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かしわ記念(G1)

【かしわ記念・男の解の公式】 馬場状態により勝ち馬が変わる!
モデル馬 ボンネビルレコード

■ DGR年間日程

王道路線

開催月 レース 2012年
1月・2月 川崎記念(G1) ×
佐賀記念(G3)
3月 ダイオライト記念(G2) ×
名古屋大賞典(G3)
5月 かしわ記念(G1)
6月 帝王賞(G1)
7月 マーキュリーC(G3)
8月 ブリーダーズGC(G2)
9月 日本テレビ盃(G2)
10月 白山大賞典(G3)
南部杯(G1)
11月 JBCクラシック(G1)
浦和記念(G2)
12月 名古屋GP(G2)
東京大賞典(G1)

■ 経緯

船橋競馬では初の交流GIレースとなったかしわ記念は、1978年に設立。
南関東限定の準重賞としてスタートし、89年に南関東の重賞、さらに96年からはJRA勢に他地区からも参戦可能な交流レースとなった。
翌97年に交流GIIIに格上げされると、05年からは交流G1にグレードアップされている。

2月のフェブラリーSと同じ1600mで行われることから、近年はハイレベルなメンバーが集結。
過去の勝ち馬には、97、98年地方年度代表馬アブクマポーロや、トーシンブリザード、
JRA勢ではバトルラインや、スターリングローズなど、歴戦の猛者が名を連ねている。

年度 馬場 上3F 1着 所属 人気 2着 所属 人気 3着 所属 人気 タイム ラップ 3連単 勝負結果
2012年
2011年 稍重 12.2- 11.4- 12.2- 12.5- 12.2- 11.9- 12.4- 13.4 37.7 フリオーソ 大井 2 ラヴェリータ JRA 5 エスポワールシチー JRA 1 1.38.2 12.2- 11.4- 12.2- 12.5- 12.2- 11.9- 12.4- 13.4 6150
2010年 12.2- 11.6- 12.5- 12.0- 11.9- 11.9- 12.2- 12.5 36.6 エスポワールシチー JRA 1 フリオーソ 大井 5 アドマイヤスバル JRA 4 1.36.8 12.2- 11.6- 12.5- 12.0- 11.9- 11.9- 12.2- 12.5 12650
2009年 11.3- 11.0- 12.4- 12.5- 12.4- 12.4- 12.0- 11.9 36.3 エスポワールシチー JRA 2 カネヒキリ JRA 1 フェラーリピサ JRA 4 1.35.9 11.3- 11.0- 12.4- 12.5- 12.4- 12.4- 12.0- 11.9 2040
2008年 稍重 11.9- 11.6- 12.1- 12.5- 11.9- 12.2- 12.9- 12.5 37.6 ボンネビルレコード 大井 3 ブルーコンコルド JRA 1 ワイルドワンダー JRA 2 1.37.6 11.9- 11.6- 12.1- 12.5- 11.9- 12.2- 12.9- 12.5 7830
2007年 稍重 12.1- 11.5- 12.6- 12.4- 12.2- 11.9- 12.6- 12.1 36.6 ブルーコンコルド JRA 1 アジュディミツオー 大井 3 ディープサマー 川崎 7 1.37.4 12.1- 11.5- 12.6- 12.4- 12.2- 11.9- 12.6- 12.1 21800
2006年 12.2- 11.8- 12.5- 12.2- 11.9- 12.6- 12.4- 13.0 38.0 アジュディミツオー 大井 1 ブルーコンコルド JRA 2 サカラート JRA 3 1.38.6 12.2- 11.8- 12.5- 12.2- 11.9- 12.6- 12.4- 13.0 790 ×
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■ 2011年回顧

【予想】

◎フリオーソ
○エスポワールシチー
▲オーロマイスター
△ラヴェリータ
△ロードバリオス
△ダイショウジェット

芝の部分でダッシュが利かなかったフェブラリーSのフリオーソ。
猛然と追い込み2着は負けて強し。
スマートファルコンとの死闘を糧に、更にスケールアップして今やダート最強レベル。
過去2年連敗のエスポワールシチーに雪辱を果たすとみました。
もちろん相手はエスポワールシチー。
3番手は、そのエスポワールシチーを退けてレコード勝ちの南部杯が光るオーロマイスター。

【レース】

エスポワールシチーが出遅れ。
戸崎フリオーソが逃げる姿勢でしたが、これを上回るスタートダッシュを決めてハナに行ったのが武豊ラヴェリータ。
的場文グランシュヴァリエが積極策で2番手。
フリオーソが3番手につけ、これをマークするように佐藤哲エスポワールシチー。
ダイショウジェット、オーロマイスターは中団。
ペースは平均。
3コーナー過ぎから動いたフリオーソが、直線の入口ではラヴェリータを交わす勢い。
これに連れて2番手に上がったエスポワールシチーとの一騎打ちかと思われましたが、エスポワールシチーの伸びが案外。
執拗に粘るラヴェリータを競り落として、フリオーソが勝利を収めました。

【上位馬の寸評】

1着 フリオーソ

スマートファルコンとの死闘を繰り返して6歳シーズンを終了。
年明けて川崎記念を順当勝ち。
フェブラリーSは、アッと言わせる後方強襲で2着。
7歳を迎え、更にスケールアップした感じ。
休み休み使っているエスポワールシチーよりは、今回に関しては分のいい一戦とみていました。
この日はプラス2キロの508キロ。
相変わらず気合乗り抜群の好馬体で絶好の仕上がり。
レースは戸崎騎手が気合をつけて逃げる姿勢でしたが、案外行き脚がつかずラヴェリータにハナを譲って3番手からの競馬。
これは少し誤算だったか。3コーナー過ぎから動いて4コーナーではラヴェリータを呑み込む勢い。
楽勝ムードでしたが、エスポワールシチーは抑え込んだものの、ラヴェリータに食い下がられて、ちょっと苦戦したという印象も。
最後の1ハロンは13秒4を要して、全体の時計が1分38秒2は、やや物足りません。
エスポワールシチーにまともに競馬されていたら危なかったかも。
序盤のリズムが少し悪かった影響か…。
今回に関しては勝ったことに価値を認めたい。

2着 ラヴェリータ

牝馬の交流路線では主役を張るこの馬も、JBCクラシック8着、ジャパンCダート7着、マーチS14着と、最近は男馬相手では劣勢。
距離ももう少し長目の方が合っているので、あくまでも3着候補の1頭という評価でした。
この日はプラス3キロの517キロ。
大人しい馬だし、馬格の割にそう見映えする方ではなくいつも通りの気配。
レースは武豊騎手がバシバシ気合を注入して外枠からハナへ。
これは砂を被って嫌気が差し、ボロ負けしたマーチSを反省してのことでしょう。
この馬の逃げですからペースは平均程度。
渋太さを発揮したのは最後の直線に入ってからです。
4コーナーでは既にフリオーソに交わされながら、執拗に頑張り差し返すシーンすら。
フリオーソに目一杯追わせて0秒1差。
エスポワールシチーに先着は、予想以上に時計がかかったのが幸いしたとはいえ価値ある走り。
今後の牝馬路線では距離に関係なく毎回主役。

3着 エスポワールシチー

一昨年のかしわ記念から、昨年のかしわ記念までG15連勝の快挙。
その内4勝がマイル戦。
海外遠征は結果が出ませんでしたが、復帰戦の名古屋大賞典をレコード勝ちと存在感をアピール。
当レース3連覇を目指して万全の態勢なら、フリオーソとの一騎打ちが濃厚でした。
ところがレースでは2馬身ほどの出遅れ。
佐藤哲騎手が気合をつけて5番手、フリオーソをマークするポジションは昨年と同様。
ただし、少し無理をして行ったので、馬が行く気にはやり掛かり気味。
直線の入口では2番手の外に上がりましたが、そこからは同じ脚になり、ラヴェリータすら捕まえ切れず3着に終わりました。
この日はプラス4キロの498キロ。
フリオーソのような、いかにもダートの超一流馬という抜群の馬っぷりではありませんが、大体この馬のいつもの雰囲気。
2年前に来た時のようなイレ込みもありません。
今回は出遅れてリズムを崩したのが痛かった。
次は本領を発揮してくれるのでは。

4着 ダイショウジェット

デビューから一貫してダート路線。
千四から千八まで連対実績があり、回りを問わないタイプ。
ただし、重賞では2着が3回のみ。
このメンバーでは精々入着ラインの評価でした。
この日はマイナス1キロの555キロ。
いかにもパワー型という体つきで、オットリしたタイプです。
レースは馬なり発進で中団6番手。
4コーナーでは4番手まで進出して前を追いましたが、前3頭の壁は厚く離された4着。
力通りは走ったという感じ。

5着 オーロマイスター

エスポワールシチーを破りレコードタイムを叩き出した昨年の南部杯が特筆すべき走り。
以降のG1路線は二桁着順続きですが、調教の動きが変わってきたところに、実績のあるマイル戦。
2強に割って入ればこの馬かなとみていました。
この日はプラス1キロの513キロ。
もうひと絞りといった体つきですが、馬っぷり上々で適度な気合乗り。
状態アップを確認。
レースは吉田豊騎手が気合をつけて中団7番手、ほぼダイショウジェットと併走。
ただし意外に反応が鈍く、4コーナーでも離れた5番手。
ダイショウジェットから5馬身差の5着はいただけません。
南部杯を過大評価するのは危険かも。

6着 ロードバリオス

ダート1勝は条件戦。
父ブライアンズタイムだけにダートはこなすとは思いますが、芝路線の馬がいきなりダートG1はいかにもハードルが高いという印象。
精々が△の評価でした。
この日はマイナス4キロの448キロ。
フックラとした体つきで落ち着きもあり好気配。
レースは好スタートから馬なりで内4番手。
いいポジションをゲットしましたが、ペースアップしたところで置かれてしまい、ほとんど圏外の6着。
G1レベルの馬ではありません。

■ 2010年回顧

【予想】

◎エスポワールシチー
○サクセスブロッケン
▲アドマイヤスバル
△マコトスパルビエロ
△セレン
△フリオーソ
△フジノウェーブ

昨年のかしわ記念を契機に大きく飛躍し、今やダート界の頂点に立つエスポワールシチー。
距離はある程度こなすが、この1600メートルあたりがベスト。
仕上がりも九分通りなら負けられない一戦。相手もほぼサクセスブロッケン。

【レース】

ポートジェネラルの逃げは大方の予想通り。
フリオーソが積極策で2番手へ。
注目のエスポワールシチーはスタートを無難に決めて3番手。
その直後のインにサクセスブロッケン。
その外にアドマイヤスバル。
意外と落ち着いたペースに。
馬なりで4コーナー先頭に立ったフリオーソが頑強に抵抗しましたが、やはりエスポワールシチーの脚力が一枚上。
力づくで抜け出しG1競走5連勝を飾りました。
フリオーソの粘りも特筆もので、3着は4馬身差。

【上位馬の寸評】

1着 エスポワールシチー

昨年のこのレースは、スタートが悪く追い込み勝負でしたが、今年はスタートを決めて無理なく好位3番手からの競馬。
フリオーソについて行く形で4コーナーでは2番手。
最後の直線はフリオーソの頑強な抵抗に、少々手を焼きましたが、これを交わすと真一文字にゴールへ。
力の違いを見せつけました。
逃げて良し、番手で良し、昨年のようにマクり勝負になっても対応可能と、どこからでも脚を使えるのが強味。
昨年の勝ちタイム1分35秒9に比べると0秒9遅い決着時計ですが、昨年は重馬場に対して、今年は良馬場。
それと前半のペースも起因しています。
この1年で確実に進化。
1600メートル前後ならまず敵なしでしょう。
馬はそれほど見映えするわけではありませんが、中身が違うということ。
休み明けでもキッチリ仕上がっていました。

2着 フリオーソ

2走前の川崎記念ではヴァーミリアンを苦しめ2着。
まだ衰えは感じませんが、前走のダイオライト記念がよもやの5着。
それと昨年のかしわ記念5着敗退が頭を過ぎり、△までしか付けられませんでした。
今回はマイナス7キロの503キロ。
前走に比べると見た目に引き締まり、パドック診断では加点。
レースはJRAの有力処が慎重に構えたのに対し、こちらは戸崎騎手がかなり気合をつけて2番手へ。
結果的にこの積極策が功を奏しました。
3コーナー過ぎからピッチを上げ、4コーナーでは馬なりで先頭。
アワヤのシーンを演出しましたが、最後は力負け。
ただし自身も上がり3ハロン36秒6ですから文句なしの内容。
南関トップの座はマダマダ譲れません。

3着 アドマイヤスバル

重賞勝ちは白山大賞典(G3)のみでも、昨秋のJBCスプリント2着と、距離オールマイティの実力派。
極端に速い決着にならなければ、ソコソコ通用するとみていました。
レースは勝浦騎手が気合をつけて5番手からと積極策。
勝負処でペースアップした際にやや追走に苦労しましたが、4コーナーでは3番手。
ただし、最後の直線では弾ける脚がなく、流れ込む形で離された3着。
これは完全にスピード能力の差でしょう。
基本的にはもう少し長目の距離が合うのでは。
この日はマイナス10キロの504キロですが、体のラインがシャープになりちょうどいい感じ。
適度に気合も乗り状態は文句なし。

4着 サクセスブロッケン

フェブラリー以来、約2ヶ月半ぶりでマイナス7キロの525キロ。
かつてのイレ込み癖はスッカリ解消してパドックでは落ち着いて周回。
馬体もひと回り成長してドッシリと重量感が出てきました。
これならエスポワールシチー相手でもいい勝負になると直感。
レースは内田博騎手が気合をつけて内4番手から。
最後の直線は外に切り替えたものの、サッパリ伸びる気配がなく、アドマイヤスバルにも交わされる始末。
敗因は前半で多少折り合いを欠いたことか…。
それとこの馬は内に入ると今イチ。
外目をノビノビと走れた際に最大限に能力を発揮するようです。
次走での巻き返しに期待。

5着 マコトスパルビエロ

中長距離路線を歩んでいる馬で今回は初めての1600メートル。
そこがポイントでしたが、昨年9月の日本テレビ盃(1800メートル)では、前半の3ハロンを34秒5で前を追いかけ、フェラーリピサを撃破。
その走りができれば十分に対応できるとみていましたが…。
レースは安藤勝騎手が気合をつけてもダッシュが利かず外8番手から。
道中も全くポジションを上げられず、正味直線勝負で5着が精一杯。
やはりラップだけで対応できると判断したのは安易だったようです。
明らかに距離適性の差が出ました。

6着 セレン

必要以上に前が速くなるようだと、人気を下げて、無欲の追い込み一発に賭けるこの馬に穴の魅力。
少々注目していましたが、遠く及びませんでした。
レースは後方10番手からで、道中もポジションを上げられず直線のみの競馬。
強力先行馬にあの脚で上がられては無理。
これは完全に力の差。
相変わらず馬体をフックラ映して本当に好調期間が長い馬。
南関同士になれば、いつでも勝ち負け。

7着 フジノウェーブ

スプリンターとして一時代を築いたこの馬が、8歳を迎えた今年も元気一杯。
多少ズブくなった分、今は1400メートルくらいがベストの感じ。
1600メートル程度はこなしそうな雰囲気。
正直可能性ありとみていましたが…。
レースは好スタートから柏木騎手が気合をつけて内7番手から。
そしてそのポジションのまま流れ込んで7着。
全く通用しませんでした。
距離うんぬんよりも、相手が強かったということか。
この日はマイナス5キロで体が大分スッキリ。
この馬にしては気合も出ておりデキは変わらず上々。
南関同士なら1600メートルくらいの距離でもソコソコ勝負になるとみます。

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■ 2007年回顧

2日、かしわ記念(4歳上、交流GI・ダート1600m、1着賞金6000万円)が船橋競馬場で行われ、
幸英明騎手騎乗の1番人気ブルーコンコルド(牡7、栗東・服部利之厩舎)が好位追走から直線で内を突き、逃げ粘った3番人気アジュディミツオーに1.1/2馬身差をつけ交流GI・5勝目を飾った。
勝ちタイムは1分37秒4(稍重)。さらに2.1/2馬身差の3着には7番人気ディープサマーが入り、2番人気のサンライズバッカスは5着に敗れた。

勝ったブルーコンコルドは、父フサイチコンコルド、母エビスファミリー(その父ブライアンズタイム)という血統。
02年京王杯2歳S(GII)優勝など、当初は芝で活躍していたが、初のダート戦となった03年霜月S(OP)をレコードで快勝。
その後はダート戦線に活躍の場を移し、05年JBCスプリント(名古屋・ダート1400m)、06年南部杯(盛岡・ダート1600m)、06年JBCマイル(川崎・ダート1600m)、06年東京大賞典(大井・ダート2000m)と交流GIを4勝するなど、幅広い距離で活躍を続けている。
しかし今年はフェブラリーS(GI)で2着、前走の名古屋大賞典(交流GIII)でも3着と歯痒いレースが続いていた。
通算成績36戦13勝(うち地方8戦6勝、重賞9勝)。


NHKマイルC、あれは当たりませんね。しかも雨で内枠有利になると読んだのに内の馬は先行した馬も控えた馬も全滅。よくわからない馬場です。
詳しい回顧はまた後日。予告通り今週は回顧週間ということでまずは先週行われた交流重賞を片付けていこうかと。

かしわ記念
1着 ブルーコンコルド
2着 アジュディミツオー
3着 ディープサマー
4着 ボンネビルレコード
5着 サンライズバッカス

いつもどおりスタートから押してハナを奪っていったアジュディミツオー。
パーソナルラッシュ、ディープサマーの元中央馬2頭がこれに続き内の4番手にブルーコンコルド、隣にボンネビルレコード、外にサンライズバッカス、その後ろにナイキアースワークとJRA騎手4人が一塊。
有力馬のほとんどが中団より前に付ける展開で、後方にマルカカイゼル、オグリホット、
その後ろに小牧太とアサカディフィートが続き残りはコガネウキョウ、ナムラコロンブス、遅れて紅一点・バクシンテンニョ、最後方にポツンとタイキサファリといった態勢。

3コーナーで早くもサンライズバッカスが外から上がっていくとパーソナルラッシュは後退。
逃げるアジュディミツオーに内からブルーコンコルド、外からサンライズバッカスと3強が並びながら4コーナーへ。
「4コーナーでは勝ち馬をいつでも交わせる手応え」とアンカツが振り返ったように直線、
さあサンライズバッカスが外からアジュディミツオーとブルーコンコルドを交わすぞ!と思いきやここから思ったほど伸びがない。
前を捕らえるどころから逆に差をつけられ始めラスト200mでは完全に置かれ始めてしまう。
逆にここから伸びたのがブルーコンコルド。
サンライズバッカスが遅れ最後は(昨年と同じ)2頭の争いとなったわけだが、アジュディミツオーの内に潜り込んだブルーコンコルドが今年は最後までしっかりと伸びて、アジュディミツオーを逆転。
昨年の借りを返して優勝。
2着にはアジュディミツオーが入り、3着は4コーナーで3頭のすぐ後ろにいたディープサマーが下がってきたサンライズバッカスを交わして入った。

昨年アジュディミツオーの2着に敗れたときに付けられた着差が1馬身半。
そのお返しとばかりに今年はブルーコンコルドがアジュディミツオーに1馬身半の差をつけてみせた。
服部調教師、幸英明ともに「思い切ったレースを」「積極的なレースを」と言っていたように、最近は中団より後ろでレースをすることが多かった同馬がこの日は早め4番手。
近走見せていた反応の悪さも影を潜め、4コーナーでも良い手応え。
サンライズバッカスのアンカツの言葉を借りればまさに「いつでも交わせる手応え」だったのはこちらも同じだったわけで、昨秋強い競馬をしていた頃のブルーコンコルドに戻っていた。

ブルーコンコルドに雪辱されてしまったアジュディミツオー。
実はこの日は前走・フェブラリーSからプラス16キロの544キロ。
540キロ以上での出走はデビュー以来最高馬体重だったがそれでも川崎記念に続き2着をしっかり確保したあたり、状態はだいぶ戻ったと見てよい。
内田博幸が言うように「絶好調時と比べると、まだまだといった感じ」ではあるが、その状態でも中央馬以外地方で敵はいないわけでやはりまだ地方の雄健在である。

3着はディープサマー。昨年8月の佐世保S以来の実戦であり、船橋に移ってからは初めてのレースだったことを考えればよく走っている。
そういえばタイキシャトル産駒は休み明け注意だったっけ。

ボンネビルレコードも最後外から伸びてきて4着。
ただ豊も「もっと長い距離の方がいい」と言っていたようにやはり1600mでは少し忙しいようだ。

結局前を捕らえるどころかディープサマー、ボンネビルレコードにも交わされ5着にまで下がってしまったサンライズバッカス。
ゲート入り直前でアンカツを振り落とすと言うアクシデントはあったものの、それほど大きな影響があったとは思えず。
いつも中団後方で脚を溜めていく馬だけに、ブル−コンコルドとは逆に早めの先行策が裏目に出てしまったということか・・・。

ナイキアースワーク、アサカディフィートのJRA2頭が6着、7着に続きパーソナルラッシュが8着。
特にパーソナルラッシュはこのところ先行できていなかったのが、1600m戦でいきなりスンナリと2番手に付いており驚いた。
一瞬「やられたか」とも思ったが、3コーナーでサンライズバッカスが動いていきペースが上がったところで付いていくことが出来ず。
まあ、それでもここ2〜3戦よりは良い負け方だったと思う。
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■ 2006年回顧

着順 馬番 馬名 騎手名 タイム/着差
1 2 アジュディミツオー 内田博 1.38.6
2 9 ブルーコンコルド 幸英明 1 1/2馬身
3 6 サカラート 岩田康 2馬身
4 1 × ドンクール 福永祐 2馬身
5 3 ナイキアディライト 石崎隆 2 1/2馬身
6 12 レマーズガール 武豊 2馬身
7 10 ベルモントファラオ 御神訓 4馬身
8 4 モエレトレジャー 金子正 4馬身
9 11 パワフルボーイ 東川公 4馬身
10 5 マックスウェルカム 宇都英 1/2馬身
11 14 ノムラリューオー 石崎駿 2馬身
12 7 オグリスキー 佐藤友 1 1/2馬身
13 13 パワフルヒッター 島崎和 大差
除外 8 ブルーローレンス 的場文  

ミツオがハナを切り押し切り。3連単のタテ目でハズレ。。。

アジュディミツオーの完璧な逃げ切りだった。
ゲートの出は例によって一息鈍い、しかし今回は隣のナイキアディライトにダッシュがつかない。
それならという内田博騎手、手綱を押して先頭に立たせてしまう。
1000m通過60.6秒、同馬とすると速くもなく、大きく力強いストライドはいつも通り。
向正面、後続を4馬身ほど離して進み、3〜4コーナーで少しだけピッチを緩める。
追い上げてきたブルーコンコルド、直線1馬身ほどに迫ったところでもう一度ハミがかかった。
最後1.1/2馬身差。ゴール際伸びた印象があるのは、コンコルドよりミツオーの方だから危なげがない。
この着差は、「船橋マイル戦における力関係」ほぼそのままと言っていいだろう。

1分38秒6の時計。晴れて気温が上がりその上強風。
開催前半(1〜3日)とはうって変わった乾燥した馬場だけに、別段不満は感じない。
むしろ今回の場合、道中スムーズに折り合い、いったんペースダウンできたことがミツオーの新境地を示している。
「楽でしたね。相手(コンコルド)が直線並んできても、突き放せる手応えと余裕があった」(内田博騎手)。
「前走(マイルグランプリ)レコードの反動が気になったが、5kg増で見た目もふっくら。
それにしてもたまげた馬だ…」(川島正行調教師)。川島師の“たまげた”という言葉に実感があふれている。健康でタフ、5歳春にして。

次走は帝王賞。
JRAカネヒキリとの再戦もホームなら十分逆転の目があり、あとは秋シーズン。
川崎JBC(今年のケース、クラシックかマイルか微妙な選択)、さらに悲願のアウェー制覇「ジャパンCダート」と夢が広がる。
いずれにせよ今回GI・4勝目。
グレードレースを初めて1番人気で勝った、その意義と自信は大きいだろう。
もっとも川島師は、「来春もう一度ドバイ遠征を考えている」とコメントした。
たまげた馬……。厩舎の主力ダーレー軍団ではなく、別地点から忽然と現われたスーパーホース。
まあしかし、だから競馬は面白い。

2着のブルーコンコルドは力を出し切った結果とみえる。
4コーナー捲りきって先頭が勝ちパターン。その部分で1400mがベストなのだろう。
ただし同馬は、母エビスファミリーが大井活躍馬という血統背景。
地方ダート適性は元より高い。
中団から伸びた3着のサカラートもイメージ通り。
こちらも1マイルは、オビに短しタスキに長し…、微妙な条件と納得できる。
4着のドンクールは、戦力自体がGIでは気持ち足りない。
インをロスなく乗った福永騎手の好プレーで掲示板を確保した。
6着のレマーズガールも、終わってみればこんなものというしかない。
色気をみせず末脚勝負で上がり37.8秒。
牝馬同士ならもちろん結果が違ってくる。

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