佐賀記念・男の解の公式 | 川田将雅・武豊・逃げ馬を買え! |
王道路線
開催月 | レース | 2012年 |
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1月・2月 | 川崎記念(G1) | × |
佐賀記念(G3) | ○ | |
3月 | ダイオライト記念(G2) | × |
名古屋大賞典(G3) | ||
5月 | かしわ記念(G1) | |
6月 | 帝王賞(G1) | |
7月 | マーキュリーC(G3) | |
8月 | ブリーダーズGC(G2) | |
9月 | 日本テレビ盃(G2) | |
10月 | 白山大賞典(G3) | |
南部杯(G1) | ||
11月 | JBCクラシック(G1) | |
浦和記念(G2) | ||
12月 | 名古屋GP(G2) | |
東京大賞典(G1) |
九州地区で行われるもう1つの交流重賞・サマーチャンピオンが開催6回に対し、佐賀記念は今年で34回目を迎える歴史ある重賞。
1973年に開設記念として佐賀競馬場のダート1800mでスタートし、
その後は2000m、2500mと距離を変えながら、交流元年となった1995年の第23回大会から、現在の2000mで施行されている。
日程的に、中央でフェブラリーS、地方で川崎記念というビッグレースがあるため、中央勢から一線級の参戦がないのも事実だが、それでも近4年はJRA勢の優勝。
しかし、その前はミツアキサイレンスが2連覇するなど、地方勢にチャンスがないわけではない。
回 | 年度 | コース | 勝ち馬 | タイム | メモ | 勝負結果 | |
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第39回 | 2012 | 佐賀ダ2000m | ピイラニハイウェイ | 2.05.7 | 不良 レコード | ○ | |
第34回 | 2007 | 佐賀ダ2000m | サイレントディール | 2.07:4 | レコード | ○ | |
第33回 | 2006 | 佐賀ダ2000m | マイネルボウノット | 2.09:1 | |||
第32回 | 2005 | 佐賀ダ2000m | マルブツトップ | 2.08:6 | |||
第31回 | 2004 | 佐賀ダ2000m | クーリンガー | 2.10:4 | |||
第30回 | 2003 | 佐賀ダ2000m | エアピエール | 2.10:1 | |||
第29回 | 2002 | 佐賀ダ2000m | ミツアキサイレンス | 2.08:9 | |||
第28回 | 2001 | 佐賀ダ2000m | ミツアキサイレンス | 2.08:7 |
例年2月11日の建国記念日に行われている佐賀記念JpnVだが、今年はその祝日が週末と重なったため平日の開催。
この日の鳥栖周辺の最高気温は、日付が変わった直後に記録した3度で、雪の舞う寒い1日。
第8レースのあたりで一旦雪は止んだが、佐賀記念のスタート前には再び降りだした。
注目されたのは、もちろん兵庫のオオエライジン。
NARグランプリ2011の3歳最優秀牡馬に選出され、4歳になっての初戦だ。
対するJRA勢には重賞勝ちの実績馬が2頭のみ。
それも3年以上勝ち星がないマイネルアワグラスに、重賞勝ちは芝のみのキングトップガンというメンバーだけに、オオエライジンが1番人気となったのも当然だろう。
逃げたのは、過去にこの佐賀記念を5勝している武豊騎手のタカオノボル。
互角のスタートを切ったオオエライジンは2番手につけた。向正面に入ったところでオオエライジンがタカオノボルに並びかけた。
早めに先頭に立つと遊ぶ癖があるため一瞬ヒヤッとしたが、武騎手が並ばせまいと再び差を広げ、そこから徐々にペースアップ。
オオエライジンの木村健騎手は3コーナーを回るギリギリまで追い出しを我慢した。
前のタカオノボルもバテない。
これはオオエライジンには絶好の展開に思えた。
直線を向いて、やはりJRA勢とオオエライジンとの争いとなった。
しかしオオエライジンはなかなか突き抜けない。
そこに不意打ちのように内をすくって抜け出したのがピイラニハイウェイで、2日前の雨の影響が残る不良馬場だったこともあり、コースレコードでの重賞初制覇となった。
タカオノボルが1馬身差で2着に粘り、オオエライジンは外からマイネルアワグラス、メダリアビートに交わされ、残念ながら5着に終わった。
勝ったピイラニハイウェイは、これまでダートグレードでは4着が最高という成績で、JRA勢ではもっとも人気薄の6番人気。
鞍上は、父が佐賀の調教師ゆえ地元ともいえる川田将雅騎手。
佐賀のコースはラチ沿いの砂が深いため内が空くのは常だが、
「今日に関して言えば、思っていたより(内が)重くはない印象だったので、外に出せる並びではなかったこともあって、内に進路をとりました」という川田騎手の好騎乗が勝利につながった。
そして調教師代理として表彰台に立った後藤孝鎮調教助手は、佐賀の元ジョッキー。
“チーム佐賀”がもたらした勝利だったといえよう。
一方、オオエライジンは5着に敗れたとはいえ、勝ち馬からの着差は2馬身弱。
「前回が1400メートルだったこともあって掛かりぎみでした。上り1ハロンが中央馬との違いですね」と木村健騎手。
「距離は対処できるので、最後の1ハロンですね。馬を作り直して、また挑戦します」と橋本忠男調教師。巻き返しに期待したい。
スタートからバンブーエール、マイネルボウノット、クーリンガーが飛び出していきキングスゾーンは
今日はタガノインディーと並んで4番手から。
そのあとにナムラハンニバルがいてJRAで唯一中団に控えたのがサイレントディール。
以下11歳馬タイキシリウス、ザオリンポスマン、カシノコールミー、
シルキーゲイル、タフネスゴールドと続き1周目のスタンド前へ。
バンブーエールの逃げ、前はJRA3頭で展開が落ち着く・・・
と思った矢先一気に動いていったのが武豊とサイレントディール。
外から一気に先頭にまで上がっていったことで、落ち着きそうだった流れは一変。
急なペースアップについていけなくなる馬も増え、
2周目の向こう正面に入る頃には早くも馬群はタテ長。
逃げるサイレントディールにクーリンガー、マイネルボウノットが付いていくがバンブーエールは後退。
ナムラハンニバルは単騎7番手あたりを追走しているが
この流れについていくのがやっとで、先頭サイレントディールからは約10馬身とほぼ絶望的。
3コーナーに入るとマイネルボウノットも遅れ始め、
変わってキングスゾーンとタガノインディーの2頭が3番手に上がるが前2頭とは離れており、
直線はサイレントディール、クーリンガー2頭の叩き合い。
両者一杯になりながらも懸命に鞭を振るっての我慢比べは、
最後まで内のサイレントディールがクーリンガーを前に出さず半馬身のリードを保ったまま優勝。
06年ブリリアントS以来8ヶ月ぶりの勝利で重賞制覇は03年、あの初ダートだった武蔵野S以来となった。
とにもかくにも、「さすが武豊」である。
ペースが遅いと見るや一気にハナを主張し主導権を握っていったのは素晴らしい。
淀みのない流れを作り出したことで、実質最後まで付いてこられたのはクーリンガーだけ。
地方勢はこの速い流れに対応できず、紛れの生じない純粋な力勝負に持ち込んだ。
途中息を入れなかったことで勝ちタイム2:07.4は佐賀2000mのレコード。
最後はクーリンガーとの我慢比べも制し、内容的にはかなり濃いと言える。
本来ならば今週のフェブラリーSに出ていてもおかしくない実績馬だが
さすがに最近は全盛期のような勢いはなく、障害転向も噂されていたほど。
それだけにこの重賞勝利は嬉しい勝利となったことだろう。
この良い走りが長く続けばいいのだが・・・。
クーリンガーはこれで4度目の佐賀記念連対。
佐賀大好きだな、この馬(苦笑)最後までサイレントディールを追い詰めたが、あと1歩届かず。
とは言ってもこの馬自身もレコードタイムで走っておりまだまだ元気。
中央のレースでは厳しいが今後も中距離の交流重賞では中心になる。
2頭から遅れること6馬身、3着にはキングスゾーンが入った。
サイレントディールがペースを上げたときも慌てず4着に入ったタガノインディーと仲良く自分のペースを守っていたなという印象。
結果、前2頭からは離されたが下がってきたバンブーエール、マイネルボウノットを交わし2頭で3着争いを演じた。
地元の期待を背負ったナムラハンニバルはやはりJRA勢が作り出すペースに付いていけず。
名古屋GPのムーンバレイのときもそうだったが、やはり交流重賞では不振の中央馬>好調の地元馬なのね。
6着に終わったが、それ以上に前走完膚なきまでに下した
同じ佐賀の11歳馬タイキシリウスに先着されてしまったことのほうが悔しいのではないか。
マイネルボウノット7着に、バンブーエールは12着と前走に続きまたもシンガリ負け。
2頭に限らず、クーリンガー以外の10頭はすべてサイレントディールの仕掛けが誤算。
あそこでペースがスローに落ち着き、もう少し馬群が一塊で進んでいればまた結果は違ったであろう。
それでもサイレントディールがペースをちょっと上げただけであっさり付いていけなくなったバンブーエール、
頑張って付いていったが3コーナーでいっぱいになってしまったマイネルボウノット、
相当調子が悪いのだろうがちょっと中央馬としては情けない。
特にバンブーエール、前走はまだしもここでもシンガリ負けというのはJDD2着、ダービーGP2着の実績が泣くぞ・・・。
アロンダイトがいるとはいえ、やはりバンブーエール、マンオブパーサー、ヤマタケゴールデンら4歳ダート馬のレベルが低いな。
早くフラムドパシオンとフレンドシップ帰ってこないかね〜。