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ヌレイエフ

■ 特徴


■ 解説

 ノーザンダンサーの優れたスピード、スタミナ、パワーを伝える万能血脈として発展している。
 その祖となったヌレイエフは1978年の米国キーンランドのせりで最高値がついた馬だった。
 また英2000ギニーの失格で、G3を勝ったのみの競走成績だったにもかかわらず、1000万ドルの高額シンジケートが組まれた馬でもある。
 ノーザンダンサーの偉大さは、後継種牡馬が競走成績にかかわらず、血統の良さを伝えて成功する例が続出したことにあった。
 高額シンジケートはその可能性への投資でもあったが、ヌレイエフはその金額に見合うどころかそれ以上の大成功を収め、
 ノーザンダンサー中期の大種牡馬となった。
 気性の激しさからヌレイエフ自身はマイラーだったが、
 近親にサドラーズウェルズ(欧州の長距離界に君臨した名種牡馬)がいて、母系はステイヤー色が強かった。
 ヌレイエフはこの本来のスタミナも伝え、名マイラーを出す一方でパントレセレブル(凱旋門賞、輸入種牡馬)、シアトリカル(BCターフ)、
 リームスオブバース(英オークス)といった名ステイヤーも出している。
 日本では外国産馬のブラックホーク(安田記念)、遠征馬のハートレイク(安田記念)が活躍。
 また後継種牡馬のシアトリカルからはヒシアマゾン(エリザベス女王杯)が活躍した。しかし、大物の輸入種牡馬は全体に不振に終わった。
 ただ、母の父としては海外と同じく日本でも優れ、ジャングルポケット(日本ダービー)、ゴールドアリュール(フェブラリーS)、
 トゥザヴィクトリー(エリザベス女王杯)、イーグルカフェ(ジャパンCダート)といった大物が続出している。


 マイラー血統に違いないが、晩年になって凱旋門賞馬パントレセレブル、英オークス馬リームオブヴァースの中長距離馬も出した。
 母系近親にサドラーズウェルズ、持続するスピードを持ち味とし、力の勝負に強い。
 ただ、本格化前はツメの甘さがある。これはヌレイエフ系種牡馬の全般に言えること。
 母父として優れ、種牡馬としての特徴を伝えている。


 ヌレイエフ(1977年生)は、サドラーズウェルズやフェアリーキングの母フェアリーブリッジ(1975年生)やジェイドロバリーの母ナンバー(1979年生)と姉弟?兄妹?になります。
 母のスペシャルはアルゼンチン血統のフォルリ産駒。つまりヌレイエフはノーザンダンサー×BMSフォルリとなります。
 このフォルリの血が、ヌレイエフにスケール、活力を与えました。

 フランスのリーディングサイアーになったこともあるヌレイエフは、ヨーロッパで大種牡馬として君臨しました。
 牝馬にしてヨーロッパ史上最強マイラーと言われるミエスク、
 そして種牡馬としてはソヴィエトスター、ジルザル、シアトリカル(ヒシアマゾン父)、フォティテン(ワンダーパヒューム父)、ウルフハウンド、
 ステートリードン、ハートレイク、スピニングワールド、ブラックホーク、パントレセレーブルなどが日本でも知られている産駒の例でしょう。

 ヌレイエフの系統は、まずハイペースに強いのが特徴です。
 他の馬が音を上げるような展開で、ある程度好位置につけ、しかも前崩れを待つ事無く直線でスパッと切れます。
 よくヌレイエフ系を瞬発力に欠けるという記述を見かけますが、僕の定義「瞬発力=瞬時にトップギアに入れる能力」に照らし合わせると、ヌレイエフは紛れもない瞬発力血統です。
 モタモタしているヌレイエフ系は記憶にないですし、また実際レースラップが上がったところでスッと対応して上昇していくことがほとんどです。
 なお瞬時に点火した脚を長く使うためには、母父の助けが必要となり、母方が持続力型血統である事が必要となります。
 ヒシアマゾン(母父ノノアルコ)、ブラックホーク(母父シルヴァーホーク)、ハートレイク(母父ネイティヴダンサー系)がその例です。

 距離適性は基本的にはマイラー寄りのラインに見えますが、ただこれも母方の影響が大きく出ます。一概に決め付けない方がよいでしょう。
 ヨーロッパでその種牡馬が競走馬時代マイラーだったからと言って、日本でもマイラーを出す・・・・とは限らないことは皆さんよくご存知の所でしょう。
 話を戻すと、マイルは距離区分の中でも、たいてい他の距離より厳しいペース、レースになりがちです。
 ヌレイエフの子にA級マイラーが多いのは、距離適性が動向と言うよりも、上で述べたようにハイペースの厳しい展開に強いからだと思います。

 ただこの系統は芝向きだということは明確に言えます。
 ダートで走っている馬は3流止まり、1歩譲っても(そんな言い方があるかどうか知りませんが)2.5流止まりです。
 ダートでは下級条件でのハートレイク、ソヴィエトスター産駒(トウショウトリガーはいるが)だけ注意しておけばよいでしょう。
 ちなみにハートレイク産駒はJRAではいまだデビュー戦勝ちをした馬がいないはずです。

 またヌレイエフ系は芝の道悪はかなり巧いと思います。
 ここまでの所をまとめると、

  〔1〕ハイペースが見込める展開で狙い
  〔2〕芝の道悪も狙い
  〔3〕距離適性は母方を含めて考える


 ・・・ということになりますが、現在ヌレイエフ系でバリバリ頑張っているのはスピニングワールドくらいですよね。
 よってスピニングワールドの取捨という風にお考え頂いても結構です。
 なおスピニングワールド産駒でリヴァーマンの3×3を持つワールドスケールはイチかバチかの「イチ」に出ましたね。この馬、僕はかなり買っています。


■ 代表種牡馬