常に高い系統だ。

NHKマイルCの血統的なポイントをまとめると、以下の3つが挙げられる。

 1.ヴァイスリージェント、ストームバードの血を持つ馬に注目。ダンチヒ系も優秀。
 2.父が現役時代日本で走っている馬の場合、父は朝日杯、スプリンターズSで高いパフォーマンスを出している馬が走っている。
 3.米国指向が強いレースだけに、血統の代表、ミスタープロスペクター系、ボールドルーラー系の血を持つ馬も注目。

 過去の1〜3着馬、および今年の特別登録馬を1〜3のポイントをチェックした。)

3のポイントを満たし、なおかつ1か2のポイントも満たす馬が多いとボクは思うのですが、いかがでしょうか
(2に該当しない馬の中には、日本のマイルGIで複数勝ち馬を出す種牡馬の産駒や、現役時代出ていれば勝っていただろう種牡馬も多い。
これらは×としたが「芝ダート兼用で高い芝マイル性能も誇る血統」というテーマには該当するので、その点は考慮された方がいいとは思います。
少なくともボクは○扱いの気持ちです)。


完成度の高い牝馬を狙う

牝馬の成績

年度 牝馬
レベル
人気 補正
タイム
主な実績 その時の
補正
タイム
12年 ハナズゴール チューリップ賞1着 102
11年 フォーエバーマーク 11 8 108 桜花賞5着 105
ダンスファンタジア 9 15 94 桜花賞7着 104
クリアンサス 10 16 93 マーガレットS1着 100
10年 サウンドバリアー 8 13 94 フィリーズレビュー1着 96
09年 グランプリエンゼル 13 3 106 橘S1着 99
ワンカラット 6 6 103 フィリーズレビュー1着 101
08年 エイムアットビップ 13 15 97 阪神JF3着 100
07年 ピンクカメオ 17 1 109 菜の花賞1着 98
イクスキューズ 8 17 94 クイーンC1着 102
05年 ラインクラフト 2 1 113 桜花賞1着 110
デアリングハート 10 2 110 桜花賞3着 109
コスモフォーチュン 13 15 93 小倉2歳S3着 93
01年 サマーキャンドル 12 3 107 500万 97
00年 スイートオーキッド 3 5 103 クリスタルC1着 105
ラヴィエベル 10 9 101 クイーンC1着 102
マルターズスパーブ 12 15 91 フラワーC1着 101

レベルの高かった年は牝馬が爆裂している。

2012年参考データ
牝馬 ジェンティルドンナ 桜花賞1着 111 ヴィルシーナ 桜花賞2着 110 アイムユアーズ 桜花賞3着 109
牡馬 ゴールドシップ 皐月賞1着 113 ワールドエース 皐月賞2着 109 ディープブリランテ 皐月賞3着 108

今年の牝馬レベルは「高い」

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■ 2012年回顧

NHKマイルC
2012年05月07日(月)18時00分
注目数:47人
 カレンブラックヒル(父ダイワメジャー)が鮮やかな逃げ切り勝ちを決め、通算4戦4勝となった。父ダイワメジャー(マイルCS2勝、安田記念)は初年度の産駒からGI勝ち馬を送り、管理する平田調教師も、秋山真一郎騎手も初のGI制覇となった。

 今年は先行スピードが持ち味の快速タイプがいなかった。さらに、今季の東京はそれほど高速の芝コンディションではなく、そこに直前の雷雨も重なって「1分34秒5」の勝ちタイムはいかにも平凡にみえる。また、一転二転の激戦が多いNHKマイルCにしては単調にも映るレース展開だったが、カレンブラックヒルのレースの中身は決して悪くない。人気馬の逃げ切りとしては秀逸である。

 前3年の勝ち時計は、09年から順に、1分32秒4、1分31秒4、1分32秒2…。猛烈なタイムの連続してきたGIだから、たしかに今年の1分34秒5は平凡に映るが、前3年の東京芝は(いまの京都ほどではないにしても)、少し高速の芝コンディションすぎた。しかし、この日の最終12R「1600万特別」1600mの勝ちタイムも、接戦ながら46秒2−48秒7=1分34秒9(前半1000m通過は58秒5)にとどまっている。軽い芝コンディションではなかったのである。

 カレンブラックヒルの、単騎逃げ切り。1000m通過「59秒9」の数字だけをピックアップすると超スローにも映るが、レースバランスは絶妙の「47秒3-47秒2」。マークする位置にいた3番人気のアルフレード(C.ウィリアムズ騎手)以下を、ゴールでは3馬身半も突き離しているのだから、ただの恵まれての逃げ切りではない。3コーナーすぎからの1ハロン「12秒6」で巧みに息を入れた。東京のマイル戦で、ライバルの格好の目標になりながら、決定的な差をつけたのは見事だった。

 格下馬を追走して抜け出す追い切りと、あまり強気でもないふだんの騎乗スタイルから考えるに、大事に2〜3番手追走も考えられた。でも、相手の出方を見つつとはいいながら、今回の秋山騎手は最初から自分でレースを作る覚悟があったのだろう。スタート直後から相手の出方など気にしていないようにみえた。

 このGI勝ちの自信は大きい。激しい追い比べでこそ真価…という騎乗スタイルではないから、先行タイプに乗ってペース感覚を大切にする騎手になればいい。いま、流れに関係なく最初から下げてしまう騎手が非常に多い。これを契機に自在の先行策を持ち味とする、バランス感覚に優れた騎手になって欲しい。

 アルフレード(父シンボリクリスエス)は、レース直前の雨が気になった。外枠でなだめながらの先行策もロスを免れない立場だったが、さすがはC.ウィリアムズ騎手。前半はひかえ気味に大事に流れに乗せ、勝負どころから早めに進出。最後は後続の追撃をぎりぎりしのぎ切ってみせた。重馬場のスプリングSを凡走後、すぐにこのマイル戦に目標を切り替えた陣営の読みも正解だろう。今回はスピード能力を前面に出せた。

 勝ったカレンブラックヒル、そしてアルフレード。ともに無理使いはしていない。アルフレードは朝日杯FSの勝ち馬で、祖母はサクラバクシンオーの全妹。だからといってマイル戦こそベストとも限らない。カレンブラックヒルのしなやかやスピード能力も、3代母は欧州タイプで仏オークスなどの勝ち馬、マイル戦だけにとどまるとはいえないが、まあふつう、ともに日本ダービーの2400mというタイプではないようには思える。次走はどのレースになるのだろう。

 人気上位の差し馬ジャスタウェイ、レオアクティブは、これはレースの流れに恵まれなかったのは確かだが、それは先行馬つぶれのレースではなかったという意味。レース全体のバランスは「47秒3-47秒2」であり、勝った馬は独走している。上がり33秒台で猛追して届かなかったわけでもない。東京マイルのGIでは実力負けだろう。

 マウントシャスタ(父ディープインパクト)の評価は難しい。もしスムーズに前が開いていれば、斜行で人馬に「しまった」の躊躇がなかったなら、2着までは突っ込めた余力は十分にあったのではないかとも思えるが、まだキャリア3戦、もまれたレース経験なしの弱みは大きかった。セパレートコースではないから外から寄られたうんぬんは関係ない。先行馬つぶれの激しい流れで、最後に馬群がばらける展開なら良かったろうが、それを言っては「流れてくれれば…」と同じで、自ら実力不足を認めることになってしまう。素質の高さは衆目一致。だが、毎日杯でほぼ全力を出し切ったあとのディープインパクト産駒で(間を空けないと続けて快走しない馬が多い)、東京は初コース、初距離。落ち着いてはいたが、今回はちょっと状況がきびしすぎたろう。獲得賞金1650万円、登録はするだろうが、日本ダービーは賞金不足と思える。

 マウントシャスタの斜行によるシゲルスダチの落馬事故で、マイネルロブスト(14着)、メジャーアスリート(15着)、モンストール(16着)は影響を受けた。制裁には関係しなかった不利だが、最後は失速ではなく、仕方なくレースをやめていた。

■ 2010年回顧

激流ラップでレコード決着、勝ち馬も負けた馬も今後に注目

「NHKマイルC→ダービー」という、変則2冠を目指すダノンシャンティが1番人気に応えて見事に快勝、
従来のレコードを一気に0.6秒も更新する驚異的なタイム「1'31"4」で走破して見せました。
別名「マツクニローテ」と言われるほど、松田国厩舎の得意な臨戦過程であるだけに、この勝ちっぷりでダービーに向けても大きく期待が膨らんだと言えそうです。
早速ラップを見てみましょう。

◆NHKマイルC(GI・東京8F)

2010年:33.4-22.9-35.1=1'31"4 (ダノンシャンティ)
2009年:34.3-22.9-35.2=1'32"4 (ジョーカプチーノ)
2008年:34.6-24.6-35.0=1'34"2 稍 (ディープスカイ)
2007年:34.2-24.3-35.8=1'34"3 稍 (ピンクカメオ)

※「テン3F-中盤2F-上がり3F」で表記、( )内は勝ち馬

今年は、テンも中盤も破格の速さで、それでいて上がりも止まらないハイレベル戦でした。
例えば、安田記念の過去5年平均ラップ「34.2-23.5-35.0」と比べても(時期の違いで馬場差はありますが)、いかに前半厳しいラップだったかがよく分かります。
これで後方から大外を回して堂々と突き抜けた勝ち馬・ダノンシャンティは文句ない強さと言っていいでしょう。

自身はテンで控えて、中盤〜上がりの持続力で勝ち切っただけに、距離延長へ向けても上々、ダービーでも上位のパフォーマンスが期待できそうです。

しかしそれだけでなく、これだけ前半が速いラップだと、やはり「先行して負けた馬」にも注目する必要があります。
上位10頭のうち、「序盤で8番手以内」かつ「4角で5番手以内」にいたのは、2着ダイワバーバリアン・4着サンライズプリンスの2頭のみ。
共に内枠を活かせた利があったとはいえ、相当な底力と評していいと思います。

展開を見ると、前走・NZTではテンやや緩い流れを捲って圧勝する持続力を見せたサンライズプリンスが、
今回は更に前半速くなったのに「テンで2番手に付ける」という、更に積極的な競馬を見せたのが印象的。

結果を見ると「仕掛けが早かった」ことになるかもしれませんが、恐らく大外枠の前走と違い、内枠の今回は包まれるリスクを避ける戦略でしょう。
逆に言えば気性的にもまだまだ若さがあり、「競馬を教えている」過程の未完成な状態でこれだけ走れるのですから、資質は末恐ろしいものがありそうです。

3着リルダヴァルは、ここまでの持ち時計は劣り、ラップ的な底力の裏付けも薄いという、実は「カモになりやすい人気馬」の典型のプロフィールでしたが、
これだけ厳しいレースで3着に差して来たのはやはり相応のスケールがあったということ。

しかしやはり勝負どころでの挙動は上位2頭とは差があり、前に行った4着馬ほどの底力の評価にも至らず、
あくまでも「相応の評価」に落ち着きます。東京がベストのタイプなので、今後も過剰人気には注意したいところです。

個人的には、2着のダイワバーバリアンと蛯名騎手のレースぶりが最も印象的でした。

「内から完璧に捌いて、いつでもゴーサインを出せる状態迎えた残り400、外の馬の脚色を見てから(この時ダノンがもう視界に入っていたかどうかは微妙ですが)激しく追い出し、最後まで勝ち馬に食らいついた」のは、
人馬共に完璧に力を出し切った素晴らしい内容だったと思います。

■ 2007年回顧

NHKマイルCで忘れていた事

2007年5月6日のNHK杯は馬連30,800円、3連単に至って9,739,870円と言う、G1史上初めての高額配当だった。
恐らく、今後これが更新される事は無いだろう。
大波乱の結果にはなったが、私はこのレース結果を見て、予測が不可能な事ではなかったのではないかと思わざるを得ない。
もし、私の考えている通りだとしたら、馬主の方には失礼な言い方になってしまうが、MピンクカメオやQムラマサノヨートーはG1レースは勿論の事、グレードレースでの活躍は難しい事になってしまう事になる。
2着のIローレルゲレイロに関しては、1番人気の通り馬体のすばらしさと気合乗りの良さが目だっていたので、今後も活躍できると思っている。

競馬の人気は、過去の成績や調教状態、厩舎関係者の話などで決まるのだろうが、
取り分け競馬評論家やトラックマン情報、パドック解説者などの所謂(いわゆる)競馬のプロと称する人達の言動が大きな影響を与えるものである。
私は他人を当てにしたくないと言う信念もあって、できるだけ無視しているのだが、テレビ番組を見ている限りは嫌でも耳に入ってきてしまう。
彼らの情報は聞き流しているつもりだが、実際には相当の影響を受けている事は間違いがない。

データとして意味が無さそうな内容を持ち出している競馬評論家と称する人も中には居るが、
ほとんどの競馬関係者の予想の基としているのは調教状態と過去の成績である。
調教状態は、走っている姿とタイムであり、過去の成績は走破タイムとラップタイムを主に取り上げているようである。
勿論、展開とか馬の斤量や血統なども考慮するのであるが、だいたいはその程度の内容で予想を行うようである。

今年のNHKマイルCはそんなありきたりの内容では予想はできなかったのである。
朝からしとしと降り続いている雨は、芝の状態をじわじわと変えてきていたのである。
私は、競馬の専門家ではないし、コースに詳しい人間ではないが、
コースの形状はコーナー部分で高速道路のカーブのようにかなりの傾斜がつけられていると聞いた事がある。
これは、遠心力で馬が外に膨ずに走れるようにするためであると聞いている。
ゴール前の直線も、水はけを良くするために多少は傾斜しているのかも知れない。
あくまでも私の想像だが、コースが浜辺の波うち際のようになっていて、
内側の馬は波のかかる部分を走り、真ん中の馬は水が引いて走り易い部分を走っていたのではないだろうか。
最短コースのように思えた内側が、実はとんでも無い悪路であった可能性は非常に高いのである。

コースがどのような形状になっていて、今回のように小雨が朝から降り続いている状態でコースがどのように変化するのかは、競馬関係者は熟知しているはずである。
騎手の場合は状態が判っていても、枠順等の関係から好きなコースを走る事はできないだろうが、才能のある競馬評論家であるならば、この事を含めて容易に想像できたのではないだろうか。

残念ながら、テレビに出ていた競馬評論家のレベルでは、馬場状態については「良い馬場状態の中で競馬をやらせたかったですね。」のコメントをするぐらいしか頭が回らなかったようである。
私などは馬場が悪くなれば、コース全体は一様に悪くなるものだという程度の知識しか持ち合わせていなかったために、先行馬のEイクスキューズに期待していた程である。
馬場が悪くなれば、先行して潰れかかっても他の馬が差しては来れないのではないかとの単純な発想である。
Eイクスキューズはパドックではかなり入れ込んでおり、スタート後も引っかかり気味ではあったが、4コーナーあたりまではもしかしてと感じる程の走りをしていた。
しかし、4コーナを抜けたあたりから勢いがなくなり、ずるずると後退してあっと言う間に馬群の中に沈んでしまった。
恐らくは泥だらけの田んぼの中でも走らされているような感覚だっただろう、牝馬にとっては限界を超えるものであった。
この馬だけでなく、コースの内側を走っていた10番程度までの馬番の馬達が、ことごとく消えてしまったのである。

私がこの事を感じたのは、レース後のJRAの全周のパトロール映像を見たからである。
パトロール映像は上から撮影しているために、馬場の状態が多少は見えるのである。
それにしても、このパトロール映像は、なんでこんなにピンボケなのだろうか。
最近の映像機器はオートフォーカスは勿論の事、解像度も飛躍的に向上しているのだが、JRAは競馬場の巨大スクリーンとかには金を掛けるが、なぜ映像機器にはお金を出し渋るのだろうか。
その気になれば、騎手の表情も判るぐらいの映像も流す事も出来るはずである。
競馬場で巨大スクリーンを見る人間よりも、録画映像を見ている人間の方が数十倍多い事は容易に想像できる。
エンコードレートを上げた映像をもう1つ用意するぐらいで事が足りるはずである。
ひょっとしたら、レース内容があまりにもはっきりと写ると、審議関係で具合の悪い事があるのかも知れない。
なにしろ、去年の9月頃まではそんな無料映像自体を放映しなかったぐらいなのだから。(今でも映像配信には金を取っているが。)

私の感想を言わせて貰えば、今年のNHKマイルCは馬場の状態70%、馬の力30%で決着したと思っている。
そして、これは馬場を熟知している人であれば、ある程度は想定する事が可能だったのではないかとも思っている。
もし、朝からまんべんなく降り続いた小雨の天候状態から内枠不利、先行馬不利の予想をたてた競馬評論家がいたとしたら、すぐにでも現在テレビに出演している競馬評論家連中と交代して貰いたいものである。


誰もが荒れる、荒れる……という予感を受けていたと思うんだけれど、まさかこれほどとは、というのが大部分なんじゃないかな。

馬連30800円、そして3連単9739870円(JRA重賞で最高配当)というのだからね。100円で1000万近くかァ、僕もさすがに3連単をとった人の顔が見たくなる。

この大波乱、分析すると考えられる要因は大きく天候とペースのふたつだろう。そこに騎手心理が絡んできての結果だと思う。

まず天候について話すと、降雨の影響はかなりあったはずだ。アサクサキングスの幸四郎も「雨がこたえた」といっていたが、一部の有力馬には厳しいマイナス要素であり、勝ったピンクカメオを筆頭に、シベリアンバードなどの上位入線馬には恵みの雨となった。馬場発表は稍重だが、実際に走った馬は重以上に感じていたんじゃないかな。

そしてペースだが、時計以上に厳しい流れだった。終始ひとかたまりになって泥んこの馬場を進むのだから、もまれるのと道悪とで馬にはかなりの負荷がかかったと思う。内枠の馬のほとんどが下位に敗れたのにも、そこが影響しているはずだ。反対に外枠をひいたムラマサノヨートーに関しては、元来気難しいところがあって、近くに馬がいると嫌がるタイプだけに大外枠も好走の要因だったと思う。

最後に騎手心理。今回はレースのあやが大きく運命を分けて皮肉な結果になった。勝ちにいって最高のレースをしたシンジ(藤田騎手)が負けて、勝ちたい気持ちを殺してベターな競馬をしたウチパク(内田博騎手)が勝ったんだから。

直線で前が壁になった時、ウチパクは腹をくくったと思うんだ。「これはもう、とにかく自分の思うとおりにやってみよう」と。そして、まだ馬に余力があることを感じてピンクカメオを外に出した。あとはままよ、だ。

直線の伸びは鞍上の予想を超えていたんじゃないかな。「まさか勝てるとは…」というレース後の感想からもそれはうかがえる。乗っている当人がそうだから、ローレルゲレイロと一度は先頭に立ったシンジも驚いただろう。ただ、シンジとローレルは僕から見ても完璧なレース運びだった。

完璧に勝っても負けるというのが競馬。天候などさまざまな要素が絡んだ今回のレースは、特にそういう部分を際立たせていたと思う。


 さてNHKマイルCの回顧(反省)を。

 まず軸馬としたイクスキューズですが、スタートしてすぐに引っ掛かったの
 が全てでした。
 何とかなだめて内にいれましたが、雨の影響もあり、今日の内馬場はかな
 り悪い状況でしたので、最後の直線ではもう力が残っていませんでした。
 まあ横山典騎手とは思えない騎乗ぶりで、ちょっとどうしちゃったんだろうと
 いう感じです。

 一方2着のローレルゲレイロは、藤田騎手が完璧に乗りましたね。
 パトロールVTRではっきりわかりのですが、完璧なスタートで良いポジショ
 ンをさっと確保し、道中は内側の馬場の悪いところと良いところとの境目を
 ずっと通り、最後の直線も馬場の良いところをまっすぐに追ってきました。
 おそらく藤田騎手としても大満足の騎乗だったはずですが、それを牝馬の
 ピンクカメオが力で差し切ったわけです。
 藤田騎手としてはまさかと思ったことでしょう。

 勝ったピンクカメオですが、最後の直線まで後方で、そして中を突いて追
 い出そうとしたものの前が開かないので、そこからから大外に出し、遥か
 先を行くローレルゲレイロを追いかけ、ゴール前に差し切るという着差以上
 に強い競馬をしました。

 何の不利もなく、完璧なレースができたローレルゲレイロと比較し、ピンク
 カメオはかなりロスのある競馬をしながら差し切ったわけで、ちょっと力が
 違ったというものでした。
 もちろん、前回の考察で書いたように、ピンクカメオには向いた馬場だった
 のかもしれませんが、それでも皐月賞で勝ち馬とコンマ3秒差のローレル
 ゲレイロを力でねじ伏せるのですから、やはり今年の3歳牝馬の強さは本
 物と改めて思った次第です。

 それにしても3連単が約1000万円とは・・・。
 勝負馬券的にはスタート直後のイクスキューズの引っ掛かりで諦めて見
 ていましたが、コメント欄に書いたように前回の考察で「重馬場=田中勝
 騎手は絶対買い」というデータから、遊びでシベリアンバードから重馬場
 巧者種牡馬産駒=ピンクカメオ等へのワイド馬券も500円づつ流してい
 ましたので、ゴール前にこの2頭が見えたときには思わず「カツハルー!」
 と声がでたのですがその一縷の望みもムラマサノヨートーにバッサリと・・・。

 とにかく今回のNHKマイルCでは、ピンクカメオを対抗には抜擢できても
 結局本命(軸馬)にまでできないところが、まだまだ馬券修行が足りないと
 深く反省させられました。疲れも倍増です(苦笑)。

 気を取り直して来週また頑張りたいと思います。


いやぁ、会社でも970万馬券の話が出ていたが、全国であの3連単は456票との事である。
3連単の発売が、6018万1274票の内、たったの476票‥。

どのような買い方をする人が当てたのだろうか‥。もし当ブログの閲覧者で的中された方がいらっしゃったら、是非コメント残して下さい。

誕生日馬券で平成14年10月18日生まれの子供を持つ親‥とか、自身が昭和14年10月18日生まれとか‥。昭和14年生まれなら67歳か‥ウインズ辺りに意外と出没している競馬好きの人にいそうだなぁ‥。

著名人で昭和14年(1939年)10月18日生まれの人っているのかなぁ‥と誕生日検索サイトで調べてみると‥

一人だけ載っていたが‥リー・ハーヴェイ・オズワルド‥外人じゃん‥

って、この人アメリカ合衆国ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の実行犯とされる人物だって‥逮捕直後に、ジャック・ルビーによって暗殺される。って‥もう居ないじゃん‥。

さて、今週はヴィクトリアマイル‥去年はコスモマーべラスで何気に惜しいゴール前だったよなぁ‥。あわよくば1200万になってたかも‥というタラレバだったような‥。

今年もカワカミプリンセス・スイープトウショウに被るだろうが結構面白そうな面子が揃った気がする。

今年のG1は、高松宮杯のペールギュント(13人気)3連単54万馬券、皐月賞のサンツェッペリン(15人気)3連単162万馬券、天皇賞のエリモエクスパイア(11人気)3連単30万馬券、そしてNHKマイルのピンクカメオ(17人気)ムラマサノヨートー(18人気)3連単970万馬券‥と、桜花賞以外は、二桁人気の馬が絡んで荒れ捲くっている。

果たして今週はどうなる事やら‥。

話は変るが、最近娘に薦められて観たテレビドラマが、非常に面白かったので原作のコミックを買ってきて読んでみた。


 1着 ピンクカメオ・・なんとなくエミーズスマイル@赤松賞をレース後に思い出した。内田騎手って、とにかく下げてラストに脚を集約する騎乗をたまにするイメージがあったからなんですが、これで内田騎手が勝ったJRAの芝レースは4つ目ですけど、全部ハイペースでラスト1ハロンが思い切り掛かるレースだったりする。たぶん次の重賞制覇は福島のラジオNIKKEI賞あたりだろう。


 今日もスタートは決めてて、先行争いのカメラに映ってたんですが、ペースを読んだのか作戦なのかいつの間にか最後方。馬群を突けずに大外に持ち出して仕掛けると、1頭だけ違う脚色でごぼう抜き。ん〜お見事!と同時にこれで朝日杯に続いて最後方の馬+ローレルゲレイロで決着。朝日杯の時も思ったけどこの世代のマイル距離の先行馬って良い馬がいない感じだなぁ。。


 NHKマイルCはピンクカメオが勝った。私はダノンムロー(6着)が本命で、アサクサキングス、ローレルゲレイロ、シャドウストライプを厚く買っていた。ムラマサノヨートーも押さえていたが、一切無視していたピンクが来てしまったからにはまったくお話にならない。

 今年のNHKマイルは、ある意味で昨年と似通ったところがある。
 昨年の勝ち馬はロジックだった。この馬は、生産者・武田修一氏、馬主・前田幸治氏で、社台系とは無関係である。しかし、ロジックが勝ったことでもっとも喜んだのは、ほかならぬ吉田照哉氏だったという。というのは、この馬の父がアグネスタキオンだったからだ。
 昨年の今頃、アグネスタキオンは「勝ちあがる率は高いが(新馬、未勝利は勝つが)、2勝目がなかなかない種牡馬」という陰口が叩かれていた。そのため、1200万もの種付け料を取る社台グループとしてはかなり胃の痛む思いだったという。そんなところにロジックのGT制覇だから、社台関係者は胸をなでおろす思いだったに違いない。
 で、今年だが、ピンクカメオの父はフレンチデピュティである(ピンクカメオの生産はパカパカファーム)。この種牡馬は社台Gによって輸入され、その同時期に産駒のクロフネ(外国産馬)が大活躍したものだから、かなりの期待がかけられていた。しかし、産駒のほとんどがダート馬で、同じ社台スタリオンに繋養されているSS後継馬たちや、現3歳馬から産駒がデビューしたジャンポやタニノギムレットに押され影が薄くなっている状況なのである。
 そんなところにピンクカメオが芝のGT制覇に勝ち、同じフレンチ産駒のハイソサエティも7着に健闘したのである。昨年に続き、NHKマイルCは社台グループを救ったことになる。


 大混戦がささやかれた今年、あいにくの雨でいかにも滑って走りにくそうなコンディションに陥り、JRA重賞史上最高配当の3連単が飛び出す大波乱に終わった。それにしても難しい結末が導き出されたものだが、多くの有力馬が走りにくい馬場状態に苦しんだとはいえ、東京コースの1600mのビッグレースだから能力のない馬が快走できるわけもなく、好走馬を素直に讃えたい。そして今回の好走馬も、結果の出なかった馬も次に結びつけたい。

 勝ったピンクカメオは同じ1600mの桜花賞14着馬。ブラックホーク(9番人気の安田記念快勝)の半妹、内田博幸騎手、強運の金子オーナー、など終わってみればもちろん快走して不思議のない要素に溢れているが、これで東京コースに限れば2戦2勝。よほどこのコースが合うのだろう。内田博幸騎手の不可能さえ可能に変えてしまうかのような騎乗にいまさら驚くのも変だが、最初は中団の外にいたはずが、気がつくと4コーナーでは最後方。そこから1度、2度と進路をかえつつ残り400mを過ぎてから大外へ。

 さすがに本人でさえ「届くとは思っていなかった」というが、まとめて差し切ってしまった。それまでのピンクカメオとは、とてもではないが同じ馬とは信じがたい。これでオークスに挑戦することが決まった。反動も、距離2400mも心配だが、ウオッカの名がないオークスは有力馬がごく絞られ、登録馬をみると賞金400万の1勝馬まで出られそうな頭数に限られている。もし、また内田博幸騎手とのコンビが成立するようなら、チャンスなしとはいえない。

 人気のローレルゲレイロは、それにしても勝ち運に見放された不思議なオープン馬(まだ1勝馬)がいたものだ、と言うしかない。今回など、ギリギリまで抜け出しを待って、確勝のタイミングで抜けたと思えたが、伏兵17番人気の牝馬に200点ぐらいの競馬をされてしまった。一連のレースの中、上昇は乏しいように思わせて今回の馬体が一番良かったようにみえた。

 18番人気のムラマサノヨートーは、4コーナーでピンクカメオと同じような最後方にも近い位置から馬群に突っ込んで行っての好走だから、これも見事。ローレルゲレイロとともにキングヘイロー産駒の豊かな底力を示したとも言える。絶えず調教で動きながら実戦では生かしきれず、前々回500万を勝ったときも12番人気の穴馬。このあとも決して人気の中心になどならないだろうが、やがて波乱をもたらすのだろう。こういう馬はいつも存在する。

 人気上位馬のうち、大跳びのアサクサキングス、ダイレクトキャッチの2頭は、地盤が湿った馬場ならともかく、今回のように表面が滑る馬場はまったく不得手。返し馬の段階でもうギブアップだった。オースミダイドウは中尾調教師の心配した死角ばかりが前面に出てしまった。カリカリしすぎていたうえ、骨折の手術(麻酔)のあとの影響も少なからずあったのだろう。シャドウストライプは体がやや硬い面もあるので、バランスを崩しがちになる芝の重はまったく合っていなかった。

 上位3着までに、フルゲート18頭の出走馬の中の17番人気馬と、18番人気馬が食い込んだ歴史に残る大波乱のビッグレースだったが、多くのレースの中にとても必然の結末ではないと思いたくなるレースが、何割か何パーセントか出現するのはそれは仕方がないことで、でなければ世界110も120か国で競馬が行われたりすることはないのだから、こういう難しい結末もまあ時には受け入れるしかない。


今年はG1の血統を注目していこうと思っていますが、仮説としては、「底力を要求されるG1では、サンデー系はもうダメかも?」的なことを考えています。

皐月賞、天皇賞ともに、サンデーの血を父方or母方に持っている馬のほとんどがダメだったわけですが、今回もずいぶん露骨な結果でしたね。

【NHKマイルC 上位馬の血統】
着順 馬名 系統
母父
1着 ピンクカメオ フレンチデピュティ ノーザンダンサー系
Silver Hawk ロベルト系
2着 ローレルゲレイロ キングヘイロー ノーザンダンサー系
テンビー ノーザンダンサー系
3着 ムラマサノヨートー キングヘイロー ノーザンダンサー系
ヘクタープロテクター ミスタープロスペクター系
4着 シベリアンバード Stormy Atlantic ノーザンダンサー系
オーセイ リボー系
5着 トーホウレーサー チーフベアハート ノーザンダンサー系
サクラユタカオー プリンスリーギフト系



1着から5着馬まで、キレイに「父がNorthern Dancer系」という馬で占められました。
サンデーの血が掲示板のどこにもないというのも、すごいものだと思います。
ちなみに、6着のダノンムロー、これが母の父ノーザンダンサー系。
7着のハイソサエティーが父ノーザンダンサー系。
8着のマイネルシーガルも父ノーザンダンサー系。

余談ですが、キングヘイローの仔は今年の3歳が中島理論的に0遺伝の年回り。(←これはメチャメチャ簡略化して言うと、「強い場合が多い年回り」という感じです。)
中島理論は難解なので僕には受け売りすらできませんが、ムラマサノヨートーは中島理論的には好素質馬(なのではないか)と思います。以前ハマリにハマッてた頃なら、血統表見ただけで買ってしまうタイプ(^^;;
もう一度、勉強しなおそうかな(^^;;


今回はサンデーの血を持った馬がそもそも少なかったんですが、それにしても極端な偏りでした。
来週のヴィクトリアマイルはどうなりますでしょうか。

牝馬同士のレースはもしかしてサンデー系かな〜という気もするんですが、そのあたりも注目してみましょう


事前から混戦模様を騒がれていたNHKマイルCは、3連単970万馬券、3連複でも120万馬券という途轍もない結果を齎して1分34秒3の驚愕のドラマを終えた。

レースは、雨模様で稍重発表ながら重に近い状態の馬場でスタートした。

ハイソサエティー柴山騎手が絶好のスタートから半馬身程覗くが、すぐさま控えるとローレルゲレイロ、イクスキューズ、オースミダイドウ、マイネルレーニアが一気に先行争い‥。直後にゴールドアグリ、アサクサキングス、外目からトーホウレーサーも続く。

200mを過ぎた辺りで、マイネルレーニアとオースミダイドウの2頭がハナを主張し、横山騎手が強引に手綱を抑えて首を振って行きたがるイクスキューズを抑える‥、その後にアサクサ、ゴールド、ローレルが続き、外からトーホウレーサー、内にマイネルフォーグ、マイネルシーガル‥ハイソサエティー、キングスデライトと続く。

直後にシベリアンバードが外目から押し上げてくる。ワールドハンター、ピンクカメオ、ムラマサノヨートー、内目からダノンムロー、ダイレクトキャッチと続き最後方はシャドウストライプ。先頭から最後方まで12〜13馬身。

テンの3F 34.2 先頭を行くマイネルレー二アには楽でないペースで流れる。

4コーナーにかけて馬群が詰まってくる。

直線を向いて先頭はマイネルレーニア、直後にオースミダイドウ、3番手以降は横にズラーと内外に一列に並んでくる。
内目を突いたゴールド、イクスキューズ、アサクサの2番手集団の伸びが無くもがいている所を、最内から武豊ダノンムローは伸びてくる。
外目からシベリアンバード、ローレルゲレイロ、その外からやや遅れてトーホウレーサーが伸びてくる。

残り200mを切って、最内からダノンムロー、中央からシベリアンバード、ローレルゲレイロ、その間を狙ってムラマサノヨートーが迫ってくる。
少し遅れて外からトーホウレーサー。

3〜4馬身遅れて大外からピンクカメオが凄い脚で迫ってくる。

残り100mを切ってシベリアンバードとローレルゲレイロにムラマサノヨートーが懸命に迫る処を、外から一気にピンクカメオが内の3頭に並んで交わし去った。

外から並ばれた時に抵抗した分ローレルゲレイロが半馬身程シベリアンとムラマサの前に出る。

3着もムラマサが頭差前に出た所がゴールだった。

とても追いつきそうも無い処から一完歩づつ凄い脚で迫って、交わす時の迫力は、胡桃賞の走りを彷彿とさせてくれた。
牡馬相手の牝馬とは思えない迫力で、素晴らしい脚であった。

結果、ローレルゲレイロ以外先行馬総崩れの中でトーホウレーサーも頑張ったが、4コーナーで外を廻った分だけコースロスを挽回するだけの脚は残っておらず、5着が精一杯であった。

3着のムラマサノヨートーには驚かされた。流石に18人気の馬までは印は廻らない。ピンクカメオを取り込めても3連複、3連単を獲りそこなった人も多いことだろう。

エントリーの事前予想で書いた通り、ピンクカメオには究極の穴馬としての期待を込めていたし、思い入れもあった。阪神JF、桜花賞での余りに酷い惨敗が‥こんな馬では無い‥という気持ちもあったが流石に◎には出来なかった。
只、今回の勝利で、この馬に対する見る眼は間違っていなかった‥と嬉しい気持ちでG1勝利を喜んでいる。
ゴール










17番人気で強烈なオッズであったので、本線の◎トーホウレーサーからの馬券以外に、ピンクカメオ流しの一頭軸3連複と印馬への馬単を少々買っていた。
流石に、3連複は獲れなかったが、馬単8万馬券は手中に出来た。


ピンクカメオは負かしに早めに動いていたらまず勝っていなかった。人気薄の気楽さ、後方に下げてこの馬のペースに任せて乗っていたらそれが後半の伸びにつながった。


マイネルレーニアがハナに立ち、久々オースミダイドウ、口を割りながらイクスキューズがこれに続く。内からアサクサキングス、ゴールドアグリ、ローレルゲレイロの3頭が並びその後ろにトーホウレーサー、マイネルシーガル、ハイソサエティー、マイネルフォーグと4頭が一団。キングスデライトとシベリアンバードあたりが中団に付け、ワールドハンター、ピンクカメオ、ムラマサノヨートー、ダイレクトキャッチが続き最後方からダノンムローとシャドウストライプ。武豊と安藤勝己の2人が最後方に付ける展開でレースが流れる。

4コーナーから直線に入ると馬群が横に大きく広がり各馬横一線。後退したマイネルレーニアに変わってオースミダイドウが一旦は先頭に立ちかけるが、内からダノンムロー、外からシベリアンバード、ムラマサノヨートー、ローレルゲレイロがこれに並んでくるとオースミダイドウも失速。ダノンムローも止まりラスト50mでシベリアンバード、ムラマサノヨートー、ローレルゲレイロ3頭の叩き合いになったが、そこに一番外から突っ込んできたのがピンクカメオ。鞍上・内田博幸の豪腕に応え一気の伸び脚を見せると、内で争う牡馬3頭をまとめて交わし優勝。内田博幸は念願の中央重賞初制覇。2着にはローレルゲレイロが入り、際どい3着争いはアタマ差ムラマサノヨートー。ブービー人気のピンクカメオ、シンガリ人気のムラマサノヨートーがともに1、3着に入ったことで三連複120万、三連単は970万(中央歴代4位)の超高配当を記録した。

雨の東京競馬場と言うことで、内枠の先行馬(具体的に言うとアサクサキングス)の評価を上げたわけだが、終わってみれば1〜4枠の馬は全滅。11着から下を全て1〜5枠の馬で独占しているのだから順位表を眺めると壮観だ。ただ、だからと言って内が伸びなかったというわけではない。むしろ原因はペースだろう。最初の3ハロン34.2秒というのはイーグルカフェが勝った2000年、クロフネが勝った2001年、ロジックが勝った2006年とまったく同じだが、その3年が良馬場だったのに対し今年は稍重馬場(昨年は雨が降っていたが発表自体は良馬場だった)だったことを踏まえればやはりちょっと早い。最後の1ハロンが12.6秒と、その前の11.7秒からガクっと下がっていることからも序盤が割と厳しかったことが読み取れる。

そんなレース展開の中で1番強い競馬をしたのはローレルゲレイロ、そして1番上手く乗ったのはピンクカメオの内田・・・ではなくダノンムローの武豊だろう。ローレルゲレイロは先行馬が揃って直線失速していく中4〜5番手追走から唯一踏ん張った。最後も内のシベリアンバードに1度は前に出られるのだが、そこからもう一度伸びてこれを逆転しているのだからとてつもなく内容は濃い。本来ならそこで前に出て優勝、なのだがそれが出来ないのがこの馬のこの馬たる所以。朝日杯と同じように外からの強襲に合い、またも重賞の、GTのタイトルを掴みかけたところでするりと抜け落ちていった。かわいそうだがこういう(ダンツフレーム的)キャラなんだろうな・・・。昆調教師の「2勝目はいつになるのでしょう」コメントが悲しい。

素晴らしい騎乗だったのは武豊のダノンムロー。8枠17番からのスタートながらゆっくりとゲートを出るといきなりポツンと最後方。すぐさま最内に進路を取ると馬群に取り付いて内埒沿い後方2番手。これぞ武豊の真骨頂。予想は完璧無印だったがこの段階で思わず「やられた!」とある程度上位に来られることは覚悟した。直線も後退するマイネルレーニアやオースミダイドウに変わり最内をスルスルと伸びてきて昨年の再現が頭を過ぎったが、最後の最後で馬が止まってしまったのは、馬が1200mまでの経験しかなく、昨年と違って馬が適距離でなかったためだろう。仮にデビューから1度でもマイルを経験していたならば、もっと際どい結果になっていたかもしれない。この騎乗に関してはオーナーも「夢を見させてもらった」とコメントしたようで武豊も自身の日記で「爽快だった」と振り返っている。

さて勝ったピンクカメオ、道中こそ中団後方14〜15番手を追走していたが、4コーナーで進路を確保するのに手間取り、直線入り口ではほとんど最後方。直線だけで17頭全馬ゴボウ抜きしてきたことになる。最後の1ハロンが掛かったことも味方したが内田の豪腕もさすがといったところか。フレンチデピュティは前日の新潟大賞典のワンツーといい流れが来てますね。マイナス12キロの馬体重も間隔空いた桜花賞でひと叩きされた影響か(もっとも桜花賞自体それほど太めだったわけではないんですけどね)あとこの馬はくるみ賞から関東で○→関西で×→関東で○→関西で×のテレンコだったわけだが、だからってGT勝つとかやりすぎなわけで気がついていても拾えん(笑) 「東京1600mはこの馬の兄・ブラックホークがGT勝った舞台じゃないか!」みたいな感じで拾えた方が勝ち組ですね(^^; ラインクラフトといいデアリングハートといいNHKマイルCともっとも相性のいい前哨戦はNZTなんかじゃなくて桜花賞なんじゃないかと・・・。

3着にもローレルゲレイロと同じキングヘイロー産駒ムラマサノヨートーが入ったのだが、このへんは雨で馬場が湿ってリファールの血が騒いだとかだろうか。普段血統で予想してるんだから、雨が降った段階で「内枠」とか言ってないで「リファール」くらい言えってことですな(殴)コバジュンは時たま東京で激走するから怖い。

8着マイネルシーガルや10着ダイレクトキャッチはこの道悪馬場に苦戦。ダイレクトキャッチはこれで目標としていたダービー出走も絶望。ちょっと楽しみにしていただけに残念だ。

12着オースミダイドウもダービー出走に微妙らしい。賞金は十分足りているが、なんでも今回東京の神社のお祭りの太鼓の音でイレ込んだせいでカイバを食べなくなったとか(苦笑)で、神経が繊細すぎるがゆえ関東への輸送をあまりしたくないらしい。骨折とかケガの影響より、思わぬところに懸念材料があったものだ。

アサクサキングスも直線あっけなく失速し11着。思いの外何も出来なかった。ブービーに敗れたイクスキューズは結果次第でアメリカンオークスも視野に入っていたそうだが、中1週続きではこんなものだろう。


 先週、「NHKマイルCにピンクカメオが勝ったことで、評価が下がり気味だったフレンチデピュティが再評価される可能性がある」と書いたが、実は、その前日の新潟大賞典でもフレンチ産駒のワンツーだったわけで、しっかり複線が敷かれていたのである。ちなみに、昨年のNHKマイルに勝ったロジックは「勝ち上がり率は高いが、2勝目がない」と酷評されていた時期のアグネスタキオン産駒だった。
 今頃の時期は、種付けのシーズンであり、馬のセールに向かう頃でもある。となると、馬の値段を左右する種牡馬の価値を上げることは、生産者にとって重要な問題だ。で、今日のヴィクトリアマイルも、SS後継馬の中で後進に押されがちなフジキセキ産駒のコイウタが勝ってしまった。フジキセキ産駒の芝のGT制覇は初めてのことで、商売上、大きなセールスポイントになることは想像に難くない。先週、今週の競馬で、もっとも得をしたのは、フレンチデピュティ、フジキセキを繋養する社台グループなのはいうまでもない。  
ピンクカメオ
2人曳き。-12kg。シープスキンノーズバンド。削っても変わらずボリュームの有る造り。昨年とは別馬。歩様に力強さが出て来たのも大きい。好発。出脚もソコソコ有る筈だが、抑えて中段やや後方。道悪で尚の事だっただろうが、外も利く今開催の東京、各馬が早目に動いて横にバラけたところを一旦我慢させて立て直してから大外へ。結果的にブラックホーク同様の遅れ差しがハマッた。ただ、馬場の良し悪しに関わらず、改装後の東京に於いて遅れ差しで決まった重賞が一度として無く、能力判定しようが無いというのが正直なところ。良い脚が長く続かなさそうで、人気で走るタイプでは無いだろうが、下見の気配も良くなっているだけに、一概に全否定もし辛い。

ローレルゲレイロ
2人曳き。馬に集中力。馬体の張りも文句無く、デキだけなら文句無くコレ。好発。一旦はハナも覗かせていた位だったが、控えて好位。折り合い付いて、完璧に運んで、過不足無く運んでいるのだが、それでも差されてしまった。ただ、戦前は1番人気といっても、あくまで押し出されてのそれ。過去に述べた注文は変わっていない様に思えるが、取り敢えず今日のところは良く走っているという見方をしたい。

ムラマサノヨートー
毛ヅヤピカピカ。馬振りで差は有るが、デキ自体は良い筈。ゲートは出たが、大外枠でも有り無理せず、ピンクカメオと前後する位置。3〜4角は外を回っていたが、直線内へ切り替えて、一瞬脚を使ってここ迄。前走中山戦では4角でスズカコーズウェイに蓋をされていたが、陣営に言わせると臆病との事で、今日は大外枠が良い方に出たのだろう。しかし、伸びていたのは1F有るか無いか。これも末脚の持続力に課題が残る。

シベリアンバード
+12kg。数字はもっと増えても良い位。多少チャカついていたのは何時も通り。ゲート少し悪く、中段やや後方。これもインへ潜り、坂上で一旦抜け切っているのだが、そこで止まってしまった。従って、末脚の持続性云々の問題はこの馬にも当て嵌まるのだが、基本的にこれらの馬は早仕掛けだったという事になるだろう。ピンクカメオの項でも述べた様に、このパターンで決まった競馬が無い為、評価の基準が無く、次走が試金石。

トーホウレーサー
+6kg。この数字だと本来なら重く見せる筈なのだが、目下デキが良いのだろう。馬が張っていた。出脚速かったが、無理せず外枠でも有り好位。スムーズに回っているが、直線は案外だった。東京で先行馬がこれをやると意外に伸びない場合が多く、そのパターンにハマッた嫌いは有るのだが、前走中山戦で述べた様に、この馬自身も決め手不足。

ダノンムロー
-10kg。毛ヅヤは良いが、馬体に迫力を欠く。歩様にも伸びが欲しい。最初から行く気無かった様で、最後方迄下げてインへ。直線、伸び掛かっているのだが、これもハナを覗かせたところで止まってしまった。取り敢えず折り合っていたのは収穫。スプリントでは追走に汲々とするシーンが多く、マイルの方が良さそう。

ダイレクトキャッチ
2人曳き。テンション高いのは気にならないが、重厚感感じさせる馬が多く、この中へ入るとトモの厚みが足りない。例に依って後方。直線もそのままで終わったが、非力でトビの大きいタイプ。道悪は確実に向かない。

アサクサキングス
+8kg。叩かれて良化。造りにメリハリが出て来た。好位のインに居たが、直線はサッパリ。乗り役は内外の馬場差を言い訳にしていたが、それにしても案外の内容。道悪そのものがダメ?

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