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セントサイモン系

■ 特徴


■ 解説

 エクリプスの誕生からおよそ1世紀後、19世紀のおわりごろになると全盛を誇ってきた主流父系が次々と勢力を失い、イギリス生産界に深刻な影を落としていた。

 そんなとき、末端の傍流父系から彗星のごとく登場し、血統革命の嵐を巻き起こしたのがセントサイモンだった。
 デビューするや圧勝に次ぐ圧勝で、10戦不敗のまま引退。「エクリプスの再来」と騒がれたが、確かにエクリプスと同じく猛獣のように荒々しかった。
 気性を少しでもやわらげようと馬房に猫を放したところ、口にくわえて天井にたたきつけ、死なせてしまったエピソードが残っている。
 セントサイモンは初年度産駒が3歳になった1890年、英リーディングサイヤーに輝くと以後計9回もその座に君臨し、従来の主流父系をことごとく駆逐していった。

 「サラブレッドの能力を一挙に高めた名種牡馬」とも、「100年に1頭の名種牡馬」ともいわれたが、たしかにセントサイモンの仔と他の種牡馬の仔では、その能力がまるで違っていた。
 毎年のクラシックもほぼ独占状態だったが、後継種牡馬も相次いで成功。
 1910年代になるとイギリスの種牡馬ランキングは、セントサイモンとその後継種牡馬が上位のほとんどを占めるまでになった。

 しかし、セントサイモン系の繁栄は永続きせず、あっけなく崩壊していく。
 セントサイモン系に群がりすぎて血の飽和を招いたこともあるが、母の父として強い影響を及ぼしたことが大きかった。
 母系に入ったセントサイモンの血が、他父系の種牡馬に“蘇生の息”を次々と吹き込んでいったのである。それがセントサイモン系の種牡馬たちを窮地に追いやることとなった。

 リボー系はいまや数少なくなっているが、この血を持つと大レースに強い傾向がある。
 タフだが、ムラ馬になりがちで、芝の道悪が得意。


■ 小系統