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マリーンC(G3)

【マリーンC・男の解の公式】 TCK女王盃・エンプレス杯好走馬を狙え!
モデル馬 ラヴェリータ

■ 経緯

勝負
結果
馬場
状態
ラップ タイム アガリ 3連単 着順 枠番 馬番 馬名 人気 性齢 所属 母父 通過順
2012年 12.0-11.4-12.9-12.8-12.6-12.2-13.2-13.2 1.40.3 38.6 7.3 1着 1 1 ミラクルレジェンド 1 牝5 JRA フジキセキ Awesome Again 6-6-6-6
2着 3 3 クラーベセクレタ 2 牝4 船橋 ワイルドラッシュ タイキシャトル 5-4-4-3
3着 7 10 プレシャスジェムズ 4 牝5 JRA シンボリクリスエス ストームキャット 2-2-2-1
2010年 12.3-11.9-12.9-12.4-12.0-12.0-12.5-13.2 1.39.2 37.7 120.0 1着 5 6 トーホウドルチェ 4 牝5 JRA サウスディグラス ブライアンズタイム 2-2-2-2
2着 6 8 ラヴェリータ 1 牝4 JRA アンブライドルズソング ゴーンウエスト 6-6-4-4
3着 4 4 ユキチャン 3 牝5 川崎 クロフネ サンデーサイレンス 3-3-3-3

※2011年は中止

■ ステップ

レース コース 勝負結果
1月 TCK女王盃 大井1800m ×
2月 エンプレス杯 川崎2100m 中止
4月 マリーンC 船橋1600m
6月 関東オークス3歳 川崎2100m
7月 スパーキングLC 川崎1600m
9月 レディスプレ 大井1800m
10月 JBCレディスC 大井1800m
10月 エーデルワイス賞2歳 門別1200m
12月 クイーン賞ハンデ 船橋1200m

■ 2012年回顧

馬名
1 1 1 ミラクルレジェンド
2 3 3 クラーベセクレタ
3 7 10 プレシャスジェムズ
4 4 5 エミーズパラダイス
5 7 11 アイアムアクトレス
6 6 9 ツキノテンシ
7 2 2 カツヨトワイニング
8 5 7 リワードリメーン
9 8 13 キープザチェンジ
10 5 6 トウホクビジン
11 4 4 コロニアルペガサス
12 8 12 メモリアルイヤー
13 6 8 エーシンギムレット

船橋競馬場で行われた牝馬による統一ダートグレード競走(JpnIII)サッポロビール盃第16回マリーンカップ(1着賞金2100万円、ダート1600)は、
圧倒的人気に推されたJRAのミラクルレジェンド(栗東・藤原英昭厩舎、岩田康誠騎乗)が勝った。

レースはメモリアルイヤーが逃げ、4番人気のプレシャスジェムズは2番手から、3番人気のアイアムアクトレスが3番手を進み、
その後ろに2番人気のクラーベセクレタ、5番人気のエミーズパラダイスの地元勢。
ミラクルレジェンドは6番手からのレースとなった。

3コーナーで逃げたメモリアルイヤーが力尽き、プレシャスジェムズ、アイアムアクトレス、クラーベセクレタ、ミラクルレジェンドの順で最後の直線に向いたが、
抜け出しを図ったクラーベセクレタをミラクルレジェンドが直線半ばで捉えて1馬身半の差を付けてゴールに入った。
3馬身差の3着にプレシャスジェムズが続き、さらに半馬身差4着に地元のエミーズパラダイス、3番人気のアイアムアクトレスは5着だった。

勝ったミラクルレジェンドは父フジキセキ、母パーソナルレジェンド(その父オーサムアゲイン)という血統の5歳馬。
北海道千歳の社台ファームのオーナーブリーディングホース。
2010年にクイーン賞(船橋)、昨年2011年にレディスプレリュード(大井)、JBCレディスクラシック(大井)と合計3つの重賞を勝っている。
通算成績は17戦9勝(重賞4勝)。

レース後の関係者のコメントは以下のとおり。

1着 ミラクルレジェンド
(岩田康誠騎手)
レース自体は戸崎騎手(クラーベセクレタ)を見ながらできたのも良かったですし、
手ごたえも反応も良く直線で弾けることができました。
(2月のエンプレス杯が当日に競走取りやめとなった影響はなく)それから日にちも経って馬もリラックスしていい状態だったと思います。
去年JBCレディスクラシックを勝たせて頂いたので今回は負けられないという気持ちでいましたし、いいパフォーマンスが見せられたと思います。
この馬の走りができればJBCレディスクラシックの連覇もできると思います。また応援してください。


提供:ラジオNIKKEI


直線でライバルを競り落とす
JBC連覇に向け女王の貫禄

前日の爆弾低気圧による荒れた天気にはひじょうに驚いたが、当日は打って変わって穏やかなポカポカ陽気となったのは幸いだった。
馬場悪化が懸念されていたマリーンカップJpnVは重馬場での実施となった。

ダート界の女王ミラクルレジェンドと地方を代表する牝馬の1頭クラーベセクレタの2度目の直接対決に沸いた今年のマリーンカップJpnV。
両馬とも前走はエンプレス杯JpnUを予定していたが、降雪のためにレース自体が中止。ここに切り替えて仕上げられてきた。
実質約4カ月の間隔は空いたが、そんなハンデは微塵も感じさせない名勝負を繰り広げた。

レースは、森泰斗騎手のメモリアルイヤーが一気にハナを奪うと、「想定内だったし、いい流れだった」という武豊騎手のプレシャスジェムズは2番手につけた。
その後にも結果的には上位を独占する馬たちが続いたが、
戸崎圭太騎手のクラーベセクレタは中団前の内目から進めていき、
岩田康誠騎手のミラクルレジェンドはその後ろでピッタリとマークする形で追走していった。

3コーナーでプレシャスジェムズが代わってハナに立ち、そのまま押し切りそうな抜群の手応えだったが、
残り200メートル付近でミラクルレジェンドとクラーベセクレタが馬体を併せながら一瞬のうちに抜き去って2頭のマッチレース。

クラーベセクレタも必死に食い下がったもののあと一歩及ばず、ミラクルレジェンドが貫録勝ちを収めた(勝ちタイムは1分40秒3・重)。

ミラクルレジェンドの藤原英昭調教師は、
「忙しいマイル戦はどうかなと思ったけど、常にああいうスタイルで競馬ができるのはいいですね。
心身ともに成熟しているし、これをいかに北島康介選手のように維持させられるか」と、
前日に行われた競泳のロンドン五輪代表選考会を兼ねた日本選手権で、100メートル平泳ぎ決勝を日本新記録で優勝した北島選手に例えた。
ミラクルレジェンドは、昨年のJBCレディスクラシックをはじめこれで5つ目のタイトル奪取となった。

一方でクラーベセクレタの健闘にもたくさんのエールが送られた。
3歳時のレディスプレリュード(5着)でミラクルレジェンドと対戦し、3キロのハンデをもらって0.9秒差をつけられたのだが、
今回は同斤で0.2秒差まで詰め寄った。

「クラシックの頃は砂を嫌がっていたけど、今日は我慢をしてくれて成長しています。
(クラーベも)力はあるし負かすチャンスはあります」と戸崎圭太騎手は振り返っていた。
クラーベセクレタにかかわる人たちにとっても大きな手応えをつかむことになっただろう。

この2頭の最大目標は11月5日に川崎競馬場で行われるJBCレディスクラシックで、
地方競馬にかかわるものとしては、やはりクラーベセクレタによる逆転を夢見たいものだ。
この0.2秒差がこれからの7カ月でどう変わっていくのか見届けたい。そこに向けた戦いはすでに始まっている。


岩田康誠騎手
戸崎君を見ながらレースを進められて、直線で弾けることができました。
去年JBCレディスクラシックを勝たせていただいているので、ここでは負けられない気持ちもあったし、いいパフォーマンスができました。
この馬の走りができれば(JBCレディスクラシックの)連覇はできると思います。

藤原英昭調教師
エンプレス杯JpnUのときは川崎に到着していたので、雪で中止になったのは馬にはかわいそうでしたが、
間隔は空いてもいい状態で臨めたと思います。
男馬が混ざるともう少しですが、牝馬同士ならまた違いますね。
目標のJBCレディスクラシック連覇に向けてどんなローテーションを組むかはこれから考えます。


取材・文:高橋華代子


◎(1)ミラクルレジェンド  1分40秒3
○(2)クラーベセクレタ     11/2
△(3)プレシャスジェムズ     3
▲(4)エミーズパラダイス     1/2
△(5)アイアムアクトレス     1/2
……………
 (6)ツキノテンシ
 (10)トウホクビジン
△(12)メモリアルイヤー

ミラクルレジェンドが女王の貫録をみせつけた。
外枠からメモリアルイヤー、プレシャスジェムズ、アイアムアクトレスの先行。クラーベセクレタ、エミーズパラダイスが馬体を併せて追走し、
ミラクルレジェンドは、それを1馬身前にみてじっくり乗られた。

千通過61.7秒、流れ自体はスローに近く、しかし同馬の爆発力は、展開もコース取り(大外)も関係なかった。
直線あと1F、それこそほんのひと気合で前をねじ伏せ、終いまだまだ伸びる勢いがあった。
「戸崎くんの馬(クラーベセクレタ)を目標に理想的なレースができた。最高のパフォーマンス。ただ勝つだけではなく、この馬らしさを引き出せたことが今日は嬉しい」(岩田J)。
コメント通り、何とも自信にあふれた勝利とみえた。

ミラクルレジェンドはダート通算9勝、重賞5勝目。
昨秋ラヴェリータを2度完封して頂点に昇り、この日はそれをダメ押しする結果になった。
430キロ台、一見華奢に写る馬体ながら、いざ実戦に行って精神力がきわめて強い。
馬群でじっと我慢がきくこと、GOサインからの反応が素晴らしいこと。
今回唯一未知数とされた距離千六(JRA時芝・3、6着)も、結果的に難なくクリア。今後に向けて、視界と可能性がさらに大きく広がった。

「(千六は)少し忙しいかと思ったけれど、この勝ちっぷりなら文句なし。
乗り役さんの指示通り動いていたし、5歳になって成熟、円熟ということでしょう」(藤原英昭調教師)

次走は明言されなかったが(最終目標・JBCレディスクラシック)、
同馬はごく客観的にみて牡馬通用の能力が現在ある(JCダート・小差6着)。距離オールマイティを思えば、GI「かしわ記念」→「帝王賞」のローテも十分浮かぶ。

クラーベセクレタ2着。確かに現実完敗だが、昨秋レディスプレリュード、ミラクルレジェンドとの5馬身差を今回1.1/2馬身差まで詰めてきた。
パドックの馬体、雰囲気など威圧感にあふれ、数字上さして変わらない460キロ台でも中身が違う印象が濃い。

「もまれる展開をしっかり落ち着いて走ってくれた。体も気持ちも成長している。(逆転の)手応えは感じています」(戸崎J)

ライバルより1つ若い明け4歳。いずれにせよこの2頭は“名牝の時代”を築けるだけの資質がある。

プレシャスジェムズは、失速メモリアルイヤーを捕え自然流の4角先頭。
それでいて2強にあっという間に3馬身差をつけられたあたり、結果3着でも胸が張れない。
対して3歳エミーズパラダイスは勝負どころでいったん後退、しかし直線あと1Fでこれは…というガッツをみせた。
今後どういう路線(牡馬牝馬)を川島正行陣営が選択するか。
ただ現時点の記者印象はマイル前後ベスト。牡馬クラシックに臨むには、もうワンパンチほしい気もする。

■ 2010年回顧

馬名
1 5 6 トーホウドルチェ
2 6 8 ラヴェリータ
3 4 4 ユキチャン
4 1 1 ケイアイガーベラ
5 8 13 ダイアナバローズ
6 7 10 タカヒロチャーム
7 2 2 クロスウォーター
8 4 5 トウホクビジン
9 7 11 パリスエトランゼル
10 6 9 ケイエスブーケ
11 8 12 ワールドレデー
12 3 3 ケージーフジ
13 5 7 オグリオトメ

ゴール前の接戦をハナ差しのぐ、牝馬ダート戦線に新星誕生

9歳牝馬メイショウバトラーが、重賞10勝目を決めた貫録の勝利から約10カ月。今年も好レースが展開された。

実績ナンバー1のラヴェリータを筆頭に、上がり馬ケイアイガーベラ、白毛のアイドルホース・ユキチャンが単勝10倍以下の人気で三つ巴。

優勝したのは、四位洋文騎手が手綱を取った中央5勝の実績馬トーホウドルチェ(4番人気)。

昨年はプロキオンステークスGIIIでの惜しい2着で重賞タイトルを逃したが、今回は地方競馬初参戦で重賞ウイナーに見事輝いた。
「ここ数週間、攻め馬をつけていて状態が良いのはわかっていました。一生懸命走り過ぎるところがあるので、折り合いがポイントでしたね」と四位騎手。

ケイアイガーベラが先手を取り、トーホウドルチェはスーッと2番手へ。3番手外めにはユキチャンで、
その後ろにはラヴェリータとダイアナバローズが続き、人気上位馬が先団を形勢し、そのまま掲示板を独占することになる。

「折り合いはつきました。あとは、ユキチャンと岩田君(ラヴェリータ)が後ろから来ると思ったので、
まくられないように、その時は自分から行こうと思っていたので、いいタイミングでスパートができたと思います。
勝つ時はこんな感じですね」(四位騎手)。

3〜4コーナーからユキチャンが外めを上がっていくと、すかさずトーホウドルチェも進出し、直線に入ったところでは逃げていたケイアイガーベラを交わし切り先頭へ。

「最後は岩田君の馬がすごい脚で来たんですが、(トーホウドルチェは)一杯一杯で止まっていたので、ゴールした瞬間は交わされたと思いました」(四位騎手)。

岩田康誠騎手のラヴェリータは直線で前が壁になりながらも、進路が決まって内めから猛追してきた姿はさすが女王の走り。
最後は首の上げ下げまで持ち込むも、トーホウドルチェがハナ差しのぎ切った(勝ちタイム1分39秒2・重馬場)。
「体が小さくて神経質なところがありますが、どっしり構えてくれるようになれば安定して力を出せるようになると思います」(四位騎手)。牝馬のダートグレード戦線に、新星が誕生した。

ユキチャンの人気は変わらずに絶大だった。
平日にもかかわらず、早い時間帯から若い客層が多く目につき、最後の直線でもユキチャンを応援する黄色い歓声が飛んでいた。
今回は休み明けや忙しいマイル戦などプラスとは言えない条件も重なったが、昨年よりも約3秒も速いタイムで駆け抜けている。
関係者もユキチャンの頑張りを称えていた。この後は5月19日(水)の大井記念(大井・2600メートル)に向かう予定だ。


四位洋文騎手
今日はハナを切ろうと思ったんですが、秋山君(ケイアイガーベラ)が行くと思ったので2番手から進めました。小回りの競馬場なので乗り方ひとつでした。久しぶりに船橋競馬場で重賞を勝たせてもらって、また来たいですね。

田島良保調教師
距離や馬体重減は気になりましたが頑張ってくれました。馬場を1周回るレースは初めてだったんですが、上手になだめて乗ってくれました。小回りや左回りは問題ないことがわかったので、予定は吟味して決めたいと思います。


取材・文:高橋華代子

■ 2007年回顧

スタート決めたトーセンジョウオーが注文通りの逃げ。チヨノドラゴンが番手追走も、勝負どころでクリムゾンルージュが仕掛ける。
直線入り口で一瞬「をっ!」と思ったのだが、クリムゾンルージュはなかなか捕らえられない。
トーセンジョウオーも突き放しにかかる。
結局、そのまま1馬身半差の決着となった。

クリムゾンルージュはほぼ完璧なレース運びだっただけに、これは悔しい。
トーセンジョウオーは自分の形になっただけに、最後まで渋太かった。
チャームアスリープはスタートからしてまるでダメだった。
叩いた次走に期待したい。
ライラプスは前残りの競馬で、位置取りも良かった。
逆にサウンドザビーチは流れが緩かったこともあり、普段より前目の競馬だったが、終い伸びなかった。

【レース】
予定の作戦か今回も内田博騎手が気合をつけてトーセンジョウオーが難なくハナ。
金沢のチヨノドラゴン、JRAのサウンドザビーチが意外な先行策。前半のペースは馬場状態とクラスを考えればほぼ平均。
一旦は追い込み勢が動く気配をみせましたが、それをガッチリと受け止めたトーセンジョウオーは、終いの脚いろも全く衰えず余裕の1着ゴール。
2着にはうまく一瞬の決め手を駆使したクリムゾンルージュが入線しました。

【上位馬の寸評】
1着 トーセンジョウオー
前々走のTCK女王盃はスローの瞬発力勝負に決め手負け。
前走のエンプレス杯は強気に先手を主張して逃げ切り。
やはりこの馬は多少強引にでも先に行って、差し馬勢の末脚をなし崩しに使わせるような競馬が合う。
予想通り今回も内田博騎手が強攻策に出ました。もっともさほど労せずしてハナへ。
向正面で一旦息を入れたところで、後方待機組が一気に進出、脅かす気配をみせましたが、これをガッチリ受け止めてリズムは乱れず。
最後の直線も脚いろ衰えず、着差以上の楽勝でした。時計の1分37秒3は軽い馬場を考慮しても優秀。
今後は男馬を相手に大きなところを狙っているようですが、逃げて自分の競馬ができればソコソコ頑張れるかも。
なおパドックの気配は、以前のうるさい面が影を潜め落ち着いたもの。パワフルな好馬体は言わずもがな。まだ進化しています。

2着 クリムゾンルージュ
前々走のTCK女王盃では、内を突いて一旦先頭に立つ見せ場を作った同馬。
以前は芝志向のイメージが強かったものの、どうやらダート慣れしてきた様子。
まして今回は時計の速い脚抜きのいい馬場、そして稽古の動きも抜群と、好材料が目白押し。
問題はかなりハードに追われているので馬体減でしたが、当日はプラス3キロ。
トーセンジョウオーと見比べるのは可哀想ですが、フックラして集中力もありいい感じでした。
レースは馬任せの先行策で前半は5番手。
4コーナー手前では抜群の手応えで3番手に進出。
直線一旦はトーセンジョウオーに迫るシーンもありましたが、相手も本気になり最後は同じ脚いろに。
ただし堂々たるA級馬の走りです。
このデキを維持できれば、脚抜きのいい馬場で1600メートル以下の距離なら相当な力を発揮する。

3着 ライラプス
過去南関では関東オークス4着、エンプレス杯12着。
JRAではすべて芝を走っており芝志向は明らか。
それが好走できたのは、やはりクリムゾンルージュと同様に、脚抜きのいい馬場になったのが幸いしたようです。
ただしデキの良さも見逃せません。
中間は坂路で速い時計を何本も出すなど意欲的。
当日はマイナス8キロですが、パドックではキビキビとした動きで周回。
毛ヅヤの良さも目立っていました。
レースは道中5、6番手のポジションをキープして、上がり3ハロン36秒4の末脚を発揮、2着のクリムゾンルージュに迫る勢い。
ダート戦での好走は注文が多いものの、芝ならあと1、2勝はできるかも。

4着 ミリオンベル
ダートでの実績は相当なものですが、基本的には1400メートル以下がベター。
しかも休み明けをひと叩きされたものの稽古の動きが今ひとつとのことで、半信半疑の評価。
体重は前走からマイナス11キロ。
決して細い感じはなく絞り込んだ分なのか。
適度に気合が乗って悪くはみせませんでした。
レースは馬なりで先行して内3番手から。
途中ペースアップした際にやや離されたものの、4番手は堅持。
最後は内を突いたところ。内にヨレたチヨノドラゴンに進路をカットされて行き場を失う破目に。
果たして真っ直ぐ走れていたらどうだったか…。
私にはもう脚がないように映りました。
短目の距離ならもう少し走れる馬なのかもしれません。

5着 チヨノドラゴン
前半ジックリ構えてどこかで見せ場を作るのでは、というイメージを描いていましたが、意外にも馬なりで2番手に。
そして4コーナーまでその番手を維持。
クリムゾンルージュに交わされた後は苦しがって内にヨレる形。
その際にミリオンベルの進路をカットして4着から5着に降着になりました。
決して細くは映りませんでしたが、マイナス13キロは誤算だったはず。
その状態でこれだけ非凡なスピード能力を発揮するのだから、全国各地には隠れた逸材がいるもの。
次の交流参戦が楽しみです。

6着 サウンドザビーチ
チヨノドラゴンもそうですが、この馬が4番手に行ったのにも驚かされました。
南関でのここ2戦の走りからは、出脚の鈍い馬とみていたのに。
これなら好勝負は間違いないなとみていたところ、勝負処の3コーナーあたりで既に怪しい手応えになり下がり気味。
最後は自分のポジションを守るのに汲々という有様。
アフリート×マークオブディスティンクションという配合から、ダートの脚抜きのいい道悪、距離の1600メートルが合わないはずはない。
泥を被って嫌気をさしたのか…。
あるいはこの馬はジックリ差しに構えた方が味があるのか…。
馬自体は相変わらず良くみせていたので、この1戦だけではまだ見限れません。

7着 サヨウナラ
安藤勝騎手で多少人気を集めた同馬ですが、この日はマイナス11キロ。
チークピーシズ着用。
落ち着いていたしそう極端に細くは映りませんでしたが、それほど走りそうな馬というイメージは沸きませんでした。
レースは向流しで後方勢が一気に動いた際に一緒になって行きましたが、レースに参加するまでには到らず。
重賞レベルでは厳しいのでは。

12着 チャームアスリープ
昨年11月のロジータ記念以来でプラス5キロ。
元々がそう良くみせる方ではないし、馬体に太目感はありませんでしたが、体の張り、気合乗りが今イチ。
いきなり高速決着のマイル戦ではどうかなあとみていました。
案の定出遅れて後方からの競馬。
向流しで一旦動く気配をみせましたが、中団に取りつくのが精一杯。
完全復活への道のりは険しそう。


●レース後の関係者のコメント

1着トーセンジョウオー

(内田博幸騎手)
「実力のある馬なので連勝も当然。行けたらハナに行こうと思っていた。
1コーナーまでは行きたがっていたけれど、2コーナーで折り合いもついたし、直線も手応え十分。
他の馬が来たら又伸びるという感じだった。今日は余裕がありました」

1着トーセンジョウオー

(川島正行調教師)
「ハナに行きそうな馬がいなかったので、前へ行けという指示だった。
直線で気を抜くような所があったけれど、ジョッキーが気合を入れたら、また伸びてくれたし、57キロの斤量でも今回のレースの方が自信があった。
今後は帝王賞を目標に、その前に一度レースを挟むかも知れません」

3着ライラプス

(鮫島騎手)
「直線に入ってからは、ジリジリと伸びて頑張っていた。牝馬のダート路線なら、良い勝負が出来る事がわかった」

4着ミリオンベル

(武豊騎手)
「伸びかけていただけに不利が痛かった。初めての地方交流でしたが、これで目途が立った。距離はもう少し短い方がいいかも・・」

6着サウンドザビーチ

(勝浦騎手)
「ペースが落ち着く所が無かった。マイルはもっと対応出来ると思っていたけどね・・」

(取材:木和田篤 舩山陽司)

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