■ 特徴
スタート地点は1〜2コーナーの間にあるポケット。正面から見ると斜めに横切り、向正面の直線に合流するという特殊なコースとなっている。
スタートから向正面の合流地点までの距離は約150m。3コーナー手前にさしかかるところで緩い上り坂。
3〜4コーナーにかけては下り坂になっている。
最後の直線距離は525.9mで、新潟の外回りコースに次ぐ長さ。
フルゲートは時期によって異なる。一般の1回開催(2月)は16頭。
それ以外の開催は、A、B、Cコース時は18頭でDコース時が16頭。
古馬1000万クラスの平均ラップ(3F-3F-3F)と勝ち時計(良馬場)は、36.1-36.5-34.8=1.47.4。
前半と中盤のペースが遅く、後半の3ハロンが速いという典型的な上がり勝負。
重賞クラスのメンバーでも超スローの上がり勝負になることはめずらしくない。
逃げ、先行馬が有利だが、速い上がりが要求されるため、小回りのローカルを得意としているような先行馬は逆に苦しい。
内枠を引いた方がコーナリングの際に距離ロスを避けることができるが、馬群が内々に寄ってくると、不利を受けることがある。
手ごろな頭数ならばそういった不利は少ないので、どの枠でもあまり気にすることはない。
多頭数になった場合は大外枠が不利。
種牡馬成績はアグネスタキオン、ダンスインザダーク、スペシャルウィーク、マンハッタンカフェなどサンデーサイレンス系が上位。
■ チェックポイント
モデル種牡馬 | アグネスタキオン | ダンスインザダーク | スペシャルウィーク | マンハッタンカフェ | トニービン | ペンタイア | グランドスラム |
危険種牡馬 | |||||||
枠有利不利 | 内枠有利 | ||||||
脚質有利不利 | 先行馬有利 | ||||||
直結コース | |||||||
非直結コース | |||||||
モデル騎手 | |||||||
重賞 | ≫共同通信杯(G3) | ≫エプソムC(G3) | ≫毎日王冠(G2) | ≫府中牝馬S(G2) | ≫東スポ杯2歳S(G2) |
■ 「府中千八展開要らず?」
まず、比較的スムーズなコーナー突入になるので、先行争いが激しくならないのが特徴。
先行争いが激しくならないにも関わらず、2コーナーでは外枠の先行馬がロスを強いられているコースです。
流れが落ち着くのに外枠先行馬は不利になり、流れが落ち着きやすいから差し馬にも不利な流れになるコースと言えます。
よって、内枠の先行馬に有利なコースになっています。
能力的に少し欠けている馬でも内から楽に単騎で行けるときには、馬場に関わらず馬券の対象として考えておいても良い。
特にレースの流れが落ち着きやすいメンバーがそろった時には狙いやすいコースの1つとなります。
サンデーサイレンスやトニービン、ダンスインザダーク産駒の好走が目立つ。
2コーナーからやや斜めに下がるように引き込まれた地点からスタート。そのためにインコースが有利と言えるコース形態になっている。
決まり手から見ると、これが圧倒的に逃げ・先行がA〜Eコース関係なく有利。
かろうじて3着馬が互角という結果が出ている。ただ、馬場が稍→重と悪化するとその逆の現象が出ているのが面白い。
ペースが平均になり易い距離とコース形態が逃げ・先行勢に有利に働いていると言えるかもしれない。
枠順は内が有利かと思いきや、中(4〜6枠)が断然で内(1〜3枠)、外(7・8枠)はあまり芳しくない。
2着になると内が圧倒的有利で次に外、中はガクンと落ちる。3着馬になると再び中枠が有利で内、外という順だ。
こうみると、この条件は脚質は逃げと先行、枠は中枠の馬が狙いと言えるかもしれない。
1着は逃げ、先行脚質で中枠の馬、2着は内枠、3着は中枠が中心という点が特徴。
■ 仮柵位置で読む東京芝1800mの特徴
広い東京コースは全般的に、各馬の力が発揮しやすいクセの無いコース形態であるのが特徴。
同レースが行なわれる東京芝1800mは、2コーナー奥の緩いカーブからのスタートだが、芝2000mほど極端な特徴ではない。
したがって、一般的には、枠順の有利・不利はあまり叫ばれない。しかし、実際に本当なのだろうか?
同じ東京芝1800mでも仮柵(移動柵)の位置によって傾向が異なり、面白いことがわかるのだ。
データは、東京競馬場が新装オープンした03年以降の全レースを対象。
調査については、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JVを利用した。
■表1 東京芝1800mの枠順別成績(03年以降)
1着
|
2着
|
3着
|
着外
|
合計
|
勝率
|
連対率
|
複勝率
|
単回収率
|
複回収率
|
|
1枠 |
12
|
9
|
16
|
132
|
169
|
7.1%
|
12.4%
|
21.9%
|
50%
|
71%
|
2枠 |
12
|
16
|
10
|
146
|
184
|
6.5%
|
15.2%
|
20.7%
|
42%
|
67%
|
3枠 |
17
|
16
|
13
|
144
|
190
|
8.9%
|
17.4%
|
24.2%
|
85%
|
66%
|
4枠 |
17
|
11
|
11
|
162
|
201
|
8.5%
|
13.9%
|
19.4%
|
44%
|
59%
|
5枠 |
13
|
18
|
20
|
154
|
205
|
6.3%
|
15.1%
|
24.9%
|
180%
|
104%
|
6枠 |
21
|
13
|
22
|
166
|
222
|
9.5%
|
15.3%
|
25.2%
|
121%
|
76%
|
7枠 |
18
|
24
|
18
|
198
|
258
|
7.0%
|
16.3%
|
23.3%
|
53%
|
82%
|
8枠 |
14
|
17
|
14
|
211
|
266
|
5.3%
|
11.7%
|
16.9%
|
84%
|
58%
|
表1は東京競馬場が新装オープンした03年以降の東京芝1800mの全レースを対象に枠順別成績を集計したものである。
5枠の単勝・複勝回収率がともに100%を超えているものの、全般的にはあまり大きな特徴は見られない。
連対率はすべての枠が10%以上で、最高でも3枠の17.4%。
コース形態からイメージされるように、全般的には東京芝1800mは枠順の有利・不利はあまりないように見える。
しかし、ここで結論づけてしまうのはまだ早い。
同じ東京芝1800mでも仮柵設置によるコースごとでは、大きな特徴があるのだ。
■表2 東京芝1800m・Aコースの枠順別成績(03年以降)
1着
|
2着
|
3着
|
着外
|
合計
|
勝率
|
連対率
|
複勝率
|
単回収率
|
複回収率
|
|
1枠 |
4
|
4
|
6
|
78
|
92
|
4.3%
|
8.7%
|
15.2%
|
36%
|
65%
|
2枠 |
4
|
5
|
6
|
83
|
98
|
4.1%
|
9.2%
|
15.3%
|
15%
|
72%
|
3枠 |
9
|
10
|
5
|
77
|
101
|
8.9%
|
18.8%
|
23.8%
|
60%
|
52%
|
4枠 |
10
|
3
|
8
|
84
|
105
|
9.5%
|
12.4%
|
20.0%
|
44%
|
70%
|
5枠 |
8
|
12
|
10
|
79
|
109
|
7.3%
|
18.3%
|
27.5%
|
73%
|
82%
|
6枠 |
12
|
5
|
15
|
87
|
119
|
10.1%
|
14.3%
|
26.9%
|
126%
|
88%
|
7枠 |
12
|
16
|
10
|
107
|
145
|
8.3%
|
19.3%
|
26.2%
|
65%
|
109%
|
8枠 |
7
|
11
|
6
|
124
|
148
|
4.7%
|
12.2%
|
16.2%
|
34%
|
39%
|
東京競馬場に限らずJRAの芝のレースでは、芝を保護するために仮柵を設置、移動させてレースが行なわれている。
コース改修後の現在の東京競馬場の芝コースでは、Aコース・Bコース・Cコース・Dコースと4種類のコース設定でレースが行なわれている。
念のために説明しておくと、内ラチがメインスタンドより最も奥にあるのがAコースで、これが競馬場の仕様をそのまま使った通常のコース設定。
直線の幅員は最も広い。そして、Bコース→Cコース→Dコースの順に、仮柵がよりスタンド寄りに設置され、直線の幅員は徐々に狭くなっていく。
仮柵設置によるコースの特徴をもう一つ示しておくと、4コーナーから直線に入る時のカーブは、Aコースが最もきつくなり、Dコースが最も緩やかになる。
実際にイメージしていただくとわかるはずだ。
※上記は仮柵位置により内側の芝が使用されなくなることがわかりやすく示したもの Aコースは2003安田記念、Bコースは2004天皇賞秋の写真を使用。 |
そこで、表2にご注目いただきたい。
これは東京芝1800mのAコースの枠順別成績を集計したものだ。
表1との違いは一目瞭然。今度は特徴がハッキリでている。
内の1枠、2枠の成績が悪く、連対率は10%を切っている。2枠と3枠の連対率では倍以上の差がある。
回収率では6枠の単勝、7枠の複勝が好成績。全般的に見ると、大外の8枠も少し弱いか。
とにかく、Aコースでは1枠、2枠が不利であるように見える。
■表3 東京芝1800m・Bコースの枠順別成績(03年以降)
1着
|
2着
|
3着
|
着外
|
合計
|
勝率
|
連対率
|
複勝率
|
単回収率
|
複回収率
|
|
1枠 |
1
|
1
|
3
|
14
|
19
|
5.3%
|
10.5%
|
26.3%
|
43%
|
60%
|
2枠 |
1
|
3
|
2
|
14
|
20
|
5.0%
|
20.0%
|
30.0%
|
12%
|
69%
|
3枠 |
1
|
3
|
1
|
16
|
21
|
4.8%
|
19.0%
|
23.8%
|
123%
|
68%
|
4枠 |
3
|
1
|
0
|
20
|
24
|
12.5%
|
16.7%
|
16.7%
|
45%
|
30%
|
5枠 |
1
|
2
|
1
|
21
|
25
|
4.0%
|
12.0%
|
16.0%
|
428%
|
60%
|
6枠 |
5
|
4
|
2
|
15
|
26
|
19.2%
|
34.6%
|
42.3%
|
130%
|
115%
|
7枠 |
1
|
1
|
3
|
28
|
33
|
3.0%
|
6.1%
|
15.2%
|
46%
|
32%
|
8枠 |
3
|
1
|
4
|
27
|
35
|
8.6%
|
11.4%
|
22.9%
|
137%
|
84%
|
続いてBコース。
表3は東京芝1800mのBコースの枠順別成績だ。
Bコースは施行レース数が最も少ないのでまだ断定はできないが、Aコース同様に内枠は歓迎できない。
連対率ベースではそれほど大きな不利は感じないが、回収率ベースでは不満な数字。穴馬の台頭は少なく、力のある馬(人気馬)しか来れない気配がある。
また、6枠の成績が非常に良いのも特徴。
■表4 東京芝1800m・Cコースの枠順別成績(03年以降)
1着
|
2着
|
3着
|
着外
|
合計
|
勝率
|
連対率
|
複勝率
|
単回収率
|
複回収率
|
|
1枠 |
5
|
1
|
3
|
22
|
31
|
16.1%
|
19.4%
|
29.0%
|
131%
|
85%
|
2枠 |
5
|
5
|
2
|
27
|
39
|
12.8%
|
25.6%
|
30.8%
|
135%
|
79%
|
3枠 |
3
|
3
|
5
|
27
|
38
|
7.9%
|
15.8%
|
28.9%
|
141%
|
122%
|
4枠 |
2
|
4
|
2
|
34
|
42
|
4.8%
|
14.3%
|
19.0%
|
53%
|
60%
|
5枠 |
4
|
1
|
6
|
32
|
43
|
9.3%
|
11.6%
|
25.6%
|
424%
|
173%
|
6枠 |
3
|
2
|
3
|
38
|
46
|
6.5%
|
10.9%
|
17.4%
|
168%
|
46%
|
7枠 |
2
|
6
|
2
|
37
|
47
|
4.3%
|
17.0%
|
21.3%
|
21%
|
50%
|
8枠 |
1
|
3
|
2
|
43
|
49
|
2.0%
|
8.2%
|
12.2%
|
235%
|
93%
|
表4は東京芝1800mのCコースの枠順別成績。
Cコースは内ラチ(Aコース)から9mの位置に仮柵が置かれるのだが、これまた特徴的なコース。
Aコースとは一転し、今度は内枠の成績が良くなる。2枠の連対率はトップの25.6%、2位は1枠の19.4%。単勝回収率も良くなるのだ。
対する大外の8枠は連対率が10%を切ってくる。
そして、もう一つ特筆すべきなのが回収率。どの枠も軒並み回収率が高い。
CコースもBコース同様に、それほど施行レース数は多くないのだが、他のコースと比べると明らかに平均値が高いのがおわかりいただけるだろう。
Cコースは、人気薄の馬が激走・好走しやすいようだ。
■表5 東京芝1800m・Dコースの枠順別成績(03年以降)
1着
|
2着
|
3着
|
着外
|
合計
|
勝率
|
連対率
|
複勝率
|
単回収率
|
複回収率
|
|
1枠 |
2
|
3
|
4
|
18
|
27
|
7.4%
|
18.5%
|
33.3%
|
12%
|
82%
|
2枠 |
2
|
3
|
0
|
22
|
27
|
7.4%
|
18.5%
|
18.5%
|
25%
|
30%
|
3枠 |
4
|
0
|
2
|
24
|
30
|
13.3%
|
13.3%
|
20.0%
|
69%
|
37%
|
4枠 |
2
|
3
|
1
|
24
|
30
|
6.7%
|
16.7%
|
20.0%
|
32%
|
37%
|
5枠 |
0
|
3
|
3
|
22
|
28
|
0.0%
|
10.7%
|
21.4%
|
0%
|
126%
|
6枠 |
1
|
2
|
2
|
26
|
31
|
3.2%
|
9.7%
|
16.1%
|
24%
|
43%
|
7枠 |
3
|
1
|
3
|
26
|
33
|
9.1%
|
12.1%
|
21.2%
|
56%
|
55%
|
8枠 |
3
|
2
|
2
|
27
|
34
|
8.8%
|
14.7%
|
20.6%
|
29%
|
62%
|
最後にDコースについて。表5は東京芝1800mのDコースの枠順別成績を集計したもの。
連対率は、一応1枠と2枠が上位。Cコースの特徴をある程度引き継いでいると言っていいだろう。ただし、
8枠をはじめとする外目の枠の成績はそれほど悪くない。むしろ真ん中の枠が、やや不振。
Bコースとは対象的に6枠の成績が良くない。
【結論】
東京芝1800mはクセのないコース形態だが、仮柵の位置によって特徴は大きく変わる。
まずは、仮柵ではない内ラチいっぱいを使ってレースが行なわれるAコースは、1枠、2枠の成績が悪い。
Aコースは基準となるコース設定で、幅員も広く、あまり枠順の有利・不利を感じなさそうだが、不思議と内枠が不利となっている。
BコースもAコース同様の傾向で、内枠は歓迎できない。
ところが、Cコースになると傾向が一変する。Cコースは1枠、2枠が好成績。
内枠が良くなり、大外の8枠が不利だ。
また、Cコースは全般的にどの枠も回収率が高め。
波乱含みのレースが続いている。DコースはCコースと同様の傾向。若干ではあるが、内枠が強い。
さて、そこで今週末の毎日王冠ではどう考えるべきか。
今年も例年同様にAコースで行なわれることになっている。
東京競馬場新装後、過去2年の枠順結果を見てみると、03年が枠連6-8、04年が枠連4-8で決着している。
仮柵の移動が及ぼすレースへの影響はいろんなパターンがあって、例えばBコース→Aコースというコース移動が行なわれた場合、Bコース時に保護されていた内側の芝3mが絶好となる。
したがって、枠順の有利・不利は、仮柵設置によるコース形態の差だけが要因とは言えない面もあるのだが、少なくとも開幕週の馬場はフラットな状態。
そこで、2年連続外目の枠が来ているのは、偶然とは言えないのではないだろうか。今年もAコースの特徴を踏まえながら予想を組み立ててみたい。
■ 東京芝1800mは外枠が大きな不利、他の競馬場のマイル戦のような展開になる
2000mのコースはすぐに誰でも頭に思い浮かぶのではないでしょうか?天皇賞が行われるのでコースの形は比較的有名です。
スタートして急なコーナーがあるので外枠が大きく不利になるのは御存知だと思います。
さて芝1800mですが、このコースは比較的コースの形を覚えられていないコースだったりもします。
そのため、おいしい馬券がゴロゴロ転がっているのがポイントです。
2000mとは形は異なりますが、スタートしてすぐにコーナーを迎えると言う点に関しては同様です。
コレによって、比較的ペースが落ちやすくなるので、内枠の先行馬がダントツで有利なコースとなっています。
また後押しとして、芝が前に有利な馬場であればさらに文句のつけようがありません。
このコースは東京のコースの中でも一番好きなコースです。軸も決めやすく紐も絞りやすいコースの1つです。
ただ、全部の1800mのレースが買える訳ではなく、その中でも理想的なものに絞り込んでいくことによって、より獲りやすくなるのがポイントです。
これは今まで書いてきた、色塗りからの展開読みを行うことで見えてきます。
つまり、その中でも比較的逃げる馬が楽を出来るメンバーのレースに絞り込んで勝負することが重要になります。
他の競馬場のマイルは東京では1800mに当たると考えています。
それはある程度スピードで押し切れてしまうのが東京1800mの特徴です。
特にこのコースは内枠先行馬が有利なコースだと考えています。