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帝王賞

■大井巧者内田の溜め逃げに注意

アジュディミツオーが勝った2006年の帝王賞は内田の溜め逃げが勝敗をわけた。
内を先行していたミツオがカネヒキリの追走を振り切ってゴール。
カネヒキリの力を持ってしても、内田の溜め逃げに翻弄されたわけだ。
大井のペース配分を把握していた内田の手腕によるところが大きかった。
またステップレースとしては、かしわ記念・大井記念・東海Sからの臨戦組の成績が良い。
これはローテーション的にということだろう。
これらのレースからの臨戦してきている馬は要チェック。

■ DGR年間日程

王道路線

開催月 レース 2012年
1月・2月 川崎記念(G1) ×
佐賀記念(G3)
3月 ダイオライト記念(G2) ×
名古屋大賞典(G3)
5月 かしわ記念(G1)
6月 帝王賞(G1)
7月 マーキュリーC(G3)
8月 ブリーダーズGC(G2)
9月 日本テレビ盃(G2)
10月 白山大賞典(G3)
南部杯(G1)
11月 JBCクラシック(G1)
浦和記念(G2)
12月 名古屋GP(G2)
東京大賞典(G1)

■ 2011年回顧

【予想】
◎スマートファルコン
○バーディバーディ
▲エスポワールシチー
△ボンネビルレコード
△シーズザゴールド
△タートルベイ

 JBCクラシック、東京大賞典で圧倒的なパフォーマンスを演じたスマートファルコン。今回は勝負付けが済んでいないエスポワールシチーとの対決が焦点ですが、勢いの差は歴然で寄せつけないとみました。むしろ興味は2着争いで、妙味あるのはバーディバーディの方。

【レース】
 好スタートを決めた武豊スマートファルコンが馬なりでハナ。強気に2番手に行ったのが石崎駿マグニフィカで、佐藤哲エスポワールシチーは大事に3番手から。松岡バーディバーディが4番手で、5番手以下は遥か後方。緩みない流れでも、スマートファルコンにはマイペース。一旦は2番手グループを引き付けたスマートファルコンは、直線向くと一気にスパートをかけて差は広がるばかり。2着争いを尻目にゴール前は流す余裕で1着ゴール。エスポワールシチーが2着を死守しました。

【上位馬の寸評】
1着 スマートファルコン
 フリオーソの回避で、当面の敵は未対戦のエスポワールシチーのみ。ただし、勢いの差は歴然で、勝ちっぷりのみが焦点。この日はプラス7キロの507キロ。パドックを周回する姿は躍動感に満ち溢れ、毛ヅヤも抜群。最近の中でも一番良く見えました。レースは好スタートを決めて馬なりでハナ。前半の4ハロンは大賞典とあまり変わりませんが、5ハロン目から8ハロン目までのラップが大賞典(11秒9〜12秒1〜12秒1〜12秒3)に比べると12秒3〜12秒6〜12秒7〜12秒6と相当楽。フリオーソのマークを受けた大賞典とは全然違います。ここで十分に息を入れて、最後の直線、残り2ハロンでラストスパートをかけると11秒3〜12秒1の瞬発力。これで一気に2番手以下を突き放し、最後の百bは抑える余裕。既にヴァーミリアン、カネヒキリの域を超えたとみます。あとは海外遠征で世界にアピールして欲しい。

2着 エスポワールシチー
 G15連勝を果たした同馬も、休養や海外遠征を挟み勢い停滞。名古屋大賞典はレコード勝ちとはいえメンバーのレベル? かしわ記念は出遅れたとはいえ意外な凡走。完全復調とは言い難いし本質マイラーで距離も? 2着安泰とは思えませんでした。この日はプラス2キロの500キロ。いかにもダート馬といった迫力は感じませんが、キビキビ感があり毛ヅヤも上々。この馬としてはなかなか良く見えました。レースは好スタートから徐々に馬を内に寄せて3番手から。残り5ハロンで2番手へ。そして4コーナーでは手応え良くスマートファルコンに接近しましたが、最後の直線は相手のラストスパートに振り切られて差は開く一方。それでもバーディバーディは抑えて意地を見せました。レースぶりと馬の気配からそう衰えは感じられず、今回は相手が悪過ぎ。千六路線ならやはり最強レベルは間違いなし。

3着 バーディバーディ
 昨年の大賞典ではスマートファルコン、フリオーソの2強を3番手で追いかけ、流れ込んで1秒差の3着。今年に入り4戦未勝利ですが、耐久力アップして、マイラーから中距離もこなすオールマイティ型に変貌。エスポワールシチーに若干不安点があるので、人気的にもこの馬の2着付けに妙味ありとみていました。この日はプラス6キロの490キロ。パドックの外目をキビキビと周回する姿に好感。万全の態勢と判断。レースは松岡騎手が多少気合をつけて内4番手からの競馬。3、4コーナーではステッキが何発か入り3番手で必死に前を追走。最後の直線もジリジリ脚を伸ばしましたが、エスポワールシチーも捕まえ切れませんでした。正直これが目イチの競馬でしょう。やはりG1を勝てるほどのスケールは感じません。

4着 ボンネビルレコード
 史上初の帝王賞6回連続出走。過去5、1、2、3、3着という見事な成績。ただし、近走のレースぶりを見ると往年の迫力が薄れており、JRA勢の一角を崩すのは難しいとみていました。この日はマイナス1キロの482キロ。キリッと引き締まった馬体。活気があり適度に汗もかいて、外見的には全盛期と何ら変わらず。レースはこの馬としては比較的まともに出て7番手から。大きく離れた後方馬群の中ですが、的場文騎手は無理に前を追いかけず我慢の仔。直線だけで内を突いて4着は、ほぼ計算通り? とりあえず地方最先着を果たしました。極端に衰えが来ているわけではなく、メンバー次第では久々の勝利も。

5着 フィールドルージュ
 フリオーソを破った川崎記念はもう3年以上も前の話。中止、取消しなどを挟みリズムに乗れない9歳馬。順番で△は打ちましたが、正直厳しいとみていました。この日はプラス2キロの508キロ。毛ヅヤがいいし決して悪くは見えませんが、元来が良く見せる馬で半信半疑。レースは大きく離れた後方馬群の先頭を進み、流れ込む形での5着。特に強調すべき材料はなく、見通しは暗い。

■ 2010年回顧

【予想】
◎サクセスブロッケン
○フリオーソ
▲スマートファルコン
△ヴァーミリアン
△アドマイヤスバル
△カネヒキリ
△マコトスパルビエロ

 前走かしわ記念の敗因は掴み切れないものの、中間の気配の良さに注目してサクセスブロッケンに期待。先行争いの直後から抜け出すとみました。ヴァーミリアン、カネヒキリは休養明けのハンデ。順調の強味でフリオーソ、スマートファルコンが相手本線。

【レース】
 フリオーソ、スマートファルコン、どちらかの逃げとみていましたが、1番枠からハナを主張したのが内田博サクセスブロッケン。戸崎フリオーソ、岩田スマートファルコンと続いて、横山典カネヒキリは中団6、7番手。その直後に福永ヴァーミリアン。最近の帝王賞、東京大賞典の中では結構速目の流れ。馬なりで4コーナー先頭に並びかけたのがフリオーソ。サクセスブロッケンとの手応えの差は歴然。内から外に切り替えてジリジリ伸びてきたのがカネヒキリ。内を突いたのが的場文ボンネビルレコード。更には勝浦アドマイヤスバルなども差を詰めてきましたが、それらを尻目に完封勝利を収めたのがフリオーソ。悲願の打倒カネヒキリ、ヴァーミリアンを果たしました。

【上位馬の寸評】
1着 フリオーソ
 今年に入り川崎記念でヴァーミリアンの2着。ところが3連覇を狙ったダイオライト記念で新星フサイチセブンに完敗の5着。年齢的にも現状維持が精一杯とみていたところ、かしわ記念では王者エスポワールシチーを本気にさせて2着と好走。評価が揺れるところですが、順調の強味と、最も持ち味が生きる大井の2000メートルで有力候補とみていました。レースは好スタートを決めましたが、内の内田博サクセスブロッケンがハナを主張したので無理せず外2番手から。折り合いはスムーズ。勝負処からの手応えが抜群で、4コーナーでは既に一杯加減のサクセスブロッケンを交わす勢い。あの流れで行って、上がり3ハロンはメンバー最速の37秒8。正に付け入る隙を与えぬ完勝でした。この日はプラス2キロの505キロ。この500キロちょっとくらいが、バランス的にちょうどいい感じ。いい汗をかいて適度な気合乗り。大物2頭に全盛期の力?ということもありますが、非常に中身の濃い走り。まだまだ衰えがないことをアピールしました。南関で孤軍奮闘、今後のG1路線での活躍を期待。

2着 カネヒキリ
 昨年のかしわ記念以来、約14ヶ月ぶりの出走。攻め馬はキッチリやっているとはいえ、御年既に8歳。半信半疑が正直なところでした。注目のパドックでしたが、失礼ながらこれが意外に好気配。プラス10キロの533キロでも全く太目感はありません。実際川崎記念を勝った際は同じ533キロです。気合乗り十分で威風堂々と周回する姿は以前と変わらず。あとはレース勘がどうかという点でした。レースは出たなりで先行。外枠から徐々に内に寄せて行ったところ、ちょうど馬群の切れ目でラチ沿いの6番手をゲット。流れを考えると理想的なポジション。実にスムーズな行きっぷりで、4コーナーでは内3番手まで進出。直線は外に切り替え、手応えほどは伸びませんでしたが、それでも渋太く2着に粘るあたりはさすが。奇跡の復活、夢よもう一度。このまま順調に行けば、再びビッグタイトルのチャンスが巡ってきそうです。

3着 ボンネビルレコード
 帝王賞、かしわ記念、日本テレビ盃を勝った古豪も既に8歳。JRAから返り咲き緒戦の大井記念はセレンの2着ですが、最近の指定交流好走では、意識的に先に行っても入着がやっとという状況。ここで上位に食い込んでくるとは、正直予想していませんでした。この日はマイナス5キロの483キロ。それほど目立つ気配ではありませんでしたが、落ち着いていたのは好材料。レースはスタート五分に出て内9番手から。うまい具合に前が開いて3コーナーあたりでは6番手に。最後の直線も内に突っ込んで正味目イチの競馬。一瞬2着があるかと思わせる大健闘でした。自分の時計だけ走ったとも言えますが、まだまだ衰えは緩やか。それとこの馬は、ジックリ構えた方が持ち味が生きるようです。南関限定の2000メートル以上の重賞レースならいつでも主役クラス。

4着 アドマイヤスバル
 重賞レース1勝は2100メートルの白山大賞典。2000メートルのブリーダーズゴールドCではスマートファルコンのレコード駆けの2着、フリオーソには先着。前走のかしわ記念(1600メートル)は1秒1差の3着ですが、2000メートルなら際どい勝負に持ち込む可能性もあるとみていました。この日はプラス7キロの511キロ。案外スリムな体型の馬でシャープな体付き。馬体増は好調の証と判断。毛ヅヤの良さも目につきました。レースはスタート躓き気味。勝浦騎手が気合をつけて行ったものの8番手から。3、4コーナーからマクって出て直線も外目に進路を。ジリジリ差を詰めて4着は、道中の運びを考えれば好走の部類でしょう。やはり長目の距離の方が合っている感じ。ただし、ゴール入線の際にトモを落としてバランスを崩しており、その影響がちょっと心配です。

5着 セレン
 強行軍で大井記念を使った後、少しレース間隔があいたので不安もありましたが、外見的にはいつも通りで、体をフックラ映して適度の気合乗り。とにかく芯の強い馬、そして好調期間が長い。レースは予想通りに石崎隆騎手がジックリ構えて追い込み勝負。人気薄の気楽さもあり当然の戦法です。それなりに流れに乗って追撃態勢に入りましたが、最後は同じ脚になり5着まで。やはりこの馬には時計が速過ぎました。昨年の東京大賞典では見せ場十分の4着でしたが、この時は2分5秒後半の決着。この馬がこのレベルの争いで一矢報いるとすれば、スローの瞬発力勝負になった際でしょう。

6着 スマートファルコン
 交流重賞10勝はいずれもG2、G3。果たしてG1のメンバーに入ってどうか、距離の2000メートルがどうかですが、昨年のブリーダーズゴールドC(2000メートル)ではフリオーソを競り潰してレコード勝ち。それを秤にすれば、楽に克服、通用可能。要は気分行けるかでした。当然この馬の逃げは十分に予想されましたが、内枠の先行2頭好スタート。特に内田博サクセスブロッケンが完全に行く気になっているので、内に寄せつつ3番手からの競馬。その並びで4コーナーまでは我慢が利いていましたが、最後の直線ではアラアラ一杯の脚いろで6着に敗退。初めての大井コースに戸惑ったのか。長目の距離で好走しているとはいっても、基本的にはスピードタイプで1600メートル以下がベターか。それと追って速い脚を使えるわけではなく、逃げた方が良さそう。この日はプラス6キロの500キロ。多少テンションが上がり気味なのはいつものこと。馬は非常に良く見せていました。

7着 マコトスパルビエロ
 昨年のJBCクラシック(1900メートル)でヴァーミリアンに頭差2着など長目の距離に強い馬。G1を勝つには基本的なスピード能力、絶対能力に欠ける気がしますが、2着くらいならあるかなとみていました。レースは安藤勝騎手が気合をつけて外5番手から。積極的に進めましたが、最後の直線では完全に脚いろ一杯になり7着。非常に活気がありいい雰囲気だった割に不甲斐ないレースぶり。G1では役不足ということでしょうか。距離、メンバーなど条件が揃えば、まだまだ活躍できる馬。

8着 サクセスブロッケン
 昨年12月の東京大賞典ではヴァーミリアンに競り勝ち優勝。好仕上がりと見えた割に呆気なく敗れた前走のかしわ記念が案外ですが、今のこの馬の場合は2000メートルくらいの方が合っていそう。中間の稽古も動いたとのことで、大賞典の再現に期待しました。この日はプラス2キロの527キロ。昔に比べれば見違えるほど落ち着いてきたし、馬体もひと回り成長。前走が前走だけに安心はできないものの、万全の仕上がりとみました。フリオーソ、スマートファルコンに行かせて3番手からという流れを予想していましたが、蓋を開けると内田博騎手がハナを主張。内枠で包まれるのを嫌ったのでしょう。多少速目のペースとはいえ、この馬の能力を持ってすればそれほど負担がかかるペースではなかったはず。それが2番手フリオーソに潰されて8着とは愕然。逃げが裏目に出たというよりも、デキが伴っていなかったとしか思えません。次の評価が揺ぎます。

9着 ヴァーミリアン
 ブッツケで帝王賞は昨年と同じパターン。ただし、あれから1年たって今年8歳。昨年12月の東京大賞典ではサクセスブロッケンに敗れ、年明けて川崎記念ではフリオーソを破り1着ですが、ちょっと手こずった感じも。稽古動かないタイプにせよ、直前の追い切りは今イチ。微妙に寄る年波が…。△は打ったものの、危ない人気馬とみていました。ただし、馬の気配は決して悪くありません。馬っぷりの良さは相変わらずだし、活気があり外見的には非常にいい。レースは出たなりで外7番手からの競馬。勝負処からマクって出て一旦は4番手まで上がったものの、いつもの前を呑み込むような勢いがありません。最後の直線は完全にバテて9着。G1路線での復活は難しいかも。

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