■ 解説
現役時代はジャックルマロワ賞(GT)を勝っている。
種牡馬として初期には牝馬の活躍が目立った。
だが、その後にダンシングブレーヴ、マニラを出して名種牡馬の地位を不動のものにした。
マイルから2400mを守備範囲とするが、得意距離は産駒によって異なる。
底力もあり大レースで一変した。母父としても成功している。
母父リファールの産駒は軽快なスピードに欠くものの、一完歩ずつ確実に伸びる。見方を変えれば詰めが甘い。
距離は万能タイプで、成長力は強。
日本におけるリファール系の先駆けはシリウスシンボリ(ダービー)やメジロラモーヌ(牝馬3冠)、
レガシーワールド(ジャパンC)などを出したモガミ、ニッポーテイオー(安田記念、天皇賞秋)、アイランドゴッテス(関屋記念他)などを出したリィフォーです。
モガミは上記馬のラモーヌやシリウスの活躍で、「新しいクラシック血統か」と思われたものの、気性の難しさが表に立ってムラ馬が目立ち、成績不振の産駒がかなり増えてしまいました。
しかもスピード対応ができずに没落、昭和60年代半ばからは障害馬の父として一時代を築く事になります。
またリィフォー産駒は、日本ではマイルから二千で安定していたものの、ニッポーテイオーは例外の大物で、B級止まりの馬を輩出する中堅種牡馬というのが、当時のイメージでした。
ちなみにリィフォーのヨーロッパでの産駒からは、ダイワテキサスを出したトロメオ、そしてダンツフレームの母父サンキリコなどが日本で繁殖生活を送りました。
その後、リファール直子のツィンクルブライド(桜花賞2着)、フランス馬スキーパラダイス(京王杯SC)などがポツポツと活躍していましたが、
再びこの系統が脚光を浴びることになったのはダンシングブレーヴによってです。
80年代の欧州最強馬とも言われるダンシングブレーヴは、マル外の父として宝塚記念2着のダンシングサーパスを送り込んでいました。
そしてマリー病という奇病を克服して日本で繁殖生活の後半を送り、エリモシック、キョウエイマーチ、キングヘイロー、テイエムオーシャン、ジョウテンブレーヴなどを送り出しました。
さらに、ヨーロッパでの産駒からコマンダーインチーフ、ホワイトマズルが種牡馬として日本で活躍中です。
現在走っているリファール系について言えば、コマンダーインチーフを除いて、概して距離は2000m以下がベターです。
現役時代の競走成績は2400m前後に集中していますが、日本での産駒となると2400は長すぎるという馬が多いのが特徴です。
ホワイトマズル産駒のスマイルトゥモローはオークスを勝ってますが、あれは異常にレベルの低い年だったことと、スローで距離適性以外のものが求められたからで、例外として片付けた方が良いです。
よく例外を持ち出すと失望するピュアな人がいますが、例外を飲み込まないとどんな戦略も破綻します。
話を元に戻すと、コマンダーインチーフ以外のリファール系は、以前述べた定義に従うと瞬発力型に分類されます。つまり「瞬時のペースアップに対応できる」ということ。
ただし、距離適性の面でもそうですが、コマンダーインチーフだけは本当にリファール系の鬼っ子で、持続力型種牡馬の典型となります。
リファール系全体に共通するのは、
〔1〕芝の道悪に強い!
〔2〕ダートなら脚抜きの良い中距離で狙い
〔3〕ローカル・・・というより直線に坂のないコース、特に洋芝で切れる。
そして最も覚えておいて頂きたいのが...
〔4〕春に大活躍する。3月から5月初旬までは毎年集中して好走する。
これらは覚えておくとかなり役立つはずですよ。
■ 代表産駒