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天皇賞(春)(G1)

【天皇賞春・男の解の公式】 日経新春杯、大阪HC好走組を狙え!
モデル馬 ビートブラック

あと重要なのが、

菊花賞組、特にダンスインザダーク産駒は買うな!

■ 傾向

明治38年5月6日に横浜の日本レースクラブが、
明治天皇から下賜された「御賞杯」を懸けて競った「エンペラーズカップ」が天皇賞の前身で、
翌39年には東京競馬倶楽部にも御賞典が下賜され、
その後、阪神、小倉、福島、札幌、函館の計7つの競馬倶楽部で「帝室御賞典競走」が施行されるようになった。

しかし、各競馬倶楽部が独自の競走条件で施行していたため、
競走名こそ同じものの、レースの性格は統一されたものとはいえず、
昭和12年に各競馬倶楽部が統合されて日本競馬会が誕生したのを機に、
「帝室御賞典競走」は春が阪神、秋が東京と、東西で年2回施行されることになり、
第1回の12年秋は2600m、13年春が2700mで、3歳以上の馬によって争われた。

13年秋から4歳以上の3200mとなり、戦争で中断される19年春(この時は能力検定競走として非公開で施行)まで続き、
戦後の22年春に「平和賞」の名で復活。同年秋から現在の名称である天皇賞となり、
春が京都、秋は東京で施行され、長い歴史を誇る天皇賞は古馬最高の栄誉とされてきた。

56年に勝抜制が廃止され過去の優勝馬にも出走権が与えられ、59年には秋の天皇賞の距離が2000mに短縮、
さらに62年には3歳馬にも秋の天皇賞への出走権が与えられた。

これにより春は4歳以上のステイヤーの日本一を決定するレース、
秋は3歳以上で中距離のナンバーワンを決めるレースと、その性格が明確に分けられた。

日付 馬場状態 ラップ RPCI 3連単 勝負
結果
着順 馬名 種牡馬 母父馬 人気 着差タイム 補正 走破タイム 枠番 通過順1-4 上り3F 前走レース名 前走着順 前走場所 前走距離
120429 13.0-
11.6-11.3-11.7-
12.4-11.9-11.9-
12.7-12.7-12.7-
12.1-11.9-11.4-
11.7
-12.3-12.5
45.7 1452520 ビートブラック ミスキャスト ブライアンズタイム 14 -0.7 121 3138 1  02-02-01-01 36.5 阪神大賞G2 10 阪神 芝3000
トーセンジョーダン ジャングルポケット ノーザンテースト 3 0.7 114 3145 8  07-07-07-05 34.0 産経大阪G2 阪神 芝2000
ウインバリアシオン ハーツクライ Storm Bird 2 1.0 111 3148 6  12-12-12-12 33.5 日経賞G2 中山 芝2500
110501 13.2-
11.7-12.9-13.0-
13.4-12.5-12.9-
12.6-13.9-12.6-
12.0-12.2-11.7-
11.4-12.1-12.5
55.8 189840 ヒルノダムール マンハッタンカフェ ラムタラ 7 -0.1 122 3206 1  09-08-07-06 35.3 産経大阪G2 阪神 芝2000
エイシンフラッシュ King's Best Platini 3 0.1 121 3207 7  09-10-10-08 35.2 産経大阪G2 阪神 芝2000
ナムラクレセント ヤマニンセラフィム サクラシヨウリ 5 0.3 119 3209 2  11-10-01-01 36.3 阪神大賞G2 阪神 芝3000
100502 13.3-
11.9-12.0-11.5-
12.0-11.6-12.2-
13.8-13.5-12.8-
12.6-12.5-11.8-
11.3-11.4-11.5
61.6 911660 ジャガーメイル ジャングルポケット サンデーサイレンス 2 -0.1 121 3157 6  09-08-07-05 33.7 京都記念G2 京都 芝2200
マイネルキッツ チーフベアハート サツカーボーイ 4 0.1 120 3158 8  02-02-02-01 34.2 日経賞G2 中山 芝2500
メイショウドンタク マンハッタンカフェ Machiavellian 16 0.9 112 3166 2  06-06-03-02 34.9 大阪―ハH 11 阪神 芝2400
090503 13.3-
11.7-11.4-12.2-
11.6-11.9-11.9-
13.0-13.0-12.7-
12.7-12.2-11.7-
11.8-11.3
-12.0
54.5 221080 × マイネルキッツ チーフベアハート サツカーボーイ 12 -0.0 121 3144 1  10-10-04-04 34.9 日経賞G2 中山 芝2500
アルナスライン アドマイヤベガ El Gran Senor 4 0.0 121 3144 2  08-06-07-04 34.8 日経賞G2 中山 芝2500
ドリームジャーニー ステイゴールド メジロマックイーン 5 0.3 118 3147 6  12-12-11-07 34.9 産経大阪G2 阪神 芝2000
080504 13.3-
12.1-11.4-12.2-
12.1-12.2-11.8-
12.8-12.6-12.5-
12.7-12.3-11.8-
11.3-11.5-12.5
54.1 13500 × アドマイヤジュピタ フレンチデピュティ リアルシヤダイ 3 -0.0 121 3151 8  11-11-10-05 34.7 阪神大賞G2 阪神 芝3000
メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ 2 0.0 121 3151 5  09-09-06-03 34.9 産経大阪G2 阪神 芝2000
アサクサキングス ホワイトマズル サンデーサイレンス 1 0.4 117 3155 8  03-04-02-02 35.5 産経大阪G2 阪神 芝2000
070429 13.2-
11.9-11.8-11.6-
11.8-11.6-11.8-
13.0-12.9-12.4-
13.0-12.5-11.8-
11.2-11.3
-12.3
56.0 306390 × メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ 2 -0.0 118 3141 3  08-09-06-02 34.7 産経大阪G2 阪神 芝2000
エリモエクスパイア スキャターザゴールド コマンダーインチーフ 11 0.0 118 3141 8  07-07-06-04 34.6 日経賞G2 10 中山 芝2500
トウカイトリック エルコンドルパサー Silver Hawk 4 0.0 118 3141 6  06-06-06-10 34.4 阪神大賞G2 阪神 芝3000
060430 13.0-
11.7-11.5-11.9-
12.2-12.2-12.0-
13.2-12.6-12.7-
12.9-12.7-11.3-
11.0-11.2-11.3
63.5 4320 × ディープインパクト サンデーサイレンス Alzao 1 -0.6 127 3134 4  14-14-04-01 33.5 阪神大賞G2 阪神 芝3000
リンカーン サンデーサイレンス トニービン 2 0.6 121 3140 6  05-05-04-02 33.7 日経賞G2 中山 芝2500
ストラタジェム サンデーサイレンス Sadler's Wells 8 1.4 113 3148 1  14-15-10-05 34.3 日経賞G2 中山 芝2500
050501 13.3-
12.1-12.3-12.6-
12.5-12.6-11.7-
12.9-12.5-12.3-
12.4-12.3-12.1-
11.6-11.4-11.9
58.1 1939420 スズカマンボ サンデーサイレンス Kingmambo 13 -0.2 120 3165 5  10-11-10-08 34.1 大阪―ハH 阪神 芝2500
ビッグゴールド ブライアンズタイム Mr. Prospector 14 0.2 118 3167 8  02-02-02-01 34.9 大阪―ハH 阪神 芝2500
アイポッパー サツカーボーイ サンデーサイレンス 4 0.2 118 3167 7  10-10-09-06 34.5 阪神大賞G2 阪神 芝3000
040502 13.2-
12.0-12.0-12.0-
12.7-12.3-12.1-
13.5-12.8-12.4-
12.7-12.4-12.2-
11.6-12.1-12.4
52.9     イングランディーレ ホワイトマズル リアルシヤダイ 10 -1.1 123 3184 3  01-01-01-01 36.1 ダイオG2 船橋 ダ2400
ゼンノロブロイ サンデーサイレンス Mining 4 1.1 112 3195 8  05-05-04-04 35.1 日経賞G2 中山 芝2500
シルクフェイマス マーベラスサンデー Caerleon 5 1.4 109 3198 4  03-03-02-02 35.6 京都記念G2 京都 芝2200
030504 13.0-
12.2-11.9-11.9-
12.4-12.4-12.2-
12.9-12.7-12.2-
12.9-12.3-11.9-
11.7
-12.1-12.3
51.4     ヒシミラクル サツカーボーイ シエイデイハイツ 7 -0.1 122 3170 6  11-11-09-07 35.6 産経大阪G2 阪神 芝2000
サンライズジェガー リアルシヤダイ トウシヨウボーイ 8 0.1 121 3171 7  14-14-13-12 35.4 阪神大賞G2 10 阪神 芝3000
ダイタクバートラム ダンスインザダーク サクラユタカオー 1 0.1 121 3171 6  11-11-12-08 35.6 阪神大賞G2 阪神 芝3000
020428 13.3-
13.5
-12.8-12.9-
13.2-12.4-12.0-
13.4-13.0-12.9-
12.7-11.9-11.2-
11.4-11.1-11.8
65.2     マンハッタンカフェ サンデーサイレンス Law Society 2 -0.0 124 3195 4  05-05-05-05 34.1 日経賞G2 中山 芝2500
ジャングルポケット トニービン Nureyev 3 0.0 124 3195 6  07-07-07-07 34.0 阪神大賞G2 阪神 芝3000
ナリタトップロード サツカーボーイ Affirmed 1 0.1 123 3196 5  05-05-05-04 34.3 阪神大賞G2 阪神 芝3000

■ 持続力タイプを狙う

まず、馬の能力の必須条件として、脚質に関わらず持続する長い脚がないと、ペースアップする最後の下り坂+直線で失速する。
極端なスローの瞬発力勝負が想定されない限り、一瞬切れる瞬発力で好走してきた馬はまず不要。
最後の直線は必然的にどの馬も加速されるので、アガリ3Fのタイムだけ比較しても意味がない。大事なのは直線で脚を持続させられること。
ステイヤー適性が問われるのは勿論だが、むしろ折り合える捌きの巧い鞍上のほうが大事。
折り合い難がある馬や折り合いところを掴みきれてないテン乗りの鞍上の場合は割り引いて考える必要がある。
また、馬場状態にもよるが、開幕2週目の施行なので京都の高速馬場は拍車をかけて速くなり、ペース次第では前が止まらないレースとなる。

よく長距離レースになると「血統的にどうか?」という議論が盛んになるが、
そのような議論は、少なくとも馬券においてはあまり重要ではない。

すでにこの舞台に上るまでに、馬に詳しいプロ達によって、長距離馬としての淘汰はほぼ完了しているからだ。
少なくとも1200やマイルがいい馬は出ていない(たまにはいる)。
かといって、欧州の本格的なステイヤーがトライアルから出走したら、前哨戦でもボロ負けしたマカイビーディーヴァのように、
本来なら出走も適わない実力のはずだ(日本では1000万レベルで低迷の可能性もある)。

よってポイントになるのは血統的な重さ(スタミナ)ではなく、瞬発力や、京都の坂下りを利用した米国的なスピードの持続性である。
これらの要素は、欧州的なスタミナとは相反する能力でもあるため、ただ単にスタミナを問うだけならば減点材料ともいえる要素だ。

しかし、実際に最近の天皇賞春で好走した馬の血統を見ると、完全なステイヤー(バリバリ欧州といってもいいかもしれない)とは「ズレた」要素を持つ馬が多いのである。
今年の天皇賞春も、サンデーサイレンスやノーザンテーストといった軽さ、
瞬発力を強調する血や、ミスタープロスペクター系やボールドルーラー系といった米国的な持続力を強調する血がポイントになるのではないか。

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■ 2012年回顧

天皇賞・春
2012年04月30日(月)18時00分
注目数:123人
 レースのあと、注目のオルフェーヴルのあまりのレース内容に「むなしく、残念な空気」ばかりが流れた。しかし、そのことは置いて、例によってGIの週に多い異常な高速の芝に転じたコンディションを考慮しても、伏兵ビートブラック(父ミスキャスト)の歴代2位となる3分13秒8の圧勝劇は賞賛しなくてはならない。レコードと0秒4差である。

 おそらく最初は控えるだろうオルフェーヴルを中心に、人気上位馬は差しタイプ。高速馬場が判明するにつれ先行馬の再チェックが行われたが、ビートブラックは前回の阪神大賞典3000mは大失速して4秒0差の大敗(10着)。そのビートブラックの果敢な先行策と、ましてやそのまま押し切って4馬身差の独走があるなど想像を超えていた。単勝15,960円は納得。しかし、それでも3連単は1,452,520円にとどまったから、3連単ファンの買い方はうまい。

 石橋脩騎手の勝利コメントにも再三出たように「行かなければレースにならない」と思える高速の芝。好スタートのビートブラックは最初、あくまで先手を主張したゴールデンハインドの2番手に下げたが、2周目の3コーナーから早くも自力で強気なロングスパートをかけた。レース全体の流れは、800mごとに分けると、47.6-48.9-49.4-47.秒=1分36秒5-1分37秒3。

 前後半の1600mにたった0.8秒の開きしかない完ぺきなまでの一定ペースで、最初の1ハロンを別にするとハロン13秒台は一度もないから見事だった(奇しくも昨秋の菊花賞と同じ)。なおかつ、3200m3分13秒8は、ビートブラック(石橋脩騎手)がほぼ自力で記録したタイムである。

 2006年、それまでの天皇賞・春のレコードを大幅に短縮したディープインパクトの3分13秒4のレース中身は、次のようだった。

48秒1−49秒6−50秒9−44秒8=1分37秒7−1分35秒7

 ディープインパクトの3コーナーからの強烈なロングスパートと、最後の4ハロンをすべて11秒台でまとめての上がり3ハロン33.5秒はまさに驚異。規格外に近いが、タイプの異なるビートブラックは前半からペースを落とすことなくほぼ一定のペースで先行し、かつ3コーナーでゴールデンハインドを交わして11秒台にピッチをあげた。ここの決断が素晴らしい。それでそのまま押し切ってみせたから、こと3200mの記録とするとディープインパクトの日本レコードとさして違わない価値を認めたい。

 2着に追いあげたトーセンジョーダン、3着に伸びてきたウインバリアシオンは、前半の1600m通過地点で先行のビートブラックから少なくとも20〜25馬身あったから、推定1分40秒0近い前半の通過か。離して飛ばした先行馬のいなかった2006年のディープインパクト自身の前半1600m通過も、だいたい1分40秒0前後だった。推測なのでもちろん誤差はある。

 したがって、トーセンジョーダン(岩田康誠騎手)、さらにそのあとにいたウインバリアシオン(武豊騎手)は、まさかビートブラックがそのままのペースを保って粘り込むとは思いもよらなかったが(ファンとも同じ)、2頭はディープインパクトではないから、あのペースで前半の1600mを通過した時点で、3分13秒台で乗り切ることは不可能である。

 ビートブラックに4馬身、さらに2馬身の差をつけられての完敗は、対ビートブラックではなく、同じ位置にいて一気に進出して行ったディープインパクトを仮想の勝ち馬とすると分かりやすい。ディープインパクトのように3200mで上がり44秒台(推定5ハロン56秒台)など、それは不可能。だから、あの位置にいた時点で、どういう差し追い込み馬もディープインパクトのように3分13秒台は無理となった。

 ところが、先行したビートブラックはまったく逆の戦い方で、芝状態を読み、レース前にはとても無理だろうと思えた高速の3200mを乗り切ってみせたのである。石橋脩騎手は、ふだん夢中になるとあまりにも鞭を連打しすぎるとされるが、この天皇賞・春のペース感覚と、スパート判断は、決して「イチかバチか」ではない。歴史的な好騎乗である。

 長距離重賞で、評価の低い伏兵先行馬の逃げ込みを許したときの、人気の差し=追い込み馬の騎手の心情はつらい。つまるところ「ペース判断ができなかった。的確ではなかった」ということになるが、今回はビートブラック(石橋脩騎手)があまりに素晴らしすぎたから、仕方がない面もあるだろう。ただし、負けた人気上位馬の上がりは3200mのGIなのにまだみんな脚があった「33秒台〜34秒0」である。どうみても前半あまりにタメ過ぎていたことは否定できない。

 多くの人びとに、「いったいどうしたのだろう」。あまりにも残念なレースの印象を残し、むなしいチャンピオンを感じさせたオルフェーヴルは、すっかり人間不信に陥った悲しい馬のように映った。今度は「大丈夫」と思わせる動きをみせ、体つきも決して悪くはなかったが、それは天才オルフェーヴル(4冠馬)の虚勢だったかもしれない。パドックも悪くはなかった。でも、威厳とオ−ラがなかった。

 阪神大賞典。自身が気負い過ぎたことは確かだが、再三再四、どう考えてもレースを止めるように指示されたのが信頼する池添謙一騎手であり、なんとか止めたら、また走れという。あのあとの中間、あまり好きでもないEコースで、みんなが息を詰めるように見つめる中で、調教再審査といういわれのない走法審査。みんなの自分を見つめる目が以前とはちがっている。信頼し、一番気心の知れているはずの人たちが「危険な馬」を見るように距離を置いている気がする。疲れとか、筋肉の動きとか、脚元がどうのとかではなく、「こころ」の動きを含めた体調が落ちていたとしか思えない。

 自身満々に破格の3分02秒8で好位から抜け出した菊花賞3000mと同じような距離なのに、闘志に点火し、スパートを開始しなければならない勝負どころの2000m地点は、あの日より約「2秒」も遅い通過である。みんなはもっと先に行っている。オルフェーヴルは走っていて悲しかった。4コーナーで大きく外に回りかけたときには、もう明らかにオルフェーヴル自身があきらめていた。

■ 2010年回顧

「中弛み」戦で見えた騎手の真骨頂、そして競馬の「奥深さ」

先週末の天皇賞・春は、連覇を狙うマイネルキッツが抜け出し、粘り切る寸前で、ジャガーメイルが見事な差し切りを決めました。

「差し馬」のイメージが濃かったマイネルキッツの意外な先行策と、ジャガーメイルの矢のような末脚。
どちらも印象的で鮮やかなレースでしたが、果たしてラップ的にはどのようなものだったのでしょうか。

天皇賞・春(GI・京都16F)
2010年:48.7-49.6-51.4-46.0=3'15"7(ジャガーメイル)
2009年:48.6-48.4-50.6-46.8=3'14"4(マイネルキッツ)
2008年:49.0-48.9-50.1-47.1=3'15"1(アドマイヤジュピタ)
2007年:48.5-48.2-50.8-46.6=3'14"1(メイショウサムソン)
2006年:48.1-49.6-50.9-44.8=3'13"4(ディープインパクト)
※「4F×4ブロック」で表記、( )内は勝ち馬。

こうして見ると、今年は「第2ブロック」「第3ブロック」が続けて緩く、典型的な「中弛み」レースだったのがよく分かります。
この流れでは圧倒的に先行有利で、16番人気のメイショウドンタクが、通過順「6-6-3-2」という積極策で3着に流れ込んだことからも明らかでしょう。

流れを読んで先手を取り、「2-2-2-1」という早めの競馬で粘り込みを図ったマイネルキッツの松岡騎手は、
極めて優秀なレース想定とペース判断の能力を発揮してくれました。
ゴール直前で連覇を逃したのは残念でしたが、彼の真骨頂を見せ付けた素晴らしい騎乗だったと思います。
私個人的にも単勝で大きく勝負したので悔しい結果でしたが、「勝負」の騎乗をしてくれたことには大満足です。

一方勝ったジャガーメイル。
急流では勝負どころで置かれることも多い馬でしたが、中弛みで上手く進出し、「9-8-7-5」の通過順で末脚を爆発させることに成功しました。
昨年は「17-17-17-13」で5着まで、年明け緒戦という状態面もあったでしょうが、
置かれない位置取りで切れを引き出すには、今年のペースがぴったり合っていたということでしょう。

ちなみに一昨年・昨年と、「第2ブロック48秒台」「第3ブロック50秒台」という淀みないペースを作ったのはホクトスルタンで、
今年はこの馬が直前で除外になったことが、結果的に勝ち馬に向いたと判断します。
そんなギリギリの幸運も勝負の帰趨を左右するんですから、やはり競馬は奥が深いですね。
出走馬も確定しないうちに「今年の天皇賞は○×の激走で万馬券確定!」と
言い切ってしまうような「裏情報」で的中できるものではないと、改めて思わせてくれました。

ところで今回ジャガーメイルの勝利は、馬自身の地力アップにペースの適合、
そして「緩んだところで徐々にポジションを上げ、ラストの爆発に繋げる」という騎乗をやってのけた、
ウィリアムズ騎手の手腕が大きな役割を果たしたのは疑いようのないところ。
初騎乗でいきなり結果を出した、オーストラリアの名手に拍手を送りたいと思います。

しかしこのウィリアムズ騎手。
WSJS(ワールドスーパージョッキーズシリーズ)では毎年来日して馴染みがあるものの、
「京都競馬場は前日土曜が初騎乗」という騎手への乗り替わりで、
ファンの皆さんからは馬券が買い辛かったという声も聞かれました。
さまざまな面で日本競馬が海外に門戸を開いていくのは素晴らしいことだとは思いますが、
もう少し「ファンにとって馬券を買いやすい」目線での規則を制定して欲しいと、切に願います。
前日のレースを全部見られるファンばかりではないので、
「GI騎乗騎手は、前週までに2週以上にわたって10鞍以上騎乗する」などの規則があってもいいと思いますが、如何でしょうか。

いろいろなキャンペーンを打ち出すJRAの努力には頭が下がりますが、
「馬券を買う目線での、出走馬や騎乗者に関する規定」というのもファンサービスの一環だということを考えて頂ければ、
もっと「深い」競馬ファンが定着するのではないでしょうか。

■ 2007年回顧

馬 名 単勝
3 6 メイショウサムソン 118 4.5
8 16 エリモエクスパイア 118 49.3
6 12   トウカイトリック 118 9.2
4 8 アイポッパー 117 3.8
5 10   トウショウナイト 115 12.1
4 7   トウカイエリート 114 78.6
3 5   アドマイヤタイトル 113 61.4
7 13 ダークメッセージ 111 23.5
2 4   アドマイヤモナーク 110 144.9
10 1 2   ファストタテヤマ 108 27.8
11 1 1 マツリダゴッホ 108 9.6
12 8 15   デルタブルース 107 4.6
13 7 14 ネヴァブション 105 12.5
14 5 9 ウイングランツ 100 143.0
15 2 3   ユメノシルシ 78 31.3
16 6 11   マイソールサウンド 42 99.1

1着 メイショウサムソン・・

後ろ脚の運びと前脚の上がり方のバランスが抜群。
大阪杯のパドックを覚えていないけど、今日見てびっくりしたぐらいなんで、相当変わってたんじゃないかな。
レースでは折り合いバッチリで中団から。
デルタブルース、トウショウナイトが動いていったのに連れるように外から楽に進出、文字通りの4角先頭横綱競馬で直線一旦抜かれながらも最後に差し替えしての1着。
強かったころのサムソンが戻ったと同時にさらに進化したサムソン。
前哨戦よりはるかに厳しいペースを追走したことが、この馬の根性を引き出すには絶好だったのかも。強い。

2着 エリモエクスパイア・・

長距離の福永ここにあり。癖のある馬を乗りこなすために調教からけいこをつけた効果が120%出た。
外から人気馬が一気に進出して行った勝負どころを落ち着いて勝負を焦らなかったあの騎乗は、
日経賞で無謀なペースアップをした地点で下げる意思を示していたフサイチパンドラの騎乗と同じ。
長距離のペースに全くぶれていない証拠だった。
下りで勢いがつけば、大飛びのエクスパイアもダイアモンドSの実績から簡単に止まらない。
残り50ぐらいで一旦先頭に踊り出たが、最後は勝ち馬の差し替えしの根性の前に屈した。
まぁ欲を言えば…。勝った馬が強かったかな。
よく頑張った! “前哨戦で一番強い競馬をしたとはいえないが、1番強い競馬をしたのは間違いなくこの馬。巻き返す”

11着 マツリダゴッホ・・

今回も早く脚を使おうとしていたが、逃げ馬を捌くのに手間取り、タイミングがずれた。それ以前に距離も。

12着 デルタブルース・・

決め打ち騎乗が仇。

13着 ネヴァブション・・

最後方待機はびっくりでしたが、体調にも敗因は求めてあげたい気もします。


第135回の天皇賞(春)は、昨年の二冠馬メイショウサムソンが底力を見せつけた。
ゴール前、執念の差し返し。最後は「格」の違いが優った。

勝ちタイムは3分14秒1。
昨年、ディープインパクトが更新した驚異のレコード3分13秒4に次ぐ速い時計。

レコード勝ちに等しい。それでいて着差はわずかにハナ。
長い天皇賞史上でたった2度しかないハナ差の決着であり、0.1秒の中に4頭がひしめく大激戦でもあった。

そんな大激戦の背景には、各陣営、一様の「チャンスあり」という強い意識が働いた。
確たる本命不在。流れ一つで金脈を掘り当てられるゴールド・ラッシュ的な機運がそれである。
加えて高速決着が続く中、「前々で…」という各ジョッキーの同じ思惑も激戦に拍車をかけた。

実際、直線はまさに鬼気迫る攻防。
「死闘」という言葉が頭をよぎる。久々にズシリと量感のある競馬を堪能した。
時計も昨年とは0.7秒の開きがあるが、「激しさ」では昨年の春を凌ぐ。

まずは昨年と今年の通過ラップをご覧頂きたい。

【昨年】
前半 13.0−11.7−11.5−11.9−12.2=60.3
中半 12.2−12.0−13.2−12.6−12.7−12.9=75.6
後半 12.7−11.3−11.0−11.2−11.3=57.5

【今年】
前半 13.2−11.9−11.8−11.6−11.8=60.3
中半 11.6−11.8−13.0−12.9−12.4−13.0=74.7
後半 12.5−11.8−11.2−11.3−12.3=59.1

前半5ハロン通過はまったく同じ。
だが中半が今年の方が0.9秒速く、逆に後半が1.6秒もかかっている。
ただ、ラップをみると昨年の11秒台7回に対して今年は9回。
とても直線で飛べるようなヤワな流れではない。
ことに前半から中半、連続6回の11秒台が過酷さ物語る。典型的な消耗戦であった。

一言でいえば3コーナーまでに脚を使った馬がバテ、
そこまで中位でじっと息を殺し、3コーナー頂上から一気にスパートをかけた馬に勝負の女神が微笑んだ。
それまでタテ長の隊列が3コーナー手前の上りでギューンと団子状に凝縮されたことを覚えているはず。
ここが明と暗の分岐点。
ユメノシルシがあっという間にアドマイヤタイトル、マツリダゴッホ、デルタブルースの3頭に飲まれた時である。
むろん、仕掛け早。が、速い時計に上がりのない3頭。
こうしなければ勝機を見出せなかったことも確か。納得の早仕掛けであり玉砕も覚悟のはず。

逆にこの流れにピタリ乗ったのがメイショウサムソンとエリモエクスパイア。
対して3、4着のトウカイトリック、アイポッパーは乗り遅れた。

ちなみに0.1秒差にひしめいた4頭の1・2・3・4コーナーでの位置取りと上がりをチェックしてみた。

【メイショウサムソン】 8−9−6−1=34秒7
【エリモエクスパイア】 7−7−6−4=34秒6
【トウカイトリック】 6−6−6−10=34秒4
【アイポッパー】 4−14−15−14=34秒2

ポイントは3〜4コーナー。
上位2頭が位置を上げているのに、逆に3・4着馬は悪くしている。
従って上位2頭より速い上がりを使いながら届かない。
ことに惜しいのは6番手の絶好位をキープしながら最内のぶん、
ペースアップついていけず10番手まで位置を悪くしたトウカイトリック。これも運である。

アイポッパーはスタートでの出遅れがすべて。
アンカツ自身、「今の馬場は前にいなければ勝てない」と公言していただけに陽動作戦の臭いもする。
出遅れは誤算としても、後方から徐々に進出するのはハナからの作戦。
ただ、2ハロン目から連続11秒台を刻む速い流れがアンカツの胸算用を反故にした。
進出の機会がない。が、すぐにそれなら「待機」と作戦変更できるのが、この男の度胸のよさ。
直線だけで上がりは最速34秒2。
それも100ある力を100、上がりの3ハロンで爆発させたことは、ゴールを過ぎてバッタリ止まったことでも明白。
従ってアイポッパーの◎には何の憂いもない。
わずか0.1秒、競馬が向かなかっただけである。

3番人気のデルタブルースは指摘したように時計不足。
ステイヤーではあっても仮に3200なら3分17秒以上の決着にならなければ出番はない馬。
マツリダゴッホとネヴァブションは基本的に3200を走るステイヤーではなかった。
今回のような消耗戦となると、持てる資質がハッキリ露呈する。

最後に今年の春を締めくくろう。

メイショウサムソンの不安、すなわち「距離」「時計」「京都コース」の3課題は、すべて一掃された。

とかく人気と結果は相反するものである。
それでもサムソンの強さが「絶対」ではないことは、0.1秒差に4頭の大接戦でおわかり頂けよう。
ともあれ、ここはサムソン勝負強さと石橋の執念が実った。

ただし、勝負ごとに今さら「本来」もないが、本来はアイポッパーとメイショウサムソンの叩き合いになっていた競馬。
今でもそう信じている。

アイポッパーはステイヤーズSでトウカイトリックを3馬身負かしている馬。
対戦成績も3連勝で黒白はついているのも同然。
そのトウカイトリックはダイヤモンドSでは4キロも重い斤量を背負ってエリモエクスパイアをキッチリとらえている馬。
両レースとも3000以上の長距離だけに成績は信頼できるもの。
それなのに春の天皇賞はこうなる。
これが競馬の怖さであり理不尽さ。そこに面白さもある。


(文:清水成駿)


前日の準オープンの1600mで、秋のマイルCS級の1分32秒3が記録されるほど例年を大きく上回る高速の芝コンディションの中、史上2位の勝ち時計「3分14秒1」が記録された。

古馬のビッグレースはそれが中距離の場合、時計が速くなるほどなぜか大接戦になることが知られているが、
今回の天皇賞、まるで2000m前後のスピードレースのような流れで、予想をはるかに上回る速い時計の大接戦に持ち込まれた。

伏兵ユメノシルシが宣言通りにハナを切り、これを高速の芝とあって「早めに好位置を確保していなければ不利」と考えた陣営がほとんどだったから、
やや出負けした形のアイポッパー以外の有力馬はほとんどが好位、中団を追走の展開。
前半の1600m通過は1分36秒7。
また2000m通過2分02秒0は、昨年ディープインパクトが3分13秒4の驚異の大レコードを樹立したときの道中の逃げ馬のペースを、
それぞれちょうど1,0秒も上回るまるで中距離戦のような流れだった。

1997年、当時しばらくは不滅とも思われたマヤノトップガンのレコード3分14秒4が記録されたときの前半1600m通過は1分38秒8。
2000m通過は2分03秒8にすぎないから、レースの後半に極端に速いラップが刻まれたマヤノトップガンの年や、
昨年のディープインパクトのレコードとは違って、レースの前半からずっと流れは緩まず、
それでもある程度の好位置を確保して流れに乗った馬だけが上位独占(アイポッパー以外)という、
3200mの天皇賞の歴史の中、きわめて珍しいレース全体の流れだった。
前半の1600mは「1分36秒7」。史上、例のない速い流れで、後半のそれも「1分37秒4」というバランスになる。

もしかして3200m級の長距離は期待ほどは合っていないのではないか、そんな心配もささやかれた4歳メイショウサムソンの鮮やかな底力発揮。
そして昨年の2冠馬のさらに広がる未来を予感させる、古馬になって最初のビッグタイトル制覇だった。
先行馬の直後の馬群の少しバラけた中団、のびのび気分よくリズムに乗って追走。
すぐ前に同じような脚質のデルタブルースのいる形も理想的。そのデルタブルースと同じように4コーナー手前から強気にスパートし、
たくみにインを突いた形のトウカイトリック、絶妙のタイミングで外から並びかけてきた伏兵エリモエクスパイアに一度はかわされそうにもなりながら、
最後は並んでの勝負強さをフルに生かした。3冠のかかっていた3歳秋は、さまざまな点でベストのメイショウサムソンではなかったのだろう。
やや重苦しい印象も与えた馬体もシャープになった感があり、ストライドもさらに大きく伸びやかに映った。
春の天皇賞は4歳馬有利、とくに高速決着になった今年は4歳馬の可能性が引き出された。

いきなり強敵相手になって苦しいかとも思えたエリモエクスパイアの快走も、決してフロックではないと思える。
人気のアイポッパーは懸念のスタートでやや出負け。
最初から流れに乗れなかった。ふつうの年の流れならどこかで差を詰めるチャンスを探し出せたのだろうが、
ペースの落ちるところが今回の3200mではどこにもなかった。
隊列が決まってしまうと途中で無理な進出を仕掛けるにもいかない。
ましてこのペース、腹をくくった形の直線勝負になったのは残念ながらやむを得ない面もある。
結果、最速の上がり34.2秒を記録しながら4着止まり。
レースの上がり3ハロンは34.8-12.3秒。底力あふれるAランクの馬であったら届いても不思議ない、
各馬の早いスパートが目立った天皇賞だったから、流れに乗れなかった不利を考えると同時に、
一方では実力負けの一面もあったと認めざるを得ないところもある。

デルタブルースは異常に軽い15-15にもならない最終追い切り。
仕上がっているためと考えられたが、ここまで失速するとやっぱり完調ではなかった気がする。

日経賞組の関東馬は、まだまだ経験不足であると同時に、現時点では肝心の底力と総合力がなかった。


まず結論からいうと、メイショウサムソンの成長が今年の天皇賞の最も大きなポイントだった。

一抹の不安要素だった距離が精神面の成長で克服できたということだ。

レースを見たみんなも気付いたと思うけれど、
サムソンはこれまでのレースで時おり見せたような折り合い面の不安をまったく見せることなく、淀の3200mをピタッと折り合ってみせた。

そうなれば、前回にも話したようにサムソンの能力はこのメンバーでは抜けている。この勝利は当然といってもいいすぎじゃないくらいのことだと思う。

では、なぜサムソンは成長できたのか。ここからは僕の推測になるが……答えは調教法じゃないかな。

ちょっとした何かだと思うんだけれど、高橋成厩舎に移籍してから調教が変わった。
それが意図的かどうかも難しいところだが、ともあれそれがサムソンの精神面に好影響を及ぼした……僕はそう考えている。

さて、2着以下の馬だが、エリモエクスパイアはユーイチが上手く乗った。
騎乗だけなら勝っていたが、ここぞというところで前の馬が下がってきたのが痛かったね。
そこはレースのあやだが、あれがなければ…と思わせるシーンだった。

トウカイトリックは長距離適性をいかんなく証明した。4着のアイポッパーは、乗った本人も納得がいかないレースだったんじゃないかな。

僕がひそかに期待していたトウショウナイトは5着。まさにギリギリのつくりだった。
見ているほうは「ここで動け、あそこで動け」と力が入るけれど、乗っているほうはどうだったんだろう。そっちのほうが以外と冷静だったかもしれないね(笑)。


天皇賞春は父ミスタープロスペクター系が2、3着。
1、2着はすべて凱旋門賞馬ダンシングブレーヴの血を持ち、2、3着馬は凱旋門賞メーカー、サドラーズウェルズの血を持つ馬だった。

と、終わってみればそう書けるのだが、技術のないボクには、レース前にこれを読むことはできませんでした。

では、来年の天皇賞春もこのスタンスで買えばいいのかどうかは、正直判断に悩む。
年に1度の条件で、毎年レースレベルやペースがあまりにも違うので、傾向が掴みづらい。
天皇賞春というのは、不確定要素も多く、勝負勘や運が人一倍劣っているボクには大変難しいレースでした。


ユメノシルシ、マイソールサウンド、マツリダゴッホの先行でデルタブルース、トウショウナイトが続く、
トウカイトリック、エリモエクスパイア、がその直後で1000m60.2秒、1600m通過が1.36.7‥
隊列は縦長で先行勢は、やや速めの流れでメイショウサムソンが、9〜10番手追走、
1人気のアイポッパーは後ろから3頭目の位置取り。

2000m通過 2.02.0‥、未だ隊列は動かず‥。緩やかに坂を登りながら徐々に隊列が詰まっていく。
アイポッパー、ネヴァブションは未だ動かず未だ後ろからワンツーの位置取り‥。

頂上から下りに入った処で中団の各馬が動き出す。
一気にデルタブルース、トウショウナイトが先頭に出ようとする所を、
その外を廻してメイショウサムソンも上がってくる。

直線を向いて残り400m、メイショウサムソンが、ここで先頭、内にトウショウナイト、その内にデルタブルース‥、
その後ろから鋭い脚で一気にトウカイトリックが内に切れ込みながらインから伸びてくる。
外からアドマイヤタイトル‥。後方で大外を廻してアイポッパーは未だ後方‥。

残り250mデルタブルースは後退‥外からエリモエクスパイアが迫ってくる‥。
トウショウナイトの伸び脚は鈍い‥。
内からトウカイトリック、真ん中にメイショウサムソン、外からエリモエクスパイア‥
大外からトウカイトリックとその外からアイポッパーが懸命に追い込んでくるが‥。

内のトウカイトリックとメイショウサムソンに懸命にエリモエクスパイアが迫ってくる。大外のアイポッパーは4番手まで‥。

最後は、メイショウサムソンが執念の一伸びで、エリモエクスパイアを凌ぎ切りゴール‥。

メイショウサムソン‥石橋騎手の強気の騎乗に見事に応えての強い勝ち方だった。
敢えて無印にしたが、天晴れでした。

穴に掲げた2頭も健闘した‥。特にエリモエクスパイアの長距離適性は高かったし、
ダイアモンドSは決して軽量フロックでは無かった事を証明した。

◎トウショウナイトは、ハード調教に輸送減り(−12kg)と馬体重発表後から微妙に不安が漂ったが‥、
武士沢騎手も馬を信じて強気の騎乗をしただけに仕方が無い。
結果、先行馬総崩れになって、前に付けた馬の中では最先着の5着。

トウカイトリックも惜しかった‥。4コーナー廻って内に切れ込む瞬発力は、
今迄見せた事のない脚で、やはり長距離適性の高い馬なのだなぁ‥と再認識させられた。

アイポッパーは、位置取りが極端過ぎた‥。
動き出すタイミングも他馬よりワンテンポ遅らせていたし、4コーナーで外を振り回してのあの着差だけに悔やまれる事だろう‥。

皐月賞に続いて、天皇賞と安藤騎手は似たような騎乗をしたが、
意外と裏読みすれば、皐月賞の批判に対する彼のアピールだったのかもしれない。
‥となれば、意外とダービーでも‥。

マツリダゴッホは距離、デルタブルースはペース、ネヴァブションは位置取りと距離‥なのだろう‥。

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■ 2006年回顧

馬名 補正 KOL次走へのメモ
4 7 ディープインパクト 127 2人曳き。-4kg。毛ヅヤが良く、意外に細くない。大型馬圧倒的有利のトレンドから、明後日の方向へ進化している。また出負け。3200mとなると完璧に折り合うとは行かないのだが、昨秋の京都戦よりマシならそれで良いのだろう。2周目3角から持ったままで進出し、4角でも持ったままで先頭。あまりに楽過ぎて、ソラを遣って気合を入れられていた程で、前走の阪神戦同様に、最後は抑えながらのレコード。アドマイヤジャパンに梃子摺った昨春の中山戦と、ハーツクライにやられた暮れの中山戦を除けば全て圧勝だが、前述2走はデキが無く、距離の融通性でハーツクライよりはこの馬に利が有るだろう。負かしに来る馬が居ないのが、この馬唯一の不幸。遠征は、引退後の種馬価値向上が表の目的だが、負かしに来る相手と競馬させるという部分も少なからず有りそう。
6 11 リンカーン     121 2人曳き。前走の阪神戦でもそうだったが、張りが無い様に映る。引っ掛かる気性で、昨年,一昨年と折り合いに専念し過ぎるあまりに、届かなかったが、横山典弘騎手、多少のロスは覚悟で出して行ったのが正解。これもディープインパクトと同程度に行きたがっていたのだが、過去の2走も似た様なモノで、ならば前に居た今年の方が着順が良くて当然。ディープインパクトが動いた時に、動くに動けなかった馬が多かった中、上手く包まれない位置に居たのも良かった。好騎乗。
1 1 ストラタジェム   113 前走の中山戦でも述べた様に、もう少し歩様に柔らか味が欲しいが、デキ自体は良い。外国人騎手でも有り、もう少し出して行くかと思ったのだが、折り合いに専念している内に後方に。ただ、皆がディープインパクトに気を取られている中、内目を縫う様に進出して、4角では既に好位に居たのは大きかっただろう。今日の3着はこの分。GTで3着だから悪くない内容なのだが、今後へ向けては前へ行って同じ脚が使えるかどうかが課題になる。
7 14 アイポッパー    112 良い時はもっと毛ヅヤが良かった筈だが、今季はそれがイマイチ。躓きながら出てしまったが、折り合いに不安の無い馬の強みで、押して行って中段から。上手くインへ潜ったが、2周目3〜4角で前が詰まり結果的に裏目。最後はそれなりの脚で詰めているのだが、あれが無ければ3着有った筈。この競馬が出来るなら下見の印象程はデキも悪くなさそうで、次走注目。
3 6 トウカイカムカム  110 2人曳き。デキ自体は絶好。ただ、3200mを思うと煩い。前走の阪神戦は差しに回ったが、元々は出脚の有る馬で、出して行って好位のイン。折り合っていたが、これもアイポッパーと一緒で、ディープインパクトが動いた時に前が詰まって、位置取りが悪くなってしまったクチ。デキは確実に良いので、次走はアイポッパー以上に狙い目。
7 13 ファストタテヤマ  109 前走の阪神戦辺りから歩様が落ちて来た。例に依って後方。ディープインパクトが前を掃除してくれる展開が理想だっただろうが、あまりにもディープインパクトが早く動き過ぎて、何にも出来なかった。デキが有ればまた話は違うのだろうが、有った筈の展開利が無い事には。
1 2 マッキーマックス  109
2 4 ローゼンクロイツ  109
3 5 トウカイトリック  108
10 5 9 デルタブルース   104 -8kg。漸く絞れて来た。これなら。道中は中段。インに入れて通常なら悪くない策なのだが、今日はこの位置が最悪のポジション。肝心なところで動くに動けず、4角では最後方。今日は展開が全て。
11 8 15 シルクフェイマス  102
12 8 16 ナリタセンチュリー 101
13 4 8 ビッグゴールド   99
14 5 10 アドマイヤモナーク 96
15 6 12 ハイフレンドトライ 93
16 2 3 チャクラ      92
17 8 17 ブルートルネード  74
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