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ヴィクトリアマイル(G1)

【ヴィクトリアマイル・男の解の公式】 女王杯を負けた馬を狙え!女王杯の結果を中心に力関係を計る。
モデル馬 ブエナビスタ・アパパネ

ついに発見しました。

エリザベス女王杯好走組は負けるの法則です。
逆にエリザベス女王杯だけ惨敗組は巻き返すの法則です。

ブエナビスタはエリザベス女王杯で断然人気を被り、3着に負けた。
これはこないだの天皇賞春と同じ展開で、逃げ馬が止まらなかったからだ。
この結果はたまたまではなく、必然だったのだ!

つまり、瞬発力がなくても長く脚が持続するタイプ、京都巧者に利があるレースが、京都のG1。
逆に考えると、瞬発力タイプは東京で巻き返す可能性が高いということ。

両方を兼備する馬はいない、と考える。瞬発力と持続力は相反するもの。

なんでフミノがエリザベス女王杯だけ惨敗こいたかを考えていたらわかった。
古馬の適性の差がモロに現れるエリザベス女王杯を中心に推察すれば、
配当妙味込みで的中が狙えると。

全部の馬の癖を探ってるうちに気がついた。


結果→ノーテン。

■ 牝馬芝重賞路線

開催月 レース 前回 1着 2着 3着 勝負結果
2月 京都牝馬S(G3) 2012年 レディアルバローザ オールザットジャズ エオリアンハープ
3月 中山牝馬S(G3) 2012年 ドナウブルー ショウリュウムーン アスカトップレディ ×
4月 阪神牝馬S(G2) 2012年 クィーンズバーン マルセリーナ フミノイマージン ×
4月 福島牝馬S(G3) 2012年 オールザットジャズ コスモネモシン アカンサス
5月 ヴィクトリアM(G1) 2011年 アパパネ ブエナビスタ レディアルバローザ ×
6月 マーメイドS(G3) 2011年 フミノイマージン ブロードストリート アースシンボル
10月 府中牝馬S(G2) 2011年 イタリアンレッド アニメイトバイオ フミノイマージン
11月 エ女王杯(G1) 2011年 スノーフェアリー メイショウベルーガ アパパネ
12月 愛知杯(G3) 2011年 フミノイマージン ブロードストリート コスモネモシン

このほか、8月クイーンS(OP)、9月ターコイズS(OP)、11月ユートピアS(準OP)などがある。

■ 傾向

ヴィクトリアマイルは東京競馬場で行われるGI競走。従来、古馬牝馬限定のGI競走は秋のエリザベス女王杯のみしか行われておらず、
実績のある牝馬は春のGI戦線において安田記念や宝塚記念といった牡馬混合のレースを目標にせざるを得なかったことから、競走体系の見直しが実施され、06年に創設された。

歴史は浅いものの、初代女王となったダンスインザムード、ウオッカ(第4回)やブエナビスタ(第5回)など、
牝馬の枠を越えて活躍する名馬が勝ち馬に名を連ねており、今後も春の最強牝馬決定戦としてハイレベルな戦いが繰り広げられることが予想される。

日付 ペース 馬場状態 RPCI 3連単 勝負
結果
着順 馬名 種牡馬 母父馬 調教師 人気 着差
タイム
補正 走破タイム 枠番 通過順1-4 上り3F 前走レース名 前走着順 前走場所 前走距離
120513 12.2-10.9
-11.3
-12.0-11.8
-11.5-11.2-11.5
50.1 75320 × ホエールキャプチャ クロフネ サンデーサイレンス (美)田中清隆 4 -0.1 119 1324 6      03-03 33.8 中山牝馬HG3 中山 芝1800
ドナウブルー ディープインパクト Bertolini (栗)石坂正 7 0.1 118 1325 8      02-02 34.1 中山牝馬HG3 11 中山 芝1800
マルセリーナ ディープインパクト Marju (栗)松田博資 3 0.3 116 1327 1      13-13 33.5 阪神牝馬G2 阪神 芝1400
110515 12.0-10.6
-10.9-11.1-11.3
-11.6
-12.0-12.4
35.2 3620 アパパネ キングカメハメハ Salt Lake (美)国枝栄 2 -0.0 120 1319 8      09-11 34.3 マイラーG2 阪神 芝1600
ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon (栗)松田博資 1 0.0 120 1319 7      13-13 34.0 DWCG1 アラ首 ダ2000
レディアルバローザ キングカメハメハ Tejano Run (栗)笹田和秀 3 0.1 119 1320 2      03-03 35.0 中山牝馬HG3 阪神 芝1800
100516 12.2-10.6
-11.0-11.7
-12.0
-11.6-11.3-12.0
44.7 85770 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon (栗)松田博資 1 -0.0 115 1324 6      13-12 33.5 DSCG1 アラ首 芝2410
ヒカルアマランサス アグネスタキオン A.P. Indy (栗)池江泰郎 8 0.0 115 1324 1      04-04 34.3 阪神牝馬G2 13 阪神 芝1400
ニシノブルームーン タニノギムレット Alzao (美)鈴木伸尋 11 0.1 114 1325 5      12-13 33.5 中山牝馬HG3 中山 芝1800
090517 12.2-10.8
-11.7
-12.0-11.9
-11.2-10.8-11.8
53.3 80580 × ウオッカ タニノギムレット ルション *(栗)角居勝彦 1 -1.2 124 1324 3      05-04 33.4 DDFG1 アラ首 芝1777
ブラボーデイジー クロフネ サンデーサイレンス *(栗)音無秀孝 11 1.2 112 1336 1      04-04 34.6 福島牝馬G3 福島 芝1800
ショウナンラノビア フレンチデピュティ ヘクタープロテクター (栗)岡田稲男 7 1.4 110 1338 1      01-01 35.2 卯月SH1600 中山 芝1600
080518 12.4-11.3
-12.0-12.2-12.1
-11.2-11.0-11.5
58.0 23000 × エイジアンウインズ フジキセキ デインヒル (栗)藤原英昭 5 -0.1 117 1337 3      06-07 33.4 阪神牝馬G2 阪神 芝1400
ウオッカ タニノギムレット ルション (栗)角居勝彦 1 0.1 116 1338 5      10-09 33.2 DDFG1 アラ首 芝1777
ブルーメンブラット アドマイヤベガ Topsider (栗)石坂正 4 0.1 116 1338 1      07-04 33.6 阪神牝馬G2 阪神 芝1400
070513 12.3-10.8
-11.7-11.8-11.6
-11.2-11.2-11.9
49.6 2283960 × コイウタ フジキセキ ドクターデヴィアス (美)奥平雅士 12 -0.1 116 1325 2      06-06 33.4 ダービーHG3 中山 芝1600
アサヒライジング ロイヤルタッチ ミナガワマンナ (美)古賀慎明 9 0.1 115 1326 2      01-01 34.4 阪神牝馬G2 阪神 芝1400
デアリングハート サンデーサイレンス Danzig (栗)藤原英昭 8 0.1 115 1326 8      06-06 33.4 ダービーHG3 中山 芝1600
060514 12.6-11.2
-11.6
-12.1-12.2
-11.4-11.3-11.6
54.0 11650 ダンスインザムード サンデーサイレンス Nijinsky (美)藤沢和雄 2 -0.2 118 1340 1      05-06 33.8 マイラーG2 阪神 芝1600
エアメサイア サンデーサイレンス ノーザンテースト (栗)伊藤雄二 3 0.2 116 1342 8      11-12 33.4 阪神牝馬G2 阪神 芝1400
ディアデラノビア サンデーサイレンス Potrillazo (栗)角居勝彦 4 0.4 114 1344 7      10-09 33.8 マイラーG2 阪神 芝1600

■ 2012年回顧

ここまでGIに挑戦すること5回。
「2着、2着、3着、3着、4着…」
。あと一歩、もう少しで…の惜敗を続けてきた4歳ホエールキャプチャ(父クロフネ。母グローバルピース、3代母タレンティドガール)が、
とうとう念願のGIタイトルを掌中におさめた。
470kgの馬体重は、休み明けでちょっと余裕残しにも映った前回と同じで、デビュー以来の最高馬体重。
善戦止まりが連続した3歳時より10kg以上ふえているが、追い切り時と同じく、締まって細いと思えるくらいシャープにみせていた。
芯が入ってようやく完成期に近づいたのである。

あと一歩の惜敗をつづけただけに、関わる人びとの喜びは、祝福するファンにもストレートに伝わった。
田中清隆調教師、オーナーの嶋田賢氏、生産牧場の飯田正剛氏、横山典弘騎手。
4人の記念撮影は、最初から決まっていたかのようにみんなが自然に集まった感じで、いかにもそれぞれの達成感と、ようやく(ひとまず)の満足を思わせた。
それより前、ウイニングランを終えた横山典弘騎手。ムチも、ゴーグル…も、後検量に必要ないものはみんなゴール前のファンに投げ入れていた。
珍しいほどの破顔だった。ベテラン健在を示したあふれる充実感があった。

良馬場に恵まれたBコース。
勝ちタイムは「1分32秒4」。ウオッカの09年、ブエナビスタの10年とまったく同じである。
07年のコイウタが1分32秒5なので、創設されて7回、うち4回まで同一にも近い時計で決着したことになる。
馬場状態も、ペースも異なるのは当たり前。
それで4回も同じ勝ちタイムなのだから、たまたま偶然の部分があるとしても、この時期の東京の、1600mのGIにふさわしいレベルのレースモデルが浮かび上がったように思える。

クィーンズバーン(内田博幸騎手)の先導したレース全体の流れは、「46秒4―46秒0」=1分32秒4。
前半の1000m通過は58秒2。速くはない。といって遅くもなし。数字が示すとおりの少し楽な標準(平均)ペースである。

レース前から、あまり速くならず、遅いくらいの平均ペースはどの陣営も織り込み済みだった。
内枠の伏兵陣の大半が先行=好位を占める中、スタートして間もなく16番ドナウブルー(C.ウィリアムズ)が2番手を確保し、その内につけたのが12番ホエールキャプチャ(横山典弘)。
結果的にではなく、最初から隙なしとはまさにこのことである。
みんなの予測した通りの流れだから、この時点で2頭の好走は約束されたも同然だった。

勝った横山典弘騎手の、ビッグレースでのペース判断の的確さは知られるが、C.ウィリアムズ騎手はすごい。
ただ高速馬場に対処するために、どのレースでも先行しているわけではない。レースが始まって、
途中のラップが表示されて、そこが理想のポジションだろうとなったところにいるのは、だいたいウィリアムズ騎手なのである。

この日の東京9R(1000万下の2000m)。
だれも行かないとみるや、すんなり超スローで先手を取り(62秒6-58秒4)、二の脚を使って楽々の逃げ切りを決めたのは、
(ウィリアムズ騎手だから3番人気になっていた)伏兵イイデステップ。
先行しての抜け出しならともかく、短期免許のウィリアムズ騎手に自分の庭のようにペースを作られ、楽々と逃げ切られてはさすがにマズイだろう。
ひたむきに、研究熱心な彼だからいいようなものの、そうでなければなめられたも同然である。

1〜2着だけでなく、3着マルセリーナも、4着キョウワジャンヌも4歳馬。
勢いで若い4歳馬が5歳以上馬を上回っていた。

1番枠のマルセリーナは最内でずっともまれ通し。
レース前に描いた作戦より後方の位置取りになったと思われるが、坂上でキョウワジャンヌの横をこじ開けてはじき飛ばすように伸びた。
内を衝いたとはいえ、上がり33秒5はメンバー中NO.1。ビシビシ追っても体は減らなかった。
牝馬だから中2週で「安田記念」に挑戦する馬は少ないと思われるが、きょうは激走したわけでもない。
ホエールキャプチャと、マルセリーナは安田記念でも伏兵たりえるだろう。

4着キョウワジャンヌは、スタート直後からホエールキャプチャをぴったりマークできる立場だったが、初コースのためか3コーナー過ぎ、
さらに直線に入ってもちょっとふらつくようなシーンがあった。
小差とはいえ最後はマルセリーナに差されて4着だが、今年はまだ2戦しただけ。夏の平坦に近いコースは間違いなく合うだろう。

人気のアパパネは、ただ1頭だけ490kg台。
積み重ねた実績だけでなく、パワーあふれる存在感も他を圧していたが、もともとそう切れるタイプではない。
こういう流れなら自分からスパートして抜け出したいこの馬に、一団に近い馬群が形成された内枠はきつかった。

終始、前にもうしろにも、横にも他馬がいるシーンが多く、大柄なこの馬がもっともスムーズではなかったように思えた。
勝利のほとんどが外枠で、3着以下にとどまった9回中(香港は別)、7回までが真ん中より内を引いたときなのは、あながち偶然ではないかもしれない。
そろそろ少し陰りが…などと思わせた時期もあったが、今回の敗因はそれではない。
かつてのオグリキャップではないが、デビュー時から50キロも増えての500kgを超えるとさすがに抱える負担も増える。
引退まであと半年、かわいそうだが、またリバウンドして太ったアパパネになりたくない。

上がり馬として評価の高かったオールザットジャズは、少しチャカチャカしすぎるレース前だったから、初コースがマイナスだった。
高く評価したのは間違いではないと思いたいが、終わってみれば、前回あたりがピークだったかもしれない。
それにこの流れだから仕方がないとはいえ、ずっと外々を回って好走できるような相手でも、馬場でもなかったろう。

よく理由の分からない「乗り代わり」が、あちこちで論議を呼んでいたフミノイマージン(太宰騎手→池添騎手)。
理由は発表することではなく、正しくない危険もあるが、乗り代わりはどうやらオーナーの希望ではないらしい。
太宰騎手と、池添騎手は、同期だという。
公平にみて技量は互角である。
仕事とはいえ、頼まれた池添騎手からして、歓迎ではないだろうに。
置かれた(それはダメですとはいえない)立場もあるだろうが、こういう騎乗依頼だけはけっして受けない騎手のほうが多い。
直線、横に広がった18頭、フミノイマージンはもがきつづけたが、この馬の前だけは決して進路が開くことはなかった。
天まで敵にしてしまったのである。
騎手変更など平気な時代ではあるが、さすがにこういう乗り代わりは、騎手はもちろん、フミノイマージンのファンも、黙っているだけの馬も、ただただみんながやり切れないだけである。

の2頭と、直線の大外で交錯しながらしんがり争いに勝利してしまったアプリコットフィズ(田中勝春騎手)は、もう分からない。
肩入れしているファンは、ここ一番になるたびに、気の毒である。


鞍上の判断が明暗を分けたヴィクトリアマイル
2012年05月15日(火)18時00分
注目数:6人
 ヴィクトリアマイルはホエールキャプチャが優勝。前走のデキはイマイチでしたが、今回は調教の動きにも出ていたように柔らかさが戻り、本来の力を見せてくれました。また、2着のドナウブルーもそうですが、鞍上の判断が良く、最も勝つ可能性が高い位置取りを取れたことも大きな勝因でしょう。

 この馬のデキの判断は柔らかさですね。ツナギがよくしなってグニャッと見えるくらいがいいでしょう。デキさえ良ければ、牝馬同士なら堅実に勝ち負けに持ち込みます。

 2着のドナウブルーは馬体減りが懸念されていましたが、当日はプラス12キロでキッチリと仕上がっていました。鞍上の好判断で外枠からでも出していけましたし、折り合いもキッチリと付きました。それだけに直線で外にもたれたのはもったいなかったですね。軽い馬場のマイルくらいの距離なら堅実に走るでしょう。

 3着のマルセリーナはそれほど良くは映りませんでしたが、3着と好走。出遅れなければと思わせる内容でした。これも軽い馬場のマイルが合います。

 4着のキョウワジャンヌはグンと筋肉の張りが良くなっていました。スラリとしたシルエットで体高もあるので、距離は2000mくらいが合いそうです。

 5着のアパパネは85%くらいのデキでした。いつもは2走目が走りますが、今回はまだお釣りが合ったと思います。これで馬体が締まって張りが良くなってくれば本来の力を出せるでしょう。

 6着のマイネイサベルは筋肉の張りが目立ち、これならと思わせるデキでした。レースでは直線で詰まって力を出せませんでしたが、牝馬同士なら一線級ともやれることを証明したと思います。いつも人気がない馬なので、狙い続けて良いと思います。

 11着に敗れた◎アニメイトバイオは、直線を向いた瞬間に差し切れるかと思う手応えでしたが、その直後に前が詰まって仕掛けが相当遅れました。伸び始めた頃には周りが加速しきった後で手遅れ。力負けではないです。軽い馬場のマイルくらいが合うので、条件が合うようならまた買いたいと思います。

 15着のフミノイマージンは今までで一番良いくらいのデキでしたが、直線で完全にゴチャゴチャしてしまってまったく力を出し切れず。それでも最後はバラけてから密かにすごい伸びを見せていたので、やはり力があります。牡馬相手でもやれそうなパワーがあるので、次走の巻き返しに期待です。

 16着のオールザットジャズは戦前に指摘したとおり距離が短かったです。2000m前後なら強い馬なので巻き返すでしょう。

 18着のアプリコットフィズはグンと体付きが良くなっていましたが、調教や返し馬で舌を出していて、どこか苦しかったのかも。それに道中はずっと力んで走っていました。立て直してほしいですね。

■ 2010年回顧

最強牝馬の辛勝、そのラップ的価値は?

先週末はGI・ヴィクトリアマイルが行われました。

ドバイ帰りのブエナビスタとレッドディザイアが、昨年の3冠レースに続いて4度目の対戦。
ブエナは差し切り辛勝を果たしたもののレッドは4着に敗れ、初めて入線時に他の馬に間を割られる結果となりました。
レースレコードだった昨年のウオッカと同タイムの「1'32"4」と時計的に極めて優秀な決着でしたが、ラップ的にはどのような流れだったのでしょうか。早速見てみましょう。

◆ヴィクトリアマイル(GI・東京8F)

2010年:33.8-23.7-34.9=1'32"4 (ブエナビスタ)
2009年:34.7-23.9-33.8=1'32"4 (ウオッカ)
2008年:35.7-24.3-33.7=1'33"7 (エイジアンウインズ)
2007年:34.8-23.4-34.3=1'32"5 (コイウタ)

※「テン3F-中盤2F-上がり3F」で表記、( )内は勝ち馬。

今年は「近年まれに見る絶好馬場だった2007年」と同水準の、時計が出やすい馬場だったので、
実質の時計価値は昨年には及びませんが、それでもやはり優秀な時計。
ラップとしては「テンの速さ」がとにかく特徴的で、過去最も上がりが掛かる流れとなりました。

通常これだけ「前傾」ラップだと、追い込み馬がかなり有利になるものですが、
実際は「絶好馬場で、前も止まりにくい条件」
「前3頭が離して飛ばし、4番手以下の好位組は額面ほどハイラップではなくレースしやすい展開」ということもあり、
先行〜追い込みまで拮抗した決着になりました。

9着馬までが勝ち馬から0.2秒以内の入線で、
それぞれ次走は「ブエナビスタから微差の好走」ということで人気になりそうですが、
馬場条件や展開が複雑に絡み合っているので、鵜呑みにせず個別の精査が必要でしょう。

ちなみに、前週の3歳GI・NHKマイルCが「33.4-22.9-35.1」なので、
これより「テン&中盤」の5Fで1.2秒も遅いのに、上がりが0.2秒しか速くなかったこのレースは、やや前が止まり過ぎ。
むしろ相対的に先行馬が弱かったと言ってもいいでしょう。
時計的にもNHKマイルCの6着馬までがブエナビスタと同等以上のタイムで走っていることを考えれば、やはり過大評価は禁物と言うことになります。

勝ったブエナビスタは、「これまでマイル戦4戦4勝とはいえ、全てスローで、自身はテン36〜37秒台でゆったり追走したものばかり」で、
「テン34.0秒の前傾だった秋華賞では、勝負どころでもたついたぶんが不利に繋がった」という、スピード勝負に唯一死角があるようなタイプでしたが、
今回はテン33秒台のレースを置かれずに追走して差し切るというレースぶり。これは大きな収穫でした。

有馬記念の内容から、底力が牡馬を交えても現役屈指なのは間違いないので、
スピードが問われる今回が、正直唯一の「狙い下げ時」だと思っていたのですが、
それでこれだけのパフォーマンスをされてしまうともうお手上げです。
穴党の皆さんは、今後もウオッカ以上の天敵になることを覚悟しておいてください。

もう一頭の底力上位馬・レッドディザイアは、スピード決着で外枠から大外を回したのが堪えた形で、
上手く中を割って2・3着したヒカルアマランサス・ニシノブルームーンとは、枠順&コース取りの差と言っていいでしょう。

とはいえ2・3着馬の成長も著しく、「唯一の重賞勝ちである京都牝馬Sを含め、スローの切れ味勝負ばかりで好走していたヒカル」
「上がり掛かる流れが得意ではあったが、唯一の中山牝馬Sを含めこれまでは中距離戦ばかりで好走していたニシノ」と、
それぞれマイルでスピードを問われると磐石とは言えなかった2頭が前傾のGIで好走できたのは大きな進境。ここまでは地力を信頼していい水準と言って良さそうです。

■ 2007年回顧

相対的にテンが速く、カーブで下り坂を迎えるためスピードアップし、そのまま雪崩れ込み

NHKマイルCは、レース前から注目血統として取り上げたフレンチデピュティ産駒のピンクカメオが1着。
ノーザンダンサー系のキングヘイローと米国血統のレイズアネイティヴ系の血を持つローレルゲレイロ、ムラマサノヨートーが2、3着。
SSの血を持つ人気馬は全滅となった。
と、この的中馬券を持たずに、レース後に分析している自分が本当に情けないです。

今週は、同じ東京芝1600mでヴィクトリアマイルが行われる。
先週は凱旋門賞馬キングヘイローの孫が2、3着だったように、欧州的なスタミナ、持続力が要求されるレースとなった。

そして今週は同じく父キングヘイローのカワカミプリンセスとダンシングブレーヴの孫スイープトウショウが出走する。
この2頭は、米国系の血も強く持つ馬で、欧州的なスタミナと持続力を強く持つタイプ。
先週のNHKマイルCで1〜3着になった馬達と似たような血統タイプの馬である。

では、ヴィクトリアマイルはこの2強で決まるのだろうか?ボクはそうではない方に賭けてみたい。

昨年のヴィクトリアマイルは、SS産駒が1〜3着を独占し、4着もSSの孫だった。
1〜3着馬の上がりタイムはすべて33秒台。完全な瞬発力勝負であり、これはNHKマイルCとは真逆の指向性の決着ともいえる。

NHKマイルCもそうだが、同じコースの安田記念もSS産駒には鬼門のレースと言われている。
にもかかわらず、昨年のヴィクトリアマイルでは、SS産駒が上位を独占した。
この原因は昨年はSS産駒が2〜4人気を独占したからともいえるが、牝馬限定戦だったことも理由に上げられる。

牝馬にとっては東京の芝1600mも結構過酷な条件である。しかも牝馬同士のGIともなれば、各馬色気を持って乗るため、なるべく仕掛けを遅らせたいという心理もある。
そのため、ラスト600mぐらいまで各馬は脚を溜める。
直線で急にペースアップする競馬となって瞬発力が要求されるわけだ。ちなみに昨年のヴィクトリアマイルは、ラスト3ハロン目でラップタイムが急に1秒近く速くなった。

スイープトウショウは2年連続で1〜3着をSS産駒が独占した天皇賞・秋で2年連続で5着。
カワカミプリンセスはラスト3ハロンで33秒の脚を出したことは、まだない(多分出せるとは思うが)。
前哨戦の阪神牝馬S、マイラーズCは、レース前に指摘したようにSSの瞬発力が発揮しづらいレースだった(実際に欧州の血が1、2着だった)。

しかし、ここはSSの血の逆転に賭けた方が配当的にもレース後に後悔しないで済むような気はする。


■ 今週有力馬の情報

6か月ぶりになるカワカミプリンセスの最終追い切りは栗東DWで単走追い。軽快な脚さばきで6F81.5-38.5-12.5秒の好時計をマークした。「この馬は馬なりでも速くなる。だから馬なりよりもさらに抑えた“抑え気味の馬なり”という感じ。いい動きだったよ」と、騎乗した柳田助手も納得の表情を見せた。
変化は肌で感じ取っている。「自分が乗って長めを追ったのは1か月ぶり。1か月前は気だけで走っていた。でも、今日はいいころのストライドに戻っていた。それに体も回復したから」。放牧先から栗東へ帰厩したのが3月1日。当時は馬体が460kg台(前走490kg)まで減っていたが、手加減をせずに調整を続け、キッチリと体を戻した。「追い切り前日で496kg。やることをやって戻っているんだから、言うことなしだよ」。まさしくGI仕様の仕上げに胸を張った。
西浦師も満足げに出迎えた。「先週併せ馬でやって気合をつけたし、今週は調整で十分。完璧じゃないですか」。約2か月間に渡った調整を振り返り、軽くうなずいた。

スイープトウショウは角馬場から栗東CWへ向かった。地下馬道から顔をのぞかせたが、コース入り直前に、従来のワガママぶりが出てしまった。まさに完全拒否。鞍上の山田助手に促されても、前へ進むどころか後ろへ下がっていく始末だった。
満足のいく内容ではなかったが、鶴留師は安どの表情を浮かべた。4F52.8-39.1-12.0秒。「やりたい馬場でできなかったけど、体はできているし、CWでもそんなにやるつもりはなかったから」。先週時点で態勢は整えてあっただけに、今週は微調整で良かった。予定とは違っても、許容範囲内と言える。
スタンドから見守った池添騎手は、引き揚げてくるパートナーを出迎えた。「調教の後に山田さんに聞いたら“前走よりも中身はしっかりしている”と言ってくれてましたから。1回使えば良くなる馬ですしね」。もともとが叩き良化型。チグハグな追い切りだったが、上積みは確実にあるはずだ。

スイープトウショウが上昇ムード。休み明けだったマイラーズCでは2着。メンバー最速の上がり32.7秒をマークして、豪脚の健在ぶりをアピールした。もともと叩き良化型。鎌田厩務員は「前走は頑張っていた。順調に乗り込まれているし、上積みはあると思う」と手応えをつかんでいた。GI・3勝の実績は1枚上の存在。6歳になったとはいえ、まだまだ衰えた様子はない。

安藤師が「今度は面白いで」と笑うほど、ブルーメンブラットの上昇ぶりが目立つ。最終追いは栗東CWでビッシリ追われて6F79.9-12.1秒。先週に続いてハードトレをこなした。「前走は追い切りが1本。状態は比較にならない。トモに張りが出てきた」と大幅な上積みが見込めることは間違いない。

フサイチパンドラが上昇ムード。白井師は「徐々に良くなっていると思う」と手応えをつかんでいた。前走のマイラーズC。久々のマイルの流れに戸惑った様子だった。「ペースに慣らそうと思って使った。牝馬同士ならチャンスはあると思うし、左回りの広い馬場は合う」と前向きだった。東京はオークス2着、JC・5着がある。実績を残す舞台で、鮮やかな変わり身を見せる。

フサイチパンドラは栗東CWで6F78.8-37.5-12.3秒の好時計だ。またがった福永騎手は「だいぶ持ち直している。最近の攻め馬では一番だし東京コースもいいから」と好勝負を見込む。繰り上がりとはいえエリザベス女王杯を制した実力馬。調子を取り戻したとなれば当然怖い1頭だ。

アグネスラズベリは順調に調整が進んでいる。賞金不足のため、昨秋から思うようなレースは使えなかったが、前走の阪神牝馬S・2着で大きく加算。予定通りに出走できることになった。柳田助手は「2着が大きかった。確実に調整ができている」と笑顔だった。昨年は5着。「勢いだけで来て、その前がピークだった」と振り返る。予定通りに運んでいる今回の方が楽しみは大きい。

ソリッドプラチナムは初めての東京遠征。武助手は「左回り、直線の長いのはプラス。1600mも競馬はしやすいと思う」と舞台設定を歓迎していたが「初の長距離輸送が心配だね。相手も強い」と不安点も挙げていた。一線級の牝馬がそろっただけに、慎重な姿勢だった。体調面では問題ない。「状態は変わっていない。あとは展開に恵まれればね」と末脚を生かす展開に期待していた。

ピンクカメオを駆ってNHKマイルCで大波乱を演出した内田博騎手は、今週も穴馬スプリングドリューで参戦。柴山騎手の騎乗停止処分により、急遽コンビ結成が決まった。福島牝馬Sで初重賞Vを飾ったこの7歳牝馬には、昨夏新潟で騎乗し勝利に導いている。「牝馬同士なら大きなところも…という印象を持った。重賞を勝って“やっぱり”と思った」と好印象。橋本助手は「この馬も(ピンクカメオと)同じく切れ味が武器。状態もいい」と、直線一気の再現を期待した。

デビュー当初からアドマイヤキッスは、多くの期待を集めていた。父にサンデーサイレンスを持つ良血。気品あふれる雰囲気。クラシックでは常に人気の的だった。桜花賞、オークス、秋華賞と1番人気。しかし、結果は2、4、4着。お嬢さま気質(かたぎ)が邪魔をしたのか、GIタイトルを手にすることはできなかった。
しかし、4歳を迎えて徐々に競走馬らしくなりつつある。山口厩務員が「ちょっとは、やる気が出てきた」と話すように、気持ちを表に出し始めた。前走のマイラーズC。直前でなかなか前が開かなかったが、自身最速の上がりをマークして4着。休み明けでレコード決着、強豪牡馬を相手にしながら、中身の濃いレースだった。
左回りは[2-0-0-1]と実績を残す。唯一の敗戦はオークスだが、「カイバを食べなくて、(体が)しぼんでいた」と振り返るように理由は明らか。参考外と言っていい。「もともとサウスポーって言っていた。距離も2000mくらいまでならと思うが、(マイルは)ベストに近い距離だと思う」と山口厩務員は期待を込める。ベストの舞台で最高のパフォーマンスを披露する。

アドマイヤキッスの最終追い切りは栗東DW。高田騎手を背に6F地点からゆっくりスタートし、気分を損なうことなく徐々にラップを上げていく。いつものように鞍上がアクションを起こしたのはラスト1F。右ムチ1発に鋭く反応して6F83秒8-40秒9-11秒9。「状態はいい。順調に来ているし、落ち着きもあります」。デビュー前からケイコにまたがり、誰よりその背中の感触を知る男が出したOKサイン。体調の良さは疑いようがない。

ディアデラノビアは着々と準備が進んでいる。角居師は「ここを目標に順調です。馬はできているし、競馬に向かうテンションだと思う」と心身ともに不安はない様子だった。阪神牝馬Sは好位から伸び切れずに3着。「後ろで脚をためていけばいいのか…。敗因はちょっと分からない」と首をかしげた。「3着の好きなコですけど、力は十分にあると思う」と巻き返しを誓っていた。

デアリングハートが一発を狙う。休み明けだった前走のダービー卿CTは、牡馬を相手に0.6秒差の6着と踏ん張った。舞台は中山から東京へ。府中牝馬SをV、NHKマイルC・2着と実績を残している。叩き2走目の上積みとコース変わり。倉ヶ崎厩務員は「内容は悪くなかった。もともとここが目標だったし、中山よりも東京が合っているから」と好勝負を期待していた。

デアリングハートは藤田騎手を背に栗東CW。素軽いフットワークでラスト11.7秒をマークし、目下の状態の良さを感じさせた。「前走は6着だったけど、内容はよかった。いい成長曲線を描いて本番へ行ける」と藤原英師も思い通りの調整過程に笑顔。ただ「先週の雨でどれだけ内の馬場が傷んでいるか。ロスなく前々で進めたかったからなあ」と、悪化している馬場を懸念していた。

春から初夏へ。サンレイジャスパーの季節がやってきた。暖かくなるとグングン調子を上げるタイプ。高橋成師は「夏馬だから。ちょうどこれからやなあ。今度は面白いと思うよ」と不敵な笑みを浮かべた。
前走後、雰囲気がガラリと変わった。「冬毛が抜けて、毛ヅヤも良くなった。攻めを控えているのは、やると(時計が)出過ぎてしまうから。遠征のときは控えた方がいい」。今春の大目標へ、しっかりと照準を合わせてきた。
左回りは[0-2-2-0]。2着2回は新潟記念、府中牝馬Sと重賞でのものだ。「新潟、東京は直線が長く、余裕を持っていけるのがいい」と好走の要因を挙げた。距離不足との声に対しても「京都牝馬Sでもソコソコ来ていた。東京の長い直線なら十分に足りる」と心配はしていない。

昨年の桜花賞馬キストゥヘヴンは美浦芝コースで追い切りを行った。ラスト3Fからは37.7-12.0秒と鋭い伸び脚を発揮した。林助手は「道中はいい感じだったし、テンションも上がっていなかった。うまく調整できた」と、状態の良さに太鼓判を押した。昨年のダンスインザムードに続き、今年も桜花賞馬が頂点を狙う構えだ。


カワカミプリンセス

前々走の秋華賞1着も下見どころから気合い乗り満点で、走る気十分。抜群の発馬を決めると、道中は速い流れを中団追走。
前のアサヒを見ながらの競馬。3角で除々に仕掛けてポディションを上げていくも、4角で内の馬と接触する不利が。
そこで手綱が動いて手応えは良くない。それでも、直線で力強いフットワークで一完歩毎に差を詰め、ゴール前できっちり差し切った。
緩みない流れを最後まで伸び続けたのは秀逸。底力満点の末脚が持ち味で狭いところも割ってくる根性もある。

スイープトウショウ

前の馬がスピードに任せて押し切ってしまったレースで、後方から一気に差し込んできたこの馬の能力の凄さを改めて見せ付けられた一戦。ラップが10.7を計時したラストから2ハロン目で、仕掛けられると一気にポジションを上げてきているから、瞬発力も抜群だし休み明けとしては持久力も十分。マイル戦への適性十分で、ヴィクトリアマイルは有力な候補。

フサイチパンドラ

前走のマイラーズC9着はスローで馬群が固まるなか大外枠発走から中団追走。いいリズムで直線を向いたが、さっぱり反応せず。スローの瞬発力勝負に対応できなかったのもあるが、「返し馬からトモの入りが今ひとつだった」とは鞍上の談。状態が本物ではなかったか。前々走の日経賞9着はテンから折り合いを欠き、外のブラックタイドからプレッシャーを受ける厳しい競馬。しかも、2角からペースアップした流れで先行馬には辛かった。昨秋のエリザベス女王杯1着では繰り上がりVながら道中は縦長の速い流れのなか、後方で末脚を温存。前走時から下を縛り、ハミを替えたことと、激流のおかげで折り合いは完璧。3角の下り坂で外目をジワリと進出。残り3ハロン地点で一気に仕掛け、先団へ取り付く。直線も馬場のいい大外へ持ち出すと力強いフットワークで駆け抜け、カワカミに末脚には屈したものの、2位入線を果たした。終始、目標にされる苦しい展開で自ら動く横綱相撲だった。速い脚には欠けるが、平均ペース以上の流れで渋太さを発揮する。自身が34秒台後半で勝負できる流れを希望する。理想は上がりの掛かる2000b前後。マイルなら先行して持続力を生かす競馬が合っているか。雨が降れば一気に浮上する。アサヒに引っ張ってもらいたい。

上手く中団のインにもぐりこんだが、マイル向きの瞬発力がある馬ではないので、直線まったく目立ったところがなかった。フットワークがいかにも中距離型と思えるし、マイルでは苦戦が続きそうな印象だった。

アサヒライジング

前走の阪神牝馬S8着はサウスティーダの作る平均ペースを2番手から。だが、ペースの緩み始めた3角手前でハナを奪いに行く。かなり厳しい競馬になってしまい、直線ではバタバタ。緩い馬場も影響したか。前々走の中山牝馬S13着は発馬で行き脚がつかず。しかも、中団馬群で揉まれる形。ずっとハミを噛んで力みながらの追走。それに雨馬場とトップハンデの565、直線で馬体をブツけられては実績馬といえどきつかった。休養前のエリザベス女王杯4着は道中、最内枠発走からシェルズレイの作る縦長の速い流れを、離れた3番手追走。これはオークス3着時と全く同じ形。先頭から15馬身近く離れていたとはいえ、自身も速いラップを刻んでいたし、アドマイヤキッスにマークされる形。それでも、直線で馬場のいい外目へ持ち出す脚があり、尚且つ一瞬は脚を使った。平均ペースの流れを先行して粘り込むタイプ。底力に優れている。前走で1400bの速い流れを経験したことはプラスだし、ここは単騎逃げ確実のメンバー。離し逃げの形で直線を向けば面白い。

キストゥヘヴン

前走の中山牝馬S5着は発馬直後から良い位置が奪えず最後方から。じっくりと脚をためてポツンと最後方。4角から直線入り口へかけてインを突く。だが、前が開かずなかなか追い出せない。ようやく坂上で逃げ馬の外に進路を取って猛烈に追い込むも届かなかった。前々走の東京新聞杯は強豪牡馬相手にコンマ6秒差。桜花賞で発揮した速い流れのなかでの一瞬の切れ味は復活するのか。マイルに替わるのはプラスだが、直線の長い府中よりは中山のように直線の短いコースで真価を発揮するタイプ。仕掛けどころが難しいし、ここは中団以下の組はスローの追い比べの公算が大きい。府中で好走するなら先週のNHKマイルCのピンクカメオの競馬だろう。

アドマイヤキッス

前走のマイラーズC4着は久々でも仕上がり良好。道中はスローの流れを中団馬群から追走。たっぷり脚をタメて直線へ。だが、前のエイシンドーバー、ローエングリンの間に挟まれ抜け出せない。ようやくラスト1ハロン手前で追い出されるとジワジワと追い上げた。強豪牡馬相手に直線でスムーズさを欠きながらも善戦した。良い内容だった。休養前の愛知杯1着は平均ペースの緩みない流れを3番手追走から押し切る強い競馬。3走前のエリザベス女王杯5着はシェルズレイの作る速い流れを積極的に好位追走。3角手前で一気に3番手へ押し上げ、直線入り口で先頭へ立つ強気の競馬。最後はさすがに脚が上がってしまったが、厳しい競馬を経験したことはプラスになったはず。前へ行っても後ろから行ってもGIではあと一歩足りていないが、昨秋より力を付けている。現状ではタメて終いを生かす競馬が合っている。マイルがベストだし、ここでも好勝負必至。

キレイなフォームで走っていて力は出し切っていると思えるが、現時点ではマイルだとやや距離が足りないのかな、という感じのレースぶり。瞬発力が優れている方ではないので、どちらかと言うと、最近の実績どおり2000向きという感じの馬になってきた印象。ばてずに伸びてくるのでヴィクトリアマイルで3着ぐらいなら。

コイウタ

前走のダービー卿CT2着は発馬直後からグッと後方に下げて終いを生かす競馬。直線で狭いところを割ってきた。53`も良かった。それまでは発馬が良すぎて末をなくしていたが、脚質転換に成功した。この中間は一週前に抜群の動きを披露。4歳馬でグングン力を付けている。2`増の55キロだが、うまく立ち回れば面白い。

コスモマーベラス

前走の福島牝馬S5着は一頓挫明け。直線で早めに抜け出すも、勝ち馬の決め手に屈した。

ディアデラノビア

前走の阪神牝馬S3着は1400bを意識してかテンから積極的に前へ。だが、前傾ラップの速い流れを追走した分か、直線で内へモタれて伸びは今ひとつ。3着を死守するのがやっとだった。前々走の京都牝馬S1着は緩みない流れを中団から追走し、直線勝負へ。前が壁になって苦しい競馬だったが、瞬時の加速力で突破。他馬を子ども扱いするケタ違いの内容だった。行ってしまうと末が甘くなるし、脚の使いどころが難しいタイプ。昨年も後方から一瞬の脚で追い込むも、ゴール前は脚が鈍った。府中だと仕掛けどころが難しい。この中間は攻めを強化されている。

スプリングドリュー

前走の福島牝馬S1着はダイワパッションが大逃げする形を後方から追走。直線で目の覚めるような末脚で一気に差し切った。ここも終い勝負に徹してどこまで。決め手を生かす点ではマイルへの距離短縮はプラスだし、仕掛けどころを熟知している鞍上が心強い。

ジョリーダンス

前走の阪神牝馬S1着は中団追走から直線でインを突き狭いところを割ってきた。速い流れのなかでの追い比べで実績馬を退けた。前々走の韓国馬事会杯1着は前傾ラップの流れを中団追走。直線でインを突くと狭いところを割って抜け出した。今回は更に1ハロンの距離延長になるが、府中マイルは05年に内、外のコース差がありながらオレハマッテルゼとコンマ1秒差の競馬をしている。3戦2勝、2着1回。どちらかというと上がりの掛かる展開で差し脚を生かしてきたタイプ。3ハロンの瞬発力勝負に対応できるかどうか。

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1番 サヨウナラ 17着
フットワークのバランスそのものは悪くないが、前さばきが硬くてやはり適性ダートという印象。芝向きの瞬発力が乏しい感じだが、調子は案外良さそうで、適鞍なら。

2番 ディアデラノビア 6着
コイウタが通ったのと全く同じコースを通ってきたが、ラストはコイウタの爆発力にやや突き放される格好になってしまった。フットワークが少し力んでいて、ロスがある感じ。海外遠征をはさんで昨秋からずっと使い詰めで、状態が下降線だったかもしれない。

3番 アサヒライジング 2着
2回叩かれてフットワークがずいぶん軽くなっていた。パドックでも軽い感じになって休み明けのときと比べるとかなりスカッと見えた。まだ上昇の余地がありそうで、次あたりがピークか。東京が向くようで、次このコースで使うようなら、相手にもよるがひとまずは馬券圏内と思えた。

4番 コイウタ 1着
好位を軽く追走して、直線仕掛けられると抜群の反応、パッと動いて爆発力も素晴らしく、追ってからもいい脚がかなり持続した。G1にふさわしい勝ち方で、全くフロックではなく、力をつけたものだと思った。レースぶり実に良く、これなら次も買わなくてはならないという印象。松岡も好騎乗。

5番 フサイチパンドラ 12着
前々で追走してレースの流れに乗っていたが、マイル向きの切れ味はない馬。ラスト失速してしまった。今季イマイチ成績が上がらないが、追われてからフットワークが緩くてバシッと走れていない感じ。次も買いにくい。

6番 カワカミプリンセス 10着
後方から進めたが、前の馬が33秒台で上がる競馬になってまったく何もできなかった。前回は鉄砲でG1を勝ったが、今回はパドックでもやや馬体が緩く見えたし、やはり基本的には休養明けのG1は苦しい。直線で前が一瞬壁になる不利があったが、抜けてくる脚がないからそうなるのだとも言える。フットワークが中距離型で、マイル向きの俊敏さはない印象だった。

7番 スイープトウショウ 9着
安田記念2着の星もある馬だが、どうも府中だとなぜか走りにくいようで、今日も追われてからフットワークがバラバラだった。前走休み明けを上がり32秒7で激走した反動もあったか?一昨年の毎日王冠からずっと、関東圏では全く馬券になっておらず、性格がキツイので輸送を我慢できなくなっている可能性もある。地元では買い、関東では消しという呼吸がベターか。

8番 キストゥヘヴン 4着
この馬は府中だと走りやすいようで、フットワークが伸び伸びとして中山とはかなり違う印象になる。このコースのマイルから1800ぐらいが合いそうで、相手の落ちるレースになれば買い。次も府中なら、G1以外ならとりあえず少し押さえたい。

9番 スプリングドリュー 13着
後方のままで全く何もできなかった。7歳だしこれ以上の上がり目もそう望めない感じ。中央場所では苦戦が続きそうに思えた。

10番 アグネスラズベリ 11着
インを狙ったが位置取りが後ろ過ぎて全く届かなかった。追われるとわりといいアクションで走れているので、調子はそう悪くなさそう。1400限定の馬という感じになってきた。

11番 ソリッドプラチナム 11着
しっかりと走ってはいるが、道中最後方からで直線まったく差が詰まらなかった。これはスピード不足という感じのレースぶりで、次も少し買いにくい。

12番 ブルーメンブラット 8着
先行して展開は向いた感じだが、ラスト100で失速。札幌の1500で強い勝ち方をしてる馬だが、中央場所だと1400がギリギリという感じ。ストライドが小さく、オープンでは多少力が足りないか。

13番 コスモマーベラス 15着
先行したが直線入り口でもう失速気味。府中は全く向かないのか、それとも調子が悪いのか、実力的にこのぐらいなのかはちょっと判断しかねるレースぶり。ただ、次走は買いにくい感じ。

14番 アドマイヤキッス 7着
やや出負けで流れに乗り損ねた印象。直線はまっすぐに走って体調は悪くなさそうだが、やはりマイルの流れがあまり合わない感じ。フットワーク中距離型、2000ぐらいのレースで見直しか。

15番 サンレイジャスパー 14着
後方から進めて直線大外、ほとんどレースに参加できなかったという内容。やや精彩に欠ける印象で、次も買いにくいか。

16番 デアリングハート 3着
藤田ジョッキーは本当に騎乗ぶりが冴え渡っていて、春のG1後半戦は、この人がかなりポイントになってくるのではないかと思えた。今回は8枠から出て無理なく中団より前を追走、直線でもスムーズにインに進路を取って、上手くロスなく競馬をすることができた。枠順が内だったらこの馬が勝っていたかもしれず、仕掛けどころもコース取りも抜群。馬も札幌の頃のキビキビしたフットワークに戻っていて、陣営の手腕もたいしたものだと思った。

17番 ジョリーダンス 5着
馬群の後方から唯一追い込んできたのがこれ。前走で重賞を勝った勢いをそのままに、フットワークも四肢を伸ばしてダイナミックだし、一皮向けた印象。成績どおり、牝馬同士なら上位クラスの評価。距離は1800ぐらいまで何とかなりそうな感じ。

18番 ビーナスライン 18着
今回は前走と打って変わってフットワークのバランスが悪かった。連続して好走できないタイプで、一線級に入るとやはり格下感がある。夏の札幌で買いか。


 カワカミを中心に簡単にレースを振り返りますと、まずスタートでカワカミが
 後手を踏みました。
 キストゥヘヴンの横山典騎手など今日の馬場状態からある程度前にいか
 ないと勝負にならないと分かっている騎手は、それぞれ早めに前につけて
 いきましたが、カワカミは後手を踏んだあと中途半端に後方に位置し、最
 後の直線では目の前のスイープトウショウをマークするかの如く、大外に
 出そうとするのですが、結果的には被されて出せず、慌てて内に進路をとり、
 そしてまた前が狭くなると、もう絶望的状況なのに強引にまた外に出すという、
 正直、見ていて悲しくなるような慌てまくりの騎乗でした。

 まあ、カワカミの力も戻りきっていない感じもありましたので、上手に騎乗し
 ても勝てなかったでしょうが、それはそれとして、馬券を買っている方からす
 るとミスの無い騎乗であれば諦めがつくというものなのに・・。
 
 こういう騎乗の可能性があった鞍上の馬を本命視した、自分自身の予想セ
 ンスの無さを改めて猛省しています。
 
 最後に、レース全体のことに簡単にふれますと、前半3ハロン34.8秒とい
 うかなりのスローペース、レース全体の上がりが34.3秒ということで見ての
 とおり完全に前残りのレースでした。
 唯一差して上位にきたのが5着のジョリーダンスだけで、とにかく馬場が大き
 く影響したレースと言えるでしょう。
 そういう意味では、今回の結果がそのまま次のレースにつながるかはかなり
 疑問です。
 ただ、不利な流れ・馬場の中、かなり後方から5着まで突っ込んできたジョリー
 ダンスは本当に力をつけているのは間違いありませんので、この馬は間違い
 なく次走は期待できそうです。

 それにしても、2週続けてG1で100万円を軽く超える馬券がでるとは・・。
 それっぽい馬券の買い方をした方が儲かりそうですね(苦笑)。


アサヒライジングが好スタートからスンナリ先手を奪うと、流れは落ち着きテンの3Fが34.8秒‥。3馬身ほど開いてやや掛かり気味ながら2番手にキストゥヘヴン、ブルーメンブラット、直後にフサイチパンドラとコスモマーべラスが続く。
その後に内にコイウタ、外にデアリングハート‥直後にディアデラノビア‥。

出入りも無く淡々と緩いペースで流れて4コーナー各馬内7〜8m開けて大回りに廻ってくる。
残り400mで逃げる先頭のアサヒライジングに外からキストゥヘヴン内に入ったコイウタ、直後にデアリングハート‥内からディアデラノビア‥。

残り100mを切った処で、コイウタがアサヒライジングを内から交わして先頭に踊り出る。直後にデアリングハートが迫ってくる。キストゥヘヴンとディアデラノビアの4着争いに外からアドマイヤキッスと大外からジョリーダンスが凄い脚で迫ってくる。

先頭はコイウタ‥2着は辛うじてアサヒライジングがデアリングハートを凌いだ‥。

あれだけ先行馬に速い上がりを使われては、後方の馬は出番は無く、人気のスイープもカワカミも見せ場無く終わった。
唯一、あの流れをあれだけ大外を廻してして32.9の末脚で追い込んできたジョリーダンスの脚は目を惹いた。流石に1600万、重賞の連覇は伊達では無かった‥。

人気2頭に楯突いたのだが、アサヒライジング嫌いの自分としては十分考えられる展開ながら一番なって欲しくない展開となってしまった‥。

レースの流れを読み、絶妙の位置取りで道中運び、直線ロス無く内を突いた松岡騎手の好騎乗とコイウタの頑張りに拍手を送りたい。

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■ 2006年回顧

ダンスインザムード
例に依って多少硬さが有るのだが、造り自体は文句無し。一番肝心な気性面も、堪えている様子が見た目に伝わってくれば力を出せる。好発。戦前は、マイネサマンサに出脚で叩かれる展開を懸念していたのだが、この馬が好発切って、マイネサマンサは出負け気味。スタートして1F地点では既にマイネサマンサが前に居たのだが、この馬が自分のポジションを取った後の話で、マイネサマンサはハナへ行かざるを得なくなった。ベストポジションで脚を矯め、4角では逃げ馬の直後。坂下迄待ってから追い出す余裕が有った程。戦前述べた様に、マイルがベストの馬では無いのだが、この展開なら勝って当然だろう。ただ、2年前の東京戦の際にも述べた様に、左回りは内にササる癖が有るので、これだけは頭の片隅に置いておきたい。

エアメサイア
+12kg。意外に太く見せない。毛ヅヤが良くなったし、歩様もこの馬にしては悪くない。武豊騎手、中段でヤマニンシュクルにピタッと併せていたが、恐らく偶然では無く、一頭だけでも可能性の有る馬を潰すつもりだったのだろう。とはいえ、それでも今の馬場で外を回って2着なら強い内容。あくまでダンスインザムードが内で別次元の競馬をしただけ。

ディアデラノビア
+8kg。もう少し歩様が良くなって欲しいのだが、馬の造りは前走の阪神戦とは一変。少なくとも436kgの馬では無くなった。道中は中段。前に壁が無かった割に、何とか宥め切ったが、直線向いて右手前に替わってから暫くフラついていて、2馬身程後方に居たエアメサイアに交わされてしまった。昨春の東京戦でも手前を盛んに替えていて、意外に左回りが良くないのかも。

コスモマーベラス
相変わらず歩様が硬い。馬体ももっと増えてこそ。出脚良く、好位で流れに乗る形。器用さ身上のタイプで、インをピッタリ回って、ダンスインザムードに最内突かせなかったのも意外に大きいだろう。ただ、今の東京が幾らトラックバイアスがキツくでも、GTとなると、器用さだけでは複勝圏内迄は。

アグネスラズベリ
皮膚を薄く見せてデキ自体は絶好。ただ、トモが薄く、ここへ入ると馬自体に差が有る。無理せず好位が取れる良い出脚が有って、道中はダンスインザムードと前後する位置。ただ、最内では無かったにせよ、内に居たのは事実だし、4角の反応の悪さを思うと、意外に評価出来ない一戦。条件戦連勝で穴人気していただけに、次走人気になりそうなのだが、これは何処へ出てきても危険。

デアリングハート
2人曳き。今季はデキが有る一頭。今日は仕草に堪えも利いていた。好発。内から来たマイネサマンサに行かせて3〜4番手で控える形。最後は瞬発力の差が出てしまったが、前走の阪神戦はシーイズトウショウと2頭で暴走しただけに、これだけ行儀の良い競馬が出来たのは大きな進歩。まあ、条件上がりのアグネスラズベリに差されたのだから、情けないといえば情けないのだが、これもダンスインザムード同様、折り合い難さえ無ければ2000mの馬という事なのだろう。次走注目。

ヤマニンシュクル
+12kg。歩様に柔らか味が有って、馬に集中力。馬体増も、多少厚ぼったい程度で、極端には太くない。道中は中段。ピタッとエアメサイアにマークされて、一番馬場の悪いところを通らされた。今日はこれが全て。参考外。

ラインクラフト
この中間、食いが悪くて攻め馬緩めたそうだが、造り自体は決して悪くない。ただ、何時もよりテンションが高いのと、歩様が硬い。出負け。出脚が有るので、出して行ったが、引っ掛かったのが痛い。直線はガツンと来るシーンが一度も無かったが、この馬の場合はデキが無い時程引っ掛かる傾向。デキに原因を求める外無い。

ヤマニンアラバスタ
2人曳き。今日も落ち着いている。毛ヅヤが良くなったし、前走の中山戦で気になったトモの送りも、現状維持なら。好発も、出脚が無く後方から。4角も反応悪そうだったし、展開やトラックバイアス以前にマイルは忙しい。

アズマサンダース
2人曳き。今季は好調期間が長い。造りの良さが目立つ。道中は最後方。3角で一瞬掛かったといえばそうだが、それ程でも無かっただけに、今日はサッパリの内容。前述した様に、今季はデキが有って、何処かで一発有ると思っているのだが、ここ迄チャンスを尽く潰してしまっている。ちょっともどかしい。

馬 名 寸評
1 1   ダンスインザムード 118 下見所は落ち着き十分。最後に馬場入りも、少しうるさいぐらい。落ち着いたペースを好位のポケット。うまくなだめ、抑えたまま直線へ。坂を上がって前が開くと、スパッと抜け出す。まったくロスのない理想的な競馬で完勝。
8 18   エアメサイア 116 舌を縛る。12Kg増だが、オークスの馬体から6Kg増えただけ。好気配。後方の外目で折り合いに専念。直線までジッと我慢、坂下からゆっくりと大外へ。坂を上がって、3着馬の外から凄い切れ味を発揮。スローと大外枠のロスを考えると、強
7 13   ディアデラノビア 114 馬体フックラ。後方の外目でうまくタメを利かせる。道中は前にラインを見る位置。直線でラインの外に併せ、ひと呼吸置いて追い出す。この馬も長く脚を使っているが、3着を確保するのが精一杯。
3 5   コスモマーベラス 114 3番手のインでなだめる。内有利の馬場で、先行馬ペースにうまく乗った。坂を上がってマイネの内へ。勝ち馬には一瞬に交わされたが、そこからが渋太かった。
4 7   アグネスラズベリ 113 中位のポケット。このペースでもうまく折り合えたし、ロスが少なかった。直線でバラけて馬の間に突っ込むと、手応え以上の渋太さを発揮。4連勝は伊達でなし。
7 15   デアリングハート 112  
5 10   ヤマニンシュクル 110 12Kg増も太目感なし。後方からジックリと。道中ずっとエアに被せられ、直線まで身動きが取れず。馬群を捌いて最後の最後に脚を使う。
7 14   チアフルスマイル 110  
3 6   ラインクラフト 110 チャカつく。やや発汗し、テンションも高かった。出が悪く掛かり気味に中団。いつもの位置が取れなかったし、前半から頭を上げ、リズム良く走れず。直線まで何とか我慢して外へ持ち出すが、伸びたのは一瞬だけ。
10 1 2   マイネサマンサ 109 牧場で乗り込むが、久々で馬体減。気配もひと息。ハナへ。マイペースの逃げが打てたし、坂上までは頑張っていた。ラストは一気にこられる。
11 6 11   ロフティーエイム 109  
12 8 16   ヤマニンアラバスタ 108 発汗はいつも。4Kg増は好感。最後方に近い位置まで下げ、直線勝負。エンジンがかかったのはあと1Fから。大外からジリジリ伸びた程度、マイルはちょっと忙しい。
13 4 8   オーゴンサンデー 108  
14 2 4   スナークスズラン 104  
15 2 3   ジェダイト 104  
16 8 17   アズマサンダース 103  
17 6 12   ショウナンパントル 101  
18 5 9   レクレドール 99  

心配された馬場状態は「稍重」まで回復し全体に少し時計がかかる程度。
強力な先行型がいなかったため、前後半の800mは[47.5-46.5秒]。1000m通過は59.7秒のスロー。

東京の1600mのGI(安田記念、NHKマイルC)が再三波乱を呼ぶのは、ハイペースになりすぎて有力馬が失速したり、
可能性を引き出されることになった伏兵が台頭するのがパターンだから、レース前にささやかれた通りのすんなりしたペースで展開した今回、有力馬がほぼその能力を出し切れただろう。

勝ったダンスインザムードは、しばらくスランプの時期はあったが、昨秋の天皇賞3着のあたりから完全復活ムード。
うまく好位のインをキープできる1番枠にも恵まれ、着差以上の完勝だった。
スランプ時に見せたチャカつく面もみせず、落ち着き払った気配で、馬体にはどっしりした迫力さえあった。
北村宏司騎手にとっては知り尽くしている自厩舎の馬、快心のGI制覇でもう自厩のオープン馬をGIレースで、他の騎手にゆずったりのケースは一気に少なくなるだろう。
北村宏司騎手以上に、藤沢和調教師の方が喜びを前面に出していた。

エアメサイアは外枠の馬があまり好走できる条件ではなかった2回東京のAコースで、きちっと答えを出した。
ディアデラノビアも同様で、こちらは自分で動く今回のようなペースではなく、追い込み型台頭のレースで快走がありそうだ。

ラインクラフトは変にチャカチャカしすぎていた。
春シーズンの牝馬がみんなそろって完調で…、のケースは少ない。たまたまのことに思えるが、今回のラインクラフトは急に心身のバランスが崩れた形だった。

大駆けを期待したヤマニンアラバスタは、不発の12着。良績ある東京コースだけに、もう少し強気なレース運びをみせて欲しかったが、うまく外に出すタイミングをつかめかった。

06051601.jpg

喧騒としたスタンドよりも静寂な最終コーナーで騎手の駆け引きを楽しむのが好きです。
東京芝コースは開催が進むにつれて内側が傷んでいます。
開幕週は均一な緑の絨毯も写真のように5、6頭分のスペースの芝が剥げて荒れた状態です。

最終コーナーを注意深く観察すると最内1頭分だけ馬場の良いところが残っています。
最終コーナーを観察して、
ヴィクトリアマイルを勝利する馬は芝の剥げた部分と馬場状態の良い
外側の境目を縫うように走る馬か最内1頭分の狭いところをラチ沿いロスなく走る馬だと思いました。

芝の剥げた境目を狙ってくるラインクラフト・福永騎手とエアメサイア・武豊騎手とディアデラノビア・岩田騎手、
最内を狙ってくるダンスインムード・北村騎手の対決になると思いました。

ヴィクトリアマイルがスタートしてオーロラビジョンに一瞬映ったラインクラフトの走りを見て唖然としました。
福永騎手が手綱を抑えに姿勢が後傾になっているのに
鞍上の指示に逆らうかのようにラインクラフトは口を割りながら掛かり気味に走っていました。

序盤にあれだけ掛かっては勝負になりません。

高松宮記念の芝1200mなどの短距離を使ったことで抑えが利かなくなったのと
マイル戦としては遅すぎたペースが合わなかったのだと思います。
パドックで普段よりもチャカチャカしていたのも影響していると思います。

06051602.jpg レースのペースは前半1000mが59秒7とマイル戦としては遅すぎるペースです。
最終コーナーを回った時点で馬場の良い最内を狙って走っている
コスモマーベラスとダンスインザムードが有利だと思いました。

ラインクラフトは剥げた芝の外側を理想的に回っているのですが左右前後の馬にマークされて厳しい状態でした。
06051603.jpg 最終コーナー入口でラインクラフトは外に持ち出す感じでしたがディアデラノビア・岩田騎手が外から被せ、
後ろからエアメサイア・武豊騎手が塞ぐ格好になり、馬場の悪いところを走らされる格好になりました。

半の馬が外を回ったことで、
内側をロスなく回ったダンスインザムード・北村騎手はマークされず比較的楽な状態であったと思います。
06051604.jpg ラインクラフトは前が開いて一瞬伸び掛かりましたが前半掛かったために末脚は切れませんでした。
06051605.jpg ラインクラフトの仕掛けを待って、ディアデラノビアが仕掛け、
その仕掛けを待ってエアメサイアが外からディアデラノビアを内に絞込み、

内にいるラインクラフトの進路をドミノ倒しのように狭めていきました。
この状況では入着は難しいと思いました。
06051606.jpg 優勝は最内の馬場の良いラチ沿いをロスなく回ったダンスインザムードでした。
2着はエアメサイアでした。

ダンスインザムードとエアメサイアは枠順と馬場状態による位置取りの差だと思います。
能力差はなく、枠順が逆なら結果は違ったと思います。

コスモマーベラスはダンスインザムードと同じくラチ沿いをロスなく回った結果だと思います。
3着ディアデラノビアは細い馬体が逞しくなり期待していたのですが仕掛けが早かったのかラストが甘くなりました。
直線の長い東京よりも阪神・中山などの直線の短いコースが向いているような感じがしました。
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