トップ > 男の馬券戦略 > 血統 > ネアルコ系 > ターントゥ系

ターントゥ系

■ 特徴


■ 解説

【ロイヤルチャージャー系】
ネアルコから派生したナスルーラ系の派手な発展に比べると、ロイヤルチャージャー系は地味な存在だった。代表産駒が種牡馬として案外だったのである。だが、唯一成功したターントゥから、優秀な後継種牡馬がサーゲイロード、ファーストランディング、ヘイルトゥリーズンと3頭も出て、ようやく飛躍へ第一歩を踏み出した。次いでヘイルトゥリーズンから出たヘイローとロベルトが勢 力を拡大。そこにノーザンダンサーが血統革命を巻き起こしたことで、さらなる飛躍の糸口をつかむこととなった。急増するノーザンダンサー系の繁殖牝馬と、ヘイロー系、ロベルト系の種牡馬が抜群の相性を示したのである。ロイヤルチャージャーは1942年の生まれで、ナスルーラの近親馬だった。イギリスでマイラーとして走ったが、ネアルコ産駒としては一流半の競走馬でしかなかった。だが、ナスルーラと同じく種牡馬となって成功し、欧州よりもアメリカで成功し、今日の発展の基礎を築いた。ロイヤルチャージャーが欧州で出したロイヤルチャレンヂャー(ミドルパークS)は日本に輸入され、名馬スピードシンボリ(有馬記念2回)の父となった。このスピードシンボリは1984年の三冠馬シンボリルドルフの母の父となっている。一方、ロイヤルチャージャーがアメリカで出した大物には、モンゴ(ワシントンDC国際)、ロイヤルオービット(プリークネスS)、フランシスエス(ウッドメモリアルS)、がいる。だが、今日のサンデーサイレンス、ブライアンズタイムを生む貴重な継承役を果たしたのは、競走成績でやや見劣ったターントゥだった。

【ターントゥ系】
ロイヤルチャージャー系を今日の発展に導いたターントゥは、1951年にイギリスで生まれた。名馬と呼ぶほどの競走成績ではなかったが、産駒のサーゲイロード、ファーストランディング、ヘイルトゥリーズンの3頭がそれぞれ後継種牡馬として大成功し、飛躍への足がかりをつくった。サーゲイロードはサーアイヴァー(英ダービー)、ハビタット(ムーランドロンシャン賞)を出し、この2頭が欧州におけるロイヤルチャージャー系の地位をまず押し上げた。ハビタット系は1970〜80年代の欧州競馬で、一流のスピード血統として栄えたが、母の父としてはスタミナを伝えて大成功している。日本におけるハビタット系では、マイルの王者として君臨し、種牡馬となっても成功したニホンピロウイナーが有名である。ファーストランディングはアメリカの一流馬で、種牡馬としてもリヴァリッジ(ケンタッキーダービー、ベルモントS)、ファーストファミリー(ガルフストリームH)を出した。ファーストファミリーは日本に輸入され、ホウヨウボーイ(有馬記念、天皇賞)を出している。ヘイルトゥリーズンはターントゥ系のなかで最も成功し、その後継種牡馬のロベルト、ヘイローが大成功して父系を今日に発展させた。ともにノーザンダンサーの血を引く牝馬と相性の良さを示し、それが飛躍の原動力となった。その流れはやがて日本にも波及し、リアルシャダイ、ブライアンズタイム、サンデーサイレンスの大成功を呼び込むこととなった。

【ヘイルトゥリーズン系】
日本におけるロイヤルチャージャー系は、古くはスピードシンボリ(有馬記念2回)が有名だが、発展性に欠けて長く傍流父系の道を歩んできた。しかし、支流父系のヘイルトゥリーズン系から出たリアルシャダイ、ブライアンズタイム、サンデーサイレンスが相次いで大成功し、日本を代表する主流父系へとのし上がった。ヘイルトゥリーズンは抜群の仕上がりを見せて2歳の1月にデビューし、アメリカの主要2歳重賞レースを勝ちまくったが、9月になって種子骨をいためて引退が決まった。このときすでに18戦9勝のキャリアで、翌1961年には3歳になったばかりで種牡馬入りしており、何から何まで早かった。初年度産駒がデビューすると、これまた早くも重賞勝ちラッシュ。さらに1970年には、前年まで6年連続で米リーディングサイヤーとなっていたボールドルーラーを引きずり下ろし、米リーディングサイヤーに輝いた。同年のアメリカ年度代表馬に選ばれたパーソナリティ(プリークネスS、輸入種牡馬)の活躍がものをいった。以後もヘイルトゥリーズンからはロベルト(英ダービー)、ヘイロー(ユナイテッドネーションズH)、ボールドリーズン(トラヴァースS)、ストップザミュージック(シャンペンS)といった活躍馬が続々と誕生。これらは後継種牡馬としても成功したが、とくにロベルト、ヘイローの2系統が大成功して今日の発展へと導いた。どちらもノーザンダンサー系牝馬との和合性に優れ、それが躍進の原動力となった。

 ターントゥ系は今、日本でもっとも大レースに強い血統。
 古くはリアルシャダイ、そしてサンデーサイレンス、ブライアンズタイムと90年代後半から00年代前半を牽引した2大種牡馬。
 そしてクリスエス、タイキシャトルなど。リアルシャダイ以外は瞬発力に富むのが最大の特徴。


■ 小系統