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日本テレビ盃(G2)

■ DGR年間日程

王道路線

開催月 レース 2012年
1月・2月 川崎記念(G1) ×
佐賀記念(G3)
3月 ダイオライト記念(G2) ×
名古屋大賞典(G3)
5月 かしわ記念(G1)
6月 帝王賞(G1)
7月 マーキュリーC(G3)
8月 ブリーダーズGC(G2)
9月 日本テレビ盃(G2)
10月 白山大賞典(G3)
南部杯(G1)
11月 JBCクラシック(G1)
浦和記念(G2)
12月 名古屋GP(G2)
東京大賞典(G1)

■ 2011年回顧

【予想】
◎スマートファルコン
○フリオーソ(競走除外)
▲カキツバタロイヤル
△ピイラニハイウェイ
△フリソ

今や次元の違うレベルに到達して無人の野を行くスマートファルコン。
フリオーソが除外では、正にただ貰いも同然。
相手は、ピイラニハイウェイ、フリソなら、カキツバタロイヤルが上と思いましたが…。

【レース】

外枠から難なく武豊スマートファルコンがハナ。道中は計ったような平均ペース。
スマートファルコンには楽でも、他馬には息が入らない流れ。
しかし果敢にこれを追いかけたのが石崎駿カキツバタロイヤルで、3番手以下を離して、あわよくば負かそうの意気込み。
それを尻目にセイフティリードを保ったスマートファルコンは、危なげなく1着ゴール。4番手を大事に乗った三浦フリソが2着に浮上しました。

【上位馬の寸評】

1着 スマートファルコン

昨年の当レースは、テン乗りの武豊騎手が抑える競馬に出て伸びひと息の3着。
ただし、以降5連勝はワンサイド逃げ切り。
東京大賞典では快レコードを叩き出すなど、ダート界では1頭突き抜けた存在に。
フリオーソが除外とあっては、この馬の勝ちっぷりのみが焦点。
レコード駆けも十分に可能とみていました。
この日は増減なしの507キロ。
パドックを周回する姿は風格が漂い、馬っぷりも他馬とはひと味違う。
ただし、もうひと気合欲しい感じも。
レースは外枠から難なくハナ。
昨年のJBCでは、テンから11秒3〜11秒1〜11秒7〜11秒8の猛ラップを刻んで後続馬の度肝を抜きましたが、このレースでは3ハロン目以降は12秒台。
それでも他馬にとっては息の入らない厳しい流れ。
追いかけて来るカキツバタロイヤルにも影すら踏ませず、セイフティリードを保って悠々1着ゴール。
役者の違いを見せつけました。
時計の1分50秒6は平凡ですが、今開催は意外に時計がかかったのと、相手に合わせたためで全く気になりません。
今季上々の滑り出し。次はもっと良くなってきそうです。

2着 フリソ

重賞レースを使うのは、北海道2歳優駿以来。
左回りに適性が高いようですが、距離はもう少し欲しいタイプ。
それでもメンバー的に2着の有力候補とみていました。
この日はプラス4キロの470キロ。
パドックでは物見もせず落ち着いていい雰囲気ですが、馬体から受けるインパクトは今イチ。
レースはスタートひと息。それでも出たなりで離れた4番手を追走。
ペースを考えるとちょうどいいポジションで、三浦騎手もスマートファルコンは意識せずマイペースを堅持。
3、4コーナーからスパートのタイミングもドンピシャ。
甘くなったカキツバタロイヤルを捕まえて2着に浮上しました。
正味目イチの競馬ですが、今回の馬場で1分51秒3で駆ければマズマズ。
G3レベルの能力はありそうです。

3着 カキツバタロイヤル

今年ダイオライト記念でスマートファルコンの2着。
前走のサンタアニタトロフィーで古豪マズルブラスト、ボンネビルレコードを撃破。
フリオーソに続く第2グループの中で存在感を増してきた同馬。
問題はスマートファルコン以外の中央馬との比較ですが、こちらの方が一枚上とみていました。
この日はマイナス1キロの425キロ。
体型的なものもあり、細目感はありません。大人しいのはいつも通り。
レースは石崎駿騎手が気合をつけて2番手へ。
3番手のピイラニハイウェイとはほぼ併走の形。
ただし、向正半ば過ぎから、離して逃げるスマートファルコンを追い、単騎2番手へ。
宣言通りの強気な競馬に打って出ましたが、さすがに無理がたたり直線の入口では怪しい脚いろに。
最後はフリソに交わされ3着に終わりました。
2着取りに徹していれば楽に確保できたはずですが、相手を恐れず勝ちに行く姿勢に好感。
必ずや今後に繋がるはずです。

4着 ピイラニハイウェイ

JRAでの重賞実績は今イチ。
2走前のブリーダーズゴールドCでは、一線級が不在ながら離された4着。
ややパンチ不足ですが、得意の千八でスンナリ先行できれば、脈はありそうでした。
この日はマイナス13キロの457キロ。馬は落ち着いていますが、やはりいくらか細くなった印象。
なおブリンカー着用。
レースは絶好のスタートを決めて馬なり先行。
カキツバタロイヤルの直後のイン3番手。
向流しでカキツバタロイヤルが動いた際は、無理に前を追わず離れた3番手で我慢。
最後の直線は内を突いて川田騎手が目一杯に追ってきましたが、4着が一杯でした。
今回の状態を考えれば大健闘でしょう。確かにこの距離が一番合うようです。

5着 グランシュヴァリエ

昨年10月の南部杯で、オーロマイスターのレコード駆けに3着。
その印象が強く、どうしても毎回気になってしまいますが…。
この日はプラス2キロの491キロ。
大分陽気が涼しくなり気合が戻ってきましたが、南部杯当時に比べると、やや馬がこじんまりした感じ。
レースはヤンワリ出て後方9番手から。
明らかに着狙いという本橋騎手の騎乗ぶり。功を奏して?5着賞金ゲット。

■ 2010年回顧

【予想】
◎フリオーソ
○テスタマッタ
▲トランセンド
△ボンネビルレコード
△スマートファルコン
△シビルウォー

ひと頃やや低迷期もあったフリオーソが、かしわ記念ではエスポワールシチーを本気にさせて際どい2着。
帝王賞では打倒カネヒキリを果たすなど、依然として現役最強レベルにあることをアピール。
本番に向けて幸先いいスタートを切るとみました。
相手は骨折明けでも仕上がり進むテスタマッタを重視。
トランセンドは脚抜きのいい馬場になり俄然浮上。
ボンネビルレコードは2年前に当レースをレコード勝ちの実績。スマートファルコンはテン乗りの武豊騎手がどう捌くかに注目。

【レース】

注目の逃げ争い。
好スタートを決めた戸崎フリオーソが逃げる勢いでしたが、内から先手を主張したのが藤田トランセンド。
アドマイヤフジが3番手に行って、武豊スマートファルコンは抑えて内4番手から。
向流しに入るとスローダウンして先行勢が脚を溜める形。
ボンネビルレコード、テスタマッタは中団待機。
残り800あたりから前がピッチを上げたので、追い込み勢は差を詰めるのもままならない状態。
手応え良く直線の入口で先頭に立ったフリオーソが、全く危なげない走りで1着ゴール。
手堅く優先出走権をゲットしました。
トランセンドがスマートファルコンを際どく抑えて2着確保。

【上位馬の寸評】

1着 フリオーソ

トランセンドが逃げてフリオーソが2番手というのは、最も予想された展開ですが、スタートも含めて前半の運びはこちらの方がスムーズで、常に有利な立場でレースを進めることができました。
手応え良く2番手を進み、残り800からトランセンドがピッチを上げた際も、1馬身と離れず追走。
相手にプレッシャーをかけ続け、直線の入口では早くも交わす勢い。
全く危なげがありませんでした。
この日はプラス5キロの510キロ。
これまでの経緯から、この馬は505キロ前後が一番能力を発揮できる感じ。
数字通りにいくらか余裕残しの造りとみましたが、それでこの勝ちっぷり。
6歳を迎えて更に進化しているようです。
どうやら地方馬で初のJBCクラシック優勝が見えてきました。

2着 トランセンド

南関初見参、注目のスピード馬。
この日は増減なしの508キロ。
4ヶ月ぶりの実戦でも全く太目感はありません。
体付きは思ったよりスッキリしています。
それと大人しいタイプなのか、パドックを周回する姿は淡々としたもの。
もう少し気合が乗ってもいいかなという感じはしました。
レースは藤田騎手がかなり気合をつけてハナを主張。
何とか行けましたが、終始フリオーソにジカ付けされる形。
直線の入口で交わされると、あとはイン粘りという状況でしたが、バテたというよりは、フリオーソに速い脚を使われたということ。
早目に交わされながら、スマートファルコンを抑えた点に価値を認めたい。
このコースを一度経験して、テンの入りがもう少しスムーズなら、反撃の可能性は残されています。

3着 スマートファルコン

既に重賞レースを10勝。昨年のブリーダーズゴールドCではフリオーソを競り負かしてレコード勝ちの実績も。
ただし、浦和記念で思わぬ大敗を喫し、前走の帝王賞が3人気で6着。
ちょっと評価が揺らぎ出したのは否めないところ。
今回テン乗りの武豊騎手が、難しい面のあるこの馬をどう捌くかが注目点でした。
この日はプラス1キロの501キロ。
多少テンションが上がるのはいつものこと。
相変わらず馬っぷりは良く、仕上がりは上々と判断。
レースは好スタートを決めた割に、当初からの作戦か、武豊騎手が抑える作戦に。
イン4番手に控え、意外に折り合いスムーズ。
勝負処から3番手に上がり、前2頭を追う形。
追ってから鋭い脚を使える馬ではないので、ジリジリという感じでしたが、この形で3着できれば収穫があったと言うべきか。
基本的には逃げか外2番手が、この馬の好走パターンです。

4着 テスタマッタ

南関初登場ジャパンダートダービーの直線一気が鮮烈なイメージ。
以降、南関では浦和記念、川崎記念をともに3着ですが、前走のフェブラリーSはエスポワールシチーの2着。
常にハマれば突き抜けるだけの怖さがある馬。
問題は仕上がり状態でしたが、この日はプラス8キロの490キロ。
気持ち太い印象も。
レースはスタートひと息で序盤は9番手。
追ってポジションを上げて行きましたが、先行馬ペースに翻弄されて、4コーナーでは離れた4番手。
前を行く馬の脚力を考えれば挽回不可能で、4番手で流れ込んだという程度。
ただし展開が向かなかったにせよ負け過ぎの感じで、やはり状態が伴っていなかったということか。
叩けば変わってきそうです。

5着 ボンネビルレコード

2年前のこのレースをレコード勝ち。
以降は勝ち星がありませんが、大井の庄子厩舎に返り咲いた後も2、3、2着の堅実駆け。ゲンのいいこのレースで大駆けの可能性もあるかなとみていました。
この日はマイナス6キロの484キロ。
あまり減ってくるのは歓迎ではありませんが、馬は落ち着いており、力は発揮できる仕上がりとみました。
レースはスタート五分に出て中団、ほぼテスタマッタと同じポジション。
マくって進出する気配を見せましたが、上位陣とは差が縮まらず5着が精一杯。
やはりこれだけ上がりが速い競馬になると苦しい。
既に8歳。
一線級のメンバーに入って勝ち負けは難しいか。

6着 ブルーラッド

浦和記念1着、マーキュリーCを2着と、交流競走でも好走の実績がある、南関ではトップクラスの実力馬。
この日はプラス18キロの468キロ。
ハードな稽古を消化しての馬体増。
全く太目感はなく、馬に活気があって非常にいい雰囲気。
これは結構やれるかなと思いましたが、レースは勝ち気に攻めたものの、力及ばず6着。
ただし調子が上がっているのは間違いないので、条件次第ではいつ勝ってもおかしくない。

■ 2006年回顧

日本テレビ盃なので船橋の現場に向かう電車の車中。台風の影響でひじょうに暑かったので、汗を拭くためタオル地のハンカチで、まあ顔を拭きましたわな。すると、向かい側に座っている女子高生やおばさん、って言っちゃいけないんだよな、お姉さんが薄笑いでこちらを見るわけですな。

あのなぁ、俺は昔からタオル地のハンカチ使っとんのじゃ。俺もハンカチ王子じゃ

う〜ん、「王子」というにはおっさん過ぎるので、「ハンカチ大王」かな? 大王ってほどは偉くはないな。「ハンカチ記者」ぐらいにしておこう。

さて、日本テレビ盃。

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ビッグフリートとカイジンクンの6・7番人気が先行。少頭数の割に前半結構いいペースで、1000メートルの通過は60秒9のハイペース。2コーナーをすぎ、向正面に入ったあたりで少しペースも緩みかけたのだが、シーキングザダイヤがそこから徐々に上がり3番手、その直後にレマーズガール、レイナワルツ、そしてスターキングマンといった態勢。

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3コーナー手前あたりで、レマーズガールが下がり加減。シーキングザダイヤが逃げるビッグフリートに並び直線を向いて先頭。楽勝で抜け出すかに見えたが、そこから同厩のスターキングマンに詰められる。武豊騎手によると「抜け出してから物見をした」とのこと。手応え自体は最後まで余裕があったということだが、そのあたりがGI2着7回なのかな?と思う。まあ、GIIでこのメンバーだけに落とす方が難しい感じだったが。森調教師によると、次は南部杯からジャパンカップダートとのこと。

レマーズガールは向正面で砂を被った時に下がってしまったようで、以前的場文男騎手が乗った時もそういうことがあったと記憶しているが、そのあたりスムーズなレースをしないと難しいようだ。

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1着▲シーキングザダイヤ
2着○スターキングマン
3着◎レマーズガール
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
6着△ビッグフリート
8着△カイジンクン

3連単裏ストレート達成。

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さて、最終レースのナドアルシバ競馬場カップ。やっぱりいました「我関せず」なのかどうかわかりませんが、4号馬レディーポシェット号の厩務員さん。緑のヘルメットに船橋競馬のつなぎ姿。私が選ぶ「厩務員ベストドレッサー賞」はこの厩務員さんに決定。だって「制服」だし。ちなみに、チャリティーの方は、船橋市福祉課に42万5100円全額、寄付されるそうです。いかにもパネルというような、大きな箱を抱えた女性を場内で見かけましたが、恐らくその方が落札されたのでしょう。

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現場でもちょっと話題になった、ダービーグランプリの放馬。関係機関の方に聞いたところ除外するには基準があって、●けがの有無、●放馬して走った距離、●走り方(全力で走ってしまったかどうか)、●心拍数、●歩様の乱れの有無。これらについて異常が認められなければ、除外(したくても)できないそうだ。何ともいい難いが、走路脇の車道を、マイルのスタート地点まで1200メートルほどキャンターで走っているし、やっぱり除外でいいんじゃないかと思うが、どうだろうか。昨年のJBCクラシックの「おっちゃんキック」にしてもそうだが、それが正しい処置であったとしても、見た目が悪いとダメージは大きい。それを知らないと「岩手の馬券なんて危なくて買えない」ということになりかねない。昨日、その基準を聞くまでは、私もそう思ってしまった。プロ揃い(笑)の弊社内でも「あれは除外だろ」という意見が多数。見た目が全てではないが、客商売は見た目が重要だ。

う〜ん、やっぱりこういうのは取材してみるもんですな。知らずに書いたので、恥ずかしくて冷や汗が出たので、タオル地のハンカチで拭きました。以上、「ハンカチ記者」でした。

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(写真/ナドアルシバ競馬場カップ勝ち馬 フリオーソ)


日本テレビ盃(9月20日 船橋 サラ3歳上 別定 交流GII 1800m 良)

◎(1)シーキングザダイヤ 1分51秒6
▲(2)スターキングマン 3/4
○(3)レマーズガール 2
 (4)グリンセレブ 1.1/2
△(5)レイナワルツ 5
…………………
(6)ビッグフリート
(7)ミヨノドリーム

単140円
馬複310円
馬単410円
3連複160円
3連単570円

 シーキングザダイヤは、単勝1.4倍、いかにもそれらしい強さをみせた。先行するビッグフリート、カイジンクン、その3番手をしびれるような手応えで進み、持ったまま4コーナー先頭。外から迫るスターキングマンを余裕十分に退けた。ひとこと、力通り、実績通り。1800m・1分51秒6も、風が強くパサつきはじめた馬場にしては悪くない(昨年サカラート=51秒8)。「道中ずっといいリズム。直線1頭になってフラっとしたけど、ステッキを入れたらまた伸びた。以前乗ったときより(一昨年・兵庫ゴールドT以来)パワーアップしています」(武豊騎手)。中間7か月のブランク、ノド手術明けを不安視されたが、終わってみれば杞憂だった。06、秋のダートGIへ向け確かなスタート。左回り中距離ベストも、この日の走りではっきりした。

 同馬は3歳暮れ、宇都宮「とちぎマロニエC」から交流ダートG参入。これで[2-7-1-2]の戦歴となった。GI・2着が何と7回。ただし、ジリ脚、決定打不足ではけっしてなく、例えばJCダートでのカネヒキリ、川崎記念でのアジュディミツオー、ゴール際の激しい叩き合いなど、ごく客観的に“名勝負”と言い切れる。運がないこと、相手がそれ以上の勝負強さをみせたこと。今季はひとつふっ切れるかもしれない。元よりライバルと比較して、自在性、安定感、さらに2〜3歳時、芝もこなした総合能力(ニュージーランドT快勝など)では、むしろ一歩リードする。ともあれ、オールマイティ(と思える)の素材を、何らちゅうちょなくダート路線に切り込ませた森秀行調教師。その先見性、決断力には、改めて驚かされる。

 スターキングマンは岩田康J騎乗、シーキング目標に100%の競馬をした。03年、アグネスデジタル相手にこのレースを勝った底力とコース適性。最後捕え切れなかったのは、年齢も含めやはり勢いの差と判断したい。レマーズガールは内田博Jで意識的に先行したが、向正面でいったん下がり(しばしば出る気性難か)、結果ちぐはぐなレースで終わった。それでも、先着牡馬2頭に力を出し切られてしまうとこんなものか。当日マイナス13kgの馬体は、むしろすっきり見えて悪くなかった。インから伸び、一瞬3着かという見せ場があったグリンセレブは成長株。父タイキシャーロックは、7歳にして浦和記念を勝っている。晩成型。こと牝馬同士なら、重賞、交流Gでも、あるいは…の可能性をのぞかせた。

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