【スプリングS・男の解の公式】 | サンデー系を狙え! | ||
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モデル馬 |
12月 | 朝日杯フューチュリティS | → | 3月 | スプリングS(G2) |
ラジオN杯2歳S(G3) | ||||
2月 | 共同通信杯(G3) |
重賞実績馬よりもアガリ馬を狙え!
よほどの素質馬でない限り、ひとつでも重賞を勝っている馬は皐月賞の出走が確定しているので無理はしてこない。
【厩舎】買い=関東馬
過去10年の関東馬と関西馬の出走馬数は、まったく同じ74頭。その成績をみてみると、1着の数こそ関西馬が多いが、2着3着の数は完全に互角となっている。しかも3着以内に入った関東馬12頭のうち、1番人気だったのは2003年のサクラプレジデント(2着)ただ1頭。残りの11頭はすべて5番人気以下だったのだから、関東馬は大健闘しているといえるだろう。
【人気】買い=圧倒的1番人気の馬
単勝人気別に成績をまとめてみると、1番人気の馬が、勝率、連対率、3着内率のすべてで高い数字を残している。しかし、その内訳にちょっと気になるデータが。1番人気で連対した馬6頭は、すべて単勝オッズが1倍台という、圧倒的人気に支持されていた馬だったのだ。連対を外した4頭の単勝オッズは、2倍台と3倍台が2頭ずつ。今年も1番人気の馬については、単勝オッズに注目してみるのがよいかもしれない。なお、11番人気以下で3着以内に食い込んだ3頭が、いずれも11番人気だったというのも面白いデータだ。
【デビュー時期】夏場・師走デビュー組
スプリングステークスに出走した全馬を、デビュー月別に分類したのが〔表5〕。これを見ると、12月デビュー組と8〜9月デビュー組がよい成績を残していることがわかる。逆にいまひとつなのが年明けデビュー組と7月までにデビューした馬たち。昨年の覇者メイショウサムソンのデビュー日こそ7月31日だったものの、全体的にみると、初夏デビューよりは、暑くなってからデビューした馬のほうが良績を残しているというのは、なかなか興味深い傾向だ。
【血統】買い=サンデー系
サンデーサイレンス産駒のワンツースリーで決まった2004年は極端だったかもしれないが、特にサンデー系が強いレース。
2006年はオペラハウス産駒のメイショウサムソンが勝ったが、例外かもしれない。
リファール系と相性のいいスプリングS |
スプリングSにサンデーサイレンス系の登録馬は5頭。うち4頭が1勝馬で、2勝馬は芝未勝利のニードルポイントだけだ。レースによってはまだまだSS系一色のこともあるが、直仔がいなくなったぶん、多少はパワーが落ちている面も感じられる。
さて、そんなところから過去の好走馬について種牡馬系統別成績を調べていたのだが、過去10年でSS系が8連対に対して、リファール系3連対、ロベルト系2連対と、特に目立ったところは無い。
……と思ったのだが、母の父まで調べると、リファール系はけっこう穴をあけてきたことに気付く。
父としての3連対は3、7、8番人気でのものであり、母の父としての3連対は2、4、11番人気でのもの。これは注目に値するのではないだろうか。
父としてはコマンダーインチーフとキングヘイローが連対馬を出しており、母の父としてはダンシングブレーヴ、アルザオ、リィフォーが連対馬を出している。特定の種牡馬だけによる結果ではないだけに、系統そのものの相性のよさが感じられる。ちなみに、過去10年より古いところまで遡ると勝ち馬の父としてリィフォー、3着馬の父としてモガミとベリファ、勝ち馬の母父としてリファール本人、8番人気2着馬の母父として再びリィフォーが出てくることになる。
この時期の中山・芝1800m全体で見るとリファール系はそれほど良くないので、あくまでこのレース全体の傾向ということになるのだが。では、今年該当する登録馬がいるかというと……デザフィオ(父コマンダーインチーフ)とサンライズマックス(母の父ダンシングブレーヴ)がいる。ともに前走で勝った1勝馬で、新馬・未勝利を勝ちたての馬はこのレースで最近好走例が無いのだが、今回は1勝馬の比率が高いし、ヒモ穴候補として注目してみたい。
◆スプリングS(GII・中山9F)
2010年:35.8-36.8-35.6=1'48"2 (アリゼオ)
2009年:36.6-39.0-35.2=1'50"8 (アンライバルド)
2008年:36.3-37.0-35.6=1'48"9 (スマイルジャック)
2007年:36.0-36.3-36.7=1'49"0 (フライングアップル)
2006年:36.9-35.6-36.4=1'48"9 (メイショウサムソン)
※「3F×3」で表記、( )内は勝ち馬
07年までは淀みない「一貫ラップ」が特徴。
特に中盤が速い年はハイレベルなスピードと底力が要求され、
先行して馬券に絡んだ馬が皐月賞で激走する可能性が高い(00年ダイタクリーヴァ・04年ダイワメジャー・06年メイショウサムソン)というレースでした。
しかし08・09年はハッキリした「中弛み」で、逆に立ち回りと瞬発力が問われる展開。
09年アンライバルドは、激流の皐月賞で捲りが嵌って勝ち切りましたが、
08年スマイルジャックが皐月で飛んでダービーで激走したように、むしろメリハリの利いた東京のラップに繋がるレースでした。
そして今年は、「一貫ラップ」と「中弛み」の中間という何とも中途半端なラップ。
本番へ直結はせず、個々の馬ごとに解釈が必要だと思います。
やや内先行有利の馬場で、流れもある程度緩んで「逃げ→好位」の決着となったので、
中団差しで3着までのローズキングダムは悲観する必要はありませんが、それでも際どい勝負まで持ち込めなかったのは、他との差が詰まっている証拠でしょう。
テン速くやや忙しいマイルGIでも楽に勝ち切った対応力から、私自身も不動の本命と目していましたが、今年は他のメンバーも予想以上にハイレベルだと言えそうです。
一方、これまで「テン緩い10F戦でのみ勝ち、テンがやや速い9F戦で惜敗」していたアリゼオは、「中弛み」で道中楽ができたとはいえ「テン速い9F戦」で逃げ切ったのは大きな進境。
皐月賞本番はメンバーや枠順が大きな問題になりそうですが、距離延長はもちろん好都合でしょう。
すんなり先手が取れる構成ならばマークが必要な存在になりそうです。
スプリングS(中山9F/36.0-36.3-36.7)
12.7-11.6-11.7-11.9-12.0-12.4-12.2-11.9-12.6=1'49"0
1着フライングアップル(10)、2着マイネルシーガル(2)、3着エーシンピーシー(4)、
6着シベリアンバード(7)
テン・中盤はそれなりに速く、3着のダメジャが皐月を勝った04年とも遜色のないもの。これを前で捌いた2着馬の底力は評価できるが、上がりが半秒劣っているので距離延長=皐月へのリンクは切れていると判断。となると、逆に距離短縮に向けては心強い内容と言えそう。
スプリングS(中山9F)
12.7-11.6-11.7-11.9-12.0-12.4-12.2-11.9-12.6=1'49"0
36.0-36.3-36.7
1着(1)フライングアップル(9-10-11-10)35.8
2着(11)マイネルシーガル(2-2-2-2)36.7(0.1差)
3着(6)エーシンピーシー(3-3-3-4)36.6(0.2差)
4着(5)ショウワモダン(1-1-1-1)37.2(0.5差)
5着(3)スクリーンヒーロー(4-4-6-4)36.8(0.5差)
テン・中盤はそれなりに速く、ダイワメジャーが3着惜敗から本番で巻き返した04年とも遜色のないもの。ただ上がりが半秒劣っているので、「先行馬が不利だったので本番ではこちらの巻き返しに期待」と単純には言えない。むしろ2着馬などは、テンのスピード+上がりの止まり方はマイラーの証明を呈してしまった気さえする。10Fではまだ3着馬のが買いたい。
勝ち馬も、ラストがこれだけ掛かればもう少し突き抜けて欲しかったが・・・まあギリギリまで内で追い出しを我慢したと見れば、本番に前向きな希望が持てる範囲内か。更にペースが上がった中で最後の2Fでピッとした切れ味を競うような流れになれば、まだまだ打倒ホウオーも夢ではない・・・かな・・・。
人気のフライングアップルの鮮やかな差し切り勝ちだった。内の1番枠で少し出負けぎみのスタート。といっても出遅れほどではなくこれまでのように中団に位置することは可能だったが、あえて気合はつけず後方からの追走。直線はこれまでの詰めの甘さがウソのようにインから一気に差し切ってみせた。好位差し、あるいは先行抜け出しの形ではやや限界も見え隠れしていただけに、この脚質の幅は皐月賞を前に大きい。横山典騎手は、たとえ出負けしなくともいつもより控えるレースを描いていたフシもある。
このフライングアップルは、目下候補NO.1のフサイチホウオーと0.1秒差の接戦が2回もあるから、今回のレースでは絶好の能力基準であり、同時にレースレベルを推し量る尺度の馬だった。そのフライングアップルが初めて追い込む形で1分49秒0。直後に古馬1000万条件の牝馬だけのレースがあって、前半の5F通過はスプリングSが59.9秒で、最終レースは60.2秒。ほぼ同じような流れだったが、牝馬の1000万は1分48秒3の走破時計で大接戦。より楽な流れだった最終レースの方が、スプリングSより逆に0,7秒も速かったことになる。この時期、3歳のエース級は古馬の1000万レベルはもう上回りたい。
慣れない形で差し切ったフライングアップルの場合は、新しい一面が引き出せたのだから、やや平凡な走破時計、上がり3F35.8秒にとどまった記録はやむをえないところはあるが、完敗だった2着以下の本番「皐月賞」を展望するグループは、ちょっと強気にはなれないだろう。2着マイネルシーガルは、このペースなら抜け出してそのまま押し切りたかった。上がり36.7秒はかなり平凡。3着エーシンピーシーも絶好の位置にいながら大跳びで器用な脚が繰り出せないためか、反応もう一歩で上がり3Fは36.6秒止まり。デキが良かっただけに物足りなかった。
サンツェッペリンは、予定の弥生賞を延ばしたが、まだ気配一歩。やや物足りない仕上げだったろう。そのためあまり無理をせずステップのテーマ通りのレース運びだったようなところもあるが、光る部分はなかった。フェラーリピサは、今回はカリカリしすぎていたのが大きな敗因としたいが、それにしても…の凡走で、父母両方の血筋の最大の弱みである緩急のペースへの対応力のなさ、坂のあるコースでの物足りなさを感じさせた。
やや厳しい視点になるが、このスプリングS組で皐月賞に可能性や展望が残ったのは勝ったフライングアップルだけだろう。レースレーティングは、残念ながらちょっと失望するぐらい低くなりそうだ。
◇変化著しい3歳馬ゆえ次走の軽視は“禁物”
あとから考えれば、あれは脚さばきが軽快というよりも、イレ込んでいたということなのか。いやあ、よく見たつもりが間違えたなあと、いまさらながら後悔するしかないのがスプリングSで2番人気に反して9着に大敗したフェラーリピサである。
スプリングSのパドックで周回しているとき、フェラーリピサには鈍重なところがまったくなかった。人間でいえば、まるでつま先立って歩いているように、サッ、サッと前後の脚を前に進めていた。この軽快さなら、芝でも十分通用するだろうと期待したのだが、あにはからんや、4コーナー2番手の位置から直線ズルズルと下がって、9着に終わってしまったのである。勝ったフライングアップルから0秒8差という完敗だった。
手綱を取った柴田善騎手はレース後、「イレ込んでパニック状態だった。レース前からずっと落ち着きがなかった」と語っている。してみると、パドックでのあの脚さばきは、心身の軽快さから出たものではなく、イレ込みによるものだったのだろう。
それにしても、キャリアの浅いこの時期の3歳馬は微妙なものだと思う。
〈レース名・距離・着順〉
新馬・芝1600メートル・2着
未勝利・ダート1800メートル・1着
ヒヤシンスS・ダート1600メートル・1着
これがフェラーリピサのスプリングS前の全成績なのだが、新馬で半馬身だけ敗れた相手は、その後、こぶし賞、アーリントンCと勝ち進んで目下3戦全勝のトーセンキャプテン。そしてフェラーリピサの未勝利勝ちは、出遅れる不利がありながら一気にまくって出て4馬身のぶっち切り。そしてヒヤシンスSは、5ハロン通過59秒2というハイペースを2番手で追走し、直線抜け出すや後続にまたまた4馬身差というワンサイドなのである。
これだけの駆けっぷりを見せてきた馬が、ペースが別段速くもないスプリングSでバテてしまったのだ。ヒヤシンスSでダートの1600メートルに1分35秒9という好タイムを記録した馬が、芝良で1600メートル通過が1分36秒4という平均ペースのスプリングSで失速したのである。
何でだと首をかしげたくなるが、これがこの時期の3歳馬の不安定さなのだろう。
フェラーリピサは芝0勝でのスプリングS挑戦だったが、昭和50年以降、芝0勝という馬は良馬場のスプリングSで〔10240〕という成績に終わっている。連対したのは、平成2年の1着馬アズマイーストのみ。アズマイーストは関東馬だったから、フェラーリピサのような関西馬は、芝0勝というマイナス面に関東への長距離輸送というハンデが加わって、イレ込みなどにより凡走しがちということなのだろう。ただし、すぐ一変するのもこの時期の3歳馬の特徴。フェラーリピサも次走、軽視は禁物だ。
(サンデー毎日 2007年4月8日号)
GIシーズン前哨戦、勢力図は書き換わったのか?
先週末は、東で皐月賞最終トライアルのスプリングSが、西では天皇賞・春の主要ステップレースである阪神大賞典が行われました。いよいよGIシーズンも目前ですね。
東西とも1番人気が3着に敗れ、それなりの「波乱」になりましたが、本番へ向けての展望に変化はあるのでしょうか。それぞれラップと結果を見てみましょう。
◆スプリングS(GII・中山9F)
2010年:35.8-36.8-35.6=1'48"2 (アリゼオ)
2009年:36.6-39.0-35.2=1'50"8 (アンライバルド)
2008年:36.3-37.0-35.6=1'48"9 (スマイルジャック)
2007年:36.0-36.3-36.7=1'49"0 (フライングアップル)
2006年:36.9-35.6-36.4=1'48"9 (メイショウサムソン)
※「3F×3」で表記、( )内は勝ち馬
07年までは淀みない「一貫ラップ」が特徴。特に中盤が速い年はハイレベルなスピードと底力が要求され、先行して馬券に絡んだ馬が皐月賞で激走する可能性が高い(00年ダイタクリーヴァ・04年ダイワメジャー・06年メイショウサムソン)というレースでした。しかし08・09年はハッキリした「中弛み」で、逆に立ち回りと瞬発力が問われる展開。09年アンライバルドは、激流の皐月賞で捲りが嵌って勝ち切りましたが、08年スマイルジャックが皐月で飛んでダービーで激走したように、むしろメリハリの利いた東京のラップに繋がるレースでした。
そして今年は、「一貫ラップ」と「中弛み」の中間という何とも中途半端なラップ。本番へ直結はせず、個々の馬ごとに解釈が必要だと思います。やや内先行有利の馬場で、流れもある程度緩んで「逃げ→好位」の決着となったので、中団差しで3着までのローズキングダムは悲観する必要はありませんが、それでも際どい勝負まで持ち込めなかったのは、他との差が詰まっている証拠でしょう。テン速くやや忙しいマイルGIでも楽に勝ち切った対応力から、私自身も不動の本命と目していましたが、今年は他のメンバーも予想以上にハイレベルだと言えそうです。
一方、これまで「テン緩い10F戦でのみ勝ち、テンがやや速い9F戦で惜敗」していたアリゼオは、「中弛み」で道中楽ができたとはいえ「テン速い9F戦」で逃げ切ったのは大きな進境。皐月賞本番はメンバーや枠順が大きな問題になりそうですが、距離延長はもちろん好都合でしょう。すんなり先手が取れる構成ならばマークが必要な存在になりそうです。
◆阪神大賞典(GII・阪神15F)
2010年:61.8-64.0-61.5=3'07"3 (トウカイトリック)
2009年:63.1-63.7-66.4=3'13"2 重 (アサクサキングス)
2008年:63.8-65.9-59.0=3'08"7 (アドマイヤジュピタ)
2007年:65.1-64.1-59.1=3'08"3 (アイポッパー)
2006年:60.9-64.3-63.6=3'08"8 稍 (ディープインパクト)
※「5F×3」で表記、( )内は勝ち馬
こちらも今年は「前傾の06・09年」と「上がり勝負の07・08年」のちょうど中間である「平均的ラップ」。つまり伝統のGII戦の水準程度のラップは踏んでおり、本番へ向けての信頼度も例年並み。「3年ぶりの重賞制覇となったトウカイトリック」「初の重賞参戦のジャミール」「出走メンバー唯一の牝馬で1番人気に推されたメイショウベルーガ」と、上位馬が軒並み物足りないプロフィールですが、この距離でのパフォーマンスに関してはフロック扱いする必要はないでしょう。
但し、注意すべきは「道中6番手以内、4角では3番手以内」が連対条件だったレース(あのディープインパクトでさえ通過順は「6-6-4-2」と早めの競馬でした)で、今年は後方からの差し馬がワンツーを決めたこと。つまり「3〜4角間で脚を使って、下り坂でスピードを乗せた馬が有利に運ぶ」傾向がある近年の天皇賞・春では、この挙動では勝負どころで後手を踏む危惧があり、序列もそのまま敷衍(ふえん)できないと見ます。
追い通しでバテない勝ち馬は距離延びる本番でもチャンスはありそうですが、流れ次第ではもっと前に行ける2着ジャミールや京都ではもっと切れそうな3着メイショウベルーガの巻き返しも虎視眈々。他の組との比較以前にこの組の序列も入れ替わる余地は十分でしょう。
07:12.7-11.6-11.7-11.9-12.0-12.4-12.2-11.9-12.6 =1'49"0
36.0-36.3-36.7/フライングアップル(追)→マイネルシーガル(先)
06:13.0-11.9-12.0-11.8-11.6-12.2-12.1-12.0-12.3 =1'48"9
36.9-35.6-36.4/メイショウサムソン(先)→フサイチリシャール(先)
05:12.4-11.1-12.2-12.1-11.9-12.2-11.8-11.8-11.8 =1'47"3
35.7-36.2-35.4/ダンスインザモア(追捲)→ウインクルセイド(差)
04:12.5-11.6-11.9-11.9-11.8-12.4-11.9-12.0-12.3 =1'48"3稍重
36.0-36.1-36.2/ブラックタイド(追捲)→キョウワスプレンダ(追)
「中盤が速いレースを前で凌いで上がりも落とさない」ことが本番に繋がるフラグ。その上でテンが速い場合は特に前の馬を重視(04年は追い込み嵌った1・2着より前にいた3着ダイワメジャー)し、テンが緩い場合は後ろから追い込んだ馬もマーク(06年は先行した1・2着だけでなく追い込んだ3着ドリームパスポート)。
今年はテン・中盤はそれなりに速く、ダメジャが本番で巻き返した04年とも遜色のないもの。ただ上がりが半秒劣っているので、「先行馬が不利だったので本番ではこちらの巻き返しに期待」と単純には言えない。むしろ2着マイネルシーガルなどは、テンのスピード+上がりの止まり方はマイラーの証明を呈してしまった気さえする。勝ち馬フライングアップルも、ラストがこれだけ掛かればもう少し突き抜けて欲しかったが・・・まあギリギリまで内で追い出しを我慢したと見れば、本番に前向きな希望が持てる範囲内か。
着 | 印 | 馬 名 | 補 | KOL次走へのメモ |
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1 | ○ | フライングアップル | 104 | 返し馬はゴツゴツして良く見せない。アオッたが、位置取りは自然としんがりに。4角で前が開くラッキーな一面はあったが、待機策でいきなり結果を出した。今週の馬場を考えると、時計、上がりはやや平凡。ここへ入れば馬自体が抜けている。多少緩い気もしないでも無いが、毛ヅヤも上々。ゲートを出ているが、出脚が無くて最後方から。腹を括ってずっとインを立ち回り、直線捌いて快勝。一線級とは差が有る筈だが、それでもここでは力が違った印象。この馬が強いというよりは、今日は2着以下が話にならないという評価をしたい。時計も平凡。 |
2 | ◎ | マイネルシーガル | 103 | シャドーロール。キッチリ仕上がる。スタートが良く、大外枠でテンに行きたがっていた。それでいて、正攻法で2着なら立派。本番では落ち着いたいい走りができるはず。シープスキンノーズバンド。多少気負っているが、馬体は結構目立つ。好発。出脚も良いが、エーシンピーシーを気にせず積極的に乗られて2番手。1角迄が距離の無い中山1800m、外枠の馬が先行するとオーバーペースになりがちだが、59.9秒ならそこ迄速くは無いだろう。それだけに僅差でも差されたのは不満が残る。これ迄割と強い競馬をして来た馬だが、このカテゴリーは関東馬の層が薄い。 |
3 | エーシンピーシー | 102 | シャドーロール。調整がうまくいき、落ち着いた返し馬。レース巧者ぶりをいかんなく発揮したが、決め手の差であと一歩及ばず。+8kg。シープスキンノーズバンド。脚長の馬で、華奢に映る嫌いも有るが、そういう意味では増えて出て来たのは良い材料。スタート直後に外からマイネルシーガルが来たが、これを牽制しつつ好位。インに収まって、スムーズに立ち回ったが、4角少しズブさを見せたのと、直線手前が替わるのが遅く、モタついたのが痛い。無論、そこが大きいのだが、最後はそれなりの脚で詰めていて、マイネルシーガルとはそれ程力量差無いと見て良い。 | |
4 | ショウワモダン | 99 | 大方の予想通りハナへ。緩みないラップで潔い逃げを打つ。逃げ馬は自分のリズムで走れた時は強い、その典型。現状の力は出し切った。全体に馬が薄い印象。集中力も無い。出脚そこ迄良い馬では無いが、押してハナ。ペースこそ1000m通過59.9秒と速くないが、前半マイネルシーガルにビッシリ競られ、その分道中余裕が無かった。走法的にも頭が高く、まだ力が付き切っていない現状。社台ブランドとはいえ、地味な血統の馬では有るが、ポテンシャルは高い。 | |
5 | スクリーンヒーロー | 99 | シャドーロール。ペースアップに対応し切れなかったが、外からこられると、もうひと伸び。まだ本気で走っていないが、芝はこなせそう。シープスキンノーズバンド。トモが薄く、歩様に力が無い。出脚はこの馬が一番良かったが、控えて好位から。立ち回り的には悪くなかったが、4角外へ回した時にちょっとモタつき加減。コーナリングが甘いのだろう。最後は良い脚で差しているだけに、余計に勿体無かった。フライングアップルの項で述べた様に、時計が遅く、高い評価は出来ないのだが、芝でもやれるのは確か。 | |
6 | シベリアンバード | 98 | 中1週も元気。後方で折り合って、スーッと先団へ。ただ、ずっと外を回らされて突き抜けるほど、上位の力はない。 | |
7 | スズカライアン | 97 | ||
8 | サンツェッペリン | 97 | 余裕残しの仕上げ。後方の内から、4角で一旦外目へ。再び内へ潜り込む。今日は弾けなかったが、人気が下がる本番では要注意だろう。この中間、一頓挫有ったとの事だが、トモの充実振りは相変わらず。見た目にはむしろ良い方。ゲートは速いが、前走時に述べた様に、出脚が抜群という馬では無い。ただ、それでも普通なら好位に居られた筈だが、外から来られている間に位置取りが悪くなった上、道中の手応えももう一つだった。もうちょっとやれて良い馬。見た目には影響無かったが、中身が無かったのか...。まあ賞金足りてるので勝つ必要はなかったわけだが。 | |
9 | ▲ | フェラーリピサ | 96 | 走法から芝は問題ない。スタートが遅く、掛かり気味に先団へ。全般にリズム良く走れなかったのが痛い。体型は確かにダート馬だが、歩様に硬さも無いのはせめてもの救い。ゲート少し悪かったが、外枠の馬が行った分、連られる形で好位。その分、前半リズムを崩したが、折り合ってからはスムーズ。4角で先頭に並び掛け、一瞬やったかのシーン有ったが、追って案外。フォーム自体はそんなに悪くない筈だが、あれで伸びない辺りはダート馬なのだろう。 |
10 | ニードルポイント | 88 | ||
11 | フリオーソ | 76 |
1番 フライングアップル 1着
最後方からのレースになったが、インピタリをロスなく回ってきた横山典が実に上手く立ち回ったという一戦か。レースぶりに意外にインパクトがなくて、なんとなく総合力上位、というタイプ。本番を8枠から出て大外一気に差す、という競馬は考えにくいかもしれない。
2番 サンツェッペリン 8着
差す競馬を試してみたが、全く伸びられなかった。このレースぶりがあってないとも思えたが、逆に、ここでは力が下とも思えた。本番で上手く逃げられたとしても、苦しいかもしれない。
3番 スクリーンヒーロー 5着
中団ママのレースぶりで、後肢の力がやや弱い感じがした。ただ、最後はしっかりそれなりに伸びてきているので体調はいいのではないかと思えた。芝の適性で見劣る感じで、実績どおりダートなら買い。
4番 ニードルポイント 10着
全体に非力で、芝適性も大幅に見劣り。オープンではそうとう苦戦が続きそうに思えた。
5番 ショウワモダン 4着
逃げたが全体に動きが硬くて坂上で失速。とくに首の動きが硬いので、トップスピードを持続できない感じ。着順は見栄え悪くないが、レースぶりは力負けだった。
6番 エーシンピーシー 3着
わりといいバランスで走る馬。インベタをキープしていたのに、4角出て少しぎこちなく、馬場の内側に進路を取ってポジションが下がってしまった。そのロスが最後に響いた感じ。右回りがぎこちないのか、それとも鞍上がぎこちなかったのかやや微妙だった。中山なら1800はちょっと忙しい感じで、間違いなく2000のほうが合いそう。一本調子に走りきる体力のある馬で、ワンペースの先行型として本番で買えそうなのはこれ。
7番 スズカライアン 7着
パドックからイレコミが激しくて、レースでも最後方から行ったにもかかわらず折り合いを欠きぎみだった。そして3角から4角にかけて、この鞍上・十八番の意味不明な大外。4角を回る時点でそうとう距離ロスがあって、なぜあらゆる馬でこの進路を取るのかよく分からない。それでも直線は大外から一瞬伸びかけていて、馬自身の気持ちは損なわれていない感じ。1800はリズム合わない印象だった。次走鞍上手替わり・パドックで落ち着き・相手落ちと3拍子揃えば買い。
8番 フェラーリピサ 9着
芝だとスイスイ楽に走れたのか、向う正面でやや掛かり気味に、不必要にポジションを前へ前へと押し上げていった。そんなところで脚を小出しに使ってしまったので、直線は早々にギブアップ。今回のレースを見た感じだと、ワンペースのパワー型で芝向きの瞬発力に欠ける印象。
9番 シベリアンバード 6着
スタートで少し出遅れて後方から。全体にリズムに乗り損ねた感じのレースだったが、直線終われてもさほど反応していないし、瞬発力がある雰囲気でもなかった。重賞だとこれぐらいかという感じで、力が足りない印象。
10番 フリオーソ 10着
鞍上が3角手前から果敢に押し上げて行って勝負に出たが、4角で終了。芝向きの馬ではなくて、JRAに挑戦するとしたら苦戦が続きそう。
11番 マイネルシーガル 2着
コーナリングの上手な馬で、レースセンスがいい。鞍上が流れに乗り切っての2着だったが、多少爆発力に乏しい感じで、距離も1800でギリギリという感じに思えた。
■ 回顧(2006年)
前走京都戦同様、腹回り重たいが、今日は落ち着いていた。大外枠だが、出脚良く、スッと好位へ。折り合い面は元々がスムーズ。4角で膨れたのは頂けないが、直線は一旦ドリームパスポートに出られ掛かっているところを凌ぎ切った。出脚の良さと並んでの渋太さが身上で、今日はそれを生かせるコース形態だったという事だろう。当然、本番でも同様の競馬を期待出来るだけに、チャンス充分。
2人曳き。-2kg。重いといえば重いが、張りが有っただけでも。歩様もスムーズで、毛ヅヤも悪くない。坂路での攻め馬の段階から前に馬を置いていて、今日は予定通りの控える策。前半は多少行きたがっていたが、これは乗り役にとっても想定の範囲内。ただ、今日はメイショウサムソンが4角で膨れて、4角どっち付かずになったのが痛い。追ってそれ程切れる馬では無いのと、メイショウサムソンが追って渋太いのも相俟って差し切れなかった。クロフネ産駒の割に出脚が無茶苦茶な程良く、折角の出脚を無駄にしてしまう待機策は愚の骨頂。本番は先行策に出るとは思うのだが、それが他陣営にもバレバレになってしまったのが痛い。ステキシンスケクンの存在も厄介。
+4kg。気持ち余裕が有る様に見えるが、気が良過ぎて、これ以上馬を追い込めないのだろう。出負け気味。出脚も甘く、後方から。前走京都戦同様に、ガラ開きのインを差し込んで、一旦抜け掛かっているのだが、メイショウサムソンの渋太さに屈する形。前走は手応えが良過ぎた様にも見えた程だったが、今日はそこ迄では無かっただけに、下が悪いのが応えた印象。従って内容そのものは悪くないが、出脚が無いだけに、毎回多頭数をどう捌くかが課題となる。
馬は上位と差が有るが、気配が良い。ゲート悪かったが、出脚が良く中段のインへ。4角では矯める余裕も有った程だが、坂下で勢い付けて来たドリームパスポートにスッと抜かれ、一瞬行き場を無くしたのが痛い。まあ、それが無くても着順は変わらなかった筈だが、この上位3頭は意外に強いだろう。それと差の無い競馬が出来ただけでも。
デキ自体は悪くなさそうだが、歩様が硬い。前走、控えて失敗しているだけに、今日はハナへ。ただ、出脚ではフサイチリシャールに分が有りそうだったが。道中、比較的楽だった分も有るのだが、使えている脚は何時も一緒。今日は馬場が悪くて全体の上がりが掛かった分、入着。下が渋った時に怖さが有るが、それ以外は用無し。
2人曳き。-12kg。テンション高いのは何時もの事。馬振りが良いので、それ程目立たないが、多少細い。ゲート入り梃子摺る。今日もゲート悪かったが、掛かり気味に中段へ。その割に道中手応えの悪いシーンも有ったが、勝負どころでも4角ナイトレセプションのマクりに動かされと、2戦しかキャリアの無い馬にはキツい展開になってしまった。相手関係云々は判断しようが無い面も有るが、少なくとも中山向きでは無い。
2人曳き。前走は重かったが、今日は+2kgでもそこ迄では無かった印象。毛ヅヤが良く、張りが有って、デキ自体も良さそう。前走程イン有利では無かったにしても、終始好位のインで立ち回り、展開絶好だったが、追って案外。上位とは力量差有る。
シープスキンノーズバンド。パシファイヤーをスタート直前に外す。デキ自体は前走から良かった。小さく纏まり過ぎているのは確かだが、歩様が良くなった。出脚が無かったのと、外からドッと来られて、中段やや後方。3〜4角中間から、外を果敢にマクッて行ったが、流石に最後は脚が上がってしまった。好位で流れに乗れれば、持続力を活かせる筈だが、出脚が無くなっているのが課題。
■ 回顧(2005年)
馬振り良く、デキも目立つ。中段のイン。折り合っていたし、とにかく如何に内で上手く立ち回るかが今の中山のポイントで、今日はその点だけを考えて乗られた。ただ、追い出してからも中々鋭い脚が使えていたし、能力はソコソコ有りそう。戦前はシーザリオに負けたのが気になって軽視してしまったが、どうやらシーザリオが本物だった様だ。
下見は姿勢高いのが目に付いたし、歩様に力強さが無かった。出ッパ悪かったが、押して中段のイン。道中は結構行きたがっていたが、直線だけ外へ出して中々の伸び。道中はインに居たとはいえ、今の中山で外へ出すだけでも結構なハンデになっている筈だが、折り合い欠き加減でこの追い込み。中々能力高い。
2人曳き。テンション高いが、父マヤノトップガンに良く似た造り。歩様も問題無し。好位の外で折り合って、4角早目の進出。抜け出してフワッとした分が最後やられてしまったが、見せ場はタップリだったし、最近の武豊騎手にしては珍しい騎乗。
父馬は違うが、姉エリモシック同様メリハリの利いた造り。中段で前を壁にして折り合いに専念。3〜4角中間から内目をジワジワ進出して、直線入り口でマクッたトップガンジョーの直後。ジワジワ伸びてはいるが、内を立ち回った利も有り、評価は手控えた方が良いだろう。内を立ち回った馬は勝たない事には。
テンション高いのは何時も通り。ただ、今日は多少緩い。もうちょっと前で競馬するかと思ったが、折り合いに専念して後方から。ただ、勝浦騎手、今日は前走の失敗が頭に有るのか、4角外へ回したのが失敗。最後詰めているだけに勿体無かった。距離は一応こなせる様だが、多少折り合いを欠くシーンも有って、これに気を遣う分がマイナスという程度。
相変わらず歩様に力強さが無い。例に依って後方からだが、折り合い怪しいのは何時もの事。4角手前辺りからジワジワ動いて行ったが、坂を上がってそこ迄。元々良い脚が一瞬しか無く、距離も不安有るタイプ。マイル路線に転向した方が賢明。
2人曳き。初東上の割には落ち着いていたが、トモの甘さは何時も通り。一瞬はハナを覗かせたが、アグネスジェダイが主張して控える形。とにかく頭の高い走法で、如何にも距離が長い印象。この距離ならハナ切らないとダメ。
2人曳き。悪くないが、ラジオたんぱ杯2歳ステークスが超抜に良かっただけに、今日のデキでは不満が残る。出遅れ。外枠だけにジワジワ押し上げて中段辺り迄は来たが、流石に脚を使い過ぎたか。好位で流れに乗ってこそのタイプで、今日は参考外。
■ 回顧(2004年)
デビュー以来イマイチ緩い印象も有ったのだが、今日は文句無し。硬い馬が多い中、歩様の柔らか味も目立っていた。ゲートアオったが、こういう時の横山典弘騎手は流石で、慌てず騒がず後方待機。4角でも脚を矯める余裕、直線向いた時の手応えが他馬とは全く違っていた。トライアル的乗り方だったし、使った強みが有るとはいえ、今日は完勝といえる内容。要は前走のマイネルブルックが強過ぎただけ。
テンションは高いが、今日は馬体の中身が有った。ゲートは出ていたが、無理には行かず何時もの競馬。4角で外へ出し、矯めたブラックタイドと併せ馬の形で追い込んで来た。昨秋は何故かデキが無かったが、デキさえ有ればこの位走っても当然の器。もっといえば、右回りは手前の替え方がスムーズだし、首も上手く使えていた。まあ、今更不器用さを嘆いても仕方が無いだけに、左回りでコレが出来るかどうかを今後の課題としたい。
2人曳き。シープスキンノーズバンド。多少気負っているが、これでもマシな部類。それよりも歩様の硬さが目に付いた。前半は口を割って行きたがっていたが、折り合ってからはソコソコスムーズ。尤も、今日はそれよりも、例の行きたがった2頭がこの馬に競り掛ける前に止まってくれた事が大きいのだが、実績馬アポインテッドデイは負かしたし、初芝にしては上々の内容。
相変わらずスカッと見せる。これで良いだろう。1角まで多少行きたがっていたが、その後はスムーズ。道中も好位の内々を立ち回って直線一旦は抜け切っているのだが、坂上決勝線寸前で力尽きる。この馬距離問わず何時もこんな感じで、抜け切ってからソラを遣う癖でも有るのだろうか?
器用さを武器にするこの馬にしては歩様が硬い。馬は悪くないのだが。中段で脚を矯めたかったのだろうが、折り合いを欠いたミスティックエイジに連られて引っ掛かってしまった。まあ、元々圧倒的能力を持っている訳では無いだけに、こうなるとどうしようも無い訳だが、そんな事よりも歩様の硬さの方が余程問題。ひょっとすると距離の融通が利かないかも。
二宮調教師大絶賛の馬だが、これは親の欲目。ゲートは出ていたが、押さえて後方待機。4角上手く外へ出したし、手応えも悪くなかった様に見えたが、追って案外。今日は力負けで、今後追い掛けても良い事は無さそう。
2人曳き。馬は良いが、歩様が相変わらず。中段の外も、向正面で思い切り引っ掛かって4角アラアラ。今日は仕方が無いといえばそうなるが、この馬もコスモサンビーム同様歩様の硬い分距離が気になる。